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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「タイタロスの目覚め(上)」 (シグマフォースシリーズ14)ロリンズ(竹書房)



今回の歴史的なワードは『イリアス』『オデュッセイア』『トロイアの遺跡』。
これリアル?アンリアル?と読みながら引っかかった単語を調べると
リアル率が高い。
そこに作者ならではのフィクションの肉付けがされて、
展開されていく物語は相変わらず面白い。
いつもの歴史蘊蓄や謎解き・アクションの他に、
恋愛と子育てに関する悩みや一変した生活から得られる幸せや戸惑い等々も盛り込まれていて
読みどころ満載。
セーチャンは本当に良い方に変わったわ。
いつだって誰かが満身創痍の物語。
必ず潜む裏切者。
そして事件は謎だらけのまま上巻読了。



わー、前作までの流れから不吉なフラグがチラチラしてる気がしてドキドキする。
ちょっとした不吉はともかく、
最悪な不吉は回避してくれることを願うわ。
下巻をパラパラ捲って色々確認したいところだけど、そこはぐっと我慢。
一頁目から読み進めます。

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「イギリス人の患者」オンダーチェ (新潮文庫)



激動する時代から取り残されたかのような廃墟で暮らす四人の男女。
年齢も国籍も異なる彼らをそこに集めたのは、戦争。
そんな彼らの生活を壊したのも、やはり戦争。
それぞれの視点で語られる過去。
とりとめもなく、やさしく、時にやるせなく。
時間も国も状況も事なるその物語が、次第にとある真実を浮かび上がらせていく。
いずれは終わると思っていた歪な四人の時間。
けれども。
終焉の引き金を弾いた要因は私の想像の範疇外ながら
あまりにもよく知ったもので、愕然とする。
黙々と爆弾を処理してきた男の絶望と混乱を思うとやりきれない。
美しく、そして残酷な物語。良作。


ガーディアンチャレンジをしていなければ、
絶対に手に取らなかったと思う本がいくつもある。
その中から、チャレンジしていたからこそ出会えてよかったと
心から思う本も出てくるわけで、この本もそのうちの一つ。
夜の静寂の中で静かに読み進めるのが相応しい作品。
絶版になっていることが残念でならない。
そして自分がいつから積んでいたのか全く分からないところも残念でならない……←
【ガーディアン必読108/1000冊】

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「スカラムーシュ」サバチニ(創元推理文庫)



500項を越える長編。
字は細かいわ、改行少ないわ、読むのに時間かかるわ……なんだけど。
読み進めるほどに面白さが増していって、ラストは
「ちょっと、この先~~!気になるじゃん!」と鼻息荒く読了。
うわー、何この展開!面白い!
意図的ではないながらも、人生の選択を迫られる岐路に何度も立たされ、
流れに身を任せた結果、そのたびに窮地を乗り越えてきたアンドレ・ルイ。
しかも、その都度自分のHPを上げていくというオプション付き。
革命に向かって不穏な雰囲気を醸し出していくフランスを舞台にした
復讐劇であり、愛情物語であり、冒険譚でもある。



「スカラムーシュ」と聞いて思い浮かぶのはピアノ曲。
私のピアノ教室の発表会は二年に一度、ソロ・デュオ・ソロ・デュオの繰り返しで、
デュオの年に先生が生徒さんと組んで弾いていたんだよね。
当時の私は中学生?よく覚えていたわ(笑)
「コメディ・フランセーズ」と言えば思い浮かぶのは『マリー・ベル』。
それも道理で、同時代の物語。
いつかチャレンジしたい賢一氏の『小説フランス革命』。
【ガーディアン必読107/1000冊】

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「死んでいる」ジム・クレイス (白水uブックス)



一方的な暴力によって、理不尽に奪われた命。
唯一の救いは二人が共に逝けたことで、
襲い来る恐怖に一人で震えなくて済んだことだろうか?
そう思う私は自称ロマンチスト。
彼らの身に降りかかった事象がただ淡々と綴られるリアルな描写には感傷の入り込む余地はない。
生きているからこその有機体。
命が消えてしまえば、無機物になる。
それが、死ぬということ。
だけど、その人が歩んできた人生は、関わった人々の胸に思い出として刻まれる。
過去と現在を行き来する彼らの物語から、そう、感じられる。
彼らは死んでいる。だけど、間違いなく生きていた。

20年前に読んでいたら、感想は全く違ったと思える作品。
読み時ってあるんだなぁ、と。
あと20年後に読みたいか?と問われると、多分読みたくない。
今がベストだったんだと思う。
【ガーディアン必読106/1000冊】

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「わたしを離さないで」カズオ・イシグロ (ハヤカワepi文庫)



その先に待ち受けているものから逃れる術を求めるのではなく。
自分自身の在り様を、その先の未来を、淡々と受け止めている彼らの姿が、
ただひたすらに悲しくて、そして苦しい。
自らの利になるものは生み出したい。
だけど、脅威になるものは排除したい。
身勝手だけど、それが人間。
そんなふうに納得できてしまうのが、やっぱり悲しい。
幼い頃から施設で共に生活し、喜怒哀楽を共にした仲間たち。
理不尽な運命を強いられていても、
彼らの心が濁りなくきれいなままだったのは、施設での日々があったからなのか?
ならば私は残酷な施設の在り様を肯定する。
何を彼らに伝えるかは別にして。


「やりたいことはいずれできると思っていたけど、それは間違いで、
すぐにも行動を起こさないと、機会は永遠に失われるかもしれない」
震災直後に友だちと全く同じことを語り合った思い出。
今日と同じ明日がくるとは限らないから。
途中から榎田さんの『神話シリーズ』が頭をよぎって仕方がなかった。
そして、神話シリーズの彼らと作中の彼らの在り様に、色々考えさせられる。
【ガーディアン必読106/1000冊】

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「シャイニング (下)」スティーブン・キング (文春文庫)



嫌悪したはずの父親の暴力行為を正当化することは、
即ち、今の自分の在り様を弁護すること。
再起を賭けた雪山での暮らしだったはず。
心の闇に付け込まれたのは彼の弱さ故。
だけど、吞み込まれまいと必死で葛藤していた彼がいたことを知るからこそ、
その結果が残念でならない。
乗り切ってほしかったなぁ。
わが子を守るために満身創痍で戦ったウェンディ。
心に傷を抱えたダニー。
いつか思いっきり笑える日が来るといい。
赤の他人なのに必死で彼らの救出に向かったハローラン。
還暦過ぎた正義の味方はとてつもなくかっこよかった。


最大の脅威は人間であると思っているので、
ゾンビな時点で私的にはないわ~、と思ってしまった敗北感。
そして、閂開けられるくらいファンタジーなら、ボイラーもどうにかできるでしょ?
と一瞬思ったことは内密に。←根本的にホラー向いてない。
【ガーディアン必読105-2/1000冊】


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「シャイニング (上)」スティーブン・キング (文春文庫)



5歳の子ども、ダニーの聡明さが痛々しい。
だけど、結果的にはそれが彼を救うのだと思いながら読み続ける。
いずれ脅威となり得るであろう相手を切り捨ててしまうことができれば、事は簡単だ。
だけど、それに勝る愛情があり、脅威たる彼が彼なりに足掻いていることも知っている。
そして、それをほのめかしたトニーと言う存在が、
彼らに好意的なのか悪意を持っているのかが今ひとつわからない。
閉ざされた空間の中でひたひたと押し迫る「何か」がそこにある。
そうなんだけど。
気持ちの抑揚がまったくないまま、上巻読了……あれ?どういうこと??
ドキドキとかキャーーとか、え?ないの?私?

期待値が高すぎたのがいけなかったのかしら?
ここまで平坦に読み終わってしまったのは想定外。
下巻、どうなる!?
……と思ったけど、展開が想像できる下巻の目次は上巻にはいらないと思うの。
【ガーディアン必読105-1/1000冊】

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「鏡の国のアリス」ルイス・キャロル (新潮文庫)



鏡の国は夢の国。
不思議な出来事が次から次へと目まぐるしく展開される
心躍るようなワンダーランド。
本書の面白さは著者の自由に浮遊する想像力の素晴らしさ。
この一言に尽きると思う。
彼の描き出す世界に引き込まれていろいろと思い描きながら読み進める。
その世界を楽しく想起させる金子氏の挿絵が秀逸。
そして、アリスの足取りが「チェスの規則に則って構成されている」の描写に、
何故か天童市の「人間将棋」を想起した私は生粋の東北人です。
「きみたちはどっちだと思う?」
最後の問いかけに対する私の答えは一択です(笑)


ミンスパイ!
この作品に限らず、ほかの作品でも作中に出てくるけど、
食べたことないので食べてみたい。
窓に雪が当たる描写を「窓いちめんにキスしてるみたい」とあったけど、
この描写、とても素敵!
【ガーディアン必読103/1000冊】



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「ブライト・ライツ、ビッグ・シティ」ジェイ・マキナニー (新潮文庫)



「きみはそんな男ではない」
印象的な書き出し。
やわらかな二人称の語り掛けに引き込まれるように、
物語世界を浮遊する自分がいる。
意にそぐわない仕事。
出て行ってしまった妻。
自堕落な遊びに誘う友。断れないきみ。
現状に不満を感じ、居心地の悪さを感じているくせに、
その現状を変えようとする努力の見えないきみ。
それどころか仕事放棄。
それじゃあ、何も変わらないよね、と冷めた思いで見てしまう私。
これまでの生活をぶち壊したきみが、
夜明けの光の中でパンを口にするシーンが印象的。
だけど、本当にやり直せるの?
懐疑的な私。

「性格を知りたかったら、その人間の蔵書を調べてみるのが一番いい」
なるほど。
蔵書を読メの読了本に置き換えても同じことを言えるのかな?と
ふと思ってみました。
【ガーディアン必読102/1000冊】

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「AIの魔女(下)」 (シグマフォースシリーズ13)ロリンズ(竹書房)



前巻あたりでワンパターンを脱却してきたなぁ、と思ったけど。
今回は新たな引き出し開けてくれたな、ロリンズ!という感じの展開で、
ラストでは圧倒されすぎてポカーン、と。←褒めてる。
あんまりに荒唐無稽すぎない?と思った事象も
科学的根拠がある!と断言され、あ、そうなんだ……と受け入れ態勢。
なんかいろいろすごかった。←語彙(笑)
特に聖遺物の秘密が!
母になったセーチャンがどんな子育てをしていくのか。
良い方向に変化をしてきているのがわかるだけに、とても興味深い。
男女問わず、堂々と銃床にキスする仕草はセクシーだと思う。


ロープレみたいにつけたした「もう一つの結末」は個人的にはいらなかった。
問題提起をしたいなら、そっちの方向で書ききればよかったんじゃないかな?
翻訳されているのはシリーズ14作+外伝2作。すべて上下巻で合計32冊。
巻数が膨大すぎて気軽くお勧めできないのが残念。

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