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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「ソロモンの偽証 第Ⅲ部 法廷 上巻」宮部みゆき(新潮文庫)



【俺らは仲間だったんだから】

事件の核心に触れる裁判の始まり。
これまで検証してきて読み手が既に把握している事実の合間に挟んでくる、
今初めて知る事実。
多くの人物たちの視点から多角的にとらえられる事象。
それがあるから、既知の事実確認部分にも飽きることなく読み進め、
最後の最後で驚かされました。
人は、孤独の中に在っては真っ当に人生を歩んでいけないような気がする。
多くなくてもいい。
たった一人でも、自分のことを理解してくれる友達、
同じものを見て笑える友達、些細な事を話せる友達。
そんな友達がいてくれてこそ、
誰かのぬくもりが傍らにあってこそ、笑っていられるんだろうな、と思いました。

さて、次巻でいよいよ最終巻。
私が嘘だと認識していることは、果たして本当に嘘なのか?
私の思い描いた真実は、果たして本当の真実に寄り添っているのか?
気になります!



内容(「BOOK」データベースより)

空想です―。弁護人・神原和彦は高らかに宣言する。大出俊次が柏木卓也を殺害した根拠は何もない、と。城東第三中学校は“問題児”というレッテルから空想を作り出し、彼をスケープゴートにしたのだ、と。対する検事・藤野涼子は事件の目撃者にして告発状の差出人、三宅樹理を証人出廷させる。あの日、クリスマスイヴの夜、屋上で何があったのか。白熱の裁判は、事件の核心に触れる。

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「ソロモンの偽証 第Ⅱ部 決意 下巻」宮部みゆき(新潮文庫)



【彼はここにいる。僕らと一緒に。今、この時は】

たくさんの人に話を聞き、検証し、次第に浮かび上がってくる事実の断片。
弁護側、検察側の当人の胸の内。
それらをすべて繋ぎあわせることのできる「読み手」にしか推測し得ない「真実」は、
果たして彼らの知りたい真実か否か。
それが推測でしかあり得ない以上考えることに意味はなく、読み進めるしかない。
誰かが今以上に傷つく裁判になりはしないかと、胸が苦しくて仕方がない。
秘密を胸の内に抱え込んだままの「彼」が真実を口にする時。
彼らはいったい何を知るのだろう?
抱えたものが重くて苦しんでいるのなら、楽になってくれるといいと、願います。

吾郎&一美のカップルの存在は、なんだかとっても和みます。
一美の考え方にははっとさせられました。


内容(「BOOK」データベースより)

いよいよ動き出した「学校内裁判」。検事となった藤野涼子は、大出俊次の“殺人”を立証するため、関係者への聴取に奔走する。一方、弁護を担当する他校生、神原和彦は鮮やかな手腕で証言、証拠を集め、“無罪”獲得に向けた布石を着々と打っていく。次第に明らかになる柏木卓也の素顔。繰り広げられる検事と弁護人の熱戦。そして、告発状を書いた少女が遂に…。夏。開廷の日は近い。

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「天球儀の海」尾上与一(Holly NOVELS)



昭和二十年。
自分の想いを声高に告げることのできなかった時代。
自分の望むように生きることのできなかった時代。
自分の命ですら、自分の物ではなかった時代。
それでも。
資紀を真摯に想いつづけた希。
強いくらいの情と決意で、希に対する想いを貫いた資紀。
彼の想いを希が汲み取った瞬間は本当に胸が軋みました。
相手にとって良かれと思うことでも、相手がそれを望んでいなかったら?
自分が相手の命を守りたいと思うのと同じように、
相手もまた、自分の命を守りたいと思っていたのだとしたら?
どちらの想いも痛いくらい伝わってきて、やるせなさ感が半端なかった。


内容紹介

命を懸けた、せつない片想い。

希は特攻に行くことを決めた。
町の名家の跡取りの、1人息子である坊ちゃん、
資紀の身代わりとして――。
幼いころ、希は危ないところを資紀に助けられた。
資紀が現れなかったら
自分に命は五歳で消えていた。
坊ちゃんとお国のために死ねるなんて、
なんと幸せなことだろう。
希は十数年ぶりに坊ちゃんと再会するが……。

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「ソロモンの偽証 第Ⅱ部 決意 上巻」宮部みゆき(新潮文庫)



【現実に向き合う準備はできたか?】

知りたいのは真実。たった一つの真実。
この事件で傷ついた人々が、前に進むために。
たとえ傷は残っても、せめてその傷が膿んでしまわないように。
多くの人の思惑が介入した結果、見えなくなってしまった真実。
複雑に絡まった糸を紐解くために、少年・少女たちは当時の状況調べ始める。
嘘を貫こうとする人。
知っていることを隠している人。
懸命に真実を探求する人。
少年の死の真相を探っていたはずが、きな臭い放火事件の真相も見えてきて、
事態はますます混沌としてくる。
聡明すぎる少年の真意は?
彼女の嘘は暴かれるのか?
続き、気になります!

茂木をやりこめた樹里は天晴れ。
俊次の言い分がここで初めて明かされて、彼もまた、被害者なんだなぁ、と。
噂と真実は違う。
そのことを忘れてはいけない。


内容(「BOOK」データベースより)

二人の同級生の死。マスコミによる偏向報道。当事者の生徒達を差し置いて、ただ事態の収束だけを目指す大人。結局、クラスメイトはなぜ死んだのか。なにもわからないままでは、あたし達は前に進めない。だったら、自分達で真相をつかもう―。そんな藤野涼子の思いが、周囲に仲間を生み出し、中学三年有志による「学校内裁判」開廷が決まる。求めるはただ一つ、柏木卓也の死の真実。
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「ソロモンの偽証 第Ⅰ部 事件 下巻」宮部みゆき(新潮文庫)



【わかっているのは、時を巻き戻せないということだけだ】

それを「隙」と言うのなら、私たちはみんな隙だらけだ。
その「隙」に「悪意」をもってスルリと入り込まれたら、即座に太刀打ちできる術はない。
日がな一日身構えて生きているわけではなく、
ましてや、悪意に晒されるとは、思ってもいないのだから。
結果、対応は後手に回り、悪意に振り回され、新たに失われてしまった命がある。
信じたくない真実を塗り固める嘘。
誰かを陥れるための嘘。
知っていることを覆い隠す沈黙。
叫んでも届かない真実。
負の連鎖が呼び込む厄災は止まらない。
そして少女は決断する。
自らの手で、真実を見つけ出すことを。

健一をこちら側に引き留めることができてよかった。
行夫は本当によくがんばった。
そしてやっぱりメディアは便利だけど、
使い方を誤ったら本当に怖いツールだなぁ、と思いました。


内容(「BOOK」データベースより)

もう一度、事件を調べてください。柏木君を突き落としたのは―。告発状を報じたHBSの報道番組は、厄災の箱を開いた。止まぬ疑心暗鬼。連鎖する悪意。そして、同級生がまた一人、命を落とす。拡大する事件を前に、為す術なく屈していく大人達に対し、捜査一課の刑事を父に持つ藤野涼子は、真実を知るため、ある決断を下す。それは「学校内裁判」という伝説の始まりだった。

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「ソロモンの偽証 第Ⅰ部 事件 上巻」宮部みゆき(新潮文庫)



【彼のいいところを見つけてしまった。
 その発見の喜びが、涼子の頬を緩ませていった】

親の心、子知らず。そして、子の心、親知らず。
理解しあい、信頼しあう家族がある一方で、噛み合わない家族は哀しいほどに噛み合わない。
物分かりが良くて、物事が明確に見えている子どもほど、
息をすることが大変そうな学校生活。
そんな中で起こった一人の少年の死。
他人をどれだけ傷つけても意に介さない子供たち。
その子供を諌めようともしない大人たち。
逆恨みもいいところの身勝手な理由で隣人に敵意を抱く女。
自己の在り方を模索する子供たち。
冷静に事態を収めようと尽力する大人たち。
少年の死をきかっけに、彼らの人生がどう揺れ動いていくのか。
次巻へ。

嫌な面を見せられてイラッとして、良いところを見つけて嬉しくなる。
パーフェクトな人間はいない以上、人付き合いは良いところも嫌なところも含めて
その人と一緒にいたいと思うかどうかだよなぁ、とぼんやり思ってみました。
でも家族は選べない。
子どもは親がいなければ生きていけない。
突きつけられたそれぞれの家族像に、色々考えさせられました。

内容(「BOOK」データベースより)

クリスマス未明、一人の中学生が転落死した。柏木卓也、14歳。彼はなぜ死んだのか。殺人か。自殺か。謎の死への疑念が広がる中、“同級生の犯行”を告発する手紙が関係者に届く。さらに、過剰報道によって学校、保護者の混乱は極まり、犯人捜しが公然と始まった―。一つの死をきっかけに膨れ上がる人々の悪意。それに抗し、死の真相を求める生徒達を描く、現代ミステリーの最高峰。

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「SIMPLEX」英田サキ(キャラ文庫)



『DEADLOCK』シリーズ番外。
ユウトに対する恋情を封じ、良い友人であることを選んだロブ。
そんなロブがヨシュアと出会い、想いを通わせる物語。
ロブがとっても素敵です。
相手の気持ちを尊重し、窘めるところは窘め、深い愛情で見守り続ける。
一見余裕のある大人の男ではありますが、
実は余裕がなかったり、繊細だったり、悩んでいたりするロブのことを
ちゃんとわかってくれている友人たちの存在に安堵しました。
安心のオールキャスト☆
ラスト。
ベッドでの二人の会話がとても好き。
そして垣間見られたディックとユウトの関係性がとても楽しかった!

個人的な見解ですが☆ネト、ホントカッコいい!
ロブはタチでもネコでもどっちでもいいよ!と思っていたけど、
この話を読んで、まぁ、タチかな、と。
でもお友達が本に挟んでくれていたものをみていたら、
ロブ受でテンションあがりました(笑)

内容(「BOOK」データベースより)

犯罪心理学者ロブの誕生日パーティに届いた謎の贈り物。送り主はなんと、かつて全米を震撼させた連続殺人鬼を名乗っていた―!!ロブの警護を志願したのは、金髪の怜悧な美貌のボディガード・ヨシュア。すこぶる有能だが愛想のない青年は、どうやら殺人鬼に遺恨があるらしい!?危険と隣合わせの日々を送るうち、彼への興味を煽られるロブだが…『DEADLOCK』シリーズ待望の番外編。

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「DEADSHOT」英田サキ(キャラ文庫)



アメリカを舞台にした劇的な物語の最終巻。
ディックとユウトの途中のすれ違いではどうしようもなく切なくなりましたが。
どちらが欠けても幸せにはなれないと。
別れの土壇場で互いに手を伸ばし、
今度こそ刹那じゃなく、明日もまた抱き合えることを信じて
身体を重ねることのできた二人に安堵しました。
ボナハムの過去回想、効果的に差し挟んできたなぁ……
おかげで、コルブスがただの悪役でなくなった気がします。
ディックはともかく、ユウトとは一対一の関係が築けたはずなのにね。
「運命の相手は自分で決めるものなのだ」
諦めず、ディックに手を伸ばし続けたユウト。
海辺でのイラストがぐっときました。
文句なくおもしろかったです!

内容(「BOOK」データベースより)

ディックを復讐の連鎖から解放したい―。宿敵コルブスの逮捕を誓い、捜査を続けるFBI捜査官のユウト。次のテロ現場はどこか、背後に潜むアメリカ政府の巨大な影とは…?ついに決定的証拠を掴んだユウトは、コルブスと対峙する!!ところがそこに現れたディックがコルブスの銃弾に倒れ…!?執念と憎悪と恋情―刑務所から始まった三人のドラマが決着を迎える、衝撃のラストステージ。

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「時の娘」ジョセフィン・ティ(ハヤカワ・ミステリ文庫)



真実はひとつ。
それを知り得る当事者たちが既に時の彼方に旅立ってしまっている場合、
今を生きる者たちは、書物を紐解き、思考を巡らせることで、その真実を考察する。
そのことにどれだけ膨大な労力と時間を費やしても、
そこでたどり着いた答えはどこまでも推測でしかなく、
本当の真実は当事者しか知りえない。
歴史的事実は明確であっても、そこに付随する真実は
黙して語らない死者のみが知るところ。
歴史は浪漫だなぁ、と思う所以です。
それぞれが蓄えた知識を持ち寄りながら、何故?どうして?を
調べて考察していく過程が、とても面白かった。


英国史上最も悪名高い王、リチャード三世——彼は本当に残虐非道を尽した悪人だったのか? 退屈な入院生活を送るグラント警部はつれづれなるままに歴史書をひもとき、純粋に文献のみからリチャード王の素顔を推理する。安楽椅子探偵ならぬベッド探偵登場。探偵小説史上に燦然と輝く歴史ミステリ不朽の名作。

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「ハイキュー!」古舘春一(ジャンプコミックス)



烏野vs青城戦、決着。
どちらが勝ってもおかしくなかった、全力プレーでの決着。
試合後のみんな、良い表情してたなぁ。
「たとえどんな大会で勝っても完璧に満足できずに一生バレーを追っかけて生きていく」
これって、バレーに限らず、人の進歩や成長の基本というか、原動力だなぁ、と、
しみじみと思いました。
満足したところが成長の限界。
常に足りない部分をなんとかしようと足掻くから、より大きな自分になれる。
そして始まる白鳥沢戦。
得るモノの大きな試合になりそうな予感を感じさせて次巻へ。
ノヤっさーん!!!

本誌読んでるのに!
通して読んで試合で泣き、番外で泣いた巻でした。
私、及川さんがホント大好きです。
そして岩ちゃんとのコンビがホント素敵。
悔しさを競うって……(笑)
チョーシに乗れないって言ったトビオとの関係性も好きだし、
ウシワカと対峙した時の表情がイイ。
個人的に青城戦は毎週毎週しんどかったので、白鳥沢はちょっと落ち着いて読みたいです。ハイ。

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