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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「ベルサイユのばら 4」池田理代子(集英社文庫)

映画を観て泣いた記憶が真新しいからこそ、かろうじて泣かずに済んだ4巻。
ああ、でも胸が震える。
1789年7月。
貴族と市民の対立はもはや不可避で、
フランスは革命の気配を色濃く帯びていく。
一日先の未来すら予測できない状況の中で、
お互いに対する想いを伝えあうことのできたオスカルとアンドレ。
「生まれてきてよかった」
この言葉が心から嬉しく、彼らの置かれた状況がとても哀しい。
この時代、この状況下でなければ結ばれることはなかったんだろうなぁ。
祖国フランスを見捨てることのなかったオスカルの決意。
そして迎える7月14日。


オスカルがナポレオンとすれ違うシーンが強烈に印象的。
既に『エロイカ』を執筆することが頭にあったんだろうなぁ、
と、今なら思える。

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「ベルサイユのばら 3」池田理代子(集英社文庫)

ままならぬ恋に身を焦がし、
叶わぬと知りつつも諦めることのできない想いに苦悩する彼らの想いが切ない。
市民の生活を知り、彼らの困窮を目の当たりにしたオスカルは、
貴族という立場にありながらも、次第に彼らに寄り添っていく。
近衛隊から衛兵隊の隊長となったオスカルと、彼に反発する部下たち。
オスカルの「立場」だけしか見ていなかった彼らが
オスカル自身を認めるシーン、好きだなぁ。
ここにきてアンドレとオスカルの関係にも変化が。
先読みのできない貴族の後追いもあって、社会情勢は不穏な方へ。
「おなじ人間なのにな」
この言葉、重いね。

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「ベルサイユのばら 2」池田理代子(集英社文庫)

自分を取り巻く人たちの耳触りの良い言葉だけを聞いていたら、
それはとても心地よいかもしれないけど、真実は見えなくなる。
真っ向から向き合わねばならなかった真実に蓋をし続けたアントワネット。
そういった声をはねのける強さがあれば、少しは未来が変わったのだろうか?
現代ではフェイクニュースや誹謗中傷はSNSであっという間に拡散されてしまうけれども、
通信手段の発達していなかった当時は確証のないデマや噂話が人から人へと広まっていき、
いつしかそこに主観が入り、真実が捻じ曲げられてしまう怖さがある。
アンドレの髪型にやっと違和感がなくなったラスト。


アメリカの独立戦争にまで話は広がり、作品世界のスケールの大きさに驚く。
でも、作中でルイ16世の政治的もしくは政策的な側面にはほぼ触れらないんだよね。
あくまでもアントワネットとオスカル視点の物語。
劇場版のキャッチコピーにある通り「愛と運命の物語」なのです。

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「ベルサイユのばら 1」池田理代子(集英社文庫)

映画を観た勢いで文庫本再読。
1972年から連載が開始した作品。
今読んでも全く色褪せない面白さ。
そして2025年に劇場アニメ化。すごいね。
革命へと向かううねりの只中にある激動の時代のフランスと、その時代のフランスを生きた
マリー・アントワネットとオスカル・フランソワ、二人の女性の物語。
贅を尽くした宮中で暮らし、国民の生活を知ろうともしなかったアントワネット。
国の未来を案じ、自らの目で国民の生活を確かめに赴いたオスカル。
この違いは後に顕著に表れることになる。
作中のきらびやかなドレスを真似して描いていた少女時代。
覚えがある方はいるはず。


単行本で読んで、愛蔵版で読んで、文庫で読んで。
結局手元にあるのは文庫だけど、改めて読み始めて、え?めっちゃ字が細かいんですけどー!
と、私的には年数がたったが故の弊害。(笑)
『ベルサイユのばら』『マリーベル』『ラ・セーヌの星』が
私の中でのフランス革命の基礎知識の礎。

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「デルフィニア戦記第四部 伝説の終焉6」茅田砂胡(中公文庫)

シリーズ最終巻。
ずっとずっと一緒にいられたらよかったのに。
だけど、今のウォルには背負うもの賀沢山ありすぎて、
自由戦士であった頃のようには生きられない。
そしてリィにも帰らなければいけない理由がある。
そしてルウやリィの力の在り様を目の当たりにすれば、
やはりこの世界とは相容れない何かが滲む。
「楽しかったな」
泣き笑いのような思いでウォルの言葉を噛みしめる。
うん。
私も楽しかった。
寂しいけど、ホント楽しかった。
魅力的な彼らに出会えた幸せを噛みしめつつ本を閉じる。
「またね」
そう、つぶやきながら。

再読らしからぬ勢いで読んでしまった。
だって楽しかったから。(笑)
そして一度読んだだけだと大枠は覚えていても、
細かいところは抜けてるから
あたかも初読であるかのようなわくわく感がある。
めっちゃ楽しかった!
三冊ある外伝はちょっと間を開けて読もうかな。
少し余韻に浸っていたい。



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「デルフィニア戦記第四部 伝説の終焉5」茅田砂胡(中公文庫)

囚われの身となったリィを奪還するために奔走するデルフィニアの人々。
リィを救うために一国の王であるウォルの単独行動は彼らしくて、
リィと出会った頃を思い出す。
だけど、当時と決定的に違うのは、彼がひとりではないということ。
心強いね。
奪還劇には人知を超えた力が炸裂し、若干ぽかーんとなりつつも、
それを納得させるだけの布石はこれまでに打たれている。
イヴンがウォルを容赦なく締め上げるシーン、めっちゃ好き。
ちょっと緊張感のあるルウとバルロの会話も好き。
イヴンとバルロがウォルの傍にいる限り、デルフィニアは安泰だと思う。

さて。
次でいよいよ最終巻。
え、はやーい。
再読なのにあたかも初読であるかのようにガツガツ読み続けてしまったわ。
家の中にこもりがちな冬場だからこそ。


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「デルフィニア戦記第四部 伝説の終焉4」茅田砂胡(中公文庫)

リィと出会い、リィの全てを受け入れ、
リィと共に歩んできたウォルだからこそ。
リィを探してこの世界に訪れた、素性の知れないルウとの和やかな会話が成り立つ。
ウォルの規格外の度量の広さはここでも遺憾なく発揮されている。
シェラは自身の過去を清算し、この先歩むべき道を己の手で切り開く。
成長したね。
生きようとする意志がヴァンツァーにもあったら、
違った結末があったのだろうか?
囚われの身となったリィを救うべく、ウォルは友人たちを巻き込んだ、とんでもない奇策に出る。
麻袋が出てくると思わずワクワクしてしまう。
今までいろんなもの(?)が入っていたからね。

一月は一日一冊レビューを上げてきたけど。
ここで途切れれしまった……けど、それで良し。
「レビューを上げなきゃいけない」って気持ちになると楽しくないからね。
読みたいときに読みたい本を読む。
それがベスト。

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「デルフィニア戦記第四部 伝説の終焉3」茅田砂胡(中公文庫)

「人脈は立派な力だ。時には金脈以上の力だ」
デルフィニアの勝利に大いに貢献したイヴンに対する王からの言葉だけど、
これ、仕事にも当てはまるよね。
信頼関係に基づく人との繋がりはとても大事。
その人脈をもってして強力な味方を得、
海での戦いを圧倒的な強さで制したデルフィニア。
だけど、戦が終わったわけではない。
予断を許さない状況はまだまだ続く。
のぞき見立ち聞きが板についてきた王と王妃。
この二人のコンビ、ホント良いわ。
いよいよリィの相棒がデルフィニアに降臨(?)し、
どんな邂逅を果たすのか。すっかり忘れてるのでとても楽しみ。


海での戦い。
思い描くのは『北方水滸伝』。
北方イズムが沁みついてるなー。
陸地での戦いは『アルスラーン戦記』を思い……
うん。田中さんも健在。
この二人は私の読書の核の部分にずっといつづけてくれるんだろうなぁ。

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「デルフィニア戦記第四部 伝説の終焉2」茅田砂胡(中公文庫)

プロポーズや結婚式。
祝い事が続いた後にはきな臭い……というか、相当血生臭い展開に。
正々堂々と討ち取れないなら、姑息な戦法で。
それもまた真理。
使命を果たすために
手段は問わない暗殺集団に正々堂々となんて求められないからね。
そこは国旗を掲げて戦う彼らとは事情が違う。
その代償は大きかった。まぁ、自業自得。
どんなリィの姿を目の当たりにしても、
動じなければ態度も変わらないウォルには絶対な信頼しかない。
お互いの過去の共有は波長が合うが故のシンクロ。
だけど、リィには帰るべき世界がある。
そちら側の事情もチラチラと垣間見えつつあり、色々気になりながら次巻へ。

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「10DANCE 4」井上佐藤(講談社)

世界レベルのトップダンサーが
相手の技量を認め、そのスキルを披露し、伝授する。
いずれ試合で戦う日が来ることを想定したうえでのそのやりとり。
互いの目指すところは頂点。
いいなー。
スポーツって尊い。
「好き」の気持ちに翻弄される杉木と鈴木。
触れたところから意思が伝わるどころか、
目と目で会話ができてしまっていることを周囲にも認知されるって相当よね。
この先、この二人の関係性がどうなっていくのか、楽しみで仕方ない。
女子’sも頑張っていて皆応援したくなる。
しれっと「チョン切っちゃえ!」っていう房ちゃん、良いわ~。
おまけ漫画の網タイツで爆笑。みんな楽しそうだなー。


特典小冊子。
私の中では右左の願望はあるんだけど、リバでもウェルカムなので無問題。
たとえ私の願望とは逆だったとしても
この二人が落ち着いたところでそれが正解だと受け止める気満々。


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