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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「VIP 祈り」高岡ミズミ (講談社X文庫)

絶妙のタイミングで帰国した和孝と共に、最終決戦の場所へ赴く久藤。
「共に生きる」ことを心に決めている二人の、ある意味覚悟の現れなんだと思う。
記憶の一部を失う以前の久遠であれば、多分こうはならなかった気がする。
欠けた分の思い出はこの先二人で一緒に新たに生み出していくのだろう。
そんな空気感が伝わってくる。
やくざ同士の抗争は、文字通り流血の惨事となり、
大きな痛手を伴っての幕引きとなる。
だけど、ここまで徹底しなければ、争いは終わらなかった。
読み応えのある第二部最終巻。
「幸せになろう」
その言葉が嬉しい。


あれどうなった!?これどうなった!?
と、気になるあれこれは電子オリジナルの方で書かれているらしいので、
紙にこだわっている場合じゃないと、購入することを決めました。
読みたい欲求の方が勝るわ。
紙媒体でもシリーズはまだ続き、二人の物語をまだ読めることが嬉しい。

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「VIP 熱情」高岡ミズミ (講談社X文庫)

燻っていたものが一気に噴出し、相当不穏な展開に。
相手の足を引っ張るために金属バットやナイフを平気で手にする輩とは
相容れないと思うものの、相手が放っておいてくれない限り火の粉は飛んでくる。
おかげで和孝たちは大迷惑。
そして久遠も煮え湯を飲まされることになる。
卑怯な手を使ってでしか相手の優位に立てないのならば、
それは、自分が相手より劣っていることを示しているのと同意。
気付けよ、三島。
久遠がこのままでは終わらせないはず……と、信じて第二部完結巻へ。

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「目くらましの道・下」ヘニング・マンケル (創元推理文庫)

前半は犯人を知っているからこその焦燥感からドキドキしながら読み進める。
後半は怒涛の展開に呑み込まれ、息つく暇もないまま一気に最後まで駆け抜ける。
そしてエピローグ。
身元の判明した少女の父親の姿に、そしてヴァランダー親子のその姿に。
胸が熱くなる。
残酷な戦士を生み出したのは、快楽に塗れた大人たち。
彼等が犯した罪こそ裁かれるべきなのに、社会的に弾劾されない理不尽。
戦士の行為を正しいとは言えないけれども
それでも糾弾しきれない自分がいる。
彼の心情を、彼女たちの苦しみを思うとやりきれない。
子どもたちが健やかに成長できる社会を希う。

これで手持ちのマンケルは読み切ってしまった。
え、続き気になるよー。
ポチっとしかけたけど、積読が山となっていることに気づいてしまったので、
ヴァランダーシリーズの続きを買う前に、ある程度積読減らしに努めます。
【ガーディアン必読118-2/1000冊】

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「VIP 宿命」高岡ミズミ (講談社X文庫)

嵐の前の静けさ……かな。
どんな形になるかはともかく、組の内部抗争はもはや避けられない状況になってしまった不動清和会。
そんな中、久遠と和孝がお互いの想いと立ち位置を、
明確な言葉にすることで確認しあっていく。
結果論だけど。
久遠が記憶を一部失くすようなことにならなければ、
多分この問題について話し合うことはなかったんだと思う。
そういう意味では良かったってことになるのかな?
いや、現状においての最善ってことか。
記憶は失くさない方がいいに決まってるもんね。
覚えていなくても
本能的な部分で和孝を同じように想っている久遠の言葉に安堵。


自分の主観と他人の客観。
同じ物事をみていても、捉え方はああも違う
まぁ、それはそれで仕方ないよね、とは思う。
自分がブレずに在ればよい。
でも、ストーカーの思い込み私見は問題外。


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「目くらましの道・上」ヘニング・マンケル (創元推理文庫)

菜の花畑での少女の焼身自殺。
彼女は誰?どこから来たの?
それが主軸に話が進むのかと思ったら。
その直後に連続して発生した猟奇的な殺人事件の捜査にヴァランダーたちは奔走する。
巻頭の登場人物欄を眺めていれば、読んでいる途中で犯人に行き当たり、
それが「彼」であることに当惑する。
何故男たちは殺されなければならなかったのか。
ヴァランダーたちの捜査の進行と共にぼんやりとしたものが浮かび上がり、
彼等の捜査の傍らでその理由を推測しながら読み進める。
そして、事件が少女の自殺とどう関係してくるのか?
下巻が気になって仕方ない。

シリーズ5作目にしてガーディアン選書。
「シリーズ物は一作目から読む!」という信念(?)のもと、
この『目くらましの道』を読むために1作目から読んできたけど、
読む機会を与えてくれてありがとう!と言いたくなるおもしろさだわ。
【ガーディアン必読118-1/1000冊】

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「VIP 接吻」高岡ミズミ (講談社X文庫)

目の前にいるのは自分の知っている彼ではなくて。
10年分の記憶が抜け落ちた恋人。
自分には彼と積み重ねてきた思い出があるのに、彼の思い出の中に自分はいない。
やるせなさ半端ない。
「俺の男をここに連れてこい」
恋人である久遠に向かっての和孝の台詞、刺さったわ。
それでも離れることを微塵も考えなかった和孝の頑張りにより、
結果的には二人の人生の在り方を言葉にして確かめあうに至って安堵。
和孝が二人の関係を改めて見つめ直していく過程も良かった。
一つの問題は片付いたけど、進行中の問題はまだ山積み。
鋭さを増した久遠が何だかカッコいい。

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「VIP 流星」高岡ミズミ (講談社X文庫)

うっ……ストーカー気持ち悪い。
わかってたけど気持ち悪い。
ホント気持ち悪い。……というわけで、
感想は「気持ち悪い」の一言に尽きてしまった……あれ??
語彙力を奪いつくすストーカー。
言葉が通じない人と対峙するのは本当に厄介。ってかもう、災害だよね。
早く退場してもらいたい。
三島もめんどくささに拍車がかかってるけど、
ラスト、とんでもないところで続いて、今後事態はどう動く!?
気、気になる……
というわけで、気持ち悪いと気になるとでストレスフルな読後。
解消目指して続きいきます!
あ、でもその前に癒し成分注入したい。



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「笑う男」ヘニング・マンケル (創元推理文庫)

前作の事件で心を病み、辞職を決意したヴァランダーを刑事へと引き戻したのもまた、
事件だった。
正体の見えない殺人者、証拠のない容疑者をどのように追い詰めていくのか。
一つ一つの事象をコツコツと調べ上げていくその過程が興味深く面白い。
とてもとても楽しく読んでいたのですが。
ラストちょっとだけ失速。
一人で突っ込むのは目をつぶるとして、
警察関係者ではない人間をあんな形で捜査に巻き込むのはやっちゃいけないと思うんだよね。
このシリーズの何がおもしろいって、
登場人物の生活感や人間性がしっかり伝わってくるところ。
なんだかドラマチックなところで終わったので続き気になる~!


霧の中の運転超怖い。
まだ夜も明けきらない明け方の高速で、一気に立ち込めてきた霧に視界が悪くなり、
前の車のテールランプしか見えなくなった恐怖。
トンネル大嫌いだけど、トンネルがありがたいと初めて思った瞬間。
次のSAにたどり着くまでヒヤヒヤだったわ~。
さて。
次作はいよいよガーディアン選書の『目くらましの道』。
私、シリーズ途中から読むのがどうしてもできなくて最初から読む以外の選択肢がなかったわけですが。
このシリーズはそれで正解。

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「VIP 抱擁」高岡ミズミ (講談社X文庫)

側にいてリラックスできて甘えられて甘やかして。
愚痴を言ったり聞き流したり。
交わし合う会話からも
久遠と和孝の関係が安定していることが伺えて、とても和む。
立て直しを図った和孝の店の方も順調で、
後は黒幕問題が解決すれば……と思いきや。
ストーカーの斜め上を行く気持ち悪い変態が絡んできてぞわぞわする。
自分で勝手に作り上げた世界で生きてる人って話が通じないから怖いんだよ。
その変態が社会的地位を確立してるっぽいから余計に厄介。
この変態絡みの問題は、早々に解決しますように。(気持ち悪いから)

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「白い雌ライオン」ヘニング・マンケル (創元推理文庫)

殺された理由は、道に迷ったから。
なんて理不尽な!
いや、これ、犯人どうやって見つけ出すの?
と思ったら、そんな範疇に留まる物語ではなく。
これは刑事ヴァランダーの物語でもあり、
国内に大きな問題を抱えた南アフリカの物語でもある。
犯人の追跡と同時に進行するのは、
ネルソン・マンデラの暗殺計画と阻止。
情報量の多さに脳内フル回転で読み切ったのは、
抜群におもしろく、そしてどこか哀愁の漂う物語だった。
単一民族国家で生きてきた私には遭遇することのないであろう人種問題。
白人でも黒人でもなく、アフリカ人である。
誰もがそんな認識でいられる世界であるといい。


プロローグを読みながら、あ、これ『シグマフォース』シリーズっぽい!
と、既視感。
だけど、本作の登場人物たちはシグマフォースみたいに殺しても死なない超人ではなく。
人間味あふれる一般社会で生きる人たちで。(一部例外アリだけど)
そんな彼らが必死で自分の職務を全うしようとする姿に思わず力が入る。
疲れ果てたヴァランダーに届けられた同僚たちのやさしさがあたたかい。

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