きままに読書★
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カテゴリー「海外小説」の記事一覧
- 2019.01.26 「マギの聖骨 下」 (シグマフォース シリーズ1)ロリンズ(竹書房)
- 2019.01.22 「マギの聖骨 上」 (シグマフォース シリーズ1)ロリンズ(竹書房)
- 2019.01.13 『ブリジット・ジョーンズの日記』 (角川文庫)
- 2018.12.15 「ティファニーで朝食を」トルーマン・カポーティ (新潮文庫)
- 2018.11.14 「シンドラーのリスト」トマス・キニーリー (新潮文庫)
- 2018.11.10 「カンディード」ヴォルテール (光文社古典新訳文庫)
- 2018.10.21 「夷狄を待ちながら」J・M・クッツェー (集英社文庫)
- 2018.09.26 「ボビーZの気怠く優雅な人生」ドン・ウィンズロウ (角川文庫)
- 2018.09.14 「黙示録3174年」ウォルター・M・ミラー・ジュニア (創元SF文庫)
- 2018.08.26 「カラマーゾフの兄弟〈下〉」ドストエフスキー (新潮文庫)
「マギの聖骨 下」 (シグマフォース シリーズ1)ロリンズ(竹書房)
そして過去の遺物は時の彼方に。
ロマンチックに過ぎる物語を展開していく面々の
驚異的なタフさに戦く。
どんな鍛え方をしたらあんなに強靭な肉体と精神を得ることができるのか。
そんな彼らとて、パーフェクトではない。
個々に欠けた部分を互いに補いあって、謎と悪に立ち向かっていく。
だからこその組織。
裏切りが横行する中で「自分の組織には絶対の信頼を置く」
司令官ペインターがカッコイイ。
古代世界の七不思議が結んだまさかの線。
その線に込められた意味。
この発想、すごいわ。
小難しい話はニュアンス理解で乗り切れば、極上のエンタメを楽しめる。
アレクサンドリア図書館。
古代最大にして最高の図書館。
あらゆる分野の知識を集約したその場所には計り知れないロマンがある。
やたらとグノーシス派の記述がでてきたおかげで
『グノーシスの薔薇』がチラチラと。
一度読んだら忘れられない強烈な本(笑)
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「マギの聖骨 上」 (シグマフォース シリーズ1)ロリンズ(竹書房)
殺しの訓練を受けた科学者たち。
即ち、シグマフォース隊員たちが悪と謎に立ち向かい、全力で疾駆する物語。
めまぐるしい展開にこっちまで息切れしそうになりながらも
一気に読ませる筆力に圧倒される。
ドイツの大聖堂で起こった凄惨な殺人事件の謎を紐解いていけば
中世ヨーロッパ、果ては古代エジプトまでその因果は遡る。
ここまで来ると、もはやロマン。
裏切り者が潜む中での捜査で命の危機に晒されながら、
彼らはこの局面をどう打開するのか?
歴史、宗教、化学、アクションそしてロマンスが絶妙に絡み合う、
何とも贅沢な物語なのです。→
ストーリー展開は大枠を覚えている程度だったので、
再読でもかなり新鮮に読み進めることができました。
そして、初読の時には持ち得なかった知識を今は持ち合わせていた自分にちょっと感動。
それはこの5~6年の間に私が見聞したことが、それなりにでも身についていたってことだよねぇ、と。
『ブリジット・ジョーンズの日記』 (角川文庫)
感情表現豊かに綴られるブリジットの日記。
日々これだけ大騒ぎしていたら、
人生退屈することはないだろうなぁ、と思いつつ。
お友だちになりたいか?と問われたら、
ちょっと距離を置いて見守りたいタイプ。
何事も全力で一生懸命なところは称賛に値するけど、
努力の方向が間違ってるよ?と言いたくなることも暫し。
まぁ、結果オーライで良かったね。
むしろ、彼女の母のぶっ飛び具合の方が興味深かった。
ヒロインに共感した世界中の女性の一員になれなかった私は、
次は死線を潜り抜けるガチンコ武闘派的な作品を読もうと思います。(疲労困憊)→
この二人、この先どうなるの?と続刊のあらすじを追っていった結果、
「えええ~~!!??」と思わず目を見開いてしまったのが一番の驚愕だった。
マジですか……【ガーディアン必読 78/1000】
「ティファニーで朝食を」トルーマン・カポーティ (新潮文庫)
自分自身の手で自らの人生を切り開いていくホリーは、
良くも悪くも生命力に満ち溢れ、輝いている。
その逞しさが、彼女の魅力。
飼い慣らされることのない美しい羽を持った野生の鳥は、
決して籠の中には留まらない。
故に、彼が欲した鳥かごのエピソードはなんとなく象徴的。
これは彼が綴る彼女の物語。
男と女としては決して添い遂げることがないことがわかっているが故の
彼視点の諦めや憧れが感じ取れ、彼女視点の傲慢や信頼が伺える。
時に、孤独と疲れを滲ませた彼女には、
自由奔放でありながらも、安住の地を見つけてほしいと、
相反する想いを抱いての読了。
同録の短編はどれも読みごたえあり。
『花盛りの庭』
素敵なタイトルに反して怖っ!と思わず唸った。
『ダイヤモンドのギター』
私がBL読みだということを差し引いても、心に印象深い作品。
ティコは平穏な日常に突如として放り込まれたミラーボールのような存在だわね。
『クリスマスの想い出』
60歳と7歳の間で育まれた友情。
とても素敵なクリスマスプレゼント。そして別れ。
ものっすごいジワジワきた。
【ガーディアン必読 77/1000】
「シンドラーのリスト」トマス・キニーリー (新潮文庫)
もう、これ以上悪くなることはない。
現状を凌ぐことができれば、どうにかなる。
きっと。きっと。
そんな彼らの祈るような想いを他所に、
事態は更に想像を絶するような方向へ悪化していく。
第二次世界大戦。
ユダヤ人の身に降りかかった理不尽すぎる惨劇。
彼らを救うために手を尽くしたドイツ人、オスカー・シンドラー。
ノンフィクション・ノベルという形態で淡々と綴られる彼の生涯。
彼が戦時下を生き延びることができたのは、
巧みな処世術と、人間的な魅力。そして、周囲の人たちの尽力があってこそ。
誰しもがシンドラーに成り得るわけではない。
だけど、繰り返してはいけない歴史があることを忘れてはいけない。→
基本的に一人行動ができない人なので、
映画も大概は友だちと一緒に観に行きます。
だけど、この映画は一人で映画館に観に行って、
泣いて泣いて映画館で泣きやむことが出来なくて、
仕方なく泣きながら外に出たら、
元カレにばったり出くわすというびっくりで涙が止まった思い出……
いや、そうじゃなくて。
感想では敢えてナチスには言及しなかったけど。
全体主義の恐ろしさを改めて突きつけられました。
【ガーディアン必読 76/1000】
「カンディード」ヴォルテール (光文社古典新訳文庫)
作中で繰り返し唱えられる最善説をあざ笑うかのような残虐非道な行い。
コミカルな表紙とは真逆の行為。なのに鬱々しさがない、軽妙な文体の不思議。
降りかかる災厄をスルリスルリとすり抜けて、カンディードは旅をする。
無一文から始まった旅はカカンボという友を得、たどり着いたのはエルドラド。
だが、彼らは安寧に落ち着くことなく、愛しい人のもとへと踵を返す。
不幸とは?幸せとは?最善とは?
繰り返し論じながら彼らが選択したのは、地にしっかりと足の着いた生活。
本編を踏まえた上で、一緒に収められた『リスボン大震災に寄せる詩』を読み、
気持ちが一気に引き締まる。
時間をおいて再読したい。
「働くことは私たちを三つの不幸(退屈と堕落と貧乏)から遠ざけてくれる」
説得力のある言葉。
「そんなひとでも自分が災難にまきこまれると途端に人間らしく泣きわめく」
だよね~、と納得の言葉。
綺麗事や説教めいたことを言っていられるのは他人事だと思ってるからって部分は絶対にある。
それにしても、18世紀の作品とは思えないのは、翻訳の妙なのかな?
出逢えてよかった作品は、読メ登録1234冊目でした。
【ガーディアン必読 75/1000】
「夷狄を待ちながら」J・M・クッツェー (集英社文庫)
実体の掴めない夷狄に……というよりも、
帝国の治安警察に振り回される辺境の町の住人たち。
そして、退官した後の平穏な生活を願う初老の民政官もまた、
治安警察の在り様に振り回され、或は巻き込まれ、
彼自身の生活が崩壊していく。
意図せずして窮地へ追い込まれる怖さはいつの時代にもある。
謂れのない拷問を見て見ぬふりをしていればよかったのだろうか?
力を振り翳す者からの理不尽な危害を受けないためには、
目を瞑っていればよかったのか?
彼の立場を自分に置き換えた時のこの自問には、いつだって答えられない。
ラスト四行で押し迫る物悲しさが、何とも形容しがたい程やるせない。
読み始める前は『夷狄を待ちわびて』だと思っていたので、
異文化交流的なホンワリした話かと思いきや!
正しいタイトルは『夷狄を待ちながら』。
のっけからの拷問シーンに何ごと!?と、ガツンとやられました。
思い込みって怖いわ~~。←読む前にあらすじは読まない人です。
【ガーディアン必読 74/1000】
「ボビーZの気怠く優雅な人生」ドン・ウィンズロウ (角川文庫)
ザ・エンターテイメント!
諾でも死。否でも死。どっちにしろ崖っぷち。
へなちょこな泥棒が伝説の麻薬王になりきって、生き抜くことができるのか?
そして、自分の命すらままならない状況下で、庇護すべきものを抱えてしまったら?
それは、自らの行く手を遮るお荷物にもなり得るし、
持てる力以上のものを発揮できる原動力にもなる。
ティム(27歳)とキット(6歳)のコンビが殺し屋たちの魔の手を躱していく様が
とても楽しくて、時にホロリとくる。
キットを守るためにへなちょこを脱していくティムの成長物語……とは言いすぎか。
へなちょこが最後にみせた決死の覚悟。
おもしろかった。
顔に生涯癒えない醜い傷を刻むと脅され、
口紅でその傷を描くような線を引いたエリザベスの姿が印象的。
誰かのために戦える人たちの芯は容易には折れない。
あとがきの出だしの四行に大笑いして、そのノリわかるわ~、と納得の読了。
次のウィンズロウは、出版順通り『野蛮なやつら』→『キング・オブ・ルール』といくか、
前日譚の『キング・オブ・ルール』を先に読むか。
悩み中。
「黙示録3174年」ウォルター・M・ミラー・ジュニア (創元SF文庫)
とてつもないスケールの時空の旅からの帰還。
読了後、ため息と共に我に返るまで暫しの時間を要した。
繰り返される歴史。再び訪れる終末世界。
リーボウィッツ修道院を起点に語られる世界の変遷。
そこには繰り返される中世があり、現代があり、未来がある。
その未来に人類が同じ愚を犯すのは著者の警告なのか、或いは絶望なのか。
飛び去った星船に希望を託したい所だけど
「行ったら戻っては来ない」の言葉がやるせない。
地球上の鮫が、そして人間がお腹いっぱいになれた未来は訪れたのかな?
各章ごとの主要人物の死に様は胸に迫るものがあった。→
充実した読書時間。
頁数の多さより文字の細かさの方に戦きつつ、
読み始めたら途中で放り出せない読みごたえとおもしろさでした。
SFというジャンルに囚われず、普遍的に読み次いでいってもらいたい作品。
【ガーディアン必読 73/1000】
「カラマーゾフの兄弟〈下〉」ドストエフスキー (新潮文庫)
感情と想像と印象とで展開された感じの否めない裁判。
圧倒されるよりも、え?それでいいの?という戸惑いが先に立ってしまった。
もう少しメンタルが強いかと思っていたイワンが
スメルジャコフとの対話の後に壊れてしまい、
アリョーシャはドミートリィは無実だと言いつつ、
裁判の結果を受け入れる。
そして、口は災いの元、と教えてあげたいドミートリィ。
もうちょっと上手く立ち回れればよかったのに、と思うけど、
だったらこんなことになってないわね。
俺俺インパクトの強すぎる人たちがテンコ盛りな作品。
描き分けた著者が凄すぎる。
「カラマーゾフ万歳」で終幕したことに対しては
「ちょっと待ったぁ!」と異議申し立てをしたい私。
え?色々気になることあるんですけどー!
上中下。1750項を読んできても、続編が気になる!と思わせる超大作。
でもとりあえずはおなかいっぱい。
【ガーディアン必読 72-3/1000】