きままに読書★
読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
「テロリストのパラソル」藤原伊織
【きょう、友だちをなくした】
いま在るこの場所は、必ずしも、自分が思い描いていた通りの場所ではないかもしれない。
だが、そこでどう生きるかは、自分次第だ。
その結果が桑野にとってはテロであり、破滅であった。
島村も浅井も、望んでこの場所に流れ着いたわけではないだろう。
だが、彼らは奥底に熱いものを抱えたまま、自分なりの矜持を持って生きている。
島村の静かな生活は、桑野によって掻き回された。
だが、彼は桑野に対して恨み言は言わないだろう。
浅野も然り、だ。
この二人のコンビ(?)好きだなぁ…
渇いた文体で描かれる男たちの世界。
暫し浸っていたい心地よさです。
藤原伊織再読祭り。ここから開幕です
内容(「BOOK」データベースより)
アル中のバーテン・島村は、ある朝いつものように新宿の公園でウイスキーを呷った。ほどなく、爆弾テロ事件が発生。全共闘運動に身を投じ指名手配された過去を持つ島村は、犠牲者の中にかつての仲間の名を見つけ、事件の真相を追う―。乱歩賞&直木賞を史上初めてダブル受賞した傑作。
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「悪の経典 下」貴志祐介(文春文庫)
中学生の時の殺人は看破され、アメリカでの悪事も露呈した。
ばれてますよ?イロイロ。
自分が思っているほど完璧でも天才でもないことに、気づかないお馬鹿さん。
そんな蓮実の犠牲になった人たちに対しては、言葉もありません。
ギリギリのところで生き延びた雄一郎と怜花。
でも、彼らが心から笑える日が来るのはいつだろう?
蓮実には共感も同調もできなくていいし、そもそも彼には感情が欠落しているから
こちらの感情が揺さぶられるわけもない。
極限状態の中にあっても、自分が助かる道を探るためにクラスメイトを犠牲にした渡会の方が
その心理がわからなくもないだけに、嫌な気分にさせられた気がする。
以下辛口。
→
せっかく読んだけど、残念なくらい読後に何も残らない話でした(苦笑)
内容(「BOOK」データベースより)
圧倒的人気を誇る教師、ハスミンこと蓮実聖司は問題解決のために裏で巧妙な細工と犯罪を重ねていた。三人の生徒が蓮実の真の貌に気づくが時すでに遅く、学園祭の準備に集まったクラスを襲う、血塗られた恐怖の一夜。蓮実による狂気の殺戮が始まった!ミステリー界の話題を攫った超弩級エンターテインメント。
「悪の経典 上」貴志祐介(文春文庫)
蓮見の殺人の動機は、我儘を押し通す子供のような幼稚な思考に基づいている。
気に入らないものは排除してしまえばいい。
邪魔になるものは壊して捨ててしまえばいい。
そうして思いついた殺人を実行出来るだけの知能と幸運を備えていたことが、
巻込まれた人たちにとっての不幸だった。
蓮見の築き上げようとしている王国は、いびつに歪んだ砂の城。
一見、完璧に積み上げられているようでも、生じた綻びから一気に瓦解する脆さを持っている。
既に彼の異質さに気付いている人たちがいる。
彼の小さな王国はこの先どうなるのか?
とりあえず次巻へ。
表紙のカラス。
何かの象徴なのかしら?と思ったら、まさかあんな目にあわされているとは(ФωФ)!
内容(「BOOK」データベースより)
晨光学院町田高校の英語教師、蓮実聖司はルックスの良さと爽やかな弁舌で、生徒はもちろん、同僚やPTAをも虜にしていた。しかし彼は、邪魔者は躊躇いなく排除する共感性欠如の殺人鬼だった。学校という性善説に基づくシステムに、サイコパスが紛れこんだとき―。ピカレスクロマンの輝きを秘めた戦慄のサイコホラー傑作。
「ロッセリーニ家の息子 継承者 下」岩本薫(ルビー文庫)
跡継ぎ問題はこれ以外ないよねぇ、という形での決着。
物語的にはこの上ない大団円。
ひたすら楽しかった(笑)
懸念事項がなくなったあとのみんなの話はのびのびしてて和気藹々で、しかも糖度MAX。
パジャマトークも可愛かったし、ひたすら飲み続けての下世話なトークも面白かった。
ガルガル唸りあった後に瑛と礼人に引きずられていく肉食獣レオとエド……素敵(笑)
野外で我慢できなくなったマクシミリアンには、アナタ幾つですか?と突っ込み。
書き下しだけでも文庫を買う価値が十分にあると思います。
シリーズ通して楽しませていただきました。
皆様どうぞ、お幸せに。
内容(「BOOK」データベースより)
誰が何を言おうが、俺たちの仲を引き裂くことはできない―それぞれの秘密を告げ合ったロッセリーニ家の三兄弟・レオナルド、エドゥアール、ルカ。家族の絆と最愛の恋人たちとの愛情の狭間で揺れる彼らに与えられた試練、その結末とは―。岩本薫が贈る人気シリーズ「ロッセリーニ家の息子」文庫版第5弾後編。単行本収録の番外編2編に加え、ファン待望の各カップルの後日談を描いた100ページ超の大ボリューム書き下ろしを同時収録!メガヒットシリーズ、感動のクライマックス。
「ロッセリーニ家の息子 継承者上」岩本薫(ルビー文庫)
三組の恋人たちの、甘く愛に溢れる逢瀬から始まる物語。
幸せな気持ちでふわふわしていると、一転して、深刻な現実を突きつけられることになる。
古くからの歴史を持つ一族の後継者問題。
それぞれの苦悩、それぞれの恋愛感。そして愛を貫くという揺るぎない想い。
悪いようには転がらないよなぁ、と思いつつ。
自分たちの恋愛を「罪」と捉えざるを得ない状況が切ない。
マクシミリアン・瑛・礼人の三者会談(?)の様子が個人的には好き。
番外のダンテの働きっぷりがひたすら愛おしかった(笑)
本当に彼はロッセリーニ家の人たちが大好きなんだね。
内容(「BOOK」データベースより)
新年を迎え、シチリアのマフィア一族・ロッセリーニ家の本邸“パラッツォ・ロッセリーニ”に久々に集う三兄弟―レオナルド、エドゥアール、ルカ―とその最愛の恋人たち。数々の苦難を乗り越えて幸せを掴んだ彼らだったが、レオナルドが「秘密」をエドゥアールに打ち明けたことを発端に、兄弟の絆が揺らぎ始め…。岩本薫が贈る極上のラブ・ロマンス「ロッセリーニ家の息子」シリーズ文庫版第5弾前編。三兄弟を長年見守り続ける執事・ダンテ視点の書き下ろしを同時収録。
「機龍警察 自爆条項 下」月村了衛(ハヤカワ文庫JA)
すべてを失ってしまってはじめて気づく幸せ。守られていた自分。
けれども、一度血塗れた道を歩み始めてしまったからには、後戻りはできない。
それも、自らの意志であり、選択である。
戦いつづける日々に安寧はない。
だが、今のライザは孤独であったとしても、独りではない。
特殊な立場にある姿、ユーリ、ライザ。
そんな自分たちを仲間であり仲間でない、と、自問するユーリ。
「俺たちを撃てるか?」とユーリに問われ「撃つ」と躊躇いなく答えるその口で、
珈琲のおかわりを訪ねる姿の抱える闇も、相当に深い。
警察内部に巣食う実態のつかめない「敵」は、確実に身近にいる。
ドロリとした不穏な気配を拭えぬまま、次作へ。
警察官の誇りを貫こうとしている特捜部のみんなの努力が真に報われる日が来るといい。
それにしても……
副題の「自爆条項」の意味が明らかになった時は思わずうなるしかなかった。
内容(「BOOK」データベースより)
ライザ・ラードナー、警視庁特捜部付警部。そして元テロリスト。自らの犯した罪ゆえに彼女は永遠の裏切り者となった。イギリス高官暗殺と同時に彼女の処刑を狙うIRFには“第三の目的”があるという。特捜部の必死の捜査も虚しく国家を越える憎悪の闇が遂に見せる最後の顔。自縄自縛の運命の罠にライザはあえてその身を投じる。過去と現在の怨念が東京迷宮で狂おしく交錯する“至近未来”警察小説、慟哭と死闘の第二弾。
「機龍警察 自爆条項 上」月村了衛(ハヤカワ文庫JA)
【愛国者であるということと、誇りを抱いて生きるということはまた別だ】
日本警察に中国黒社会、そしてアイルランドのテロ組織。
過去と現在を織り交ぜながら語られる物語に強烈に引きつけられる。
事件を描きながらも、相変わらず「人間」が深く掘り下げて描かれているのがいい。
それぞれが抱えた想いがあり、柵がある。
だから彼らに寄り添える。
日本警察に属する<傭兵>ライザの過去が、息が詰まるほどに重い。
血筋だけで投げつけられてきた侮蔑や憎悪。
だが、窮屈で生き辛い環境に身を置きながら、父は叫ぶ。
「ライザには自由が必要だ」と。
息苦しいその世界での生が、彼は自由だという。
真実を知り得ることが自由だと感じたライザが飛び込んだ世界で何を見たのか。
この巻では語られてはいない。
事件を巡っての駆け引きや腹の探り合いも相当おもしろい。
そして前作の延長に今作がある。
最後の沖津の言葉に捜査員たちと同じように総毛立ちながら、下巻へ。
ものすごいわくわくする。
内容(「BOOK」データベースより)
軍用有人兵器・機甲兵装の密輸事案を捜査する警視庁特捜部は、北アイルランドのテロ組織IRFによるイギリス高官暗殺計画を察知した。だが特捜部には不可解な捜査中止命令が。首相官邸、警察庁、外務省、そして、中国黒社会の暗闘。やがて、特捜部の“傭兵”ライザ・ラードナー警部の凄絶な過去が浮かび上がる。世界標準のスケールと圧倒的リアリティを持ち極限にまで進化した“至近未来”警察小説、戦慄と驚愕の第二弾。
「ハイキュー! 14」古舘春一(ジャンプコミックス)
烏野vs和久南。
負傷して戦線離脱することを余儀なくされた大地さん。
大黒柱を欠いての試合で、それぞれが自分に何ができるのかを考え、口に出して伝え、
チームとして戦っていく姿には、一試合の中でも彼らの成長が垣間見られ、
なんだか頼もしさを感じます。
日向のフライングレシーブからカウンターまでの流れがとても好き。
合宿の成果をこうして見られるって、いいね。
たった一言で縁の下を奮い立たせるノヤっさんは相変わらずオトコマエ。
「自分がいなくても大丈夫」と大地さんに思わせる試合をした彼らだけれども、
やっぱり大地さんの姿に安心する様子が微笑ましい。
勝ち試合の後に噛みしめる悔しさ。不甲斐なさ。
それがあるからこそ、彼らはもっと強くなれる。
個人的には青葉城西の動向がとっても気になるので!
早く次巻が読みたいです☆
「流れ星が消えないうちに」橋本紡(新潮文庫)
とても綺麗な喪失と再生……というより、喪失と新しい始まりの物語。
加地と奈緒子と巧とで描かれた三角形。
それは加地が生きている時も亡くなった後も変わらない形。
加地の死という辛く悲しい出来事はあったけれども、
彼らの描く三角形が、とてもかわいらしくて微笑ましかった。
流れ星に願った巧の願い事になんだかきゅんとた。
若者独特の感性を、綺麗に書かれているなーという印象。
個人的には父の悩みと、母との関係がとっても気になるところ。
お父さんの夢へのチャレンジ権、是非与えてあげて欲しいなぁ……
彼らと同じ年代の頃に読んだら、より色々な揺さぶられ方をしたんだと思う。
内容(「BOOK」データベースより)
忘れない、忘れられない。あの笑顔を。一緒に過ごした時間の輝きを。そして流れ星にかけた願いを―。高校で出会った、加地君と巧君と奈緒子。けれど突然の事故が、恋人同士だった奈緒子と加地君を、永遠に引き離した。加地君の思い出を抱きしめて離さない奈緒子に、巧君はそっと手を差し伸べるが…。悲しみの果てで向かい合う心と心。せつなさあふれる、恋愛小説の新しい名作。