きままに読書★
読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
カテゴリー「BL小説」の記事一覧
- 2019.10.26 「花屋の店番 毎日晴天! 12」菅野彰 (キャラ文庫)
- 2019.10.25 「夢のころ、夢の町で。 毎日晴天!11」菅野彰 (キャラ文庫)
- 2019.10.15 「明日晴れても 毎日晴天!10」菅野彰 (キャラ文庫)
- 2019.10.12 「月への吠えかた教えます」イーライ・イーストン (モノクローム・ロマンス文庫)
- 2019.10.06 「花屋の店先で 毎日晴天!8」菅野彰 (キャラ文庫)
- 2019.10.05 「僕らがもう大人だとしても 毎日晴天!7」菅野彰 (キャラ文庫)
- 2019.09.17 「HOME―A PLACE IN THE SUN」かわいゆみこ (キララノベルスセレクション)
- 2019.09.04 「初恋をやりなおすにあたって」尾上与一 (キャラ文庫)
- 2019.08.22 「ストレイ・リング」水壬楓子 (ガッシュ文庫)
- 2019.08.18 「晴れ男の憂鬱 雨男の悦楽」水壬楓子 (ガッシュ文庫)
「花屋の店番 毎日晴天! 12」菅野彰 (キャラ文庫)
3編収録。
それぞれ悩みを抱えた人たちが、惑って自問して、周囲を巻き込みつつ悶々としているわけですが。
誰に対しても「話聞くで?」と言ってくれた勇太の成長に惚れ惚れ。
ホントイイ男になったわ。
一方の龍のグダグダさに呆気。
明信と一度距離を置くことによって、漸く共に歩く未来に目を向け始めることができた二人。
必要な逃避だったかな?と思える成り行きで良かった。
真弓は自分の進路問題から存在意義を見失って不安定に。
そんな時期はだれにでもあるよね。
浮上できたのは、愛情いっぱいに接してくれる人たちのおかげ。
そんな真弓の後を追い、それぞれの話を聞いた秀の告白に胸があたたかくなった。
挟まっていた特典のペーパーがとても楽しかった。
私、こうやって本に挟んでないと、ペーパーがあることを忘れちゃうのよね。
文庫とサイズの合わないペーパーはクリアファイルにしまってあるんだけど、
何を持っているのかが全く把握できていない残念さ。
今度一覧表作ろうかなぁ。
皆さん、どうやって管理してるんだろう?
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「夢のころ、夢の町で。 毎日晴天!11」菅野彰 (キャラ文庫)
与えることも与えられることも知らなかった秀と勇太。
泥沼のような日常から秀が勇太を引っ張り出し、
穏やかな日々が続くと思いたかったけれども。
二人ともが幼く、欠けているものが大きかった。
時々語られていた彼らの過去をここではっきりと突きつけられ、
胸が軋みまくって落涙。
距離感がわからず、失いたくない想いが先に立ち、
本音を言い合えないまま深くなってしまった溝。
逃避した勇太が手を出したモノに対する代償は
壮絶なものだったけれども。
そこから抜け出した彼の気づきがとても哀しい。
それほどまでに深かった秀の深淵。
だから、大河の存在に安堵する。
人との出逢いは奇跡。
繋がりを持ち続けるには、努力と歩み寄りが必要。
そうやって手にする幸いがある。
彼らの夢がずっと続いていきますように。
「明日晴れても 毎日晴天!10」菅野彰 (キャラ文庫)
母親に存在を見捨てられた昴と、母親の異常な執着に雁字搦めになった晴。
惹かれあった二人は、だけど、一人では生きる術を持たない子供で。
子供であるが故の悲痛な叫びに胸が苦しくなる。
「幸せなまま殺してあげられたら」っていう発想が辛くて、涙出るわ。ホントに。
昴の暴力は容認できないけど、
その理由が明かされていくにつれ、
闇が深いのは晴の方だと思えてしまう。
そんな二人の力になろうと必死になった達也もやっぱり子供で、
無力感に打ちひしがれる。
あらん限りの力を振り絞って
親の呪縛から飛び出した子供たちに幸あらんことを切に願う。
ジワジワ込み上げてくる想いを反芻して泣く。
私は達也と同じくのびのびと育ててもらったから。
どんな困難に陥っても親は絶対に味方してくれるって信じられるから。
晴と昴を抱きしめたくてたまらない。
甥っ子ちゃんや姪っ子ちゃんたちとたくさんハグして手を繋いで遊んできたように。
「月への吠えかた教えます」イーライ・イーストン (モノクローム・ロマンス文庫)
新刊前の再読。
甘さと切なさと楽しさがバランスよくミックスされていて
無難におススメできる作品だと思う。
「人間に変身できる力を持った犬」というところがポイントで、
いざ!という時の咄嗟の反応が犬過ぎて、
初読の時はこんなに笑ったかしら?というくらい、笑ってしまった。
(笑うシーンかどうかは謎だけど)
ランスってばティムのことが大好きなのね。
リリーの思い込みによる親切の押しつけは有難迷惑でしかないけど、
こういう人とは距離を置いてつきあっていくしかなかないのよね、と諦めの境地。
後戻りができない状態まで追い込まれて辿りついた場所で、
居場所とパートナーを得ることができたティム。
良かったね。
次巻はジャーマンシェパードのローマンの物語。
硬派でカッコイイ!と勝手に思い込んでたんだけど、
予告の帯の煽りを見る限り……??
そして、ジャーマンシェパード(童貞)の表記って必要?と笑ってしまった。
楽しみ☆
「花屋の店先で 毎日晴天!8」菅野彰 (キャラ文庫)
作ったことはないものの「とりあえず、火炎瓶用意しておくか」と言ったことのある身としては、
実際に火炎瓶を作っちゃった真弓に爆笑していたら、長物ぶら下げてきた大河にさらに大笑い。
何を幸せと思うかは人それぞれで、言葉を尽くして言い聞かせたって
納得することは難しいだろう。
だからって「分かりあえない」と諦める事とは話が違う。
龍と明信はこれから乗り越えていかないといけないものがまだたくさんあるね。
同録は進路に惑う真弓の物語。
家の外の兄達の元を訪ね歩く真弓の姿と、彼の辿りついたものに
真弓の成長と大河の度量の広さを垣間見て。
寂しくなってしまった親目線。→
家の中での姿と外(社会だったり学校だったり)の姿ってやっぱり違う。
家族の外の世界での立ち位置を真弓がちゃんと認識したことは
とてつもなく大きなことだったように思う。
そして外の世界での姿を真弓に見せることを厭わなかった勇太の想いも尊い。
ってか、謹慎を継続する理性を働かせた勇太がすごいわ。
「僕らがもう大人だとしても 毎日晴天!7」菅野彰 (キャラ文庫)
大人だって惑う生き物だ。
安易に吐き出せない分、子どもの惑いより深いかもしれない。
前巻では勇太が惑い、その惑いが秀の惑いを誘ってしまう。
発せられる言葉は、時に人を傷つける鋭利な刃となる。
相手を思いやって呑み込んだ言葉も、
発せられないことによって思いやったはずの相手を傷つけることもある。
言ってもらえないことが自分に足りないものがあるからだと、
思い悩む秀の苦悩がとても辛い。
だからこそ、勇太が秀にその胸の内をぶつけた瞬間の歓喜と安堵は計り知れない。
秀の子育ては間違っていなかったと。
自信に思っていいんだよ。
おかえり、秀。→
秀の抱えた孤独に胸が軋んで軋んで……辛かったわ。
必死に事実を隠そうとしてきた勇太が、すべてを大河に話した瞬間がとてつもなく嬉しかった。
なんかもう、色々感情揺さぶられて大変だった何度目かの再読。
「HOME―A PLACE IN THE SUN」かわいゆみこ (キララノベルスセレクション)
過去の辛い恋愛体験から、
恋をすることに臆病になってしまっていた桂木。
だけど、八神に惹かれる気持ちは止められない。
恋を自覚した瞬間に感じるのが苦い痛みばっかりなのは辛いなぁ。
恋愛をすること=ボロボロになるまで傷つくこと。
そんな桂木をふわりと包み込むように愛していく八神の懐の広さとあたたかさが素敵。
だけど、彼なりの悩みや苦悩があるところがまた素敵。
鍵になるワードの使い方が効果的過ぎて、この二人の関係に運命を感じてしまった。
堅実に歩み寄っていく二人の距離感がいい。
しっとりと読ませる大人の恋愛。
その中で菅原の存在がとても健康的。
初期のころのかわいさんの醸し出す雰囲気がとても好き。
まぁ、初期に限らず好き作品は好きなんですけどね(笑)
桂木の兄貴分的な菅原が暑苦しくなく、押し付けがましくなく、
とてもいい人だった。
榛原もいい人だね。
「初恋をやりなおすにあたって」尾上与一 (キャラ文庫)
そこは、雪が自らの意志で選んだ場所であり、
一切の退路を断った唯一の場所でもある。
その道を進みつづけることのできる才能と努力を持ち合わせたことが、
彼の命を繋いだ、と言っても過言ではないだろう。
一方で自らの在り方に疑問を持ち、職を変えた敦也。
「逃げた」という表現を使っていたけど、葛藤の質から行けば、私はそれを「模索」だと思う。
だから戻ることを許された。かつて背を向けたその道に。
二人の出逢いは小学生の時。
それから十三年後の今に至るまでの彼らの想いが、丁寧に綴られている。
己の選んだ道を邁進し、共に在り続ける10年後の彼らの姿を思い描きつつの読了。
久々の尾上さん。
骨組みがしっかりとしている作品で読みごたえあり。
個人的にはなんでも屋さんが大好きなので、敦也はそのまま今の職に留まってくれても良かったんだけど、彼の選んだ道はそこじゃない。
小学生のころからお夕飯づくりの手伝いをしていたから、料理は自然と覚えたなぁ。
おかげで料理で苦労をすることがなかったから、感謝。
そして、今の方が料理を作る頻度が落ちてるという大問題が(笑)
「ストレイ・リング」水壬楓子 (ガッシュ文庫)
四十代に溺愛される三十代。
そんな二人の恋愛模様がとても良かった。
甲斐性あり。包容力あり。すべてにおいて余裕あり。で、ちょっと意地悪。
そんな四十代右城さんが半端なくカッコよくって、ときめく。
その一方で、元嫁と娘に恋愛成就の手助けを頼むお茶目な一面もイイね。
気が強くてオトコマエでちょっとシニカル。
身を引く決意はするものの、右城への想いを捨てきれない藤近。
そんな三十代藤近が右城の前でだけ甘えたり拗ねたりするところがツボ。
右城の大人の口説き文句が素敵すぎて、
自分に言われてるわけじゃないのに夢見心地な気分になれます。笑→
大人の男のラブロマンス。
どっちもしっかり自立した働き盛りの世代ってところもツボ。
水壬さんの書くオヤジに弱い。
とっても弱い。
ホント右城さん、カッコよかったよー。
「晴れ男の憂鬱 雨男の悦楽」水壬楓子 (ガッシュ文庫)
10年ぶりに再会した働き盛りの男たちの恋愛模様。
正直。
泉を自分の部署につけた志水サイドの理由が子供じみているし、何やら器は小さいし、
そもそも噂の内容だけで泉を責めた時点で、この男のどこがいいの?という気持ち満々だったわけですが。
その後の志水の行動が、というか、泉に対して口にした台詞がいちいちカッコよすぎてイメージが真逆に転換。
誕生日プレゼントの件が素敵すぎ。
相手の気持ちに疑念を抱いたことに対して、
謝るのは両方だという志水の言い分にも納得。
泉はちょっと疑心暗鬼になりすぎたね。
そんな不安は全部志水が腕の中で払拭してくれると思うわ。
志水と抱き合う前の泉にガーリックの効いたパスタを作って食べさせる藤近の可愛げのある意地の悪さが好き。
スピンはそんな藤近の物語。
とても楽しみ♪