きままに読書★
読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
「一日だけの狼」北方謙三(角川文庫)
カメラマン、望月の視点で語られる短編連作。
表題は一作目のタイトルでもあり、内容と相俟ったカッコよさがある。
掴みは完璧オッケーで、作品世界に一気に引きずり込まれる。
ホラーの怖さはよくわからなかったりするけれども、人間の怖さにゾワゾワする二作目。
うわ、気持ち悪い。
その気持ちの悪さは三作目の冒頭、身を切るような冷たい水に洗い流される。
……と、読み進めていくにつれ、
鮮明に記憶に残る過去の出来事に、今も彼が縛られていることを知る。
だから探す。異国の地で、かつて知っていた男を。
だから殴り合う。
愚にもつかない殴り合い。だけど、そこにも意味と意地がある。
原点回帰で北方。
馴染んだ文体が心地よい。
「投げてるね」「なにを?」「自分をさ」
くぅぅ、北方~~!
表題は一作目のタイトルでもあり、内容と相俟ったカッコよさがある。
掴みは完璧オッケーで、作品世界に一気に引きずり込まれる。
ホラーの怖さはよくわからなかったりするけれども、人間の怖さにゾワゾワする二作目。
うわ、気持ち悪い。
その気持ちの悪さは三作目の冒頭、身を切るような冷たい水に洗い流される。
……と、読み進めていくにつれ、
鮮明に記憶に残る過去の出来事に、今も彼が縛られていることを知る。
だから探す。異国の地で、かつて知っていた男を。
だから殴り合う。
愚にもつかない殴り合い。だけど、そこにも意味と意地がある。
原点回帰で北方。
馴染んだ文体が心地よい。
「投げてるね」「なにを?」「自分をさ」
くぅぅ、北方~~!
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「万死の追跡 傭兵代理店」渡辺裕之(祥伝社文庫)
タイで行方不明になった青年を探しに行った傭兵たちが巻き込まれたのは、
アメリカの軍事機密を巡るミャンマー・ロシア・中国の暗躍。
結果的にアメリカの失態をカバーするための作戦行動。
彼等を動かすのは大統領の頼みではなく、男の遺言。
エンタメの中にちょいちょい混ざっているリアルが、
深刻に考えさせられるものなだけに読後感が重い。
加えて、え?またですか~~!??というところで終わってしまって、読了した気がしない。
ちょっと続き!続き読まないと!
新たに加入したメンバーが続々と欠けていく展開はそろそろどうにかしてもらいたいかな。
「彼らが拒否権を持った常任理事国として国連にのさばっている限り、
世界に平和が訪れることはないだろう」
哀しいことに、同感なのです。
アメリカの軍事機密を巡るミャンマー・ロシア・中国の暗躍。
結果的にアメリカの失態をカバーするための作戦行動。
彼等を動かすのは大統領の頼みではなく、男の遺言。
エンタメの中にちょいちょい混ざっているリアルが、
深刻に考えさせられるものなだけに読後感が重い。
加えて、え?またですか~~!??というところで終わってしまって、読了した気がしない。
ちょっと続き!続き読まないと!
新たに加入したメンバーが続々と欠けていく展開はそろそろどうにかしてもらいたいかな。
「彼らが拒否権を持った常任理事国として国連にのさばっている限り、
世界に平和が訪れることはないだろう」
哀しいことに、同感なのです。
「ドッグ・メーカー―警視庁人事一課監察係 黒滝誠治―」深町秋生(新潮文庫)
「猛毒をもって巨悪を倒す」とあるけれども。
毒は毒かもしれないけど猛毒と言うほどの毒ではない。
黒滝の根底には他人を傷つけたくないという情のようなものがある。
まぁ、変態かもしれないけど。
それが自分で選択をして進んだ道ならば、選択をした瞬間に責任が付随する。
自ら悪事に手を染めたならば、その悪には鉄槌を。
長いものに巻かれることを良しとせず、
組織を汚す膿を絞り出すために身内と徹底的に争うことを選択した彼等の在り様がカッコいい。
後半の怒涛の展開には本を閉じる事敵わず。
睡眠より読書で一気に完走。
や~、めっちゃ面白かった。
オラオラでバチバチの本読みたいなーと思っていた時に
読友さんが紹介してくださって、これだ!と飛びつきました。感謝。
続編も買っておいてよかった。
『果てしなき渇き』以来の深町作品。
もっとノワールな感じなのをイメージして読み始めたら……あれ?思ったよりライト。(←言葉の選択肢があってるかどうかは謎)でも面白かった。
次、『地獄の犬たち』いっちゃいます?←色々気になってきた。(笑)
毒は毒かもしれないけど猛毒と言うほどの毒ではない。
黒滝の根底には他人を傷つけたくないという情のようなものがある。
まぁ、変態かもしれないけど。
それが自分で選択をして進んだ道ならば、選択をした瞬間に責任が付随する。
自ら悪事に手を染めたならば、その悪には鉄槌を。
長いものに巻かれることを良しとせず、
組織を汚す膿を絞り出すために身内と徹底的に争うことを選択した彼等の在り様がカッコいい。
後半の怒涛の展開には本を閉じる事敵わず。
睡眠より読書で一気に完走。
や~、めっちゃ面白かった。
オラオラでバチバチの本読みたいなーと思っていた時に
読友さんが紹介してくださって、これだ!と飛びつきました。感謝。
続編も買っておいてよかった。
『果てしなき渇き』以来の深町作品。
もっとノワールな感じなのをイメージして読み始めたら……あれ?思ったよりライト。(←言葉の選択肢があってるかどうかは謎)でも面白かった。
次、『地獄の犬たち』いっちゃいます?←色々気になってきた。(笑)
「今、風が梢を渡る時 後編」かわい有美子(パレット文庫)
誰かとの出会いがこんなにも人生を変える。
沢良木にとっては鴇浦に出会ったことが、転機だった。
居心地の悪かった義実家の雰囲気すら、鴇浦は変えてしまった。
夏休み明けに戻った学校で、沢良木が自分の視野の狭さに気づくシーン。
好きだな。
頑なに拒絶してきた外部と接触することで広がる世界。
悪意に塗れた人間がいるのは否めないけれども。
それ以上に、あたたかく見守り、そして導いてくれる人たちの存在が尊い。
紆余曲折あったけれども、
かわいさんの紡ぐ美しい日本語の相乗効果もあってとても爽やかな読後。
ラストとタイトルのマッチングが素晴らしい。
学ぶことって本当に尊い。
最近若い子たちが積極的に国家資格を取っている姿を見てしみじみ思う。
今自分が通った大学を受験したら受かる自信……ないなぁ。(笑)
沢良木にとっては鴇浦に出会ったことが、転機だった。
居心地の悪かった義実家の雰囲気すら、鴇浦は変えてしまった。
夏休み明けに戻った学校で、沢良木が自分の視野の狭さに気づくシーン。
好きだな。
頑なに拒絶してきた外部と接触することで広がる世界。
悪意に塗れた人間がいるのは否めないけれども。
それ以上に、あたたかく見守り、そして導いてくれる人たちの存在が尊い。
紆余曲折あったけれども、
かわいさんの紡ぐ美しい日本語の相乗効果もあってとても爽やかな読後。
ラストとタイトルのマッチングが素晴らしい。
学ぶことって本当に尊い。
最近若い子たちが積極的に国家資格を取っている姿を見てしみじみ思う。
今自分が通った大学を受験したら受かる自信……ないなぁ。(笑)