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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「シャイニング (上)」スティーブン・キング (文春文庫)



5歳の子ども、ダニーの聡明さが痛々しい。
だけど、結果的にはそれが彼を救うのだと思いながら読み続ける。
いずれ脅威となり得るであろう相手を切り捨ててしまうことができれば、事は簡単だ。
だけど、それに勝る愛情があり、脅威たる彼が彼なりに足掻いていることも知っている。
そして、それをほのめかしたトニーと言う存在が、
彼らに好意的なのか悪意を持っているのかが今ひとつわからない。
閉ざされた空間の中でひたひたと押し迫る「何か」がそこにある。
そうなんだけど。
気持ちの抑揚がまったくないまま、上巻読了……あれ?どういうこと??
ドキドキとかキャーーとか、え?ないの?私?

期待値が高すぎたのがいけなかったのかしら?
ここまで平坦に読み終わってしまったのは想定外。
下巻、どうなる!?
……と思ったけど、展開が想像できる下巻の目次は上巻にはいらないと思うの。
【ガーディアン必読105-1/1000冊】

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「鏡の国のアリス」ルイス・キャロル (新潮文庫)



鏡の国は夢の国。
不思議な出来事が次から次へと目まぐるしく展開される
心躍るようなワンダーランド。
本書の面白さは著者の自由に浮遊する想像力の素晴らしさ。
この一言に尽きると思う。
彼の描き出す世界に引き込まれていろいろと思い描きながら読み進める。
その世界を楽しく想起させる金子氏の挿絵が秀逸。
そして、アリスの足取りが「チェスの規則に則って構成されている」の描写に、
何故か天童市の「人間将棋」を想起した私は生粋の東北人です。
「きみたちはどっちだと思う?」
最後の問いかけに対する私の答えは一択です(笑)


ミンスパイ!
この作品に限らず、ほかの作品でも作中に出てくるけど、
食べたことないので食べてみたい。
窓に雪が当たる描写を「窓いちめんにキスしてるみたい」とあったけど、
この描写、とても素敵!
【ガーディアン必読103/1000冊】



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「ブライト・ライツ、ビッグ・シティ」ジェイ・マキナニー (新潮文庫)



「きみはそんな男ではない」
印象的な書き出し。
やわらかな二人称の語り掛けに引き込まれるように、
物語世界を浮遊する自分がいる。
意にそぐわない仕事。
出て行ってしまった妻。
自堕落な遊びに誘う友。断れないきみ。
現状に不満を感じ、居心地の悪さを感じているくせに、
その現状を変えようとする努力の見えないきみ。
それどころか仕事放棄。
それじゃあ、何も変わらないよね、と冷めた思いで見てしまう私。
これまでの生活をぶち壊したきみが、
夜明けの光の中でパンを口にするシーンが印象的。
だけど、本当にやり直せるの?
懐疑的な私。

「性格を知りたかったら、その人間の蔵書を調べてみるのが一番いい」
なるほど。
蔵書を読メの読了本に置き換えても同じことを言えるのかな?と
ふと思ってみました。
【ガーディアン必読102/1000冊】

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「AIの魔女(下)」 (シグマフォースシリーズ13)ロリンズ(竹書房)



前巻あたりでワンパターンを脱却してきたなぁ、と思ったけど。
今回は新たな引き出し開けてくれたな、ロリンズ!という感じの展開で、
ラストでは圧倒されすぎてポカーン、と。←褒めてる。
あんまりに荒唐無稽すぎない?と思った事象も
科学的根拠がある!と断言され、あ、そうなんだ……と受け入れ態勢。
なんかいろいろすごかった。←語彙(笑)
特に聖遺物の秘密が!
母になったセーチャンがどんな子育てをしていくのか。
良い方向に変化をしてきているのがわかるだけに、とても興味深い。
男女問わず、堂々と銃床にキスする仕草はセクシーだと思う。


ロープレみたいにつけたした「もう一つの結末」は個人的にはいらなかった。
問題提起をしたいなら、そっちの方向で書ききればよかったんじゃないかな?
翻訳されているのはシリーズ14作+外伝2作。すべて上下巻で合計32冊。
巻数が膨大すぎて気軽くお勧めできないのが残念。

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「カッコーの巣の上で」ケン・キージー(冨山房)



笑うことを忘れ、思考を停止させ、
管理された時の中で生きるウサギたちに
人間らしく在ることはどういうことなのかを
知らしめた男がいた。
その状況に疑問を呈し、従うことを諾とせず、
抵抗を試みた男がいた。
彼に触発され、感情を取り戻していく男たちの描写からは、
その賑やかさが聞こえてくるようだ。
けれども。
立ち向かうにはあまりにも強大だった権力。
え?これはSF?と言いたいところだけれども。
こんなことが実際に行われていた時代があったことに戦慄する。
偽りの屈服を良しとしなかった彼。
その志は伝わっている。確かに。

個を個たらしめているもの。
それを抜き取られてしまったら、
それはただの有機体。
彼はもう、そこにはいない。
『カッコウはコンピューターに卵を産む』とごっちゃになって、
あれ?これ何の話??と混乱した読み始め。
読後にまさかこんなにやるせない想いを噛みしめるとは思わなかった。
読めて良かったです。
【ガーディアン必読101/1000冊】

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「スミソニアンの王冠(下)」 (シグマフォースシリーズ12)ロリンズ(竹書房)



蜂の攻撃描写がホント嫌。
というか、小さな虫に全身に張り付かれてジワジワ食いちぎられるのは
マジ勘弁してもらいたい。
忍者、もっと頑張れよ、というのと、
え~、そこ共闘しちゃうんだ!という個人的不満もあって、
上巻がとっても楽しかった割には下巻でプラマイゼロ感。
つまり、いつも通りの満足度に落ちつきました☆
陰謀やアクションメインにストーリーが展開しても、
恋愛や家族等々の生活感漂う描写が差し挟まれるから、
彼らがより身近に感じられる。
グレイとセイチャンの間に生じた変化は
今後の彼らにどう影響するのか?
気になりつつの読了。


蜂に関しては百田氏の『風の中のマリア』と
鉄腕ダッシュで色々と学びました!
多分、間違ってないと思う(笑)
作中で和歌が差し挟まれるけど、
五七調の和歌が英訳されると、どんな感じになるんだろう?
と、ちょっと気になってみました。

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「スミソニアンの王冠(上)」 (シグマフォースシリーズ12)ロリンズ(竹書房)



ワンパターンを脱却して、
ここにきて面白さのギアをあげてくるシリーズ。
監視なのか護衛なのかよくわからないお付の人たちを伴っての
グレイとセイチャンのバカンス。
彼らに向けられたのは白寿間近の男が胸に抱き続けた恋の恨み。
そして、彼らの過去が招きよせた大いなる危機。
アメリカン・エンターテイメントらしく日本の影の組織の呼称は「忍者」。
「忍刀」「鎖鎌」「手ぬぐい」の用語が飛び交っているのには思わず笑ってしまった。
ああ、だけど忍び寄る脅威の正体はもはやホラー。
気持ち悪い!そして怖い!でも気になる~~!
と読み進めて、最後の最後で衝撃的な爆弾がセイチャンの口から放たれました。
ちょっと、どうなるの!

『悪魔の花嫁』で蟻の卵を人の身体で孵化させて……という話を
小学校の時に読んで半泣きになって以来、その手の話は軽くトラウマ。
想像するだけで気持ち悪い。怖い。でも気になるし!!!
と、ゾワゾワしながら読んでました。
セイチャンは多分、大丈夫だと思うんだ。
ああ、そしてパル。最後まで無事でいてね。
私にとって「ハワイ」と言えば「鉄腕DASH」。
深夜枠は神がかって面白かった。

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「アンナ・カレーニナ(下)」トルストイ (新潮文庫)



現代日本の価値観の中で生き、子どもを持たない私は、
アンナの選択に寄り添うことはできなかった。
ってか、理解不能。
心はどこまでも自由であるべきだけれども。
立場上、許されない恋は間違いなく存在する。
その恋を成就させるためにしなければならなかったことを
彼女は全て放棄した。
つまり、幸せになる権利は彼女自身の手で手放したようにしか思えない。
全編通して主に三組の男女が描かれていたけれども。
それぞれが抱えた問題が生臭くてリアル。
信仰を持たなかったリョーヴィンが宗教的な境地に辿りついたところで終幕。
オブロンスキーは最後まで駄目男だった。


ドストエフスキーとトルストイ。
「ロシア人作家」と一括りにしていたけど、当然のことながら、全く違う。
個人的にはドストエフスキーの俺前面押しのエネルギッシュな作風の方が好み。
トルストイは社会背景をきっちり描いてくれているのが興味深かった。
そして突然始まった花占いのロマンチックさにびっくりした(笑)
【ガーディアン必読100-3/1000冊】


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「アンナ・カレーニナ(上)」トルストイ (新潮文庫)




とても窮屈な世界で生きている人々の物語。
だけど、窮屈な中でも皆どこまでも自分勝手。
というか、自分の感情に素直。
だからとても生き生きとしている。
とはいえ、浮気が公認の……というか、筒抜けの社会ってすごいわー。
怖いわー。
アンナとヴロンスキー。
キチイとリョーヴィン。
彼らの恋がどんな形で進行して、どんなふうに帰結するのか。
とても気になる。
そして、アンナの夫、カレーニンの存在も気になる。
恋に溺れる前のアンナが私にとっては魅力的だったなぁ。
ドリィは身勝手な浮気夫を一度は踏んでもいいと思う(笑)→

ドストエフスキーを読んだ時に感じた、
ロシア文学の俺俺主義は健在。(笑)
でも、俺推しはドストエフスキーよりはよっぽどマイルドだった。
とはいえ、一冊に詰め込まれた内容の濃いことと言ったら。
この読み応えでまだ3分の1。
先の展開がまったくわからないからとても楽しみ。
ディーン(@ツーリング)がヴロンスキーの台詞を口にしたシーンを
脳裏に焼きつけた小学校時代。
だからヴロンスキーがとてもカッコイイ青年将校だと思い込んでいたんだけど。
描写的に想像するとそうでもないの?←

【ガーディアン必読100-1/1000冊】


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「赤と黒(下)」スタンダール (新潮文庫)



作中の人物たちの想いに全く共感できないので、
途中までは読み進めるのが苦行。
ジュリヤンとマチルダの恋愛は
「自分のための恋愛」という感覚が全面押しで
恋愛というよりもはやどちらがより優位に立てるかの勝負。
強烈な自尊心の根底には、相手に対する情愛がしっかりと宿っていることが
確信できるのは、色々なことが手遅れになってから。
そして決して尽きることのなかったレーナル夫人とジュリヤンとの絆。
彼のために最後まで尽力した親友のフーケ。
彼らの悲痛な想いと運命を受け入れる覚悟を決めたジュリアンの心の凪が伝わってきて、
最後は切なくなっての読了。

苦行を抜けるまでが長かった……
もうちょっと時間がかかるかと思ったけど、何とか週末前に読了。
ジェロニモと言えばキン肉マンを思い浮かべていた子ども時代。
今はジェロニモと言えば天草四朗。
見聞したものに影響されまくりの連想ゲーム(笑)

【ガーディアン必読99-2/1000冊】

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