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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「その犬の歩むところ」ボストン・テラン(文春文庫)



ギヴ。
彼に降りかかる運命の過酷さに息が詰まる。
アメリカを生きる犬の物語であり、
アメリカを生きる人々の物語でもあり、
激動のアメリカそのものの物語でもある。
父親が辿りついた安住の地で生まれ、
アンナの愛情を一身に浴びてのびのびと育っていたギヴの身に降りかかった災厄。
劣悪な環境に置かれようとも、彼が人間に対する信頼と愛情を失わなかったのは、
彼と係った人たちが、彼ら自身が心に大きな傷を負っていたにも関わらず、
惜しみない愛情を彼に与え続けたから。
お互いに補いう合う所もあったんだと思う。
強く生きるってそういうことだよな、と、教えられた気がする。


個人的に「アメリカを生きる」というワードで連想するのが
ちょっと時代が違うけど『怒りの葡萄』。
あれほど圧倒されたアメリカの物語は今のところないかな?




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「ひと月の夏」J.L.カー (白水Uブックス―海外小説の誘惑)



仕事で訪れた田舎町で、青年が過ごしたひと月の夏。
彼の過ごした日常が淡々と描かれている中に差し込まれる数年後の彼の想いから、
この町で過ごした時期の幸いが伺える。
と同時に、町の人たちとどれほど親しくなろうとも、
この町が居心地の良い町であったとしても、
仕事を終えれば、彼は予定通りこの町を去ることも。
それがわかっていても、読後に込み上げた強烈な寂寞感。
その時を過ごした人たちとの徹底的な決別。
故に、鮮烈に胸に残る当時のままの記憶。
二度と戻れないからこそ、心に美しく刻まれた時。
ラストの息を呑むような鐘楼でのシーンは秀逸。



その読後感からなんとなく『日の名残り』を思い出しました。
そういえばあちらもイギリス文学。
読み返すたびにジワジワ胸に染み入ってきそうな作品。
映画化もされているんですね~。
視覚的に観てもとても美しいに違いない。
いつか観てみたいな。
【ガーディアン必読 93/1000】

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「イヴの迷宮告(下)」 (シグマフォースシリーズ10)ロリンズ(竹書房)



いつものように2班に分かれての問題へのアプローチ。
だけど、今回はコワルスキサイドだけでも十分だよね?
というくらい、コワルスキとゴリラのバーコとマリアのコンビが頑張ったと思う。
人類の知能の進化の謎。
蘇る巨人。
月に纏わるワクワクするような推理。
紐解かれていく謎を追いかけ、
ギリギリのところで危機を躱していくアクションにドキドキし、
上下巻あわせて約900頁。
一番の衝撃がエピローグに。
ちょっと、どういうことよ!?
10年後のこの事態がどういうことなのか、解明されるのかどうかが気になって色々ぶっ飛び、
バーコが我が子に託した想いに涙して読了。

バーコ(ゴリラ)は本当に良い子だった。
私も抱きついてみたいなぁ。
そして抱きつかれたい。
著者はこの衝撃のエピローグをちゃんと回収してくれるのかしら?
してくれるよね??



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「イヴの迷宮告(上)」 (シグマフォースシリーズ10)ロリンズ(竹書房)



プロローグはまさかの紀元前38000年から。
今回のテーマは人類の知能の進化について。
秘密裏に進行していた中国のプロジェクト。
彼らにとってのイレギュラーは我らがシグマの存在。
力も資金も兼ね備えた組織同士のぶつかり合いは、ガッツリとした読みごたえあり。
「毛のないゴリラ」と陰で言われるコワルスキーと
本物のニシローランドゴリラのバーコとの交流が微笑ましい。
そんなコワルスキがどんなふうにペインターの期待に応えるのかがとても楽しみ。
そして、月の表面のスケッチが描かれた時代を思うと、ロマンでしかない。
グレイたちの決意に奮い立ちながら次巻へ。

「アトランティス大陸」
この言葉だけで、色々想像をかきたてられてわくわくする。
そして神坂智子の「シルクロード」シリーズを思い出してみました。
大好き。





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「チャタレイ夫人の恋人」ロレンス(新潮文庫)



600頁近くの作品を読み切って、尚且つ込み上げる「あともうちょっと!」感。
その後を想像する楽しみよりも、想像するしかないもどかしさ。
後半、一気にのめり込んでしまった。
作中で繰り返されるディスカッションは欧米的だなぁ、と思いつつ、
その主張に同調できたり、違うと思ったりで楽しめた。
でも、そんな毎日ばっかりだと息が詰まる。
開放的な森の中でメラーズと逢瀬を重ねるコニー。
二人がどんなふうに愛しあったのか。
どんなふうに互いを必要としたのか。
生き生きと描かれている。
主に上流階級の人たちの目線で語られる中、
終始揺らがなかった労働者であるメラーズの在り様は潔いと思う。


それにしても、メラーズの元妻、怖い。
何時何処から何が飛んでくるかわからない
奇行で挑んでくる相手に対する対策は立てようがないよなぁ。
さっさと離婚していればよかったのに。
そして、メラーズの娘のその後が気になってみた。
【ガーディアン必読 92/1000】

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「ダーウィンの警告(下)」 (シグマフォースシリーズ9)ロリンズ(竹書房)



とても楽しく読んでいたわけですが。
結末に納得いかないと、読後にはもやっと感が残る残念さ。
な ぜ !
あなたがそのやり方でその人を裁く?
同じことを自分にもしたなら、納得できた。
そうじゃない上に、あなたはお咎めなしっておかしくない?
おかしいよね?←誰に言ってる?
内容的には……
南極と熱帯雨林。
対極にある場所が対になって展開していく物語はおもしろかった。
オレ、創造主、だから特別。
的な選民意識はやっぱり腹立たしい。
弄んで良い命なんてないんだよ?
そんな男の身勝手に振り回され、命懸けで戦いきった彼らに暫しの休息を。


結末に対する文句語りをとてもとてもしたいわけですが。
このシリーズを一緒に読み進めていた友人たちのうち、
一人は『ギルドの系譜』で止まっていて、
もう一人は私が貸していないから『ジェファーソンの密約』までしか
読んでいないというこれまた残念さ。
早く読んで~~!

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「ダーウィンの警告(上)」 (シグマフォースシリーズ9)ロリンズ(竹書房)



専門的な領域の話でも、
分かった気になって読めてしまうところがこの作品の凄いところだと思う。
今回は人類を絶滅するに足る威力を持った謎の物質の流出から事件がはじまる。
同じ時刻にビキニ姿の恋人の姿を眺めながら幸せを噛みしめていた男が
事態の収束の為の陣頭指揮を執る。
仕事とプライベートが違和感なく混在するところが、この作品に親しみがもてるところ。
とはいえ、事態は深刻。
焦土となったカリフォルニア。抉られた南極の大地。
多くの人の命を奪った元凶となった男は熱帯の地で血で汚れた楽園を築く。
生き物を「創作」した手痛いしっぺ返しを喰らうといい、と思いつつ、下巻へ。


本書の内容とは関係ないけど。
プロローグのさらに前説的なところで触れられている
アレクサンドリア図書館。
印刷技術がない時代の100万冊近くの蔵書。
その存在自体が本読みとしてはものっすごいロマンあふれる魅惑の場所!
(図書館利用してないけど・笑)

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「チンギスの陵墓(下)」 (シグマフォースシリーズ8)ロリンズ(竹書房)



起こった問題に対する多方面からのアプローチ。
ある程度判別できてしまう関わる人たちの生死。
そして、限られた時間内でのドキドキハラハラの問題解決。
この展開もマンネリ化してきたなぁ、もうちょっと違う展開でもいいかなぁ、
と思った後半の自分を襲ったとんでもない衝撃。
ちょっとロリンズ!
そんなびっくり望んでなかったよー!(涙目)
防御なしに爆風を浴びた気分。
それでも、エピローグ・裏はいらなかったと断言する。
爆風と一緒にチンギスも吹っ飛んだわ。
作者の織り成す世界に翻弄されるのが読者。
間違いなく続きも読むよ。


「頑張れ!」と言われ「さっきからずっと頑張っているわよ!」と言える
女子の頑張りは好きだなー。
『逆説の日本史』もまだ道半ばだけど、
『逆説の世界史』の文庫はしっかり追いかけていこうと思ってみた。

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「チンギスの陵墓(上)」 (シグマフォースシリーズ8)ロリンズ(竹書房)



プロローグのアッティラ暗殺の場面から期待値が高まる。
チンギス・ハンの陵墓は徳川埋蔵金と通じるものがある……と思うとなんだかワクワク感が募る。
あらゆる物事が思いのほかスムーズに進み過ぎるところがなんとなくひっかかるけど、そこはご愛嬌。
ザッツエンタメ。楽しんだモノ勝ち。
まさかの北朝鮮での戦闘にまで発展するとは思わず、彼の国の惨状に眉を顰める。
ダークマターまで話は広がり、大風呂敷を広げきったところで次巻へ……だと思いたい。
これ以上広がったら大盤振る舞い過ぎると思うから。
馴染んだキャラたちは相変わらずでとても楽しい。長編読みの醍醐味。


読めば読むほど北方の『チンギス紀』が気になってくる。
史上最大の帝国を築いた彼の生涯を、北方はどう記しているのだろう?
完結して文庫になるのを待って……って言ってたら、読めるのいつになるのかしら?

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「ギルドの系譜(下)」 (シグマフォースシリーズ7)ロリンズ(竹書房)



「衝撃を受けた」と感想を述べた前作のラストもまさに布石。
畳み掛けるような怒涛の展開の中、明らかになった真相。
気を抜いた直後に訪れる衝撃。
全力疾走で読み切った読後は息切れしそうな錯覚に陥る。
無関係の人は実験体として殺す。
だけど、自分の家族は守りたい。
都合の良いことを言っている者には
「撃っていいのは撃たれる覚悟がある奴だけだ」という
ルルーシュの言葉を進呈したい。
自らの出自を知ったセイチャン。
グレイとの無言のやりとりが印象的。
ギルドとの攻防はここで一段落。
まだまだ続くシリーズの今後の展開に期待。

タッカーとケイン。
魅力的な元米軍大尉と軍用犬のコンビは番外編でシリーズ化。
こちらも読むのが楽しみ。



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