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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「竜頭町三丁目まだ四年目の夏祭り: 毎日晴天!外伝」菅野彰 (文芸書)



言葉を放った側は忘れてしまっても、
ぶつけられた側は刺さった言葉が忘れられないことがある。
これは忘れちゃいけないことだなぁ。
そして、誰かの気持ちを推測することはできても、
正しく理解することは絶対にできない。
だから、大切なことは言葉を尽くして話し合うことが必要で、
分かろうと思う気持ちが大事。
悩み惑うことは、成長することに必要なステップ。
そう思わせてくれる彼らの苦悩。
埋められないものを抱えた彼らが寂しくもあるけれども、
寄り添ってくれる人がいることがただ嬉しい。
理解しようとすることを諦めない彼らがとても好き。

20周年記念本。
外伝と言いつつ、15巻のつづき的なポジション。
途中に8年のブランクがあっても、書き続けてくれてありがとうございます!
と、菅野さんには伝えたい。
待ち続けると続きが読めるのだということを、ここ最近何人もの作家さんが教えてくれて感無量。
麻生と練の物語も是非。

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「担当編集者は嘘をつく 毎日晴天!15」菅野彰(キャラ文庫)




ひたすら大河がめんどくさい方向に迷走していた15巻。
おかげで秀の混沌も人的被害を生み出す方向へ拡散されてしまった感が否めない。
仕事とプライベートを完全に分離出来たら多分楽だったんだろうけど、
そもそもの二人の関係の再出発は編集と作家としての関係性から。
そうやって歩んできた延長上に在る今だからこそ、分離は難しいんだろうなぁ。
だから言葉が必要なんだよ、大河。
秀の混沌は、何も望まなかった秀に欲が出てきた現れ。
まわりにとっては迷惑でも秀自身にとっては良い変化。
だから大河も惑う。
堂々巡りだな。
久賀の存在がいい意味でのカンフル剤。

個人的にはまどろっこしいのが嫌いなので
めんどくさいわー!と、切って捨てたいところだけど。
恋情の他に仕事が係ってくると、なんか色々汲んでしまって出口が見えなくなってしまう。
大河はもうちょっとブレない人かと思ってたんだけどね。
思えは、恋愛方面はホント疎い朴念仁だったわ(笑)
バース(犬)が長生きしてくれることをひたすら願う。
この作品の最終巻はバースが臨終を迎えて終わるのでは!?と本気で危惧したことのある過去の私。
それより一人二人巣立っていくと考えた方が現実的。かな?

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「さあ、今から担当替えです 毎日晴天!14」菅野彰 (キャラ文庫)



会社という組織に属して働く大河には理解でき、諾としたことも
家の中で大河と原稿とだけ向き合ってきた秀には理解も納得もできない担当替え。
帯刀家で暮らす6人の中で一番世界が閉ざされているのが秀だと、
改めて突きつけられる。
自分の担当から大河が外れたことが納得できない愁。
何で?どうして?
言われた仕事をこなせば大河が戻ってくると思える心理がとても不憫。
仕事を離れたってつながっている。
そのことが呑み込めない秀がやっぱり哀しい。
大河は言葉が足りなさすぎとも思うけど、
秀のすべてを受け止める彼の懐はひろくてあたたかい。
秀はこの先、一人で歩けるようになるのかな?

「思考の一人遊び」わかるわー。
昔はよくそうやってふわふわしてたけど、
最近そうやって思考の波間を漂うことってなくなったなぁ。
インプットの期間と思って吸収し続けてるけど、
アウトプットっていつするの?と最近思ってみた。(笑)



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『子どもたちは制服を脱いで  毎日晴天! 13』菅野彰 (キャラ文庫)



よくぞここまで書いてくれたと。
寂しさと嬉しさとを噛みしめつつ、感動と感謝しかない13巻。←20年も読み続けているともはや親目線・笑。
いつまでも彼らはそのままその場所に在るものだと、思いこみたかったけれども。
タイトル通り制服を脱いだ勇太と真弓は
大河の手を離れ、秀の手を離れ、大人へとなっていく。
当たり前に守られてきた世界から、自分の脚で立つ世界へ。
四六時中一緒だった世界から、別々の世界へ。
戸惑いと迷いを滲ませながらも、それぞれが踏み出した一歩。
そうやって人は成長していくんだなぁ、と、つくづく感じいる。
勇太がホントカッコよくって感無量。

大河と勇太が洗面所で話すシーンがとても好き。
大河は真弓を勇太に、勇太は秀を大河に。
もう預けたのだと、互いに認め合うシーン。
ちょっと息抜き……のつもりが一気読みしてしまった。
ま、再読だからいいか。←理由にならない。
初読の時は、紙本で買ったのに、限定のSS目当てで電子まで買うなんて!
と意固地になっていましたが。
迷わずポチッとしてしまった。
ええ、限定のSS目当てで(笑)

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「ヒトの世界の歩きかた」イーライ・イーストン (モノクローム・ロマンス文庫)



人間に変身出来る犬(クイック)のローマンは、
クイック歴2年のジャーマンシェパードの成犬。
そんなローマンがマット(人)と出会い、恋をする。
犬から人間になって自らの身体と心の変化に困惑するローマンの心情が
リアルに書かれていて、とても可愛い。
人としてはまだ幼く稚いローマンの気持ちはまっすぐで好意を持った相手に対する想いを
隠すことも嘘をつくこともできない。
そんなローマンの柔らかな心情と、鍛え上げられた強靭でセクシーなボディとのアンバランスさも魅力。
謎めいたローマンに惹かれていくマットの心情も丁寧に描かれていて、素直に応援したくなる二人。
ラスト、幸せを噛みしめるシーンがとても良かった。

前作でメインだったランス(クイック)とティム(人)のカップルも健在。
ランスがものっすごく小姑っぽくなってたけど、
それも身内を守るための犬の防衛本能だと思えば納得。
ローマンの電話相談に渋々応じるランスの姿が愉快。
ティムの方がよっぽど柔軟だわ。
相棒を失った軍用犬・シェパードというワードで
読友さんたちから好評価だったロバート・クレイスの『容疑者』が俄然気になってきました。
そのうち読んでみよう♪


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「花屋の店番 毎日晴天! 12」菅野彰 (キャラ文庫)



3編収録。
それぞれ悩みを抱えた人たちが、惑って自問して、周囲を巻き込みつつ悶々としているわけですが。
誰に対しても「話聞くで?」と言ってくれた勇太の成長に惚れ惚れ。
ホントイイ男になったわ。
一方の龍のグダグダさに呆気。
明信と一度距離を置くことによって、漸く共に歩く未来に目を向け始めることができた二人。
必要な逃避だったかな?と思える成り行きで良かった。
真弓は自分の進路問題から存在意義を見失って不安定に。
そんな時期はだれにでもあるよね。
浮上できたのは、愛情いっぱいに接してくれる人たちのおかげ。
そんな真弓の後を追い、それぞれの話を聞いた秀の告白に胸があたたかくなった。

挟まっていた特典のペーパーがとても楽しかった。
私、こうやって本に挟んでないと、ペーパーがあることを忘れちゃうのよね。
文庫とサイズの合わないペーパーはクリアファイルにしまってあるんだけど、
何を持っているのかが全く把握できていない残念さ。
今度一覧表作ろうかなぁ。
皆さん、どうやって管理してるんだろう?

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「夢のころ、夢の町で。 毎日晴天!11」菅野彰 (キャラ文庫)



与えることも与えられることも知らなかった秀と勇太。
泥沼のような日常から秀が勇太を引っ張り出し、
穏やかな日々が続くと思いたかったけれども。
二人ともが幼く、欠けているものが大きかった。
時々語られていた彼らの過去をここではっきりと突きつけられ、
胸が軋みまくって落涙。
距離感がわからず、失いたくない想いが先に立ち、
本音を言い合えないまま深くなってしまった溝。
逃避した勇太が手を出したモノに対する代償は
壮絶なものだったけれども。
そこから抜け出した彼の気づきがとても哀しい。
それほどまでに深かった秀の深淵。
だから、大河の存在に安堵する。

人との出逢いは奇跡。
繋がりを持ち続けるには、努力と歩み寄りが必要。
そうやって手にする幸いがある。
彼らの夢がずっと続いていきますように。

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「明日晴れても  毎日晴天!10」菅野彰 (キャラ文庫)



母親に存在を見捨てられた昴と、母親の異常な執着に雁字搦めになった晴。
惹かれあった二人は、だけど、一人では生きる術を持たない子供で。
子供であるが故の悲痛な叫びに胸が苦しくなる。
「幸せなまま殺してあげられたら」っていう発想が辛くて、涙出るわ。ホントに。
昴の暴力は容認できないけど、
その理由が明かされていくにつれ、
闇が深いのは晴の方だと思えてしまう。
そんな二人の力になろうと必死になった達也もやっぱり子供で、
無力感に打ちひしがれる。
あらん限りの力を振り絞って
親の呪縛から飛び出した子供たちに幸あらんことを切に願う。

ジワジワ込み上げてくる想いを反芻して泣く。
私は達也と同じくのびのびと育ててもらったから。
どんな困難に陥っても親は絶対に味方してくれるって信じられるから。
晴と昴を抱きしめたくてたまらない。
甥っ子ちゃんや姪っ子ちゃんたちとたくさんハグして手を繋いで遊んできたように。





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「月への吠えかた教えます」イーライ・イーストン (モノクローム・ロマンス文庫)



新刊前の再読。
甘さと切なさと楽しさがバランスよくミックスされていて
無難におススメできる作品だと思う。
「人間に変身できる力を持った犬」というところがポイントで、
いざ!という時の咄嗟の反応が犬過ぎて、
初読の時はこんなに笑ったかしら?というくらい、笑ってしまった。
(笑うシーンかどうかは謎だけど)
ランスってばティムのことが大好きなのね。
リリーの思い込みによる親切の押しつけは有難迷惑でしかないけど、
こういう人とは距離を置いてつきあっていくしかなかないのよね、と諦めの境地。
後戻りができない状態まで追い込まれて辿りついた場所で、
居場所とパートナーを得ることができたティム。
良かったね。


次巻はジャーマンシェパードのローマンの物語。
硬派でカッコイイ!と勝手に思い込んでたんだけど、
予告の帯の煽りを見る限り……??
そして、ジャーマンシェパード(童貞)の表記って必要?と笑ってしまった。
楽しみ☆




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「花屋の店先で 毎日晴天!8」菅野彰 (キャラ文庫)



作ったことはないものの「とりあえず、火炎瓶用意しておくか」と言ったことのある身としては、
実際に火炎瓶を作っちゃった真弓に爆笑していたら、長物ぶら下げてきた大河にさらに大笑い。
何を幸せと思うかは人それぞれで、言葉を尽くして言い聞かせたって
納得することは難しいだろう。
だからって「分かりあえない」と諦める事とは話が違う。
龍と明信はこれから乗り越えていかないといけないものがまだたくさんあるね。
同録は進路に惑う真弓の物語。
家の外の兄達の元を訪ね歩く真弓の姿と、彼の辿りついたものに
真弓の成長と大河の度量の広さを垣間見て。
寂しくなってしまった親目線。→

家の中での姿と外(社会だったり学校だったり)の姿ってやっぱり違う。
家族の外の世界での立ち位置を真弓がちゃんと認識したことは
とてつもなく大きなことだったように思う。
そして外の世界での姿を真弓に見せることを厭わなかった勇太の想いも尊い。
ってか、謹慎を継続する理性を働かせた勇太がすごいわ。


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