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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

100日間おなじ商品を買い続けることでコンビニ店員からあだ名をつけられるか。 ビスコをめぐるあたたかで小さな物語



人と人。
接点を持ち続ければ、そこには何らかの関係性が発生する。
相手を個別認識するための名称が必要で、
それをあだ名と捉えても良い気もするんだけど。
著者が目指したハードルは高かった。(笑)
表題のことをやり続けたことと記録をとり続けたこともすごいけど、
そもそもやろうと思ったことがすごい。
そんな彼に対するコンビニ店員さんたちの対応はあたたかかった。
売り手側は意外と買い手の顔を覚えてるものなんですよー。
作中エピソードのあんなこと、こんなことがホント素敵だった!
と紹介したいけど、そこは読んでみてのお楽しみ(笑)


もともとがnoteでupされていたものなので、ゆるっと読めます。
そして気持ちはほっこり。
小説以外の文章って久しぶりに読んだけど、楽しかった。



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「異世界で調子に乗ったら捕まった 下」嘉野六鴉 (Ruby collection)




語られたハルマの過去に息を吞む。
それでも強く前向きに生きてきたこの子は、
幸せになるために異世界にきたのだと思うの。
一冊に含まれた情報量の多さと、時間の長大さには相当なものがあるけど、
詰め込んだ感も駆け足になった感もないところがうまいなぁ、と。
そして、着地したタイトルに含まれた意味に感じ入る。
アーロンのスペックはホント高かった。
楽しく読了のお借り本。
子ども部屋でごろごろする7匹の子竜。
これ、視覚的に見たい。とても見たい!
そして骸霊を借りながら、行く先々でトラブルに見舞われながら
楽しそうに旅をしている二人がもっと見たかった。


個人的に生き返りはアウトなんだけど、
今回のはアウトと思わせたあとの一発逆転セーフ。
うん。それならありだわ。
慧眼だったアーロン父ブランをちょっと見直した。

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「異世界で調子に乗ったら捕まった 上」嘉野六鴉 (Ruby collection)



転生した異世界で幸運にも精霊魔法を扱うことに長け、
一級の討伐者ランクで異世界ライフを心底満喫している晴真。
この子のメンタル最高。
どんな状況でも日常を楽しめるって強みだわ。
一方、齢千年を超え、退屈に倦んでいるアーロンは、めんどくさがりながらも晴真の任を受け、
結果的にはその晴真に感化され、冒険の旅へ。
倦んだ日々がワクワクしたものに変わっていく様が生き生きと楽しそうに描かれている。
とある事情から番となった二人にふりかかったまさかの事態。
このあとどうなる!?
交互につづられる一人称の口語体がとても愉快。
あっちこっちで笑わせてもらったお借り本。


晴真が「パンダネコ」呼ばわりしているおかげで、
「パルンダニャーク」が「パンダルニャーク」としか読めなくなっている弊害が。
でも、どこにも影響ないよね(笑)

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「パブリックスクール -ツバメと監督生たち-」樋口美沙緒 (キャラ文庫)



スタンの進路。将来。音楽への道。
そして、トラウマからの脱却。
周囲が動いた全ての動機はスタンのためであって、
じゃあ、桂人の想いはどうなるの?と真顔になった。
身を引く覚悟を決め、それでもスタンを支える決意をし、
気持ちを損なうことなくスタンを思い続けた桂人。
そんな最中に他寮の問題まで解決した桂人の器の広さにはひたすら敬意を。
桂人のメンタルが強くなったのは、スタンの、そしてウェリントン寮の仲間のお陰。
今度はスタンの番だよ、と思ったお借り本。
本当の意味で開放することができた弱さ。
ここから、強く在れる。ふたりでなら。


それでも私はメンべラーズは絶対に推さない。
桂人が選んだのがスタンだから。
そして、気持ちが傷つくことがわかっていながら、
裏側から他人を動かして問題を解決しようとする輩には良い印象はないから。
ごめんね、じゃないわよ。

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「3Way Waltz」五條瑛(祥伝社)



日米北朝鮮の三つ巴の諜報戦。
発端は16年前の飛行機事故。
巻き込まれたのは、夫と子どもとの平穏な人生を願った女だった。
そして今、彼女の子どもが過去の柵により窮地に陥る。
単純な三つ巴ではなく、日本の中でもあちら側こちら側とで暗躍し、
北朝鮮側も足並みがそろわない。
それぞれの思惑がごっちゃごちゃに絡み合いながら真実が紐解かれていく様はお見事。
言葉少ないながらも、父から息子への不器用な愛情があたたかくて切ない。
真実と向き合うことを余儀なくされ、
少年のままではいられなくなった恭祐の未来が、揺るぎないものでありますように。



そしてお兄ちゃん、紛らわしかったよ。
『プラチナ・ビーズ』→『スリー・アゲーツ』→『夢の中の魚』→『君の夢はもう見ない』→『3Way Waltz』。
順番で読まないと人間関係が明確に理解できない部分が出てきてちょっともったいないと思う。

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「さみしさのレシピ」一穂ミチ (ディアプラス文庫)



「孤独やさみしさじゃ誰も死ねない」
確かに、物理的には死ねない。
だけど、心が立ち上がれなくなることはあると思う。
抱えたさみしさを一人で埋めることはただでさえ難しいのに。
誰かのぬくもりを知ってしまった後のさみしさは、余計にやるせない。
様々なさみしさを抱えた人たちの物語。
生きていくためにそれぞれが抱えてきた価値観を受け止めたうえで構築していく人間関係が、
癒えない傷の痛みを包み込むやさしさが垣間見えてあたたかい。
「一緒にご飯が食べたい」
さみしかった一人と一人が
そう思える相手とずっと一緒にいられることの幸せをかみしめる。


久しぶりの一穂さんはゆるっと心にしみる良い作品だった。
相手のために本気で怒れる慈雨と実華子はとても素敵な戦友。
だけど、根本的な寂しさを埋めることはできなかったのかもしれない。
咲彦と慈雨のテンポの良い会話が小気味よくて好き。
本人たちが納得してるなら、こういう関係もありだと思う。

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「シャイニング (下)」スティーブン・キング (文春文庫)



嫌悪したはずの父親の暴力行為を正当化することは、
即ち、今の自分の在り様を弁護すること。
再起を賭けた雪山での暮らしだったはず。
心の闇に付け込まれたのは彼の弱さ故。
だけど、吞み込まれまいと必死で葛藤していた彼がいたことを知るからこそ、
その結果が残念でならない。
乗り切ってほしかったなぁ。
わが子を守るために満身創痍で戦ったウェンディ。
心に傷を抱えたダニー。
いつか思いっきり笑える日が来るといい。
赤の他人なのに必死で彼らの救出に向かったハローラン。
還暦過ぎた正義の味方はとてつもなくかっこよかった。


最大の脅威は人間であると思っているので、
ゾンビな時点で私的にはないわ~、と思ってしまった敗北感。
そして、閂開けられるくらいファンタジーなら、ボイラーもどうにかできるでしょ?
と一瞬思ったことは内密に。←根本的にホラー向いてない。
【ガーディアン必読105-2/1000冊】


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「異世界の沙汰は社畜次第2 教会運営支援計画 」八月八( KADOKAWA )



周囲を憚らないアレシュの誠一郎に対する溺愛ぶりがとても楽しい第二巻。
そんなアレシュの想いになかなか動じなかった誠一郎だけど、
キューピットの矢が誠一郎の胸にトスン、と刺さった瞬間に万歳三唱したくなったわ。
アレシュのやきもちは可愛いし、弱った自分を見せようとしない頑張りも微笑ましい。
何よりまっすぐな好意が眩しいね。
そして、アレシュも誠一郎も周囲から愛されてるなぁ、ということが
伝わってくるのも嬉しい。
二人の恋の成就を祝うお菓子をご近所に何と言って配ったのか。
私も気になるお借り本。
三巻目が出てくれたらとても嬉しい。

今回の誠一郎の任務は教会内の不正を明らかにすること。
すったもんだの末の誠一郎と優愛の日本人的な宗教観はなじみがありすぎてほっとする。
八百万の神万歳☆

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「シャイニング (上)」スティーブン・キング (文春文庫)



5歳の子ども、ダニーの聡明さが痛々しい。
だけど、結果的にはそれが彼を救うのだと思いながら読み続ける。
いずれ脅威となり得るであろう相手を切り捨ててしまうことができれば、事は簡単だ。
だけど、それに勝る愛情があり、脅威たる彼が彼なりに足掻いていることも知っている。
そして、それをほのめかしたトニーと言う存在が、
彼らに好意的なのか悪意を持っているのかが今ひとつわからない。
閉ざされた空間の中でひたひたと押し迫る「何か」がそこにある。
そうなんだけど。
気持ちの抑揚がまったくないまま、上巻読了……あれ?どういうこと??
ドキドキとかキャーーとか、え?ないの?私?

期待値が高すぎたのがいけなかったのかしら?
ここまで平坦に読み終わってしまったのは想定外。
下巻、どうなる!?
……と思ったけど、展開が想像できる下巻の目次は上巻にはいらないと思うの。
【ガーディアン必読105-1/1000冊】

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「異世界の沙汰は社畜次第 聖女召喚改善計画 」八月八



巻き添えで召喚された異世界で誠一郎が望んだもの。
それは「仕事」。
猛烈に仕事に取り組む誠一郎の姿勢は
現代日本の社会の中では特異なものじゃないけど、
異世界であることで際立ってしまっている。
改善点を納得させるステップは現代社会と同じなのよねー、と言う説得力。
一方、その世界で退屈に倦んでいたアレシュは、
行きがかり上、誠一郎の面倒を見ることに。
予測不可・制御不可な誠一郎に振り回されているうちに彼の中に芽生えた想い。
この振り回されっぷりが相当面白かった。
全くデレない誠一郎に対してアレシュが理詰めで持ち込んだ同居生活の行く末が気になるお借り本。


仕事をするということは、今までと変わらない日常を送ること。
それが誠一郎にとって精神バラスを保ち、
見知らぬ世界に馴染むための最短ルートであったことがよくわかる。
結果的には彼自身の命を救うことにもなったしね。
命を救われた後の「はああああぁ!?」の場面で夜中に爆笑。
ものすごく楽しく読了。

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