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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「ダーウィンの警告(上)」 (シグマフォースシリーズ9)ロリンズ(竹書房)



専門的な領域の話でも、
分かった気になって読めてしまうところがこの作品の凄いところだと思う。
今回は人類を絶滅するに足る威力を持った謎の物質の流出から事件がはじまる。
同じ時刻にビキニ姿の恋人の姿を眺めながら幸せを噛みしめていた男が
事態の収束の為の陣頭指揮を執る。
仕事とプライベートが違和感なく混在するところが、この作品に親しみがもてるところ。
とはいえ、事態は深刻。
焦土となったカリフォルニア。抉られた南極の大地。
多くの人の命を奪った元凶となった男は熱帯の地で血で汚れた楽園を築く。
生き物を「創作」した手痛いしっぺ返しを喰らうといい、と思いつつ、下巻へ。


本書の内容とは関係ないけど。
プロローグのさらに前説的なところで触れられている
アレクサンドリア図書館。
印刷技術がない時代の100万冊近くの蔵書。
その存在自体が本読みとしてはものっすごいロマンあふれる魅惑の場所!
(図書館利用してないけど・笑)

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「チンギスの陵墓(下)」 (シグマフォースシリーズ8)ロリンズ(竹書房)



起こった問題に対する多方面からのアプローチ。
ある程度判別できてしまう関わる人たちの生死。
そして、限られた時間内でのドキドキハラハラの問題解決。
この展開もマンネリ化してきたなぁ、もうちょっと違う展開でもいいかなぁ、
と思った後半の自分を襲ったとんでもない衝撃。
ちょっとロリンズ!
そんなびっくり望んでなかったよー!(涙目)
防御なしに爆風を浴びた気分。
それでも、エピローグ・裏はいらなかったと断言する。
爆風と一緒にチンギスも吹っ飛んだわ。
作者の織り成す世界に翻弄されるのが読者。
間違いなく続きも読むよ。


「頑張れ!」と言われ「さっきからずっと頑張っているわよ!」と言える
女子の頑張りは好きだなー。
『逆説の日本史』もまだ道半ばだけど、
『逆説の世界史』の文庫はしっかり追いかけていこうと思ってみた。

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「チンギスの陵墓(上)」 (シグマフォースシリーズ8)ロリンズ(竹書房)



プロローグのアッティラ暗殺の場面から期待値が高まる。
チンギス・ハンの陵墓は徳川埋蔵金と通じるものがある……と思うとなんだかワクワク感が募る。
あらゆる物事が思いのほかスムーズに進み過ぎるところがなんとなくひっかかるけど、そこはご愛嬌。
ザッツエンタメ。楽しんだモノ勝ち。
まさかの北朝鮮での戦闘にまで発展するとは思わず、彼の国の惨状に眉を顰める。
ダークマターまで話は広がり、大風呂敷を広げきったところで次巻へ……だと思いたい。
これ以上広がったら大盤振る舞い過ぎると思うから。
馴染んだキャラたちは相変わらずでとても楽しい。長編読みの醍醐味。


読めば読むほど北方の『チンギス紀』が気になってくる。
史上最大の帝国を築いた彼の生涯を、北方はどう記しているのだろう?
完結して文庫になるのを待って……って言ってたら、読めるのいつになるのかしら?

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「ギルドの系譜(下)」 (シグマフォースシリーズ7)ロリンズ(竹書房)



「衝撃を受けた」と感想を述べた前作のラストもまさに布石。
畳み掛けるような怒涛の展開の中、明らかになった真相。
気を抜いた直後に訪れる衝撃。
全力疾走で読み切った読後は息切れしそうな錯覚に陥る。
無関係の人は実験体として殺す。
だけど、自分の家族は守りたい。
都合の良いことを言っている者には
「撃っていいのは撃たれる覚悟がある奴だけだ」という
ルルーシュの言葉を進呈したい。
自らの出自を知ったセイチャン。
グレイとの無言のやりとりが印象的。
ギルドとの攻防はここで一段落。
まだまだ続くシリーズの今後の展開に期待。

タッカーとケイン。
魅力的な元米軍大尉と軍用犬のコンビは番外編でシリーズ化。
こちらも読むのが楽しみ。



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「ギルドの系譜(上)」 (シグマフォースシリーズ7)ロリンズ(竹書房)



ヤバイ。ナニコレ。面白いんですけどー!
というわけで、勢い衰えないシリーズ8作目。
「これは意味のある戦いなのか?」
多分、それは突きつけつめてはいけない。
向き合った時点で足が止まってしまう。
これはミッション。
だが、晒されるのは彼ら自身の命。
アメリカとアフリカで作戦を展開するキャットチームとグレイチーム。
陥った絶体絶命の窮地をどう切り抜けるのか?
命懸けのアクションの合間にプライベートが差し挟まれる描写のおかげで、
殺伐とした感じになりきらない。
とは言え、現場は凄惨。
プロローグで息を呑み、嘘でしょ、と唸って上巻は終了。
気になることテンコ盛りで次巻へ。

艶やかな毛並み。
暖かな体温。
濡れた鼻先の感触。
息遣い。
あたかも、この手で触れているかのようなケイン(シェパード)の描写が素晴らしい!
友だちの家の子もシェパードでカインって言うんだよね。
でも、超絶甘えっこ。
積んでるロバート・グレイスの『容疑者』を読みたくなるけど、それは今じゃない。
まずは気になって仕方のない下巻へ。

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「土曜の夜と日曜の朝」アラン・シリトー (新潮文庫)



不思議な吸引力のある作品。
日々の日常を逞しく生き生きと過ごす人たちの物語。
生命力あふれる彼らの姿に引き寄せられるように読み進める。
だーけーどー!
アーサーが人妻との逢瀬を重ねる理由に、この男最低!と、毒づきたくなる。
痛い目をみるがいい、と思い続けていたので、
とりあえずそれ相当の報いを受けたことで溜飲が下がった。
まぁ、関係を許した女の側にも問題があると思うけどね。
でも何だか憎み切れないろくでなし。
それがアーサー。
彼の仕事に対する姿勢は認めてもいい。(←上目線・笑)
ラストの四行に生きる活力を分けてもらえた気持になる。
うん。
頑張って働こう。→

文字の細かさに読み始めるのに一瞬躊躇したけど、
一度読み始めたら全く問題なく読めたのは面白かったから。
ガーディアン選書でなかったら、手に取ることはなかったであろう本。
こういう出逢いがあるから月に一冊はガーディアン。
【ガーディアン必読 90/1000】



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「クリスマスの思い出」トルーマン・カポーティ(文藝春秋)



やさしくて、あたたかくて、穏やかな光に満ち溢れる世界。
悪意という言葉の対極にある世界がそこには広がっている。
60歳を超えた彼女と7歳の僕。
無邪気な二人が協力し合って準備をする心温まるクリスマス。
満ち足りた笑顔しか浮かばない、ふたりの世界。
だけど。
僕と彼女との幸せな時間は永遠には続かなかった。
なんだかリアルに現実を突きつけられた気持になる。
ならばせめて、そんなクリスマスを過ごしたことが、
彼にとってかけがえのない思い出となってくれたらいい、と。
そして、残された彼女が寂しくなければいい、と。
心から願ってやまない。


「私はね、今日という日を胸に抱いたまま、
ここでぽっくり死んでしまってもかまわないと思うよ」
満ち足りた時間を過ごせた証のような言葉。
その瞬間に死ねたら幸せなのかな。
その後僕と離されてしまった彼女は、同じ言葉を紡ぐことができただろうか?
そんな問いかけが寂しかった。

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「木曜日だった男 一つの悪夢」チェスタトン (光文社古典新訳文庫)



彼が「木曜日」になるまでの過程にぐっと引きつけられる。
この先どうなるの?と高まる期待。ワクワク感。
不可解で魅力的な男たち。
読み進めるうちになんとなく見当がつく彼らの正体。
だけど「何故?」がわからない。
気になる。
気になりすぎて頁を捲る。
捲って捲って……「なんじゃこりゃーー!?」
表題にあるように、私も悪夢(?)に翻弄された気分になる。
「何故」を追求しちゃいけないんだろうな。
曜日になぞらえた七人がキャラ立ちしてるので、
一人一人掘り下げたストーリーを想像するのも面白い。
読むたびに読後の印象が変わりそうな作品。


掴みはメッチャオッケー。むしろ大好き。
で、大風呂敷広げての「なんじゃこりゃー!?」の典型は、私にとっては菊地秀行氏。
Dもエイリアンも魔界都市シリーズも大好き。
大好きなんだけど、突っ込みたいことが多々あってどれもこれもシリーズ完走できてない(笑)
【ガーディアン必読 89/1000】

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「スノーグース」ポール・ギャリコ (新潮文庫)



三篇収録。
「スノーグース」で描かれた美しさと悲哀が個人的には一番響いた。
惜しみなく与えられるラヤダーのあたたかな愛は、
彼を戦禍の中に取り残された兵たちの救済へと向かわせる。
いや、愛だけではなかったのかな。
彼が彼で在るために己に課した責務。
彼の傍を離れようとしなかったスノーグースが美しくもいじらしい。
「小さな奇蹟」と「ルドミーラ」で描かれた奇蹟は、
奇蹟ではあるけども、人(or牛)の想いが繋いだ奇蹟。
切なる願いがあってはじめて動く事象。
託された花束が人々の手を介して彼の人の元へ届いたのが感動的。

冬に甥っ子ちゃんたちをつれて白鳥を見に行けたらいいなーと思っているのですが。
その時は白雁も忘れずに探して来ようと思います。
【ガーディアン必読 88/1000】

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「ジェファーソンの密約(下)」 (シグマフォースシリーズ6)ロリンズ(竹書房)




限られた時間の中で精一杯の知恵を振り絞り、文字通り身体を張って
未曽有の危機に瀕した国家を救った彼ら。
だけど、後味がとてつもなく悪い。
他者の命を散々に奪っておきながら、幸福の中で時間を止めた彼の身勝手。
任務を忠実にこなしたが故に、愛する家族が命を狙われる理不尽。
職を辞することを選んだ男。
失意の底にいる男。
だが、彼らは再び立ちあがるだろう。
対峙しなければならない敵がいる限り。
その敵が!
ラストの一行で思わず声が出る衝撃。
このシリーズ、面白さが失速しないなぁ、と思っていたけど、
ここにきてブーストで加速した感あり。


再読な訳だけど、明確に覚えているのがラストの一文だけっていう自分に驚き。
それだけラストが衝撃的だったと言えば、聞こえがいいのかな?
おかげで(?)楽しく読めました。
このシリーズの再読はこの巻で終了。
以降は未読の世界へ突入です。
再読の巻数より未読の巻数が多いってどういうことだろう?
よく積んだなぁ、私(笑)

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