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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「霜の降りる前に 下」ヘニング・マンケル(創元推理文庫)

盲信的に誰かを崇拝する宗教観は私の中にはないし、
世界を滅ぼしたいと思うほどの絶望もない。
故に下巻は少々置いてけぼり。
そして気になりどころ満載。
まだ正式に警察官として働き始めていない
リンダの諸々の行為がまかり通ってしまう警察、組織として大丈夫?
大事な証拠品を安易に紛失してしまった警察、やっぱり大丈夫?
私、裏に誰かの関与があるんじゃないかとずっと思ってたよ。
上巻が面白かっただけに残念。
とはいえ、最後まで読み切るだけの吸引力は十分にあった。
ん?まだ警察官未満のリンダが主人公だったことを思えば、この不完全燃焼感は間違ってないのかな?

9.11。
テレビ画面から流れてくるリアルタイムの映像を見た時の衝撃は忘れられない。

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「霜の降りる前に 上」ヘニング・マンケル(創元推理文庫)

シリーズ番外編。
ヴァランダーではなく娘のリンダ視点だからか、
雰囲気がいつもよりやわらかい……気がする。
とはいえ、内容は相変わらず盛りだくさん。
そしてこの父娘、似た者同士。
リンダの友人はどこへ行ってしまったのか。
自分の知っている彼女だけが本当の彼女ではない。
人には二面性ってあるよなー、という点は何だか納得。
彼女と殺された女性との関係性は?
姿をチラつかせる男の果たす役割は?
そして、白鳥は?ねぇ、牛は??どうしてああなった?
息つく暇もないくらい
たくさんのことが起こりすぎて、謎が謎で謎のまま下巻へ。
色々気になりすぎる。



思えば。
お気に入りの作品って今まで誰か彼かのリアル友たちと共有してきたわけですが。
このシリーズに関しては、一緒に語れるリアル友がいない!
わー、寂しい。
読んで読んで!とすすめるには巻数が多いし、
北欧ミステリーはとっつきやすくはなさそうで勧めづらい。
推しキャラいるわけでもないしね。ヴァランダーめんどくさいし。
でも面白いのよ~。ああ、語りたい。
……と思っていたところに、飛んで火にいる夏の虫ならぬ、
「そのうち本借りにいくから~」と言ってくれたリアル友が。
おすすめしてみようかしら?

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「二都物語」ディケンズ(新潮文庫)

革命の血に酔うフランスの狂乱に眩暈がする。
法的根拠のない裁判。
言いがかりでしかない罪。
正義って何?
人が斬首されるのを見ることが娯楽になり得ることが怖い。
一方的に宣告されてしまった死刑を回避する方法は果たしてあるのだろうか?
10年以上に渡って描かれてきた人々の人生の物語の結末が胸に刺さる。
救いは彼らが(全員ではなかったとしても)無事にイギリスに戻り得たことが、
作中の文章から伝わったこと。
でも読後に胸に残るのはやるせなさ。
願わくば、愛に殉じた彼の言葉が彼女に届いていますように。


【ガーディアン必読124/1000冊】
最初の20頁をクリアするのに、やたらと時間がかかって大苦戦。
全く頭に入ってこなくて何度かいったりきたり。
でも、そこから先はのめり込んで読むことができて一安心。
場面転換が舞台的だなーと思ったら、宝塚やミュージカル等々で上演されてるんですね。
奇しくもただいま明治座で絶賛上演中。
良いタイミング…なのかな?観に行く予定はないけど。(笑)


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「きみがぼくを見つけた日 下」ニッフェネガー(ランダムハウス講談社)

上巻はロマンチックに浸ってワクワクしながら読み進め、
その気分のまま突入した下巻では、一転して泣きながら読了。
まさかこんな展開になるとは。
時空の旅を繰り返し続けたヘンリーと彼を待ち続けたクレアの純愛。
突っ込みどころには目を瞑るのが作品世界に浸るコツ。
ってか、そんなこと気にならないくらい一気読み。
途中からドキドキしっぱなしだった。
著者の手元には時系列に出来事を綴った綿密な年表があったはずで、それ見てみたかったなぁ。
と思って気付く。自分で作ることも可能か。
もう一度彼らの軌跡を追いながらそれを作るのも楽しいかもしれない。


【ガーディアン必読123-2/1000冊】
結末がわかるような帯は超絶不要だと思っているので、
(ゴミって言ってもいい)
この本の帯を読んでしまった瞬間、記憶から消去したかった。
もーー!
ガーディアン選書でなければ絶対に手に取らなかったと思う。
こういう出会いがあるから、このイベントに参加させてもらっていて良かったと思うのです。
ありがとうございます。

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「きみがぼくを見つけた日 下」ニッフェネガー(ランダムハウス講談社)

なんともロマンチックな作品。
タイムトラベルを繰り返す男が、時空を超えて過去の恋人の元へと飛ばされてくる。
繰り返し、何度も。
彼女は6歳の時から未来の恋人の姿を目の当たりにし、
20歳になった時に現実の時間軸の中で彼に出会う。
互いに対する愛情が交わし合う言葉や
不在の相手に馳せる想いなかにちりばめられていて
やさしい気持ちになれる。
一方でタイムトラベルのシビアな面(真っ裸で飛ばされる)や、それにどう対処するかが(窃盗)きっちり描かれているところがおもしろい。
過去と現在を行ったり来たりしつつも混乱することなく、
着地点がまったくわからない興味深さを抱えたまま次巻へ。

【ガーディアン必読123-1/1000冊】
途中で気になったことがあって、読了後に調べて見たら、
日本はティッシュの消費量が世界一という統計に行き当たり、納得。
どれだけ使っているかと言うと、消費量世界二位のアメリカの三倍。
ウチの社内を考えてみると、個人の机の引き出しや机の上にティッシュボックスを置いてる人
半数はいるかな?(多いか少ないかは他社と比較したことがないのでわからない)
で、ありがたいことに会社経費で購入してくれています。

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「ファイアーウォール 下」ヘニング・マンケル (創元推理文庫)

サイバー犯罪。
今では日常的に使われる言葉だけど、
1998年のマンケルの目の付け所と言うか、発想力、すごいな、と瞠目する。
彼らの企てたような目論見が成功したら、世界はどう変わってしまったのだろう?
明るい未来の想像はできない。
そして、その可能性はゼロではないのだ。
怖~~。
懸命な捜査半ばでヴァランダーが知ることとなるまさかの裏切り。
それでも。
この仕事を続けてきてよかったね、と、思えるラストに胸熱。
人と人。
まぁ、いろいろあるよね。
耳馴染みの良い言葉だけ聞こえてくるわけではない。
だけど。
前に進まなければいけないのだ。

プライベートの人間関係は切ってしまえばそれで終わり。
我慢してまで付き合う必要はない。
だけど、仕事が絡むとそうはいかない。
ましてや同じ職場で拗れると目も当てられない。
なるべくなら円滑に穏便に、最後まで(=辞めるまで)過ごしたいと思うよ~。

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「ファイアーウォール 上」ヘニング・マンケル (創元推理文庫)

息つく間もなく上巻読了。
この重厚な面白さがあと一冊分味わえることが嬉しく、
反面、え、ちょっと続き気になるんですけどー!とジタバタする。
タクシー運転手が殺害され、犯人は逮捕される。
それは解決したも同然の事件の筈だった。
ところが。不可解な出来事が次々に起こり、事件は混迷を極める。
イースタ警察署のいつもの面子は相変わらず働きすぎで疲労困憊。
だけど、みんな手を抜かない。
地道に聞き込みをし、時に禁じ手を使い、手繰り寄せた事実の断片をコツコツと積み重ねていく。ぼんやりと見えてきた犯人の存在。
果たして、その真相は?

ルアンダでなんでポルトガル語?と思ったけど、
ルワンダと混同した自分に気づいてみました。
ルワンダ(国名・公用語はルワンダ語・スワヒリ語・フランス語・英語)と
ルアンダ(アンゴラの首都・公用語はポルトガル語)は別。

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「背後の足音 上」ヘニング・マンケル (創元推理文庫)

読了後にずしんとのしかかる重苦しさを明日に引きずりたくなくて、
楽しい動画を観て気持ちを整える。
上巻でこの読み応え。
やっぱすごいね、マンケル。
周到に事前準備がなされ、とてつもない手間暇をかけて実行された殺人。
そして、その事件を単独で追っていたと思われる警官も殺された。
睡眠時間どころか日常すら犠牲にして事件を捜査する刑事たちの疲労度が半端なくて、
こっちもどんどん疲弊していく。
でも、読む手を止められない。
断片的に明らかになっていくことがあっても、事件の全貌は全く見えてこない。
どんな結末を迎えるのか。


読む前に手に取った時、あ、なんか美味しそう、と思った表紙の料理の数々。
上巻読了して改めて見ると、ちょっと具合が悪くなりそうな気がしてくるのよ……



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「償いの雪が降る」アレン・エスケンス(創元推理文庫)

事の発端は大学の課題から。
他者の人生に足を踏み入れたジョーは、過去の事件の真相を紐解くと同時に、
そこから派生した現在の事件に巻き込まれていく。
いや、自ら首を突っ込んだというべきか。
若さ故の無謀。
だけど彼は咄嗟の危機回避能力に秀でていて、その立ち回り方に目を見張る。
ジョーの他人との向き合い方がとても良い。
嘘がなく、真摯で思いやりがある。
そして、彼自身も自身を苛む過去を抱えていたからこそ、たどり着くことのできた真実。
彼との出会いは、独りの老人を安らかな死へと誘うことになる。
折しも季節は冬。
彼らに想いを馳せながら、本を閉じる。


またせたね、エスケンス。
やっと読めたよ。
←何目線だよって感じだけど。(笑)
めっちゃ気になって彼の作品を集めて、本棚に積んでたら年が変わってしまった。
読めてよかった。
絶賛していた読友さんたちに感謝。

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「コールドマウンテン 下巻 」フレイジャー(新潮文庫)

インマンの旅の終着点を見届け、私は疲労困憊。
極限に達する半歩手前でつないできた命。
彼の放浪は過酷ではあったけれども、通りすがった人々の孤独な営みや哀しみの欠片に触れることのできた旅でもある。
だけどやっぱり、彼の旅は彼に容赦がなさ過ぎて。
最後の安堵もするりと手の内を抜け落ちてしまう。
その瞬間、思わず息を呑み、本を閉じてしまった。
エイダがひとりきりではないことが救いではあるけれども。
読後に胸の中に渦巻く熾火で焼かれるような思いをなんと表現すればよいのだろう?
私の混乱の何もかもが著者の筆力の為せる業である。


【ガーディアン必読121-2/1000冊】
読後のこの虚脱感はスタインベックの『怒りの葡萄』を読んだ時に近いかも。
読むのにエネルギーが必要で、とても一気に読むことはできなかった。
表紙に騙されて(?)心構えがなかったなー。
無防備なところにガツンとやられた感じ。(笑)

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