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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「疵 スキャンダル 2」かわい有美子 (B-PRINCE文庫)



それを裏切りと言い切ってしまったら
桐原の立つ瀬もなくなってしまう気もするけど。
まぁ、司馬が憤るのもわからなくもない。
人と人。
一対一で係わりを持ち続ければ何らかの情は湧く。
どん底の自分を全て晒して司馬に縋った桐原と、
思いがけずその桐原を受け止めてしまった司馬。
桐原を放っておけない司馬が、なんだかいい人に思えてきたわ。
自分の実力だけでのし上がっていくことが難しい世界で目指す出世は
代償が大きすぎて私は価値を見いだせない。
でも、桐原にはもう「それしかない」んだろうなぁ、と思うといたたまれない。
司馬の口から出てきた「次」の言葉に安堵する。
「今回」を許された証だから。→

で、結局この二人どうなるの?と、思わず最終巻に手を伸ばしたくなる衝動は久々。
知りたい。
とても知りたいけど、ここはぐっと我慢ですよ~~!と言い聞かせて3巻へ。





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「疵 スキャンダル 1」かわい有美子 (B-PRINCE文庫)



出世と望んだ立場の確立のために、
どこまでのものを差し出すのが、対価として妥当なのか。
計算と打算の人生に齟齬が出始めたら、崩れるのは早い。
あまりも屈辱的な状況に追いやられ、
壊れる寸前の桐原にうっかり遭遇してしまった司馬にとっては
出会い頭の事故みたいな感じがしないでもないけど。
桐原を放っておけずに接点を持ってしまった時点で、
二人の間には新しい関係が構築される。
一度壊れかけ、だけど折れてしまわなかった桐原は、多分強い。
そして司馬の属性は捕食者だ。
めくるめくドッロドロの仄暗い展開にゾクゾクする。
ドキドキしながら次巻へ。

妻側に理由がないとは言わないけど、
それでもあの状態で家庭を維持して行けると思っていた男二人に、
頭にお花畑咲いてる?と問いたくなってみる。
深夜残業する身で子どもをひきとってどうするの?とも。
自分の手が空いたときに「甘やかす」だけじゃ子どもは育たない。
司馬の考えは甘い。と、説教。
まぁ、私も甥っ子姪っ子を無責任に甘やかすだけの立場だから
あんまり偉そうなこと言えないけど(笑)


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「ロイヤル・シークレット」ライラ・ペース (モノクローム・ロマンス文庫)



安堵と良かったねという想いが込み上げてきて泣けた。
王族に生まれつくことの閉塞感とプライバシーのなさに息が詰まりそうになる。
皇太子という立場と守らねばならない人の存在。
その中でも自分らしくあろうというジェイムスの葛藤。
セックスから始まったベンとの関係。
条件付けをしての付き合いだったはずが、
その枠を超えて深まっていく様がすっごく伝わってきて、
幸せそうな二人が伺えたからこそ決断を迫られた瞬間は苦しかった。
困難に立ち向かう日が人生最良の日。
そんな二人の前途に激励を。
そしてジェイムスを支え続けたキャスに祝福を。


本を読んで泣く時って哀しかったり辛かったりっていう場合の方が圧倒的に多いんだけど、
今回は良かったーって泣けてホント良かった。←語彙……(笑)
原書では続編があるようなので、是非とも翻訳していただきたい。
英語が堪能だったら……ってこんな時は思うわ。

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「SF作家は担当編集者の夢を見るか 毎日晴天!17」菅野彰(キャラ文庫)



閉じこもっていたとても小さな世界の中から、
ようやく周囲に広がる「世間」の存在に気付いた秀。
一人で生きてきた彼が、大河と出会い、勇太と出会い、
今は決して一人ではないのだと気付けたことが尊い。
1巻から17巻までを一気に読んで、
まさかここで一番最初に投げかけられたことに対する答えを見出す秀に出会えるとは思っていなくて感無量。
大河と秀にとってはここのタイミングで公私を分けることがプラスに作用したんだね。
めでたく成人式を迎えた子どもたちには、頼もしさしかない。
この先何があろうとも、ここで培った絆はきっと壊れない。


1巻を手にしてから20年。
再読の醍醐味を味わった気がする。
この巻の表紙がとても好き。
当然ながら中の挿絵もとても良かったんだけど、一番最後の挿絵に泣きそうになった。
私が挿絵に言及することってとても珍しいんだよ。
そのくらいぐっときた。

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「次男のはじめての痴話喧嘩 毎日晴天!16」菅野彰(キャラ文庫)



長い物語を読んできたからこそ、味わえる感慨深さがある。
紆余曲折を経て4年の時間を共に過ごした6人。
ここにきてまさか、ボクサーという長くは続けることのできない仕事を選んだ
丈の心の内面を聞かされて泣くことになるとは思わなかった。
悩める兄・明信に対して真弓が与えた言葉の数々。
龍に対して投げかけた勇太の言葉。
たくさん泣いて傷ついて、それでも前を向いて生きてきた
一番下の二人の成長に胸が熱くなる。
そして、失いたくない人にその想いを伝えることができた明信。
その変化に気付いた龍。
諦めることに慣れなくていい。

ウチの甥っ子ちゃん's。
一個しかないリンゴジュースを巡ってジャンケンでも揉め、いつもの如く
あわや喧嘩が勃発するかとおもいきや。
小4男子の「半分こ!」の一言で鎮火。
よくぞその言葉がでてきたと、褒めまくってしまった。
これも成長の証。

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「竜頭町三丁目まだ四年目の夏祭り: 毎日晴天!外伝」菅野彰 (文芸書)



言葉を放った側は忘れてしまっても、
ぶつけられた側は刺さった言葉が忘れられないことがある。
これは忘れちゃいけないことだなぁ。
そして、誰かの気持ちを推測することはできても、
正しく理解することは絶対にできない。
だから、大切なことは言葉を尽くして話し合うことが必要で、
分かろうと思う気持ちが大事。
悩み惑うことは、成長することに必要なステップ。
そう思わせてくれる彼らの苦悩。
埋められないものを抱えた彼らが寂しくもあるけれども、
寄り添ってくれる人がいることがただ嬉しい。
理解しようとすることを諦めない彼らがとても好き。

20周年記念本。
外伝と言いつつ、15巻のつづき的なポジション。
途中に8年のブランクがあっても、書き続けてくれてありがとうございます!
と、菅野さんには伝えたい。
待ち続けると続きが読めるのだということを、ここ最近何人もの作家さんが教えてくれて感無量。
麻生と練の物語も是非。

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「担当編集者は嘘をつく 毎日晴天!15」菅野彰(キャラ文庫)




ひたすら大河がめんどくさい方向に迷走していた15巻。
おかげで秀の混沌も人的被害を生み出す方向へ拡散されてしまった感が否めない。
仕事とプライベートを完全に分離出来たら多分楽だったんだろうけど、
そもそもの二人の関係の再出発は編集と作家としての関係性から。
そうやって歩んできた延長上に在る今だからこそ、分離は難しいんだろうなぁ。
だから言葉が必要なんだよ、大河。
秀の混沌は、何も望まなかった秀に欲が出てきた現れ。
まわりにとっては迷惑でも秀自身にとっては良い変化。
だから大河も惑う。
堂々巡りだな。
久賀の存在がいい意味でのカンフル剤。

個人的にはまどろっこしいのが嫌いなので
めんどくさいわー!と、切って捨てたいところだけど。
恋情の他に仕事が係ってくると、なんか色々汲んでしまって出口が見えなくなってしまう。
大河はもうちょっとブレない人かと思ってたんだけどね。
思えは、恋愛方面はホント疎い朴念仁だったわ(笑)
バース(犬)が長生きしてくれることをひたすら願う。
この作品の最終巻はバースが臨終を迎えて終わるのでは!?と本気で危惧したことのある過去の私。
それより一人二人巣立っていくと考えた方が現実的。かな?

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「さあ、今から担当替えです 毎日晴天!14」菅野彰 (キャラ文庫)



会社という組織に属して働く大河には理解でき、諾としたことも
家の中で大河と原稿とだけ向き合ってきた秀には理解も納得もできない担当替え。
帯刀家で暮らす6人の中で一番世界が閉ざされているのが秀だと、
改めて突きつけられる。
自分の担当から大河が外れたことが納得できない愁。
何で?どうして?
言われた仕事をこなせば大河が戻ってくると思える心理がとても不憫。
仕事を離れたってつながっている。
そのことが呑み込めない秀がやっぱり哀しい。
大河は言葉が足りなさすぎとも思うけど、
秀のすべてを受け止める彼の懐はひろくてあたたかい。
秀はこの先、一人で歩けるようになるのかな?

「思考の一人遊び」わかるわー。
昔はよくそうやってふわふわしてたけど、
最近そうやって思考の波間を漂うことってなくなったなぁ。
インプットの期間と思って吸収し続けてるけど、
アウトプットっていつするの?と最近思ってみた。(笑)



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『子どもたちは制服を脱いで  毎日晴天! 13』菅野彰 (キャラ文庫)



よくぞここまで書いてくれたと。
寂しさと嬉しさとを噛みしめつつ、感動と感謝しかない13巻。←20年も読み続けているともはや親目線・笑。
いつまでも彼らはそのままその場所に在るものだと、思いこみたかったけれども。
タイトル通り制服を脱いだ勇太と真弓は
大河の手を離れ、秀の手を離れ、大人へとなっていく。
当たり前に守られてきた世界から、自分の脚で立つ世界へ。
四六時中一緒だった世界から、別々の世界へ。
戸惑いと迷いを滲ませながらも、それぞれが踏み出した一歩。
そうやって人は成長していくんだなぁ、と、つくづく感じいる。
勇太がホントカッコよくって感無量。

大河と勇太が洗面所で話すシーンがとても好き。
大河は真弓を勇太に、勇太は秀を大河に。
もう預けたのだと、互いに認め合うシーン。
ちょっと息抜き……のつもりが一気読みしてしまった。
ま、再読だからいいか。←理由にならない。
初読の時は、紙本で買ったのに、限定のSS目当てで電子まで買うなんて!
と意固地になっていましたが。
迷わずポチッとしてしまった。
ええ、限定のSS目当てで(笑)

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「ヒトの世界の歩きかた」イーライ・イーストン (モノクローム・ロマンス文庫)



人間に変身出来る犬(クイック)のローマンは、
クイック歴2年のジャーマンシェパードの成犬。
そんなローマンがマット(人)と出会い、恋をする。
犬から人間になって自らの身体と心の変化に困惑するローマンの心情が
リアルに書かれていて、とても可愛い。
人としてはまだ幼く稚いローマンの気持ちはまっすぐで好意を持った相手に対する想いを
隠すことも嘘をつくこともできない。
そんなローマンの柔らかな心情と、鍛え上げられた強靭でセクシーなボディとのアンバランスさも魅力。
謎めいたローマンに惹かれていくマットの心情も丁寧に描かれていて、素直に応援したくなる二人。
ラスト、幸せを噛みしめるシーンがとても良かった。

前作でメインだったランス(クイック)とティム(人)のカップルも健在。
ランスがものっすごく小姑っぽくなってたけど、
それも身内を守るための犬の防衛本能だと思えば納得。
ローマンの電話相談に渋々応じるランスの姿が愉快。
ティムの方がよっぽど柔軟だわ。
相棒を失った軍用犬・シェパードというワードで
読友さんたちから好評価だったロバート・クレイスの『容疑者』が俄然気になってきました。
そのうち読んでみよう♪


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