忍者ブログ

きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「檻」烏城あきら(キャラ文庫)



設定のわりにはドロドロ感ないなぁ
(自分がドロドロしたの読みすぎてきた自覚はあります・笑)
と思っていたら、最後の最後でキタコレ!というゾワゾワ感が味わえました。
互いを選んだのは自分の意志に基づいた行為であることには違いないんだろうけど、
「あげたかったの」のリフレインが怖くて印象深い。
誰も彼もが「檻」に捕らわれたまま、
破壊することも逃げ出すことも選択肢に入れられずにその場に留まる人々。
その中で手にした彼らの幸せは、私には計り知れないモノがあるけれども。
係わる人たちが納得しているなら、それでいいんだろうな。

読んでる最中は恒川光太郎さんだったら、この閉塞感をどう表現するんだろう?
と、ありえないことを考えていましたが。
読後は榊原姿保美(榊原史保美)さんの作品を読み返したくなりました。
コンプリ作家さん。『雪うさぎ』が大好き。
バイトでやりくりしていた学生時代にハードカバーの本をせっせと買うくらい
好きな作家さんでした。


内容(「BOOK」データベースより)

封印されたあの庭には、決して入ってはいけない―。幼い頃から憧れていた、優しい従兄の宗司と同居することになった稔。けれど、日毎に募る仄暗い想いを持て余した稔は、ある夜禁断の庭へ足を踏み入れてしまう。ところが、庭の茶屋で自慰に耽る稔を目撃した宗司は、様子が一変!!「なぜここにいる」と猛々しく稔を抱いてきた!!宗司の激情に、稔は歓喜と恍惚の中で陵辱されるが。

拍手

PR

「血まみれのマリア きんぴか2」浅田次郎(光文社文庫)



浅田氏の描く家族の姿が好き。
広い邸宅で卓袱台を囲んで豪華な夕食を取るヤクザの若頭福島克也と
その妻子の姿にほっこりする。
破天荒な三人組と親玉は健在。
表題はガチでロシアンルーレットをかます男・ピスケンの一途な恋。
マリアの血で汚れた髪を洗ってあげるシーンが好き。
仕事に命かけてる女にあのプロポーズは頂けない。
だけど、彼の愛に応えられる女は幸せだろうなぁ、と思った。
脳みそ筋肉の軍曹もほんのり恋バナ。
いや、あれはもう親心?
暑苦しくて鬱陶しいけど、軍曹、良い人。
「天使の休日」これはタイトルが深い。
楽しく読了☆

「人間は不幸の分だけ幸せになる権利がある」
軍曹のこの言葉は、名言だと思うの。



内容(「BOOK」データベースより)

ピスケンが恋をした。お相手は、「血まみれのマリア」こと阿部まりあ。泣く子も黙る救急救命センターの看護婦長で、今まさに息絶えんとする重体患者を救うこと数知れず、の奇跡を呼ぶ女だ。あまりに意外な組み合わせに、驚きのあまり絶句する軍曹とヒデさん。一途で不器用なピスケンは、マリアのもとに通いつめるが…。悪漢小説の金字塔、佳境の第2幕。

拍手

「きみは僕に愛を突き刺す 完結編3」紅井採乃(ダイヤモンドコミックス)




アイクの傍にいくこと。
即ち、死を願い続けるデニス。
そんな彼に囁かれた、死を約束する言葉。
「おれがこの手で殺してやる」
ジャスティンの言葉にどこか安堵したように身を委ねる姿に、
ラウルじゃダメだった理由が、これなんだなぁ、と。
妙に納得できたところが哀しかった。
独りと独り。
寄り添いあうことで少しは楽に息をすることができるといい。
ラウルとキャロラインがとても微笑ましいコンビであることは新発見。
ドレイクのレナードに対する言葉には涙腺刺激されてしまいました。
この二人も、ここからまた新たな関係を築いていく。
ここまででシリーズは一段落。
予告めいた2頁は一向に出る気配がないので、とりあえず忘れることにします。



拍手

「きみは僕に愛を突き刺す 完結編2」紅井採乃(ダイヤモンドコミックス)




自らの手で柵を断ち切ったリザード。
自らの身を弾丸の前に晒したデニス。
彼の心はどこまでもアイクに寄り添ったまま。
ジャスティンの叫びは彼に届くのかな?
そしてレナード編。
僕には天使の記憶がある。
ねぇ、キミは誰?
そして、ドレイクが大切にしつづけた天使がいる。
共有する天使の記憶で二人は奥深いところでつながっている。
僕に愛を説いたのは誰?
ガブリエルの計らいで、結局は惹かれあう運命だったんだよね?と信じたくなる。
誰にも告げることのできなかったドレイクの哀しみ。
だけど、レナードは天使の存在を忘れていない。
二人がエルについて語れる日は多分こないんだろうけど。
くるといいなーと、涙ぐみながら思ってしまう。

拍手

「なんか、淫魔が恋しちゃったんですけど」松雪奈々(シャレード文庫)



オヤジ妖精にとり憑かれ、
生きるか死ぬかの瀬戸際のセックスから始まった美和と渡瀬の関係。
そりゃあ、山積するよね、という気持ちの問題が双方から噴出し、
美和の決断と渡瀬の叫びにまさかうっかり泣きそうになるとは!
でも、今回の騒動を通して美和と渡瀬の想いは、
揺るぎないものになったと思うの。
わからないことをわかったふりしない美和のスタンスが好き。
そして、わかってくれ、と押し付けなかった渡瀬もカッコいい。
オヤジ妖精の恋はまさかの展開。
橋詰は私の想像をはるかに上回るスケールの男でした。(笑)
なんとなく篠澤が哀れに思えるあのイラストは反則。
最後は笑って大団円。楽しく読了。

オヤジ妖精に喰いついてくださった皆様。
ありがとうございました。(笑)



内容(「BOOK」データベースより)

二度あることは三度ある!?はたまた三度目の正直か―!?温泉で別れたはずのオヤジ妖精がまたしても美和の前に現れた。どうやら美和の同期にして超イケメンの橋詰にマジ恋したらしい。美和を橋詰に接触させたくない渡瀬とは喧嘩してしまうし、身勝手なオヤジは性懲りもなく美和にとり憑くしで事態は複雑化。そんな中、三日に一度の性交を強いられる美和のため、渡瀬は鬱屈した思いを抱えながらも協力しようとするが…。なんと渡瀬が原因不明のEDに…!?美和最大のピンチが訪れる。

拍手

「三人の悪党 きんぴか1」浅田次郎(光文社文庫)



刑務所帰りのヤクザ。独りクーデターからの自殺未遂の自衛官。収賄の罪を被った政治家秘書。
世が世なら大物になった(かもしれない)傑物三人が、
「四課は桜の代紋を背負った極道だ」と論ずる定年を迎えた警察官に導かれ
邂逅を果たす。
破天荒な人情話であり、悪を成敗する話でもある。
笑っているうちにホロリとさせられたりしながらも、
結局は痛快に読めてしまうところが、浅田さんだなぁ、と思う。
所々に差し挟まれた二組の親子の姿と、広橋の家族の姿が印象に残る。
軍曹のサイズに合う帽子と靴を探しに行くピスケンの優しさが好き。
次巻で三人がどんな騒動を引き起こすのか。
とても楽しみ。


病院に搬送されたときどんな下着を着けているか?
これって、実はメッチャ重要ですよね~。
「日の丸はパンツの柄には適し得ない。
意匠の中心を正面に持って来れば猥褻。
後部に持って来れば、猿である」
読み始めた直後から大笑いでした。




内容(「BOOK」データベースより)

阪口健太、通称ピスケン。敵対する組の親分を殺り13年刑務所で過ごす。大河原勲、通称軍曹。湾岸派兵に断固反対し、単身クーデターを起こした挙句、自殺未遂。広橋秀彦、通称ヒデさん。収賄事件の罪を被り、大物議員に捨てられた元政治家秘書。あまりに個性的で価値観もバラバラな3人が、何の因果か徒党を組んで彼らを欺いた巨悪に挑む!悪漢小説の金字塔。

拍手

「きみは僕に愛を突き刺す 完結編1」紅井採乃(ダイヤモンドコミックス)



ジャスティンの抱えた絶望と、叶わぬ恋を知ったデニス。
だからデニスは、ジャスティンの背中に腕を回す。
お互いに欠けたものを補いあう行為に、安堵したかのように。
この物語で語られる男達の愛のベクトルはあまりにもままならなさすぎて、切なくなる。
同時掲載はレナードの過去の物語。
凌辱された一週間が、解放された後も彼を支配し続ける。
おひさまのような笑顔とぬくもりをレナードに与えてくれた彼が
レナードを救うために巻き込んだのがドレイクだった。
ここにもまた、やるせない事情がある。
「愛してるよ」
この言葉に、泣きたくなるくらい胸が締め付けられるの。

それにしてもドレイク、メッチャカッコいいんですけど。

拍手

「きみは僕に愛を突き刺す 情動編」紅井採乃(アクアコミックス)




あなたがいるから、強く在れる。
それが、リザードにとっての、ジェイという男の存在。
暴かれた犯罪。
満身創痍のリザードは、これからどう戦うのか?
刻んだ刻印が、彼を奮い立たせてくれることを期待する。
立ち去るラウルの背中に手を伸ばすことのできないデニス。
互いを知りすぎている二人の時間は、どうしたって先に進まない。
わかってるから、縋れないんだよね。
少しずつ明かされるレナードの過去。
同時に、ドレイクがレナードに拘る理由も少しずつ明らかになっていく。
幸せってなんだろう?
思わず問いかけたくなりながら、完結編へ。


拍手

「きみは僕に愛を突き刺す 新章2」紅井採乃(アクアコミックス)




ジャスティンの機転で傷つきながらも難を逃れたデニス。
「生きていたくなんかない。一緒に死にたかった」
彼の心からの言葉は、男たちの心を抉る。
アイク。
求める男のぬくもりを感じることは、永遠にできない。
リザードは兄の呪縛から逃れようと、運命に必死で抗い、
ジョーゼフに知られた事実で、レナードの心が揺らぐ。
ドレイクはレナードの過去を知っている。
過去に捕らわれた男が、ここにも一人。
描き下ろしはアイク×デニス。
とても幸せな物語かと思ったのに。
どう頑張ったって、現実は変わらない。
「早く僕を迎えに来て」
彼の願いも、終始一貫して変わらない。

拍手

「きみは僕に愛を突き刺す 新章」紅井採乃(アクアコミックス)



アイクを失った悲しみを引きずったまま、
存えている自分を責めるデニス。
指輪を埋めてしまったことは、彼の心がアイクと共に在りたいと願っていることの証。
デニスの過去を知っているが故にキスができないラウル。
何も知らないから強引にキスをしたジャスティン。
ラウルの優しさがとても切ない。
知らないが故に何もかもをぶち壊しそうなジャスティンの激しさにハラハラする。
そんなジャスティンは兄、クリスとの間に確執を抱え、
レナードはドレイクに苛まれる。
誰もが、傷を負いながら、生きている。
キャロラインはその傷を抉った結果を見届けなければならない。

拍手

  

カレンダー

05 2025/06 07
S M T W T F S
2 3 6
8 10 11 13
15 17 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30

フリーエリア

プロフィール

HN:
みやこ
性別:
非公開

バーコード

ブログ内検索

P R

Copyright ©  -- きままに読書★ --  All Rights Reserved

Design by CriCri / material by DragonArtz Desighns / powered by NINJA TOOLS / 忍者ブログ / [PR]