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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「ソリッド・ラヴ」榎田尤利 (SHY NOVELS)




イケメンでも頭がよくても、
対人スキルがアレだと周りは大変だよなーと思う伊万里と。
頑張り屋さんで人当たりも人付き合いも良い元気っ子、吾妻。
同期入社の二人のラヴ物語。
人とどう向き合っていいのかよくわかっていない伊万里が
子どもみたいでめんどくさいやら可愛いやら。
ヘテロだった吾妻は、青天の霹靂みたいな出来事を経て、
伊万里に対する気持ちが動いて恋に落ちていく。
この辺りの流れのうまさは榎田さんだなぁ、と思う。
伊万里の吾妻に対する恋と執着のミックスっぷりがこの先ちょっとややこしくなりそうかな?
個人的には王子沢がものっすごく好み。

仕事は手早く7割で。
王子沢のこのスタンス、大賛成だわ。
というか、私は仕事にはできることなら5割の力で臨みたい人です。
余力は極力アフターファイブに残しておきたいのよー!
なのに、年々仕事量増えていっているのは気のせいだと思っておこう。





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「誓いは小さく囁くように」榎田尤利 (SHY NOVELS)



最悪な出会いから始まった二人の物語。
智夏サイドからはシンデレラストーリー。もしくは再生の物語。
若宮サイドからは「これだけはしないと決めているもの」を覆す物語。
俺様な若宮が智夏に振り回される様はおもしろいし、
智夏の口の悪さと素直さと一生懸命さが可愛い。
今までの自分なら絶対にやらないようなことをしてしまっている時点で
若宮は智夏に惹かれているよね。
智夏の無自覚な殺し文句が最強。
気になってる人にあれを言われたら確実に落ちるわ。
智夏の抱えた胸が引き攣れるような心の傷。
若宮との出逢いによって前に進むことができてよかった。


表紙の印象から勝手に私の苦手な受っぽい?と思っていたわけですが。
そんなことは全くなくて二人とも魅力的だし、
作品そのものが面白いしで、
大満足な一冊になりました。

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「寡黙な華」榎田尤利 (SHYノベルズ)



身勝手な執着。子供じみた独占欲。
自分の気持ちだけを押し付けて相手の心を踏みにじったら、愛なんて得られない。
彼のした行為は、許しを請う資格すらないとも思うんだけど。
彼の晒した弱さと本音に絆されてしまった。
千早の言葉に救われた邦彦。
邦彦のおかげで出ることは外の世界へと一歩を踏み出すことができた千早。
幼いころに共に過ごした思い出があるからこそ、
そして、その時から胸に抱き続けていた想いがあるからこそ、得られた今だと思う。
二人にしか紡げなかった絆。
人の持つ弱さと強さ、情の深さが刺さるように伝わってくる作品世界に溜息。→


描き出しが秀逸。
美しく歪んでいて、一気に引き込まれる。
そして雪舟さんのイラストが素晴らしい。
「人間は、できると思ったことしかできない」
この言葉は胸に刻んでおきたいと思います。






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「権力の花」榎田尤利 (SHY NOVELS)




踏み躙られ、組み伏せられ、手段や道具のように扱われたとしても。
決して失われなかった矜持と自尊心。
「愛がよくわからない」と言った楓が、
この先、陣内の深い愛につつまれて、愛を知り、語れるようになることを願うわ。
そして、楓が「父親」という呪縛からようやく解放されたことに安堵。
愛される資格のない子どもなんていないんだよ。
だけど、どの親も無条件で子どもに愛を与えてくれるわけじゃないのも事実。
なんともやるせない。
思ったよりも重くて社会的なテーマを扱った内容で、ものすごい読み応えがあった。
新田さんの挿絵もベストマッチ。

窮地に陥った時に敵を植木鉢で殴るときは思い切りよく。
これ、教訓。
理不尽に屈しない楓の凛とした態度が好き。
そんな楓を受け止めたどこか隙のありそうな陣内のカッコよさが魅力的。
総括すると、榎田さんの作品が好き。←総括しすぎ(笑)

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「ラブ~キス2~」一穂ミチ (ディアプラス文庫)



『キス』続編。
再会を果たした二人の距離感が、リアルというか、ですよね~、というか。
そう都合よくいくわけがない、と突きつけられ、
「四日間だけの恋人」という言葉にハッとさせられた。
二十年近くも一緒にいたのに。
「最初からはじめよう」と言った明渡。
もう一度傷つくのが怖い、なくすのが怖い、という苑の想いを尊重して、
強引に事を運ばず、待てる男になっているところが好印象……なんだけど、切ないね。
日常の積み重ねで再び距離感を縮めていく二人。
最後に辿りついた明渡の願いと苑の想いが素敵。
流れ込んでくる二人の想いに胸が爽やかに熱くなって読了。

自分と境遇のよく似た実留に迷わず手を差し伸べた明渡と、
同族嫌悪と嫉妬めいた想いに翻弄される苑。
鬱屈した感情の発露。そして歩み寄り。
この流れ、とても説得力があった。
久々に読んだけど、やっぱり一穂さん、好き。

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「キス」一穂ミチ(ディアプラス文庫)



どうしたって噛み合わない二人の想い。
傍に在りながら決して距離を縮めようとしない
苑に対する明渡の想いが切ないなぁ、と思っていた矢先の苑の叫び。
垣間見えた苑の想いに安堵したのも束の間。
まさかの展開に驚愕と涙……ガッツリ抉られました。
言葉で語らずとも、その目線が、皮膚の緊張が、
彼らの想いを伝えてしまうことがやるせない。
そして私は細胞レベルででもいいから覚えていて欲しいと切望していたので、
時間をかけての彼らの着地点に再び安堵。
「何故?」の説明ができなくとも、溢れてくる想いがある。
人の感情って不思議で尊い。


故人がそこに込めた想いの真意は永遠にわからない。
そしてこちらから働きかけることも決してできない。
だから、この世を旅立つ人は、残された人が惑わされるようなものを残しちゃいけないんだと、
個人的には思います。
私は後から聞かされた父親の言葉に悔恨しかなく、
知人は「お前の父親は実は……」というところで息を引き取った母親の言葉に悶々としていました。
生きている彼らの物語を、まだ読めることに胸を弾ませつつ、続編に手を伸ばします。

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「神さまに言っとけ」榎田尤利 (SHY NOVELS)



花屋にヤクザに天使。
命の炎が消えかかった男が、その命をかけて神から課された試練に挑む。
これ、どんなふうに着地するの?と首を傾げながら読みはじめ、
結果的には大納得のエンディング。
この辺のまとめ方はさすが榎田さん。
愛をせせら笑っていた男が愛に涙するまでに至った心境の変化と、
愛を知らず、孤独に生きてきた彼がぬくもりに包まれる様がとても良かった。
大切な人の為に咄嗟になしてしまう行為は損得なんかでは計れない。
だからこそ、尊い。
本能が知っている。ただ、求めている。
ラスト、一緒になって涙ぐんでしまったわ。

内容はまったく関知しないまま未読の榎田さんの作品を適当に引き抜いて読み始めたら
予想以上に良くて、お得な気分になれた一冊。
荒んだ気持ちが吹っ飛ぶ気がする。(荒んでるときに読んだわけじゃないけど・笑)

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「サクラ咲ク」夜光花 (リンクスロマンス)



中学の先輩だった櫻木に、15年近くも想いを抱き続けた怜士。
だけど、好きになった相手が同じように自分を想ってくれるとは限らない。
誰に対しても心が動くことのなかった櫻木は、
そのことををきちんと伝えた上で怜士との距離を縮め、
取引を持ちかけられて怜士を抱いた。
その先を勝手に期待してしまった怜士の気持ちもわからなくないけど、
手の内を全部晒した櫻木のことは責めるのは筋が違う。
どうなることかと思ったけど、
「恋が分からなかった男が、好きだって言ってるんだ」
この言葉にすべてが集約されている気がして。
なんかもう、胸が熱くなった。

導入のインパクト。
事件の謎解き。
櫻木と怜士の気持ちの変化。
前作の大輝・秦野・塚本もうまく絡んで、最初から最後までグイグイ読まされました。

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「忘れないでいてくれ」夜光花(リンクスロマンス)



殺害された両親の復讐を誓って生きてきた清涼と、
父親から受けた虐待の記憶を抱えて生きてきた秦野。
苦しんでもがきながらの人生を歩んできた二人救済の物語。
「結局は自分なんだ」というラストに零れた秦野の台詞が
ものすごく刺さった。
そうだよなぁ、と、そう在りたい、と、両方の意味で。
泥臭くぶつかり合った二人だからこそ、築くことのできた関係。
本音と弱さを晒せる存在がそこに在ることはとても心強い。
朝南さんのイラストのおかげでスパダリか!?と思った秦野が
実はそうじゃなかったところが個人的にギャップ萌え。
終り方がとても良かった。

謎だらけで強烈な印象を醸し出す清涼の友人、
塚本がとってもとっても気になった。
この人はどんな恋愛をするんだろう?と。
スピンがなさそうなのは残念だけど、別の方のスピンが控えているので、
そちらを楽しみに♪

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「菫の騎士」榎田尤利 (SHY NOVELS)



誤解は言葉を尽くせば解消できるが、
身勝手な悪意はどうしたって振り払えない。
人と人。
信じた分と同じだけの信頼が返ってくるわけではないけれども、
信じることによって良質な変化を来すことは少なからずある。
裏切られるリスクがあるとしても、
アルヴィンは「信じる事」を貫いていいと思う。
理想論だけを述べているわけではなく、
経験から導かれた言葉だからこそ重みがある。
降りかかった火の粉は頼もしい騎士たちがきっと振り払ってくれる。
何より、精霊たちの加護もある。
人は「強い」のではなくて「強くあろうとしているから強くいられる」のだと
改めて噛みしめる。

良質なファンタジーと安定のBLの融合。
ダンテが己を守るために身につけざるを得なかった「強さ」が、
これからはアルヴィンを守るための「強さ」になることが嬉しい。



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