きままに読書★
読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
「ハサミ男」殊能将之(講談社文庫)
タイトルが秀逸。
ハサミ男がハサミ男に出会い、これで事態は終息へ……とは向かわず、
さらに新たな展開へ。
真剣な人の気持ちを弄んだり、試したりしちゃいけないよ、と思いつつ、
だからってそれが殺される理由にはならない。
逆に殺す言い訳にもならない。
そんな理由で!?と思った瞬間、ハサミ男も同じことを叫んでたよ。
とはいえ、そう言ったハサミ男に正当な理由があるわけでもない。
そんなんでも理由のある殺人は、まったく理由のない殺人よりは人間らしい気がした。
実はしっかりと仕事をしていた警察の皆々様。
捜査ってそうやって行われていくのねー、と、感心しつつも、ラスト、思いは複雑でした。
内容(「BOOK」データベースより)
美少女を殺害し、研ぎあげたハサミを首に突き立てる猟奇殺人犯「ハサミ男」。三番目の犠牲者を決め、綿密に調べ上げるが、自分の手口を真似て殺された彼女の死体を発見する羽目に陥る。自分以外の人間に、何故彼女を殺す必要があるのか。「ハサミ男」は調査をはじめる。精緻にして大胆な長編ミステリの傑作。
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「進撃の巨人 15」諌山創(マガジンコミックス)
「何が事実かを決めるのはこの戦に勝った奴だ」
理不尽だけど、争いの真理を表す言葉だと思う。
そして、人類の未来を守るため、その理不尽に徹底的に抗う調査兵団。
ボンクラかと思っていたリーブス商会の息子もまた、理不尽に抗する声を上げ、
市民が自らの意志で立ち上がる。
革命へと時代が流れる。
ピクシス司令もだけど、ザックレー総統のタヌキっぷりがカッコイイ(笑)
再び問われるエルヴィンの覚悟。
迷いなく突き進むリヴァイたち。
捕らわれのエレンが見た過去は……嫌な予感しかしない。
ああ、でも続きが気になって仕方がない。
破綻なくきっちり進んでいる物語展開。最後まで描きたいように描ききってほしいです。
内容紹介
巨人がすべてを支配する世界。巨人の餌と化した人類は、巨大な壁を築き、壁外への自由と引き換えに侵略を防いでいた。だが、名ばかりの平和は壁を越える大巨人の出現により崩れ、絶望の闘いが始まってしまう。
「図南の翼」小野不由美(新潮文庫)
「王の責務を正しく果たせるのか?」と、問われ、
「あたしにできるはずないじゃない!」と、叫んだ珠晶。
ここから珠晶が想いを爆発させるシーンは本当に好き。
文句を言うのも嘆くのもやるべきことをやってからではないのか?と、珠晶は問いかける。
誰もが自分さえ良ければいいと思っている限り、国の窮状は救えない。
彼女の言うことは間違ってはいない。
十二歳の子どもにここまで言わせてしまう大人の不甲斐なさ。
でも、可もなく不可もない現状に甘んじる心境も
なんとなく理解できてしまう自分がちょっとさみしかったりもする。
でも珠晶の周りには頑丘や利広のような大人もいる。
彼らと共に作り上げる恭国の未来は溌剌とした色をしているような気がします。
そして供麒と珠晶。なんだかとっても素敵なコンビだと思います(笑)
内容(「BOOK」データベースより)
恭国は、先王が斃れてから27年。王を失くした国の治安は乱れ、災厄は続き、妖魔までが徘徊するほどに荒んでいた。首都連檣に住む珠晶は、豪商の父をもち、不自由のない生活と充分な教育を受けて育った。しかし、その暮らしぶりとは裏腹に、日ごとに混迷の様相を呈していく国を憂う少女は、王を選ぶ麒麟に天意を諮るため、ついに蓬山をめざす。珠晶、12歳の決断。「恭国を統べるのは、あたししかいない」。
「風の万里 黎明の空 下」小野不由美(新潮文庫)
陽子、祥瓊、鈴。
三人の娘たちが人として成長していく様が描かれた物語。
特に王として自らのあり様を見出した陽子の凛とした様子は見事だった。
彼女たちだけではなく、圧政に屈せず、機会を伺い、獣のような施政者たちに
反旗を翻した虎嘯や桓魋たちの在り方もすごい。
読後に感じる爽快感と力強さは、彼らの気概と息吹そのもので、
自分もがんばろう、という思いにさせられる。
学ぶこと。知ること。己を顧みること。人のせいにしないこと。
読むたびに背筋が伸びる思いがします。
他国の様子も随分とわかってきたことだし、今後の物語の行方がとっても楽しみです。
内容(「BOOK」データベースより)
王は人々の希望。だから会いに行く。景王陽子は街に下り、重税や苦役に喘ぐ民の暮らしを目の当たりにして、不甲斐なさに苦悶する。祥瓊は弑逆された父の非道を知って恥じ、自分と同じ年頃で王となった少女に会いに行く。鈴もまた、華軒に轢き殺された友の仇討ちを誓う―王が苦難から救ってくれると信じ、慶を目指すのだが、邂逅を果たす少女たちに安寧は訪れるのか。運命は如何に。
「風の万里 黎明の空 上」小野不由美(新潮文庫)
いつまでも心に留めておきたい名言格言だらけの巻。
自分がかわいそうで仕方のない鈴。
自分の苦境をすべて人のせいにして嘆く祥瓊。
あまりにも自分のことしか考えていなかった二人が、
旅の途中で人々と交わる中で、少しずつ周囲に目を向けていく。
誰かのせいにして文句を言うことも泣くことも簡単だけれども、
そこから抜け出す努力をしなければ何も変わらない。
とはいえ、言うは易し、なんだよね。生きる、ということは本当に大変だ。
一方、自分が国の民のことを何も知らないことを誰よりもわかっている陽子は、
身分を隠して民の中へと分け入っていく。自国の民のことを知るために。
様々な柵を抱えた三人の少女たちの物語に自分を顧みながら次巻へ…
内容(「BOOK」データベースより)
人は、自分の悲しみのために涙する。陽子は、慶国の玉座に就きながらも役割を果たせず、女王ゆえ信頼を得られぬ己に苦悩していた。祥瓊は、芳国国王である父が纂奪者に殺され、平穏な暮らしを失くし哭いていた。そして鈴は、蓬莱から辿り着いた才国で、苦行を強いられ泣いていた。それぞれの苦難を負う少女たちは、葛藤と嫉妬と羨望を抱きながらも幸福を信じて歩き出すのだが―。
「In These Words 2」Guilt|Pleasure(ビーボーイコミックス)
前巻からの息苦しさを引きずったまま読み始め、まさかの展開に驚きました。
いや、本読んでてこんなにびっくりしたの久々(笑)
そして時間は一気に過去に遡ります。
一コマ一コマの二人の表情がとても豊かでいい。
特に浅野の表情が個人的ツボ。
大がかりな仕掛けはなぜ必要だったのか?
そして殺人鬼の正体は?
まだまだ波乱を含む展開を匂わせつつ、謎は全く解決しないまま次巻へ(笑)
最後に収録されていた短編はかわいらしかったけど、
この話はヒリヒリとした緊迫感を孕んだまま突き進んでほしいと思います。
引っ掛かりキーワードは「アンタはもう、誰も傷つけない」
展開が全く予測できないから、余計に続きが気になります!
内容紹介
精神科医・浅野克哉への警察からの極秘要請。それは、3年で12人を殺害した殺人鬼・篠原のプロファイリング。
しかもその任務は、殺人鬼からの逆指名だった。
任務の日から、浅野は悪夢にとりつかれる。夢の中、浅野は顔の見えない男に監禁され、犯されつづける。
交差する夢と現実。そしてある夜、ついに殺人鬼は牙を剥く――!
「In These Words 1」Guilt|Pleasure(ビーボーイコミックス)
密室空間での対話を繰り返す連続殺人犯と精神科医。
会話が進行するにつれ、増していく息苦しいまでの閉塞感。
そして込み上げる焦燥感。
ナイフが皮膚を抉る感触と、流れ出る生温かな血の匂いが、リアルに迫ってくる。
逃げ場のない空間で混在する夢と現。
境目が揺らぎ、混乱する意識。
そして、息を呑む。捉えられる、その瞬間に。
ストーリーに引きずられ、気持ちが休まる瞬間のないまま、
頁を捲る手が最後まで止まらない。
物語的にはまだ序章……なのかな?
ドキドキしながら次巻へ……
基本的にエログロ平気なんだけど、この巻を買って読んだ時はメンタルが弱っていたので
どうしても続きを読む気に慣れずに手放してしまいました。
今回おともだちのおススメで2巻と一緒に再び手にしたわけですが……
放棄した自分を罵りました。
これは2巻まで読まないと絶対だめです!←断言(笑)
1巻で止まってるなんて、もったいないことをしました。
というわけで、お友達に感謝です!
内容紹介
精神科医の浅野克哉は、悪夢に悩まされていた。
――それは顔の見えない男に監禁され、犯され、「愛している」と囁かれつづける夢。
夢と現実との接点を持つ、連続殺人犯が現れたときいつしかその夢は現実との境を越える――
連続殺人犯に魅入られた精神科医の運命とは!?
「東の海神 西の滄海」小野不由美(新潮文庫)
国が荒めば生活が荒む。
生活が荒めば、人心も荒む。
荒廃しきった国の王として即位した尚隆。
国が平穏取り戻しつつある中、王としての在り方を雁の国の人々と共に考えさせられた。
民のいない王に何の意味がある?
かつて、民をなくした尚隆だからこそ、身を切るような思いで叫んだ言葉。
今度こそ国を守る。民を守る。
そんな思いが痛いほど伝わってくる。
反して、斡由のような輩が求めるものは、民の安寧ではなく権力欲と自己顕示欲。
他者よりも高みにあることが、そんなにも得難いことなのだろうか?
親が子を捨てずにすむ豊かな国。
尚隆がそんな国を築き上げることを知っていることが、とてもうれしい。
それにしても……「これが雁を滅ぼす王だ」
初読の時から20年。意味深ワードがずっと気になって仕方ないのですが~><
内容(「BOOK」データベースより)
延王尚隆と延麒六太が誓約を交わし、雁国に新王が即位して二十年。先王の圧政で荒廃した国は平穏を取り戻しつつある。そんな折、尚隆の政策に異を唱える者が、六太を拉致し謀反を起こす。望みは国家の平和か玉座の簒奪か―二人の男の理想は、はたしてどちらが民を安寧に導くのか。そして、血の穢れを忌み嫌う麒麟を巻き込んた争乱の行方は。
「風の海 迷宮の岸」小野不由美(新潮文庫)
幼いながらも自分の運命から目を背けず、その役目を果たそうとする泰麒。
麒麟として自分は何を成すべきか。成さねばならぬのか。
わからないなりに必死に理解し、努めようとする泰麒の一生懸命さが愛おしくて切ない。
蓬山では誰もがやさしいけれども、誰も彼を10歳の子どもとしては扱ってはくれない。
堪えていた母への想いが溢れ出す場面には思わず涙ぐんでしまった。
驍宗と出逢ってからの泰麒の葛藤と苦悩が胸に刺さる。
泰麒に屈託のない笑顔が戻ってきてよかった。
主人公と他者との会話で、この世界の成り立ちや仕組みが読み手側にもすんなりと入ってくる。
その手法はすごいなぁ、と思います。
景麒、延麒、泰麒。並び立つシーンが煌びやかで好き。
そして悪玉にひたる延王が大好きです!
内容紹介
幼(いとけな)き麒麟に決断の瞬間が訪れる──神獣である麒麟が王を選び玉座に据える十二国。その一つ戴国(たいこく)麒麟の泰麒(たいき)は、天地を揺るがす<蝕(しょく)>で蓬莱(ほうらい)(日本)に流され、人の子として育った。十年の時を経て故国(くに)へと戻されたが、麒麟の役割を理解できずにいた。我こそはと名乗りを挙げる者たちを前に、この国の命運を担うべき「王」を選ぶことはできるのだろうか。
「月の影 影の海 下」小野不由美(新潮文庫)
知識は己の身を守る術となり、成長の糧となる。
誰かを信じることは己の身を救うことにもなる。
楽俊との出会いは陽子にとってあらゆる意味で僥倖だった。
頑なだった心がほどけていくにつれ、
世界は彼女にとって厳しいだけのものではなくなっていく。
だが、世界を知れば知るほど、陽子に突きつけられる現実も見えてくる。
16歳の少女に課せられた覚悟と決断は、とてつもなく重い。
楽俊の態度が畏まった時は、陽子と一緒に私も悲しくなった。
王に王たる資質があるかないかを決めるのは、
王本人ではなく、施政下にある民であり、後世の語り手たちだ。
彼女のこれからに大いに期待したい。
楽俊のモフモフ感には本当に癒された(笑)
そして神頼みも運もないということを語る楽俊と陽子の対話がすごく好き。
結果を望むならそれに見合う努力をすること。
うん。肝に銘じます。
内容(「BOOK」データベースより)
「わたしは、必ず、生きて帰る」―流れ着いた巧国で、容赦なく襲い来る妖魔を相手に、戦い続ける陽子。度重なる裏切りで傷ついた心を救ったのは、“半獣”楽俊との出会いだった。陽子が故国へ戻る手掛かりを求めて、雁国の王を訪ねた二人に、過酷な運命を担う真相が明かされる。全ては、途轍もない「決断」への幕開けに過ぎなかった。