きままに読書★
読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
「月の影 影の海」小野不由美(新潮文庫)
ある日、そこに在るのが当たり前だと思っていた世界が、足元から崩れ去ったら?
頼れる人もないまま、勝手のわからない異世界へと放り込まれてしまったら?
問いかけに浮かぶ感情は恐怖でしかない。
異界で言葉に苦労をしなかったことが唯一の救いだろう。
だが、それも、選ばれた者にのみ与えられた特権なのだということを、彼女は知る。
途方に暮れてただ泣くだけだった世界で、何とか生きようと足掻き始める陽子。
野性味を帯びた生命力は若さ故の特権。
騙されながらも世情を学び、次第に逞しさすら感じられるようになる心理。
けれども、飢えと疲労と怪我で痛めつけられた肉体の限界はごまかすことができない。
何故こんなことになってしまったのか?
混乱の拭えないまま、次巻へ。
内容(「BOOK」データベースより)
「お捜し申し上げました」―女子高生の陽子の許に、ケイキと名乗る男が現れ、跪く。そして海を潜り抜け、地図にない異界へと連れ去った。男とはぐれ一人彷徨う陽子は、出会う者に裏切られ、異形の獣には襲われる。なぜ異邦へ来たのか、戦わねばならないのか。怒濤のごとく押し寄せる苦難を前に、故国へ帰還を誓う少女の「生」への執着が迸る。シリーズ本編となる衝撃の第一作。
PR
「魔性の子」小野不由美(新潮文庫)
壮大な物語の序章。
ここではない、どこかへ。
たぶん、誰もが一度は抱いたことのある思い。
それでも、私たちは、この現実世界が自分の在る場所だということを知っている。
だから広瀬の想いが痛いくらい理解できる。
高里の存在が痛々しく、そしてそぐわなく感じるのは、
彼の在るべき場所を知っているから。
そこにいたころの彼を知っているから。
そこにいない彼を案じる人たちを知っているから。
頭を下げることを強要される彼の姿に、「やめて!」と、悲鳴をあげそうになってしまった。
20年以上前にこの本を読んだ時、まさかここまで壮大な話になるとは思ってもいなかった。
未だに続きが楽しみで仕方がない物語です。
内容(「BOOK」データベースより)
教育実習のため母校に戻った広瀬は、教室で孤立している不思議な生徒・高里を知る。彼をいじめた者は“報復”ともいえる不慮の事故に遭うので、“高里は崇る”と恐れられているのだ。広瀬は彼をかばおうとするが、次々に凄惨な事件が起こり始めた。幼少の頃に高里が体験した“神隠し”が原因らしいのだが…。彼の周りに現れる白い手は?彼の本当の居場所は何拠なのだろうか?
「たおやかな真情」崎谷はるひ(ルチル文庫)
慈英と臣が積み重ねてきた時間がある。
その中で彼らが育んできた愛情がある。
一時的に失われた慈英の記憶が戻ったところで、以前と全く同じとは言い難い生活。
だが、それは、彼らが前に進んでいる証だと思いたい。
閉じた世界で二人きり、とていうのもありなんだろうけど、
やっぱり外にちゃんと目を向けていていられる二人であってもらいたい。
慈英の前に示された、より大きな世界。
進む道がどこであれ、自分の居場所は臣なんだと。
言い切った慈英に胸をなでおろしました。
三島も拠り所を見つけて、ちゃんと地に足がついててよかった。
それにしてもこの引き!続き、気になるじゃないですか。
内容(「BOOK」データベースより)
失った記憶を秀島慈英が無事に取り戻し、あまい日々が続くものと思っていた小山臣だったが、いまだ二人の関係はどこかぎくしゃくしたまま。そんな二人のもとを突然、年若いが独特の雰囲気をまとまった壱都を連れて三島が訪れた。新興宗教の教祖だという壱都とともに逃げてきたと語る三島は、大切に仕えていた壱都を臣にあずけ、姿を消してしまい…。
「はなやかな哀情」崎谷はるひ(ルチル文庫)
事件に巻き込まれて記憶を失った慈英。
自分のことを忘れてしまった慈英を傍近くで見守る臣の強さとがんばりに、
ただひたすら胸がしめつけられた。
二人で過ごした7年間という年月の重さ。
慈英は確かにここにいるのに。
昨日まで傍にいた彼が、いま、ここにはいない。
愛されて、愛した人がいた。
その記憶を抱いたまま、慈英を手放そうとした臣。
その距離感に追い立てられるように、慈英は自分の気持ちと向き合っていく。
記憶をなくしても、臣が好きだと。臣のことを好きになったと告げた慈英。
ラスト、慈英が記憶を取り戻すシーンの描写は素晴らしかったです。
ホント、このシリーズ好きだわ。
内容(「BOOK」データベースより)
恋人小山臣の赴任先で暮らす秀島慈英は、かつて自分を陥れた鹿間に呼び出され、東京の彼のもとを訪れた。そこで倒れている鹿間を発見、そのまま何者かに頭を殴られ昏倒してしまう。知らせを受けて病室を訪れた臣を迎えたのは、臣について一切の記憶を失った慈英だった。冷たい言葉を投げつけてくる慈英に臣は…!?大人気シリーズ全編書き下ろし。
「やすらかな夜のための寓話」崎谷はるひ(ルチル文庫)
5編の短編から成る物語。
慈英と臣の過ごした時間が、綴られている。
それぞれに濡れ場が入っているから、そのシーンだけでも相当なボリュームがあるわけだけど、
読後の印象に残るのは、そこじゃなくて、二人の感情の機微。
臣や慈英の気持ちの揺れや迷い、不安や痛み。
そういったものが流れ込んできて、胸が痛い。
でも、その痛みを補って余りある愛情に溢れていて、
結局はふたり、満たされていて、とてもほっとする。
大人の余裕でチャチャ入れする照英。
インクルージョン読んでてよかったなーと、ニヤリとしました(笑)
内容(「BOOK」データベースより)
刑事の小山臣は、人気画家で恋人の秀島慈英とともに赴任先の小さな町で暮らしている。ある日、慈英の従兄・照映がふたりのもとを訪れ…。慈英十三歳、照映十八歳の夏が語られる書き下ろし「ネオテニー“幼形成熟”」、商業誌未収録作「やすらかな夜のための寓話」「SWEET CANDY ICE」「MISSING LINK」「雪を蹴る小道、ぼくは君に還る」を収録。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
「あざやかな恋情」崎谷はるひ(ルチル文庫)
「同じ、と思える相手がそこにいるから孤独ではない」
慈英も臣も、どちらかが欠けたら自分もダメになることを知っている。
だからといって、世界が二人だけで閉じて完結するのではなく、
互いが大事だからこそ、周囲に目を向け、そこにいる人たちと良好な関係を築こうとする。
互いの存在が互いの成長を促す素敵な恋愛をしている二人だと思います。
「犯して」と口走った臣をちゃんと叱って、「やさしくする。大事にする」と抱く慈英に
キュンとしました。
この人は本当に臣が大事で、愛してるんだなぁ、と。
そして、臣もどれだけ慈英が大事で愛しているのかやさしく伝わってくる。
チラリと垣間見せる慈英の執着が、やっぱり私は大好きです(笑)
内容(「BOOK」データベースより)
警部補昇進試験に合格した小山臣は、一年間の駐在所生活に突入。人気画家で恋人の秀島慈英は、先に臣の配属先の町に移住。臣もまた「きれいな駐在さん」として暖かく迎えられる。そんなある日、町に事件が起きる。それは臣の過去に関わる、ある人に繋がり…!?慈英&臣、待望の書き下ろし最新刊。表題作ほか商業誌未発表短編も同時収録。
「ひめやかな殉情」崎谷はるひ(ルチル文庫)
社会生活を営んでいく上で何かが決定的に欠けていて、大きな歪みを抱えている慈英。
他者に関心を示さず、閉じた世界で絵を描き続けてきた彼の、
臣だけに対するまっすぐで度を越した執着がたまらなくゾクゾクする。
縛り付けるための執着というよりも、甘やかして絡みついて、包み込んで離さない。
そんな執着。やっぱりたまらない(笑)
自分のことを粗末に扱いがちな臣には、
慈英に愛されて、堺家のみんなに愛されていることをちゃんと自覚して、
自分を大事にしてほしいと思うわ。
自分は自分にしかなれない。そのことに三島はちゃんと気づくかな?
二人のどうしようもなく幸福な時間がいつまでも続きますように☆
内容(「BOOK」データベースより)
刑事の小山臣が新進気鋭の画家・秀島慈英と恋人同士になって4年、同棲を始めて1年が過ぎた。幸せではあるが、画家としての地位を確立していく年下の恋人に、自信を持てない臣。そんな二人の前に慈英の大学時代の友人・三島が現れ、慈英につきまとう。不安を感じる臣だったが…。慈英&臣、待望の書き下ろし最新刊。表題作ほか商業誌未発表短編も同時収録。
「キネマの神様」原田マハ(文春文庫)
とても素敵な物語だった。
人と人との縁、親子の絆、人生の再生。
たくさんの映画と共に語られるのは、今を生きる人たちの物語。
彼らの人生が、やさしくてあたたかな視点で語られている。
そして改めて思のは、年齢も立場も国籍も関係なく、
ネットを介してたくさんの人たちと交流することができるブログの力。
マイナス面も取りざたされるけれども、プラス面を最大限に評価したい。
もしも叶うなら、ブログで友情を育んだ二人を会わせてあげたかった。
全体的に漂う雰囲気は、どこか懐かしさを感じる古き良き時代。
この心地よい雰囲気に暫し浸っていたい。
蛇足だけど……
結婚式の入場曲はカーリー・サイモンの「LET THE RIVER RUN」と
勝手に決めている(笑)私には、
最初に出てきた映画のタイトルがワーキングガールだったことにニヤリ。
最近映画を観ることがめっきりなくなって、
自分は映画には興味ないのかと思っていたけれども、
取り上げられた映画の八割方観ていたことに驚きました。
いつから足が遠のいちゃったのかな?
内容(「BOOK」データベースより)
39歳独身の歩は突然会社を辞めるが、折しも趣味は映画とギャンブルという父が倒れ、多額の借金が発覚した。ある日、父が雑誌「映友」に歩の文章を投稿したのをきっかけに歩は編集部に採用され、ひょんなことから父の映画ブログをスタートさせることに。“映画の神様”が壊れかけた家族を救う、奇跡の物語。
「ブライト・プリズン 学園の禁じられた蜜事」犬飼のの(ホワイトハート)
特権的な立場にあるが故の特別な待遇。
それを幸運と享受するには、薔の性格はあまりにもまっすぐで、
悩んだ挙句に周囲を巻き込んで振り回してしまう。
結局、薔の悩みは独りよがりの悩みで、誰の気持ちも考えていない。
でも、そうさせてしまったのは常盤にも責任がある……んだよなぁ。たぶん。
想いを貫く為の一芝居が痛々しかった。
現実を呑みこんで、強く在ろうとする薔の今後の成長が気になる。
徹底した世界観の描き方は相変わらずうまくて、のめり込んでしまう。
そして、皆が痛みを抱えていて、やりきれない。
密かに風雅がお気に入りの私にはドキドキの展開で……次巻!いつですか!?
内容(「BOOK」データベースより)
龍神の寵を受けながら、その事実を隠し通さなければならない陰神子の薔は、竜虎隊隊長・常盤の恋人として、切なくも甘い学園生活を送っていた。しかし、月に一度の儀式が近づくと、二人の身辺に暗雲が垂れ込める。入院中だった神子候補生・白菊の復帰。そして常盤の昔の恋人である椿の暗躍。翻弄され思い悩んだ薔が下した決断は、常盤との間に歪みを生じさせるもので!?学園という名の牢獄で、少年たちは愛に囚われる―。
「川の深さは」福井敏晴(講談社文庫)
【安い命なんてないんだ。
おまえはもう、ひとりじゃないんだぞ!】
保の痛々しいまでのまっすぐさと頑なさ、そして一途さに
ただひたすら感情を抉られ、揺さぶられつづけた初読の時。
今回は、保と出会うことによって人生に対する活力や彩りを取り戻していく桃山や、
己の人生を力強く生き抜こうとする金谷に気持ちが傾倒した。
歳のせい?(笑)
桃山が変わったように、保もまた、桃山に感化されるように、
人間らしさを取り戻していく。
保が桃山の名前を呼ぶシーンには涙を誘われずにいられない。
人は独りでは生きられない。
想いを託すことのできる誰かがいるからこそ、強く在れる。
ダイス誕生秘話、ともいうべき本書。
日本という国のありようも考えさせられた。
内容(「BOOK」データベースより)
「彼女を守る。それがおれの任務だ」傷だらけで、追手から逃げ延びてきた少年。彼の中に忘れていた熱いたぎりを見た元警官は、少年を匿い、底なしの川に引き込まれてゆく。やがて浮かび上がる敵の正体。風化しかけた地下鉄テロ事件の真相が教える、この国の暗部とは。出版界の話題を独占した必涙の処女作。