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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「逃走」 薬丸岳(講談社文庫)



【相手がどんなに手を放そうとしても、
 おまえが絶対に放さなければお互いにひとりぼっちにはならない】

明確な殺意を抱いていなくとも、罪を犯してしまう人たちがいる。
この物語で罪を犯した人たちは、皆、家族のために手を汚さざるを得なかった。
それが、哀しい。
どんな事情があっても、犯した罪は償わなくてはならない。
だが、その前にどうしても母親を探し出したかった裕輔。
そのための「逃走」。
そして、彼の切なる思いは、思いもよらない真実を皆に知らしめることになる。
すべては、妹を守るため。
一生彼女に会えなくなることを覚悟した裕輔に、
自分は守られるだけの存在じゃないと叫んだ彼女の想いがしっかりと伝わっていると、信じたい。

内容(「BOOK」データベースより)

死んだはずのあの男がいた。小さかった妹とふたりで懸命に生きてきた21年間はなんだったんだ?傷害致死で指名手配されたのは妹思いで正義感が強い青年。だが罪が重くなるとわかっていても彼は逃げ続ける。なんのために?誰のために?渾身の全面大改稿、ほぼ書下ろしの秀逸ノンストップ・エンタメ!



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「かわいくないひと」キャラ文庫(菅野彰)



透明で純度の高い切なさとやさしさ。そして痛みと愛しさ。
ちりばめられた繊細な感情が痛くて心地よくて。
読後に思わず吐息がこぼれました。もちろん満足の吐息☆
どこか浮世離れした雨宮の人生に深い影響を与える二人の男、深海と瀬尾。
全く違うアプローチで雨宮の人生に関わろうとして、結局は瀬尾が雨宮に寄り添うことになる。
閉じた世界での安寧ではなく、開かれた世界での幸い。
一方的だと思い込んでいた瀬尾の想いを雨宮がきちんと汲んでくれていて、
雨宮もまた瀬尾を思ってくれていたことがうれしかった。
瀬尾も懐の広い男だと思うけど、年齢も下の名前もわからなくとも、
瀬尾という存在を受け入れて愛した雨宮もまた、実はすごいと思ったわ(笑)

やっぱり私、菅野さんの描く世界が大好きです!


内容(「BOOK」データベースより)

口が悪くて暴君なのに、どうしてデザインは美しいんだろう―。建築デザイナーの友也が密かに想いを寄せるのは、3歳年上の先輩・雨宮・天才肌の才能と繊細な美貌を併せ持つ、友也の仕事上のパートナーだ。けれど雨宮は自分の才能に無関心で、信頼している同期の意見にしか耳を傾けない。雨宮の作品にも惚れている友也は、嫉妬と悔しさで毎日辞めてやると思いつつ、傍を離れられなくて!?

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「ジャイアントキリング 32」ツジトモ(モーニングコミックス)



達海も不破も。どちらのチームの選手たちも。
誰しもが勝つために戦っている。
そんな思いがひしひしと伝わる巻だった。
「見せつけてやろうよ。強くなるために変わったんだってこと」
有里の頼もしい言葉の直後の夏木のゴール。
サポーターと一緒に盛り上がったところで次巻へ。
うわー。待ち遠しい。

雨の試合できちんとプレイヤーとしてフィールドに立っているジーノの姿に感無量(笑)
ジーノの脳内イメージを違えず翻訳した夏木はさすがです。

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「ミントのクチビル」崎谷はるひ(ルチル文庫)




砂糖菓子みたいにふわふわした桜哉と見た目は王子様だけど、意外と短気で喧嘩っ早い邦海。
ロクでもない男を好きになったという共通項も、
そのおかげで出会えたと思えばマイナスにはならないよね。
桜哉が徹底的に甘やかされる、糖度マックスなお話でした(笑)
いや、もう、ホント甘々。
そして邦海が正しく美形王子様。
ショートで入っていた伊勢と昭生の話良かったなー。
この大人カプ、やっぱ好きだわ。

内容(「BOOK」データベースより)

夢見がちな姫路桜哉は、初恋の人・徳井にはじめてを捧げた朝、当の徳井から心身ともに傷つけられる。そこへ颯爽と踏み込んでかばってくれたのは、その瞬間まで徳井の恋人だった小島邦海。彼は徳井に絶縁を突け付け、桜哉には優しいキスをくれた。王子様のような邦海から大切にされ、自分がいかに酷く扱われてきたかを思い知った桜哉は、まずはお試しで邦海とつきあうことになり…。

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「午後からはワニ日和」似鳥鶏(文春文庫)



登場人物が個性的で魅力的。
桃君と服部君は二人セットの会話が面白い。
鴇先生のかっこよさは憧れるなー。
とはいえ。
他人様の家にピッキングして勝手に上り込むのは無謀極まりないと思う。
不法侵入だし、何より相手が悪人なら危険極まりないわけだし。
感情的には動物は盗まれるより殺される方が罪が重いと思ってしまうけど、
法律的にはそうじゃないんだね……
日常の中でこんなふうに知らないことってたくさんあるんだなーと
自分の知識不足を顧みてしまった。
飼育員さんたちの動物たちに対する愛情があふれている作品でした。


内容(「BOOK」データベースより)

「イリエワニ一頭を頂戴しました。怪盗ソロモン」凶暴なクロコダイルをどうやって?続いて今度はミニブタが盗まれた。楓ヶ丘動物園の飼育員である僕(桃本)は解決に乗り出す。獣医の鴇先生や動物園のアイドル七森さん、ミステリ好きの変人・服部君など、動物よりもさらに個性豊かなメンバーが活躍する愉快な動物園ミステリ。

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「冬の旅」立原正秋(新潮文庫)



とても美しい日本語を紡ぐ作家だと思います。正統派な美しさ。

10代の頃に読んだ時は完全に主人公・行助に傾倒し、彼に対する扱いを不当だと感じ、
ひたすら憤り、彼のたどった運命にやるせなさを感じて号泣しました。
改めて読み返してみると、あまりにも凛とした精神は、
時に他者を追い詰めるものなのかもしれないと、
また違ったやるせなさを感じて胸が痛くなりました。
とはいえ、彼は間違ったことはしていない。
それなのに、何故?と、彼の運命のあまりの理不尽さにやりきれなくなるけれども、
彼は自分の生き方に決して後悔はしていない。
運命を受け入れた彼の在り方もまた、静謐にすぎるほどで、なおさら胸が痛くなる。

できれば若い方に読んでいただきたい本。
自分の内面を見つめ直す、良いきっかけになる本だと思います。


内容紹介

美しく優しい母を、義兄修一郎が凌辱しようとした現場を目撃した行助は、誤って修一郎の腿を刺して少年院に送られる……。母への愛惜の念と義兄への復讐を胸に、孤独に満ちた少年院での生活を送る行助を中心に、社会復帰を希う非行少年たちの暖かい友情と苛烈な自己格闘を描き、強い意志と真率な感情、青春の夢と激情を抱いた若い魂にとって非行とは何かを問う力作長編。

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「ヒマワリのコトバ」崎谷はるひ(ルチル文庫)



【ひとは、間違う。でも、反省してもう一度やっていくことは、
 やり直すことは、自分がそうと決めていればできるはずだから。
 あきらめさえしなければ】

こじれてしまった関係は切り捨ててしまうのが一番簡単で、
けれどもバッサリと切ってしまえないところに深い情が絡む。
だから苦しいし、傷つくし、やりきれない。
本当に壊れる寸前までこじれた伊勢と昭生の関係だったけど、
きちんと相思相愛になれてよかった。
諦めないでずっと昭生の傍に居続けた伊勢に、
何故か私もありがとうと言いたくなりました。(笑)
喜屋武はギリギリのところで道を踏み外さずにすんだけど、
周囲に恵まれずに転落していく人もいるんだろうなぁ、と思うと、ちょっと悲しい。
ああ、そして、滋さんもまた報われない人だった><

内容(「BOOK」データベースより)

カフェバー「コントラスト」のマスター・相馬昭生と弁護士の伊勢逸見。高校時代、恋人同士だった二人だが、伊勢が昭生にとって自分は“誰かの身代わり”なのではと疑ったことから徹底的に破局してしまう。以来十年、伊勢を許せずにいるのに体は繋げ、微妙な関係を続ける昭生。そしてそんな昭生のそばにいる伊勢。すれ違ったままの二人は…。

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「オレンジのココロ」崎谷はるひ(ルチル文庫)



致し方ない部分はあるよねぇ、と、前置きしたうえで。
相馬家の大人、子供ほったらかしてイロイロダメすぎでしょ!
伊勢弁護士。守秘義務どうした?
と、突っ込むところ、ざっくり二点。
とはいえ、お話は楽しく読めました。
ギリギリまでひとりで踏ん張っていた朗のことをちゃんと見ていてくれた栢野がいて。
全力で助けてくれる友達がまわりにいて。
ひとりじゃないんだよ?ひとりで頑張らなくていいんだよ、ということを
朗に気づいてもらうことができてよかった。
個人的に「先生も冲村と同じ人種ですか?」っていうシーンがすごく好き。
冲村が犬なら栢野は虎とか豹のイメージ。
カテゴリー違うけど、なんとなく(笑)


内容(「BOOK」データベースより)

総合美術専門学校に通う相馬朗は、デザイン科イラストレーション専攻の二年生。アイドルのような可愛い顔に小柄な体、しかし気は強い相馬はまだ恋を知らない。そんな相馬が気になるのは、爽やかで学生からも人気の高い担任講師・栢野志宏。相馬の就職のことで意見がぶつかりながらも、過去に何かを抱える栢野が気にかかり…。

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「パンダ銭湯」tupera tupera(絵本館)



パンダの親子が銭湯にいって、ほのぼのしくお風呂にはいるお話かと思いきや!
パンダの生態の斜め上どころじゃないところにぶっ飛んだ、衝撃的(笑撃的)なお話でした。
「パンダ以外入店お断り」に大納得。
よくよく見ると描かれている小物がとっても愉快で楽しい。
サササイダーとか、しろくろつけようぜ!パンダワックス、とかね。
好きだなー、この遊び心。
パンダ以外の動物さんの銭湯も是非覗いてみたい気持ちになりました。
楽しかった!


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「不夜城」馳星周(角川文庫)



【おれはおまえを連れていきたい。おまえが望む場所にだ。
 だけどな、そんな場所はどにもないんだよ】

愛しさを感じた女を信じることができなかった男。
助けを求めてすがった男を信じられなかった女。
唯一の拠り所は自分自身。行きつく先は、喰うか、喰われるか。
常に一手先を読み、保険をかけておかなければ明日につなぐことのできない命。
それでも信頼に値しない相手。掬われる足元。
裏切りと計算の渦巻く殺伐とした世界に身を置く者たちの末路は憐れでもあり、物悲しくもある。
彼らにとってのやすらぎとは、愛情とは、いったい何なのか。
問いかけてみたところで返ってくるものは、空しさだけだった。


内容(「BOOK」データベースより)
新宿・アンダーグラウンドを克明に描いた気鋭のデビュー作!おれは誰も信じない。女も、同胞も、親さえも…。バンコク・マニラ、香港、そして新宿―。アジアの大歓楽街に成長した歌舞伎町で、迎合と裏切りを繰り返す男と女。見えない派閥と差別のなかで、アンダーグラウンドでしか生きられない人間たちを綴った衝撃のクライム・ノベル。

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