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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「背後の足音 上」ヘニング・マンケル (創元推理文庫)

読了後にずしんとのしかかる重苦しさを明日に引きずりたくなくて、
楽しい動画を観て気持ちを整える。
上巻でこの読み応え。
やっぱすごいね、マンケル。
周到に事前準備がなされ、とてつもない手間暇をかけて実行された殺人。
そして、その事件を単独で追っていたと思われる警官も殺された。
睡眠時間どころか日常すら犠牲にして事件を捜査する刑事たちの疲労度が半端なくて、
こっちもどんどん疲弊していく。
でも、読む手を止められない。
断片的に明らかになっていくことがあっても、事件の全貌は全く見えてこない。
どんな結末を迎えるのか。


読む前に手に取った時、あ、なんか美味しそう、と思った表紙の料理の数々。
上巻読了して改めて見ると、ちょっと具合が悪くなりそうな気がしてくるのよ……



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「10DANCE 5」井上佐藤(講談社)

勝つことに貪欲になること。
それはまったく悪い事ではなく、むしろ競技者としてはプラスに作用する。
現状に甘んじたら進化はない。
殻を破り、より高い所を目指す鈴木の欲と熱は周り中に伝播する。
試合の熱が伝わってくる高揚感に、彼らと一緒にゾクゾクする。
その熱と昂ぶりを抱えたまま杉木の元に走る鈴木。
ここまでは彼らと一緒にドキドキわくわくしていたのに。
ラスト、切な~~~、と思わず呻く。
何度読み返しても胸が軋む。
この二人、難しい問題に直面したなぁ。
胸の中に渦巻く様々な感情。
呑み込んで飲み下して。
どう折り合いをつけていくのか。
見守ります!

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「デルフィニア戦記 外伝1 大鷲の誓い」茅田砂胡(中公文庫)

バルロとナシアスの物語。
とっても楽しかった。
途中イラっとしたことも全部綺麗に消化してくれてあっぱれのボタンを押しまくり。
先読みのできない能無しは隊を指揮する資格はないし、
そもそも戦闘の応援に来て足を引っ張るなんて言語道断。
そして、誰かに守られながら戦場に立つようなお坊ちゃまは戦場に来ちゃいけない。
そんな諸々をナシアスが全部にっこり笑いながら、或いは冷たい光を放ちながら
ぶった切ってくれて爽快。
サブタイトルの「大鷲の誓い」が胸にじんと来る。
過去編に終始するかと思ったら終盤で本編終了後の彼らに会えて嬉しさいっぱい。






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「タフ 1」 岩本薫(B-BOY NOVELS)

絶縁していたかつての親友との再会。
絶縁理由が理由なだけに、いかに過去のこととはいえ許せる範疇なのかな?
と、思いながらの読み始め。
いや、でもシンゴ自身が心の底から響のことを憎んでいたら寄せ付けないよね?
嫌なものを意に反して受け入れるようなヤワな性格でもなさそうだし。
と、だんだん心境は変化し、
過去編を読むに至って、現在の二人の状況になんだか納得。
シンゴってば、ど天然。しかもまったく空気読めてない。(笑)
とはいえ、響がやらかしたことは消えないし、簡単に許せるものでもない。
この先二人がどう関係を修復していくのか。
楽しみ。

「見て見ぬふり」ができればもう少し人生波風立てずに生きていけそうなのに。
自ら首を突っ込んで面倒事に巻き込まれていくタイプ。
響と離れていた8年間、シンゴがどんな生活を送ってきたのか逆に気になる。
別tのタイミングで読もうと思っていたけど、
唐突に読みたくなって棚から引っ張りだしてしまった。
本は読みたいと思った時が読み時。
買い物は欲しいと思った時が買い時。(笑)



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「ベルサイユのばら 5」池田理代子(集英社文庫)

バスティーユ陥落。
それを見届けてオスカルも旅立ち、悲しみに浸る間もなく革命は進行していく。
喪われてく幾千の命。
国王一家を救おうと奔走するフェルゼンとアントワネットからの視点で描かれる革命は、愛の嵐
生きること、愛すること。
誰しもに与えられた権利だとしても。
王妃という立場は彼女にのみ与えられたもの。
その責務に対する自覚が少しでもあったならば、
そして、国民の生活がそこそこ安定していたのならば。
歴史は変わっていたのかもしれない。
読み始めこそ少女漫画を読んでいる感覚だったけど、
最後は歴史を紐解いている感じで作品世界に没入しました。

一気読みの流れで登録2600冊目。
選書を厳選している場合ではなかった。笑
このまま『オルフェイスの窓』に突入したい気持ちになりつつもそれはまたの機会に。
このタイミングで父子家庭に育った子から
「8歳の時以来母親と会っていないから、顔も覚えていない」と言う話をされて、
思わずルイ・シャルルに重ねてしまった。
駆け足て廻ったフランス。
いつかまた行きたいなぁ。

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「ベルサイユのばら 4」池田理代子(集英社文庫)

映画を観て泣いた記憶が真新しいからこそ、かろうじて泣かずに済んだ4巻。
ああ、でも胸が震える。
1789年7月。
貴族と市民の対立はもはや不可避で、
フランスは革命の気配を色濃く帯びていく。
一日先の未来すら予測できない状況の中で、
お互いに対する想いを伝えあうことのできたオスカルとアンドレ。
「生まれてきてよかった」
この言葉が心から嬉しく、彼らの置かれた状況がとても哀しい。
この時代、この状況下でなければ結ばれることはなかったんだろうなぁ。
祖国フランスを見捨てることのなかったオスカルの決意。
そして迎える7月14日。


オスカルがナポレオンとすれ違うシーンが強烈に印象的。
既に『エロイカ』を執筆することが頭にあったんだろうなぁ、
と、今なら思える。

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「ベルサイユのばら 3」池田理代子(集英社文庫)

ままならぬ恋に身を焦がし、
叶わぬと知りつつも諦めることのできない想いに苦悩する彼らの想いが切ない。
市民の生活を知り、彼らの困窮を目の当たりにしたオスカルは、
貴族という立場にありながらも、次第に彼らに寄り添っていく。
近衛隊から衛兵隊の隊長となったオスカルと、彼に反発する部下たち。
オスカルの「立場」だけしか見ていなかった彼らが
オスカル自身を認めるシーン、好きだなぁ。
ここにきてアンドレとオスカルの関係にも変化が。
先読みのできない貴族の後追いもあって、社会情勢は不穏な方へ。
「おなじ人間なのにな」
この言葉、重いね。

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「ベルサイユのばら 2」池田理代子(集英社文庫)

自分を取り巻く人たちの耳触りの良い言葉だけを聞いていたら、
それはとても心地よいかもしれないけど、真実は見えなくなる。
真っ向から向き合わねばならなかった真実に蓋をし続けたアントワネット。
そういった声をはねのける強さがあれば、少しは未来が変わったのだろうか?
現代ではフェイクニュースや誹謗中傷はSNSであっという間に拡散されてしまうけれども、
通信手段の発達していなかった当時は確証のないデマや噂話が人から人へと広まっていき、
いつしかそこに主観が入り、真実が捻じ曲げられてしまう怖さがある。
アンドレの髪型にやっと違和感がなくなったラスト。


アメリカの独立戦争にまで話は広がり、作品世界のスケールの大きさに驚く。
でも、作中でルイ16世の政治的もしくは政策的な側面にはほぼ触れらないんだよね。
あくまでもアントワネットとオスカル視点の物語。
劇場版のキャッチコピーにある通り「愛と運命の物語」なのです。

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「ベルサイユのばら 1」池田理代子(集英社文庫)

映画を観た勢いで文庫本再読。
1972年から連載が開始した作品。
今読んでも全く色褪せない面白さ。
そして2025年に劇場アニメ化。すごいね。
革命へと向かううねりの只中にある激動の時代のフランスと、その時代のフランスを生きた
マリー・アントワネットとオスカル・フランソワ、二人の女性の物語。
贅を尽くした宮中で暮らし、国民の生活を知ろうともしなかったアントワネット。
国の未来を案じ、自らの目で国民の生活を確かめに赴いたオスカル。
この違いは後に顕著に表れることになる。
作中のきらびやかなドレスを真似して描いていた少女時代。
覚えがある方はいるはず。


単行本で読んで、愛蔵版で読んで、文庫で読んで。
結局手元にあるのは文庫だけど、改めて読み始めて、え?めっちゃ字が細かいんですけどー!
と、私的には年数がたったが故の弊害。(笑)
『ベルサイユのばら』『マリーベル』『ラ・セーヌの星』が
私の中でのフランス革命の基礎知識の礎。

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「デルフィニア戦記第四部 伝説の終焉6」茅田砂胡(中公文庫)

シリーズ最終巻。
ずっとずっと一緒にいられたらよかったのに。
だけど、今のウォルには背負うもの賀沢山ありすぎて、
自由戦士であった頃のようには生きられない。
そしてリィにも帰らなければいけない理由がある。
そしてルウやリィの力の在り様を目の当たりにすれば、
やはりこの世界とは相容れない何かが滲む。
「楽しかったな」
泣き笑いのような思いでウォルの言葉を噛みしめる。
うん。
私も楽しかった。
寂しいけど、ホント楽しかった。
魅力的な彼らに出会えた幸せを噛みしめつつ本を閉じる。
「またね」
そう、つぶやきながら。

再読らしからぬ勢いで読んでしまった。
だって楽しかったから。(笑)
そして一度読んだだけだと大枠は覚えていても、
細かいところは抜けてるから
あたかも初読であるかのようなわくわく感がある。
めっちゃ楽しかった!
三冊ある外伝はちょっと間を開けて読もうかな。
少し余韻に浸っていたい。



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