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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「ひとりごとの恋」榎田尤利(SHY NOVELS)



割り込み方があまりにも強引で身勝手で。
この男最低~!という第一印象を見事に覆した悦巳。
菱田もそうやって気持ちが悦巳に向かっていったんだなぁ、と、
リアルに納得してしまった。
取り繕うことなく本心を曝け出すことができる相手が傍にいるって、
とても大きな支えになる。
「お前の想いを知っている」ということを半ば脅迫まがいでも
悦巳が最初にそれを菱田に明かしたことで、二人の間の壁ってぶっ壊されてたんだよね。
その後の悦巳の菱田に対する接し方が真摯だったことでジワジワと株が上昇。
結果的には菱田の抱えた家族との問題まで解決しちゃった悦巳すごいわ。

身体がチワワでも中身が土佐犬の野々市女史。
お友だちになりたい(笑)
人生における転機に決断を見誤らないように……
というか、決断すべき時にきちんと決断できる人間でありたいね。

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「ユダの覚醒(下)」 (シグマフォースシリーズ3)ロリンズ(竹書房)



ユダの菌株と東方見聞録の謎を巡り、
世界各所でギルドと戦うシグマの隊員たち。
いや、隊員ではないのに果敢に戦ったのは、
偶発的に巻き込まれてしまったグレイの両親。
知恵と勇気と諦めない気持ちで暗殺者とよく渡り合ってくれた。
どこまでも二人で支え合う姿がとても尊い。
謎解きの過程で巡りあったマルコ・ポーロの遺体。
これが史実だったら!と思わせるロマンティックさが素敵。
セイチャンの言葉は今度こそ鵜呑みにしていいのかしら?
命懸けの戦いを制し、人類を滅亡の危機から救ったグレイたち。
SOSのサインに希望を託して、次のシリーズへ。

新キャラのコワルスキとライダーの危機感のなさというか、
どこか愉快な安定感がイイ感じ。
船に残ったジェシーやドクター・バーンハートたち。
今回は非戦闘員の人たちの頑張りを湛えたい。
ジェシーなんて一度食人種につかまって檻に入れられてたのに!
いろんな要素を詰め込んだハイスピードなアクションを一気に読み切った読後は
こっちも疲労困憊(笑)

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「ビューティフル・プア」榎田尤利 (ビーボーイノベルズ)



屋敷と土地を守るために侯爵・アロウが選んだ手段は、自分を売りに出すこと。
買い手として名乗りを上げた大富豪4人の中に別の目的で紛れ込んだのは、
ちょっと裕福な庶民の玲一郎。
偽りから始まった関係だけれども、その偽りがなければ出会うことすらなかった二人。
互いを知れば知るほど惹かれあうのは当然。
何故なら、同じ価値観を持っているから。
お金がなくても一年を楽しく過ごすことのできる二人だから。
嘘の露見。裏切りの発覚。あわやの契約の遂行。
紆余曲折はあったものの、
一抹の寂しさと、それを上まって余りある多幸感に泣きそうになって読了。
良かった!

レイとアロウが仲良くインスタントラーメンを食べるシーンが出てくると思ったのに!
出てこなかったことに何故かガッカリ。
何を期待したんだ?私……(笑)
サイモンの気遣いには私も声がでそうになったわ。
できる執事はここまでしてくれちゃうんですね~。
リンダとサミーアとも友人関係をずっと続けて行ってほしい。

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「ユダの覚醒(上)」 (シグマフォースシリーズ3)ロリンズ(竹書房)



ユダ。
キリストを裏切ったイスカリオテのユダを思い描いたけれども。
生命体にとっての究極の裏切り者となる菌株。
それがユダ。
人類を死に至らしめる恐ろしいユダの菌株とは一体何なのか。
鍵となるのは東方見聞録から抹消された空白の出来事。
そしてギルドの裏切り者として追われるセイチャン。
知らずに始まっていたのは、ユダの病菌を悪用しようとするギルドとの攻防。
被害妄想的な性格と評されるグレイとペインターはこの危機をどう乗り越えるのか?
人食いカニの描写にぞぞぞぞぞっと。
ヘビに塗れるのもや嫌だけど、カニに塗れるのも嫌!
更なる裏切り者の存在に驚きつつ次巻へ。

分析・解説よりもアクションよりなので、
前二作よりもテンポよく読み進めることができる。
「偶然を疑え」
阿久津さんも言ってた、それ!と、変なところでテンションが上がった私は、
『機龍警察』が本当に大好きなのです。



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「Life is Beautiful」伊勢原ささら(花丸文庫)



悪いこと続きでしかなかった人生も、誰かと出会うことがきっかけで好転する。
これは再生の物語。
飛び降りるつもりで瑞生が向かった崖で出会ったのは図書館司書の文彦。
絶望し疲弊しきった人生から瑞生が新たな一歩を踏み出す物語かと思ったけど。
途中で感じた文彦のアンバランスさ。
文彦にとっても瑞生の存在は救いだった。
安穏を約束された鳥籠から瑞生が自らの意志で出ていくことを決意した時はガッツポーズ。
そうだよね。
飼われているだけじゃ生きている意味がない。
瑞生にとって図書館があったかい居心地の良い場所になっていく描写がとても良かった。

文章がとても綺麗な作家さん。
他の作品も気になってみました。
本文とは関係ないけど、
帯の「濡れ手にねこ」の漫画が妙にツボった。
地味だけど絶妙な嫌がらせ(笑)






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「Stepbrother」榎田尤利 (ビーボーイノベルズ)



関西から転勤してきたちょっと付き合いづらい上司・秋は、
彼の部下となった健輔の、父の再婚相手の息子だった。
優秀で辛辣で厳しくて無表情という会社で見せる顔と
家で見せるだらしなくて甘ったれな顔が極端に違った秋。
その境目がなくなった健輔に対する秋の戸惑いと、
会社での彼とのギャップが面白くて可愛い。
言動がどれだけ厳しくても、理不尽や間違いを強いることのない秋は
なんだかんだ課の人たちに理解され、受け入れられている。
でも彼はそのことに気付いてないんだろうね。
本格的に軌道に乗ったら良いチームになるだろうなぁ。


楽しく読了!したんだけど。
初読の時はこれ、手放しちゃってるんだよね。
「なんで?」が思い出せない。
本棚が飽和したのかな?
結局買い直したけど、改めて読めて良かった。



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「マギの聖骨 下」 (シグマフォース シリーズ1)ロリンズ(竹書房)



そして過去の遺物は時の彼方に。
ロマンチックに過ぎる物語を展開していく面々の
驚異的なタフさに戦く。
どんな鍛え方をしたらあんなに強靭な肉体と精神を得ることができるのか。
そんな彼らとて、パーフェクトではない。
個々に欠けた部分を互いに補いあって、謎と悪に立ち向かっていく。
だからこその組織。
裏切りが横行する中で「自分の組織には絶対の信頼を置く」
司令官ペインターがカッコイイ。
古代世界の七不思議が結んだまさかの線。
その線に込められた意味。
この発想、すごいわ。
小難しい話はニュアンス理解で乗り切れば、極上のエンタメを楽しめる。


アレクサンドリア図書館。
古代最大にして最高の図書館。
あらゆる分野の知識を集約したその場所には計り知れないロマンがある。
やたらとグノーシス派の記述がでてきたおかげで
『グノーシスの薔薇』がチラチラと。
一度読んだら忘れられない強烈な本(笑)

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「マギの聖骨 上」 (シグマフォース シリーズ1)ロリンズ(竹書房)



殺しの訓練を受けた科学者たち。
即ち、シグマフォース隊員たちが悪と謎に立ち向かい、全力で疾駆する物語。
めまぐるしい展開にこっちまで息切れしそうになりながらも
一気に読ませる筆力に圧倒される。
ドイツの大聖堂で起こった凄惨な殺人事件の謎を紐解いていけば
中世ヨーロッパ、果ては古代エジプトまでその因果は遡る。
ここまで来ると、もはやロマン。
裏切り者が潜む中での捜査で命の危機に晒されながら、
彼らはこの局面をどう打開するのか?
歴史、宗教、化学、アクションそしてロマンスが絶妙に絡み合う、
何とも贅沢な物語なのです。→


ストーリー展開は大枠を覚えている程度だったので、
再読でもかなり新鮮に読み進めることができました。
そして、初読の時には持ち得なかった知識を今は持ち合わせていた自分にちょっと感動。
それはこの5~6年の間に私が見聞したことが、それなりにでも身についていたってことだよねぇ、と。


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「猫はいつでも甘やかされる 」榎田尤利(SHYノベルズ)



大人の余裕があって、包容力があって、
時に叱ることもできるし、甘やかし上手で気配り上手。
そんな男が垣間見せた嫉妬と獣めいた情動。
きゃーー!ときめかないわけがない!←どストライク。
私の好みはさておき。
心に深い傷を負って日本に来たシュウ。
彼の日本嫌いと日本の高校生に対する嫌悪、父親との確執が
日本での出会いと体験を通して薄らいでいく様子がとても丁寧に描かれている。
ガチガチに纏った鎧を脱ぎ捨ててみれば、
なんとも甘ったれで危なっかしさを添えていたシュウ。
愛することと甘やかすことが直結する春彦にがっつり可愛がってもらうといいと思います。


「おとといきやがれ!このすっとこどっこい!」
この日本語を英語に「訳せ!」という無茶ぶりに笑う。
図抜けてよかった国語。
意外とよかった数学。
そして壊滅的な英語。
「つぶしがきかない……」
私のテスト結果に頭を抱えた担任の姿を思い出してみました。
わはははは。
受験は何とかなったから結果オーライ☆

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「放蕩長屋の猫 」榎田尤利(SHY NOVELS)



アイツ、最低だよ。
あの人、やめときなよ。
周囲がどんなにそう言っても、自分の心が求めるなら、恋をするのはその人しかいない。
付き合うのは外野じゃなくて自分。
たとえ遊真がどんなにダメ人間だったとしても。
まひろの心は彼を選んだ。
選択権はまひろにあって、流されたわけでも強要されたわけでもなく、
自分の意志で遊真がいいと。
それにしても、遊真、バカだね。
バカだけど、嘘が透けて見える辺りや駆け引きができないところがまだ可愛げがある。
小狡く立ち回れる男だったら、多分まひろは許さなかったんじゃないかな?
四人でお好み焼きを食べる関係になれてよかったね。

ああ、でも私は春彦とまひろが一礼しあって背を向けたシーンで泣きそうになってしまった。
別に二人にくっついて欲しかったわけでもないんだけどなぁ。
紺野さんの絵が大好きなので、紺野さんの漫画が久々に読みたくなりました。
そのうち再読しよう。
その前に続編♪



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