きままに読書★
読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
「永遠の仔 四」幻冬舎文庫(天童荒太)
【ただつらくて、虚しいだけで終わるわけじゃない……
きっと、生きてることが楽しくなる道もあるんだって、伝えたかったの】
過去ごと抱きしめあい、あるがままの自分を受け入れあえる伴侶に出会えた岸川夫妻。
彼らのように幸せになる権利は誰にでもあるはずだ。
けれども、優希たちの指の間からは、幸せがすり抜けて行ってしまっている。
そんな思いが最後までぬぐえなかった。
「あなたたちのように生きたかった」
育ての親である叔父夫婦に想いを吐き出した梁平。
彼らの愛情を改めて感じ、ようやく奈緒子との未来を考え始めた直後に彼を襲う悲劇。
すべての悲劇は、彼らが再会することさえなかったら防げたものだったのか、
それとも、いずれはどこかで破綻するものだったのか。
答えを見つけられないまま、最終巻へ。
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「永遠の仔 三」天童荒太(幻冬舎文庫)
【おれたちは、別の世界で始めるんだ。
この世界の人間は誰もいない、新しい世界で、
どんな痕も残っていないきれいなからだで、初めから生き直していくんだ……】
実の親から受けるには、あまりにも凄惨な過去の出来事の告白。
優希が呑みこんできた想いを吐き出すことができたのは、
笙一郎と梁平もまた、同じような修羅をくぐってきたからだ。
子どもが受け止めるにはあまりにも辛い仕打ちを何故血の繋がった親ができてしまうのか。
子どもは親の憤りや苛立ちの捌け口ではない。
「新しい世界で初めから生き直したい」
10代になって間もない子供の台詞が痛々しくてたまらない。
依然として知れない聡志の行方。
大人になって再会した三人の想いも少しずつ歪さを増していく。
息苦しさを払拭できないまま、次巻へ。
「君のためなら千回でも」カーレド・ホッセイニ(ハヤカワ文庫)
【人生にはなにをやるか、なにをやらないかしかないよ】
「やり直す道がある」そんな電話に導かれて、20年ぶりにアフガニスタンへと旅立つアミール。
そこで知る、アミールがかつて手ひどく裏切った少年、ハッサンの人生。
アミールの裏切りにも関わらず、ハッサンの変わらぬアミールに対する忠誠と愛情に涙ぐみ、
凄惨な過去に卑屈になることなく、幸せな人生を歩んでいる彼の姿に凛とした強さを感じた。
だが、激動する時代の波に、ハッサンの人生は壊されてしまう。
残されたハッサンの息子、ソーラブに降りかかる悲劇。
そんな彼を救おうと、奔走するアミール。
時代は容赦なく無慈悲に彼らを傷つける。
子共にはいつだって無邪気に笑っていてもらいたい。
けれども、子供が子供らしくあることが許されない時代がある。
やるせなさに涙があふれて仕方なかった。
アミールの元で新しい人生を歩み始めるソーラブ。
彼の人生が幸せに彩られたものであることを切に願います。
ソ連のアフガニスタン侵攻から、タリバンの9.11事件まで。
いかに歴史的認識が薄かったのかを思い知らされる。
自分で知ろうとしなければ、知識は培われない。
色々な意味で、この時期に良い本に巡り合いました。
内容(「BOOK」データベースより)
「もう一度やり直す道がある」わたしとハッサンをよく知る友人ラヒム・ハーンは告げた。電話回線の向こうにあるのは、わたしの過去、まだ償いの終わっていない罪。わたしは迷いをふりはらい、パキスタン行きのフライトに飛び乗った。そこに、わたしを打ちのめす哀しい真実が待ち受けているとは知る由もなく―アメリカとアフガニスタンを舞台に、少年時代の罪に立ち向かう男の姿を感動的に描き上げる、世界的ベストセラー。
「君のためなら千回でも」カーレド・ホッセイニ(ハヤカワ文庫)
【この川のなかに入れば、みずからの罪を川底に沈め、
流れにまかせてどこかへ行くことができる。
亡霊も、想い出も、罪もないどこかへ】
その年に起きた出来事は、12歳の少年アミールや
彼の周りの多くの人たちの運命を大きく変えてしまった。
アミールを庇ったことによって11歳の少年ハッサンが悪童たちの暴力の対象となり、
アミールが逃げたことによってハッサンが心と身体にひどい傷を負ってしまう。
自らの臆病さと裏切りを悔いながら、アミールの26年の人生は費やされていく。
贖罪を望むなら、ハッサンを対等に扱うべきだったのだと思う。
ハッサンによって罰せられることを願うのではなく、
傷ついたハッサンを友だちだと、抱きしめてあげるべきだったのだと思う。
だが、僅か12歳の少年にそれを望むのは、ずいぶんと酷なことだろう。
そして、僅か11歳でありながら、ハッサンがアミールに対して
最後まで示した忠誠と献身には涙が溢れそうになる。
罪の意識を抱えながら、アミールは大人になっていく。
結婚を前にアミールに自らの過去を告白したソラヤの勇気と、
ソラヤのすべてを受け入れたアミールのやさしさが心に沁みた。
哀しさの中にも誰かが誰かを思いやる気持ちに溢れている。
やるせなさを抱えたまま、次巻へ。
内容(「BOOK」データベースより)
「君のためなら千回でも!」召使いの息子ハッサンはわたしにこう叫び、落ちてゆく凧を追った。同じ乳母の乳を飲み、一緒に育ったハッサン。知恵と勇気にあふれ、頼りになる最良の友。しかし十二歳の冬の凧合戦の日、臆病者のわたしはハッサンを裏切り、友の人生を破壊した。取り返しのつかない仕打ちだった。だが二十六年を経て、一本の電話がわたしを償いの旅へと導く―全世界八〇〇万人が涙した、衝撃のデビュー長篇。
「メルサスの少年」菅浩江(新潮文庫)
精一杯背伸びをし、早く大人として認められたいと願う少年イェノム。
自分を優しく包み込み、保護してくれている世界から
少しずつ外の世界のことを学ぶにつれて見えてきた大人の世界は、
駆け引きや嘘や偽りが混在する世界だった。
あれほど大人になることを夢見ていた少年の叫び。
「もう大人になんかなりたくないや!」
それは、純粋さ故に出てきた言葉なのだろう。
けれども。
大きく変動する時代の流れは、少年を子供のままではいさせてはくれない。
壁にぶつかり、悩みながらも、いつしか、少年も大人の世界の理を知ることになる。
時には思いやり故の嘘が必要なこともある。
そして、すべてが汚れきった大人ではないことを、
まわりの大人たちが身を以て証明してくれるのだ。
イェノムのように大人になっていけることは、人として最高の幸せだと思う。
内容(「BOOK」データベースより)
辺境の荒野に囲まれた〈螺旋の街〉。そこは貴重な鉱石パラサンサを採掘する男相手の歓楽街、女ばかりの街だった。ある時、予言者の孫娘カレンシアが街に逃げてきた。彼女は、パラサンサを独占して世界の支配を狙う「トリネキシア商会」の軍隊に追われていたのだった。街でたった一人の少年イェノムは彼女をかくまうが、トリネキシアの魔手は〈螺旋の街〉にも忍び寄っていた…。
「ナゲキのカナリヤ」崎谷はるひ(ルチル文庫)
パワハラ&セクハラという厄介ごとに巻き込まれた清也がどんどん孤立していくのではなく、
どん底から周囲の助けを得て、問題を解決していく様子に、
がんばってー!と思わず拳を握ってしまいました。
周囲に流されず、手を差し伸べてくれたつぐみちゃん。よくやったわ!
圧力にひたすら耐えていた清也の転機のきっかけとなったのは、利憲との出逢い。
彼のアドバイスで清也の状況がどんどん良くなっていく。
ネットゲームの世界では女性と性別を偽って知り合った清也をありのまま受け止め、
優しく包み込む利憲の懐の広さは素敵だなーと。
ベッドでの清也の可愛さは半端なかった。
お幸せに☆
つぐみちゃんに利憲が牽制するシーンがなんだかツボでした。
内容(「BOOK」データベースより)
職場でのセクハラに疲れきり、現実逃避で“女性として”ネットゲームに参加する佐光清也。「ダリ」と名乗るプレーヤーに癒され好意を抱くが、そのダリから告白され、実は男なのだと打ち明け謝罪することに。真実を知ってなお、やさしく接してくれるダリこと高知尾利憲に想いを募らせる清也だが、「ともだち」という言葉に自らの失恋を悟って…。