きままに読書★
読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
カテゴリー「海外小説」の記事一覧
- 2019.04.30 「ケルトの封印(下)」 (シグマフォースシリーズ5)ロリンズ(竹書房)
- 2019.04.27 「ソラリス」レム (ハヤカワ文庫SF)
- 2019.04.22 「ケルトの封印(上)」 (シグマフォースシリーズ5)ロリンズ(竹書房)
- 2019.03.29 「ロマの血脈(下)」ジェームズ・ロリンズ (竹書房文庫)
- 2019.03.24 「ロマの血脈(上)」ジェームズ・ロリンズ (竹書房文庫)
- 2019.03.17 「ドリアン・グレイの肖像」ワイルド (光文社古典新訳文庫)
- 2019.02.16 「静かなる天使の叫び (下) 」エロリー(集英社文庫)
- 2019.02.13 「静かなる天使の叫び (上) 」エロリー(集英社文庫)
- 2019.01.29 「ユダの覚醒(下)」 (シグマフォースシリーズ3)ロリンズ(竹書房)
- 2019.01.27 「ユダの覚醒(上)」 (シグマフォースシリーズ3)ロリンズ(竹書房)
「ケルトの封印(下)」 (シグマフォースシリーズ5)ロリンズ(竹書房)
感情を押し殺して非情に徹する生き様は心がすり減るだろなぁと思うけれども。
その姿を痛々しい、と言い切るには手を血で汚しすぎたセイチャン。
命の期限を切られながらも最後まで毅然として戦い通したレイチェル。
彼女たちが必要としたのが同じ男だってところが、なんとも複雑な想いが込み上げてしまう。
一連の事件を通して謎に包まれたギルドの存在がその輪郭を僅かに覗かせ、
シグマ側が新たな戦いを覚悟したところで次巻へ。
毎回毎回、ほんの数日の間に謎解きをしながら世界中を駆け巡り、
命懸けの戦いで満身創痍になっている隊員たち。
彼らが心から安らげる日は程遠いのね。
セイチャンに今回の任務を与えたまさかの人物にびっくり。
そしてかけつけたまさかの援軍にびっくりして、再読のはずなのにこの巻についてはほぼほぼ何も覚えていなかった自分にがっかり。
「読んだ」っていう事実しかインプットされてなかったわ~。
アメリカ(だったはず)でミツバチが激減したというニュースが数年前にリアルにあったけど、
その後どうなったのかしら?と、ふと思ってみました。
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「ソラリス」レム (ハヤカワ文庫SF)
彼の抱いた恋情は、眼の前にいる彼女に対する純然たる愛ではなかったはずだ。
かつての彼女に対する想いの残滓。或は、贖罪。
一方、彼の記憶から生み出された彼女は、ただ、そこにいただけ。
彼女はソラリスの海が生み出した有機体に過ぎない。
だが、ならば、彼女は何故あの選択を?
彼はその場所で何を待ち続けている?
種の異なる二人であっても、
二人だけにしか築けなかったものが、確かにそこにあった。
だからこそ、読後の余韻は「寂しい」の一言に尽きる。
それは私のセンチメンタル。
私の記憶の中からは「誰」が生み出されるのだろう?
ちょっと知りたい。
スケールの大きさ……というよりも、学者たちによる「ソラリス論」の変遷と論旨が明確過ぎて
すごいわ~~、と、なりました。
そっちの骨組みをきっちり立ててから物語を書き始めたのかな?
物語を書きつつ、組み立てていったのかな?
起承転結の「起」をすっとばして始まったかのような展開に「ん?ん~~??」と
もたついたのは最初だけ。
一気にのめり込んでしまうおもしろさでした。
【ガーディアン必読 81/1000】
「ケルトの封印(上)」 (シグマフォースシリーズ5)ロリンズ(竹書房)
このタイミングで。
歴史的な文化遺産が破壊される作品はいたたまれない。
三つの大陸で起こった三つの殺人事件。
その事件の影に潜む謎を解明するために
各々の場所で調査にあたるシグマの隊員たち。
事件のを追いながらも、
前巻で生まれたロマンスが育まれていることが知れたり、
家族間での強い想いが垣間見れたりするするところが面白い。
そして、愛憎絡まり合う複雑な感情を持った三人が一堂に介してしまう緊張感にドキドキ。
命を盾にとっての脅迫。
なんてカードを切ってきたの!というところで次巻へ。
他者の犠牲を厭わない、選民意識に凝り固まった人たちは痛い目にあうといい。
組織の規律を守りながらも、
仕事に置いて「自分の判断で臨機応変に行動する」ことって必要だよね。
今回の新人くんの自己判断は豪快だった。
おかげでピンチを乗り切れたわけだけど、
自分があの中に放り込まれることを想像したら……ヤダヤダ。
逃げ切れないなら早々に気絶したい。
「ロマの血脈(下)」ジェームズ・ロリンズ (竹書房文庫)
孤独も、恐怖も、哀しみも。
その小さな身体で受け止めて、友だちを……いや、多くの人々を救うために
戦った彼の姿に涙しかない。
破滅へと向かうこの世界を救うために何を成すべきなのか。
自分たちに何ができるのか。
子どもたちがそれを知り、行動に移してしまったことがただ哀しい。
とても哀しい。
事の発端が選民意識丸出しの大人の身勝手さってどうなのよ。
アメリカ、インド、そしてウクライナ。
各所で戦っていたシグマのメンバーたちも、彼に誘われるようにウクライナへと終結する。
脅威が去った後にはその犠牲の痛ましさに嗚咽。
大きな打撃を被った組織の立て直しと、
グレイの身に降りかかる不穏な予言が気になりつつ次巻へ。
今回はイラストもとても重要な意味をもつわけだけど、ラスト一枚。
小説という文字を読む媒介に置いて、イラストの視覚的効果がここまである作品には
なかなか出会えない。と思う。
「ロマの血脈(上)」ジェームズ・ロリンズ (竹書房文庫)
何に向かってそこまで懸命に突き進もうとしているのか。
彼らは何を成そうとしているのか。
わからないながらも、子どもたちとチンパンジー・マーサの
命懸けの前進が痛々しい。
それを手助けする唯一の大人が彼であることが、ただひたすら嬉しい。
彼らから遠く離れた場所でグレイたちが繰り広げる死闘。
彼らの戦いの先に在るのは、子どもたちの戦い。
デルポイの巫女の神託からはじまる物語。
特殊な能力を強制的に増幅し、操ろうとするのは冒涜。
人の心の痛みがわからない輩には嫌悪感しかない。
私もマーサにハグされてみたいなぁ、と思いつつ、下巻へ。
チェルノブイリの原発事故からもうすぐ33年。
そして福島原発事故からは8年。
あれから〇年……と、ずっとカウントされ続けていく重大な事故。
人が物を作り出す力はとてつもなく素晴らしいものだと思う一方で、
制御できないものを生み出してしまう恐ろしさも孕んでいるのだとも思わせられる。
今回は薀蓄が少なく、最初から最後までハラハラドキドキしっぱなし。
「ドリアン・グレイの肖像」ワイルド (光文社古典新訳文庫)
彼の人生における分岐は二つ。
一つはヘンリー卿に出逢ったこと。
ドリアンが自らの言葉に影響される様に悦びを見出し、
彼の精神を意図的にコントロールしようとし、それを楽しむ嗜好に
込み上げる腹立たしさ。
もう一つはそのことに気付きつつも、
ドリアン自身の意志でヘンリー卿の示した在り様に甘んじたこと。
その瞬間、彼の運命はすべて己自身の選択の上に積み重ねられていく。
彼の悪行を写し取って歪んで行った肖像画。
たった一度の善行で、何故今まで積み重ねてきた悪行が消化されると思ったのだろう?
変わらない絵に絶望したドリアンにはやるせなさしかない。
ヘンリー卿に天罰が下ればいいのに、と、
ギリギリとした想いを噛みしめた読み始め。
破滅に至ったのはドリアンの精神の弱さかな。
ヘンリー卿並み、もしくはそれ以上の精神力があったら、
全ての悪行を背負って微笑みの仮面をつけたまま生きていけた気がする。
思っていたほど練ったり凝ったりした文章じゃなく、
読みやすかったのは想定外。
これはまた再読したい。
その時はもっと時間をかけてじっくりと味わいたい。
←初読の時はどうしても先へ先へと駆け足になっちゃうので。
【ガーディアン必読 80/1000】
「静かなる天使の叫び (下) 」エロリー(集英社文庫)
30年以上に及ぶ、ジョゼフの半生を描いた物語。
何故彼が、人生を壊されなければいけなかったのか?
何故彼は、掴みかけた幸せを奪われなければならなかったのか?
その答えを得るために、私も彼と一緒に旅をする。
著者が言いたかったのは「何故?」の部分ではなくて、
「ジョゼフがどう生きたか?」なんだと思う。
分岐点はいくつかあった。
けれども、彼は選択した。
過去と向き合うことを。
負の連鎖をその手で断ち切ることを。
本当はそれは彼の役目ではなかったのに。
上巻のようなドキドキ感はなかったけれども、
その分重苦しさと格闘しながらの読了。
服部由美子の「スリークオーター」が聴きたくなってCDを引っ張り出してしまった読後。
やるせなくなって涙出そうになったわ。
この曲と作品世界のイメージがなんか被ったんだよね。
【ガーディアン必読 79-2/1000】
「静かなる天使の叫び (上) 」エロリー(集英社文庫)
天使。即ち死者。
読み進める間中、苦しく脈打つ胸の鼓動が止まらない。
事件は解決していない。
彼の苦悩もまだ続く。
故にこのドキドキも次巻まで持越し!
……心臓に悪い。←褒め言葉。
アメリカ南部の田舎町で起こった幼女連続殺人事件。
時は第二次大戦の真っ只中。
ヨーロッパでの戦禍の火種は、アメリカの田舎町にまで降りかかる。
偏見や差別、そして姿の見えない恐怖に対する集団心理の恐ろしさ。
この負の連鎖はいつの時代にも当てはまる。
同時に語られるのは少年が大人へと成長していく物語。
痛々しさを孕んだ彼の人生に平穏が訪れる日がくるのだろうか?
カバー裏の内容すら読まずに読み始めたので予備知識なし。
なんか思っていた以上に引き込まれてガツンとやられてる感じ。
聡明だった彼女が精神的に壊れていった様がものすごく切ない。
「みんなが思ってることと実際にあったことは同じではない」
うっかり喋ったことがSNSで拡散されてしまう時代において、
気軽く発した言葉がとんでもない何かを引き起こしてしまう可能性が十分にある、
ということを改めて刻む。
【ガーディアン必読 79-1/1000】
「ユダの覚醒(下)」 (シグマフォースシリーズ3)ロリンズ(竹書房)
ユダの菌株と東方見聞録の謎を巡り、
世界各所でギルドと戦うシグマの隊員たち。
いや、隊員ではないのに果敢に戦ったのは、
偶発的に巻き込まれてしまったグレイの両親。
知恵と勇気と諦めない気持ちで暗殺者とよく渡り合ってくれた。
どこまでも二人で支え合う姿がとても尊い。
謎解きの過程で巡りあったマルコ・ポーロの遺体。
これが史実だったら!と思わせるロマンティックさが素敵。
セイチャンの言葉は今度こそ鵜呑みにしていいのかしら?
命懸けの戦いを制し、人類を滅亡の危機から救ったグレイたち。
SOSのサインに希望を託して、次のシリーズへ。
新キャラのコワルスキとライダーの危機感のなさというか、
どこか愉快な安定感がイイ感じ。
船に残ったジェシーやドクター・バーンハートたち。
今回は非戦闘員の人たちの頑張りを湛えたい。
ジェシーなんて一度食人種につかまって檻に入れられてたのに!
いろんな要素を詰め込んだハイスピードなアクションを一気に読み切った読後は
こっちも疲労困憊(笑)
「ユダの覚醒(上)」 (シグマフォースシリーズ3)ロリンズ(竹書房)
ユダ。
キリストを裏切ったイスカリオテのユダを思い描いたけれども。
生命体にとっての究極の裏切り者となる菌株。
それがユダ。
人類を死に至らしめる恐ろしいユダの菌株とは一体何なのか。
鍵となるのは東方見聞録から抹消された空白の出来事。
そしてギルドの裏切り者として追われるセイチャン。
知らずに始まっていたのは、ユダの病菌を悪用しようとするギルドとの攻防。
被害妄想的な性格と評されるグレイとペインターはこの危機をどう乗り越えるのか?
人食いカニの描写にぞぞぞぞぞっと。
ヘビに塗れるのもや嫌だけど、カニに塗れるのも嫌!
更なる裏切り者の存在に驚きつつ次巻へ。
分析・解説よりもアクションよりなので、
前二作よりもテンポよく読み進めることができる。
「偶然を疑え」
阿久津さんも言ってた、それ!と、変なところでテンションが上がった私は、
『機龍警察』が本当に大好きなのです。