忍者ブログ

きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「イエスかノーか半分か」一穂ミチ(ディアプラス文庫)



再読。読んだのは5年くらい前。感想を書いたのも5年前。
だけど、その時の自分の感想、ほぼ言えるわ~、っていうくらい、
思ってることは一緒だという自信の元に
当時の感想を確認してみて、まんまその通りで笑う。
今言いたいこと、当時の感想に全部書いてあった。
色々ブレない好き作品。
初読の一穂さんがこの作品で、
結局一穂さんの作品世界そのものにハマって既刊全部集めた思い出。
なのにまだ全部読みきれていない残念さ。
この作品も番外と短編集の未読分があるので1作目から再読。
楽しかった!

拍手

PR

「生まれいずる者よ 金の髪のフェンリル」榎田尤利 (講談社X文庫 ホワイトハート)



革命の象徴でありつつも、最前線で戦う金の狼の姿に奮い立つ。
「感情で動きたい」と言い切ったフェンリル。
だから人々は彼に希望を託す。
傍らのタウバの存在が何とも心強い。
感情を排したユージンとはある意味対極。
他者に自分の理想を押しつけることは、歪みと不幸せしか生み出さないんだよ、
と、セシルには言いたい。
運命に導かれるように出逢うべくして出会う者たちが出逢い、
彼らの未来への道筋が整えられていく。
シティとDエリア。
あまりにもかけ離れた二つの世界。
統合される日が本当にくるのか。
ならば、どうやって?
逸る想いを抱きながら、次巻へ。


「何が人を変えるのだろう?」
深い問いかけ。
経験と環境。あとは?
サラの父・マーロン博士の存在感が本当に大きかったんだなぁ、とつくづく思う。

拍手

「砂漠の王 金の髪のフェンリル」榎田尤利 (講談社X文庫 ホワイトハート)



ぐらついた土台の上に築いた建物は脆い。
些細なことで跡形もなく崩れてしまう可能性は否めない。
だから、フェンリルには自分と向き合う時間が必要だった。
現在の己を知るために。
進むべき道をまっすぐに見据えるために。
「金の狼」としてではなく、ただのフェンリルとしていられるタウバの傍での
年相応の少年らしい振る舞いに安堵するとともに、課せらた運命の重圧を禁じ得ない。
一方で幼少期のサラの溌剌さと愛らしさは、それを奪ったこの先の彼女の人性の過酷さを知らしめる。
「世界が変わるのではなく自分が変わるのだ」
この言葉に奮い立つ。
同じ言葉を胸に刻んだ二人。
出逢ったその先の未来が知りたい。


最初から最後までのめり込んで読み進めたけど、
特に後半の展開にドキドキが止まらなかった。
アラビアコーヒー……挨拶に行った仕事先で初めて頂いたんだけど、
沈む粉に戸惑い、一体どこまで飲むべきか聞くこともできず、ものすごーく悩んだことを思い出しました。
ハードル高かったよ(笑)

拍手

「罪の声」塩田武士(講談社文庫)



31年前に起きた未解決事件。
闇の彼方に潜む真相を掘り起こそうと向けられた二方向からのベクトル。
一方は新聞記者、一方は事件関係者の家族。
地道な努力と丁寧な聞き込みで少しずつ少しずつ垣間見えてくる真相の断片。
犯人たちはもう、ほとんどここにはいない。
真相が明らかになることによって影響を受けるのは、犯罪加害者の家族であることが、
突きつけられ、なんだかやるせない。
「あなたには正義がない」
と言った阿久津の言葉に感じた違和感。
暴こうとしていたのは犯罪の真相のはず。
彼はそこにどんな正義を求めていたのだろう?
人は感情の生き物。
冷静な傍観者であることは難しい。


ザラザラとした後味の悪さは、殺された人がいること。
殺した犯人が裁かれていないこと。
金の行方がわからないこと。
あたりにあるかな?
爽快感を求める作品ではないことはわかっているから、この読後感で間違ってないのかな。
私の心のオアシスは堀田さん。スーパーアドバイザー過ぎて素敵だった。

拍手

本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第二部「神殿の巫女見習いIV」香月美夜



冬が終わってようやく家族の元へ帰ることができたマイン。
だけど、気持ちの整理をする準備期間もないまま、唐突に訪れた別れの時。
先回りをして色々な手を打っていたジルヴェスターやベンノのおかげで、
守ることができたものがあるし、家族との縁が完全に縁が切れたわけではないけれども。
これまでのあたたかな関係性の完全な消滅。
辛いわ。
だけど、書き下ろし短編集はありがたかった。
事後のことを語る彼らと一緒にだんだんと前向きな気持ちになれる。
まさかの関係性が発覚した人たちには驚いた。
なんだかんだベンノがうまく立ち回ってくれそうな気がする。
大丈夫。
絆は完全に断ち切れたわけじゃない。

泣くか、読むか。
という選択を迫られながら読んだよね。
みんな「守りたい」一心だったんだけど、
結果は別れを早めることになってしまった。
次巻からは新展開。
どうなることやら。

拍手

本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第二部「神殿の巫女見習いIII」香月美夜



ジワリジワリとにじり寄ってくる貴族の影。
今のところ直接マインと関わりを持つ貴族はいい人(or変な人)ばかりだけど、
本気で害意をむき出しにした貴族が対峙してきたら相当めんどくさそう。
家族と共に暮らすことを誰もが望んでいるマインたちだけど、
もらったお守りの件も含め、
この状況だとあと2年平穏無事でいることは難しい気がする。
ジルヴェスターとベンノの間にどんなやり取りがあったのか気になる。
これはそのうち明らかになるかな?
手土産を口にする作法等々、細かいところまで作り込まれていて世界が確立されているから面白い。

この人、なんで神殿長やってるんだろ?
と、首を傾げる人選なんだけど、そんな理不尽いっぱいあったよねー、と、
これまで読んだ本のいろんな方々のイメージ映像が脳内を通過していきました。
迷惑さのカテゴリーは違うけど、真っ先に浮かんだのはトリューニヒトだった。
ホント嫌いなんだな、私。

拍手

「夜を走り抜ける 2」湖水きよ&菅野彰 (enigmaコミックス)



晴生を主軸に巡る愛憎。
いや、憎しみはないか。
みんな、晴生を心配したり愛したりの一方なんだけど、問題は愛情の示し方。
考えることもやることも、お金持ちのスケール半端ない。
その一方で、取引材料は自分の才能。
そんな立場で、虎一はできることを頑張った。
やっぱり彼の立ち回り方、好きだなぁ。
まっすぐで潔くて嫌みがない。
晴生の心の傷はそう簡単には癒えることはないだろう。
だけど、夜に眠ることのできなかった晴生が虎一の傍で眠れるようになったことに安堵する。
読み返すほどに私の中で上がる虎一の株。
結果的にみんな良い人だった。


本筋の感想からは外れるけど、
「芸術家は死ぬが、芸術はいつまでも生き残る」
この言葉、胸に刻んでほしい。
破壊行為で壊された美術品は元に戻すことができないんだよ。
どっちが真作でどっちが贋作なのか。
唸る彼らの姿に笑う。
一枚の写真を見て自分の写真なのか双子の兄の写真なのか。
本気で苦悩して結局結論の出なかった友だちの姿をなんとなく思い出してみました。

拍手

「夜を走り抜ける1」湖水きよ&菅野彰 (enigmaコミックス)



彫塑家と美術商。
晴生が虎一に興味を持ったきっかけは、すんなりと内側に踏み込んできた距離感と彼が生み出す作品。
晴生のまさかのアプローチに驚いたけど、癒えない傷を抱えたままの彼に対する虎一の接し方がいい。
芸術に携わるが故の感性、なのかな。
晴生の不安定を汲み取って不安になる虎一と、虎一の傍で安らげる晴生。
自分に好意を抱く宝生をうまくあしらえていると思っているのは晴生だけで、
周囲の評価は違う。
虎一といるときの晴生は、取り繕ったいつもの表情ではなく、
素の自分を晒すことができる。
そのことに気づいてしまった宝生。
さぁ、どうする?
人の心は侮ってはいけない。


個人的に諸橋近代美術館(作中では唐橋美術館)は大好きな場所なので、
こうして作中で描かれることがとてもうれしい。
前回行ったのはいつかな?と思って調べたら10年くらい前だった。
また行きたいなぁ。

拍手

「おまえが世界を変えたいならば-神話の子供たち-」榎田尤利 (講談社X文庫 ホワイトハート)




望んで手に入れた強さなんかじゃない。
だけど、強くなるしかなかった。
大切な人を守るための力を、切に願った。
「おまえが世界を変えたいならば」
この後に続くアショクの言葉には背中を押された気持になる。
自分の人生を自分らしく生き抜くために、そう在っていいと思う。
理不尽な力に握り潰される命がある一方で、
この広大な世界には、ユージーン・キーツの支配する世界を壊そうとする人々が、
息を潜めて機会をうかがっている。
漸く出会えた金の狼と片翼で飛ぶ鳥。
二人とも、潜り抜けてきた過酷な環境のおかげで随分と逞しくなった。
世界は、どう変わる?

セシルには冷酷とか非道とか言う言葉を突き抜けて、変態という言葉を進呈したい。
お近づきになりたくない。
「誰かを殺すことによってしか人間になれない」
と言い放った当人は
「殺される」人間に自分がなるかもしれないお可能性は完全に念頭にないんだろうなぁ。
他人を傷つける強さよりも、誰かを守るための強さの方がよっぽど尊い。
だけど、守ろうとする者たちが傷だらけになってしまっている理不尽。

拍手

「ギルドの系譜(下)」 (シグマフォースシリーズ7)ロリンズ(竹書房)



「衝撃を受けた」と感想を述べた前作のラストもまさに布石。
畳み掛けるような怒涛の展開の中、明らかになった真相。
気を抜いた直後に訪れる衝撃。
全力疾走で読み切った読後は息切れしそうな錯覚に陥る。
無関係の人は実験体として殺す。
だけど、自分の家族は守りたい。
都合の良いことを言っている者には
「撃っていいのは撃たれる覚悟がある奴だけだ」という
ルルーシュの言葉を進呈したい。
自らの出自を知ったセイチャン。
グレイとの無言のやりとりが印象的。
ギルドとの攻防はここで一段落。
まだまだ続くシリーズの今後の展開に期待。

タッカーとケイン。
魅力的な元米軍大尉と軍用犬のコンビは番外編でシリーズ化。
こちらも読むのが楽しみ。



拍手

  

カレンダー

10 2024/11 12
S M T W T F S
1 2
3 5 6 7 8
11 12 13 15 16
18 19 21 23
24 25 26 27 28 29 30

フリーエリア

プロフィール

HN:
みやこ
性別:
非公開

バーコード

ブログ内検索

P R

Copyright ©  -- きままに読書★ --  All Rights Reserved

Design by CriCri / material by DragonArtz Desighns / powered by NINJA TOOLS / 忍者ブログ / [PR]