きままに読書★
読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
「GIANT KILLING 47」ツジトモ (モーニング KC)
ブランの監督としての力量は図抜けていると思う。
そんな監督の意を汲んで同じ方向を向いて闘えるのがプロ。
自分は自分。
誰かと比べることに意味はなくて、
その中で何ができるかを追求することに意味がある。
才能あふれる集団の中に在って、
ここを間違えると多分辛い。
ぶち当たった壁は乗り越えてこそ強くなれる。
中には蹴破る人もいるけど、それは稀有。
そして、夏木。来ちゃいましたか。
なんだろう、この脱力感。←褒めてます(笑)
優勝以外の結果が許されない試合にブランがサプライズメンバーで臨んだ意図は?
次巻も楽しみ!
不在なのに持田の存在感が半端ない。
だからこそ、城田の横に持田がいないのはやっぱり淋しい。
いつか、彼が世界で戦う姿を見てみたい。
そして、いよいよワールドカップが間近になってきましたね。
さて。
私の大本命の国はどんな試合を見せてくれるのか。
わくわくします♪
PR
「運命ではありません」一穂ミチ (ディアプラス文庫)
「運命」なんて後付けの理由に過ぎなくて。
人と人との関わり方は、
出逢った二人がその後どういう関係性を築き、
どうやって気持ちを通わせあっていくか、というところに重きがある。
劇的に迸る熱量はなくとも、こうやってフラットに育まれていく想いだってある。
楡と澄。
楡に作為があった時の方が関係性がスムーズにいっていたのはあたりまえ。
それを取っ払ってどう向き合うか。
振り回された澄が気の毒な気もするけど、
彼がそれを良しとした瞬間からその作為すらきっかけになる。
結局は当人同士がどう捉えるか、なのかな。
大事なのは運命じゃなくて出逢い。多分ね。
個人的には公と真子ちゃんの関係が微笑ましくて、
無事に式を挙げた二人がとても素敵だと思った。
お幸せに☆
そして、部屋の中に虫を見つけたら反射的に抹殺する自分をちょっと反省してみました。
でも芋虫の飼育は多分無理!
「GIANT KILLING 46」ツジトモ (モーニング KC)
ブランの日本代表選考基準。
いいね。わくわくする。
責任の重さを自覚して、それに見合う働きができること。
これは会社でも通用する。
手を抜くことは簡単だけど、我武者羅に頑張りつづけることは意外と難しい。
責任を自覚した椿の中央突破はお見事。
彼はこの先、もっと強くなる。
蛯名の熱血っぷりは嫌いじゃない。
監督同士のやりとりもこの漫画はおもしろい。
ダルファーに対する達海の大人げなさは笑えるレベル。
そして、蛯名の達海をリスペクトするモノローグに感動した後に抱いた淋しさ。
「その日」までは存分に楽しませてもらおう。
まだシーズンは終わっていないのだから。
次回からはアジアカップ!
「みんなをワクワクさせて、誰もが応援したくなる」試合を。是非!
「存在の耐えられない軽さ」ミラン・クンデラ (集英社文庫)
存在。そこに在るもの。
その価値の重さや軽さは結局は主観でしかなくて、
それが正しいのかを論じることに意味はない。
変革に揺れる国に在って、彼らが突き詰めたものは、
自らの思いや快楽に忠実であること。
社会人としては敬意を抱けても、夫としてはどうなの?と思ったトマーシュ。
私的にはまっぴらだと思ったテレザの立ち位置。
そんな彼らの人生は幸せだったのか否か?
ずっと考えながら読みつづけていたけれども。
得られると思っていなかった彼らなりの答えを最後の最後に示してくれて、
ジワッときた。
人生は一度きり。
結局はそこに帰結する。
やりきりたいね。
とても深い作品。
だけど、何が深いかを端的に説明することは、今の私にはできない。
再読必須。
ガーディアンに挙げられていなかったら、手に取ることはなかったと思う。
出逢えて良かった。
「海嶺 神尾シリーズ6」北方謙三 (集英社文庫)
これまでの展開から想起させられる≪起こり得る事態≫を覚悟して読み始め、
バカげた試練に身を投じなければない事態に激しく憤る。
だが、裏切られる。
その覚悟は、見事なまでに覆され、
まさかの展開に込み上げる想いを噛みしめる。
心憎いよ、北方。
血の柵を背負った、国籍の異なる少年・マリオとの出逢い。
自由を手に入れるために戦うことを決意したマリオ。
彼と係わっていく中で、死んでもいいと思っていた神尾の胸に芽生えた想い。
「生きたい」
これ大事。とても大事。
シリーズ最終話でこの想いを神尾から引き出せたことに、
とても大きな意味がある。
そして私は成長した秋月の姿にちょっと悲しくなった。
八木も指摘していた。「いい変わり方じゃない」と。
強くなってほしかった。
そう願った通り、強くなった秋月。
だけど、そうじゃない、と。
私の心は軋んだ。
イイ男には変わらないんだけどね。
負う必要のない業まで背負いこんでしまいそうな強さが辛い。
だけど、彼は言うのだ。
「これは俺の選択だ」と。
誰にも責任をなすりつけない強さと潔さ。
それは。この物語の誰もが備えていた気質。
「きみがいるなら世界の果てでも」榎田尤利 (ビーボーイノベルズ)
東海林に寄りかかりっぱなしの自分をなんとかしようと
生活改善(?)を試みた二木。
やることなすことありえないくらいに裏目に出てしまったは、
上手くいっている二人関係を、
当人同士の話し合いもないまま、他人の意見でどうにかしようとした結果なんだと思う。
結果、自立しきれずにかつての先輩、甘利の所に身を寄せる二木。
日頃完璧な男・東海林が晴天の霹靂の如く、フラれて生活が荒れる様は、
ぶっちゃけ妙な色気や隙があってクルものがありましたが☆(鬼)
二木は東海林じゃなければ心が死んでしまう。
東海林も二木がいなければダメになる。
命懸けで確かめあった二人。お幸せに☆
シリーズ最終話は関連するキャラが総出でお得感満載。
二木の比じゃないくらい片付けられない人の所有するビルを解体するために
片付けないといけなくなった友だちの話を聞いて
気絶しそうになったのは私。
ゴミ袋に突っ込んでいく端から「これは必要なモノ」と出されるという恐ろしいエンドレス。
「君の名前で僕を呼んで」アンドレ・アシマン (マグノリアブックス)
読み進める程に物語の中に引き込まれ、
気付けば鷲掴みにされていた。
ひと夏限り。
それは最初からわかっていた。
だからこそ、縋る刹那。焦燥感に駆られるように溢れ出す想い。
君が欲しい。
抱き合うことができるなら、ひと夏限りでも構わない。
否、この夏限りだからこそ、君を知りたい。
そして別離。
だが、物語はそこで終わらない。
夏が過ぎても、彼らの人生は時を刻み続ける。
こんな形で抱き続ける想いもあるのだと、切なくなる。
それ故に、最後のエリオの言葉がより深く、胸に刺さる。
人生は有限。
ならば、決して悔いのないように。
映画を観てから小説を読んだおかげで、
情景がリアルに浮かんできたのは良かった。
最初、物語世界に入り込みづらいなぁ、と感じたのは、
逆に映画を観ていたからなのかなぁ?と思ってみたり。
観てから読んでしまったので、検証はできないけどね。
語られると思っていなかった映画のエンドの後の彼らの人生。
二十年後まで追えたことに、感無量。
脱線すると、彼らが吸っていた煙草がゴロワーズだったことに、北方脳がピクリと反応してみました。
「風裂 神尾シリーズ5」北方謙三 (集英社文庫)
神尾が依頼人の人生に巻き込まれるのか、
依頼人が神尾の生き様に引き込まれるのか。
もはやどっちがどちっちかわからなくなってきた。
死に焦がれるからこそ、死に嫌われる神尾。
安らぎに目を閉じることに甘んじるなと、責められているかのように。
或は、その業故に背負う荷物は増えていくのだと戒められているかのように。
自責と諦念に縛られた神尾は、ただ手を貸し、そして導くだけ。
彼らの望む方向へと。
そして、自らの足で立つことを教えられ、成長著しい命が散って行くやるせなさを噛みしめる。
今作に至るまで、余りにも多くの命が失われた。
だからこそ思う。軽々しく扱っていい命など、ないのだと。
前作がガス欠を気にしながらの砂漠の疾走だったせいか、
例え山道でもきちんと舗装された道路をガス欠の心配なく走ることのできる安心感半端ない。
やっぱ車は走ってナンボ。
「吸血鬼には向いてる職業」榎田尤利 (ビーボーイノベルズ)
ギャグテイストで笑わせてからの、孤独感と諦念とが絡みついた愛情深さに落涙。
この緩急、さすが榎田さん。
新人編集者・藍を片手であしらうつもりの売れっ子漫画家・黒田が逆に振り回される様が面白い。
藍のなんとしても原稿を取りにいくというど根性精神。
根底に溢れる漫画に対する熱い想い。
オタクの粘り強さは侮ったらいけないのです。
そして、見た目で人を判断したらいけないのです。
深い孤独を抱えた二人が時折垣間見せる揺らぎが刺さる。
愛する人とは、いつか、永遠の別れを告げなければならない。
それは宿命。
だけど、せめてそれまでは一緒に。
流血沙汰を経ての告白シーンにはぐっときました!
口絵の赤黒衣装。
とてもとても着てみたい。
ヴァンパイア物を描いていて、エドガーを知らないとはけしからん!と、
黒田に対してチラッと思ったことはナイショです(笑)