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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「ガーランド -獣人オメガバース- 上」 (ダリアシリーズ)



自分の置かれた境遇から抜け出したいと望んでも、
その術がなかったら?
自分に期待される役割と、自分がこうありたいと望む立ち位置が
合致しなかったら?
どちらも息苦しい人生だ。
同じ息苦しさを抱えたジルとディエゴ。
オメガとアルファという立場の違いから、
互いのことを全く理解できないまま、
すれ違った状態から少しずつ歩み寄っていく。
わからないなりにジルを理解しようとし、
本能が暴走してもおかしくない状況下で尚、
ジルの想いを尊重しようとするディエゴがとても素敵。
巻末の羽純さんの漫画もとても素敵。
切なさと愛しさを抱きつつ、下巻へ。

羽純さんの漫画『レムナント』の外伝小説。
漫画の世界観が齟齬なくきれいな文章で構築されています。
そして装丁がとても綺麗。
漫画の感想は別アカで。

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「せつなの夜に触れる花」崎谷はるひ (角川ルビー文庫)



プラスイメージで。
18年ぶりの再会。あなたは変わっていなかった。
庇護する者と庇護される者だった関係から、
甘い愛を囁き合う関係への変化。
それは、たったひとり、と、胸に抱き続けた想いの成就。
マイナスイメージで。
好き!と言ってくれるまで帰りません!
実録、ストーカーの大迷走!
……といったところでしょうか。
江上の居場所を調べるところまでは許容範囲。
その後の京の行動が、紙一重。
江上が京に対して好意を持ってくれていたからセーフ。
じゃなかったら完全アウトだよね。
お互いのオンリーワンに出逢えたってことで、お幸せに!

まだ続きそうな気配を残しつつ、
この巻で『ブルーサウンドシリーズ』は既刊全登録。

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「波光より、はるか」崎谷はるひ (角川ルビー文庫)



短編と中編が1編ずつ+オールキャラのバレンタイン狂騒曲風。
ケネス×薙。
王子様だけど口が悪いケネスがようやくその素を解放して、私的にハイテンション。
不安は自分自身で解決しないと意味がない。
でも、ちゃんと支えるから話を聞かせて?
今読むと、ケネスの薙に対するスタンスが以前の倍増しで好ましく思えるのは、
多分私が重ねた年月のせいなんだろうなー。
山下×一葡。
仕事上の付き合いしかない人には反論しない。
スルースキルを身に着ける!
ってのは極力賛成だけど、あからさまな悪意に対して倒れるまで我慢する必要はないんだよ~。


この作品中のキングオブ攻だと思っているのは嘉悦。
だけど、一番好きなのはケネス。
この二人のツーショットイラストが拝めてこの巻は眼福☆
山下と和輝も好き。そして微妙な大智。
嫌いじゃないんだけど、なんだかなぁ、感が拭えない残念な人。
これが私的ブルーサウンドシリーズの攻様ランキング(笑)

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「ただ青くひかる音」崎谷はるひ (角川ルビー文庫)



短編3篇+中編1篇。
崎谷さんが書くベッドシーンがまったくもって好みではない上に
ヤってる最中に過剰に幼くなるのはドン引きなので、
ほぼ濡れ場の短編は必殺飛ばし読み。
中編は和輝と笙惟の話。
これは良かった。
遊んでいた時代に知り合った笙惟と志澤とのお互いに恋人ができたことによる変化の探り合い。
志澤の話を持ち出して意地の悪いことを言われた和輝の逆襲。
そのまま笙惟がグダグダに成るかと思ったところからの逆襲は良かった。
おまけの嘉悦と藤木。
嘉悦のスケールがでかくて重たいプロポーズが全く通じてなくて愉快
……ではなく、ちゃんと伝わって良かったね。

美術館で音声ガイドを借りてみたいと思いつつ、
ほぼほぼ友だちと一緒なので結果的に借りずに終わって今に至る。
最近はひっかかったことはすぐスマホで調べられるから便利。
で、展示品を見ながらあれなんでだろうね?これなんだっけ?
と話をしていると、意外な確率で近くにいる見知らぬ(一般の)方が
「あれはね」と説明をしてくれたりします。
ありがたく拝聴。(笑)
いつか借りてみよう。






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「しじまの夜に浮かぶ月」崎谷はるひ (角川ルビー文庫)



ネガティブ思考の人にプラスで考えてみよう、と言っても、
自分を卑下する人にもうちょっと自分を大事にしようよ、と言っても、
そもそもの考え方を根本的に変えることは難しい。
周りの環境や係った人との関係性から派生する出来事によってイロイロと感化され、
少しずつ前向きに変わっていく。
そういう変化を一冊かけて描いた作品。
うまいなー。
過去の傷口が疼いたままの朝倉のやけっぱちな言動がグサグサ刺さったけど、
大智の件では(再読なのに)メッチャびっくりしたよ。
深いわ。
嫉妬でほっといたのはちょっとひどいと思ったけど、
ケネスの厳しさを備えた甘さが好き。


外見は完璧な王子様なんだけど、口の悪いケネスが実は気に入っているので、
素の部分が朝倉に露呈する続編が楽しみ。

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「振り返ればかなたの海」崎谷はるひ (角川ルビー文庫)



適当な付き合いであれば、上っ面だけの取り繕った表情で事足りる。
近しい人たちは本質をちゃんと見抜いて接してくれている。
山下はそういうところ、ちゃんと気付けて良かったね、とつくづく思う。
山下に向けられる一葡のひたむきでまっすぐな好意。
何も望まず、一途に笑っているその奥底に押し込められた諦念が哀しい。
山下を追う一方だった一葡の想いをトレースしながら
山下が一葡を待つシーンにぐっとくる。
おせっかいな人たちの口出しがウザったい時もあるけど、
親身になってくれる人の存在はやっぱり心地よい。
このCP好きだなー。
そして山下が家族と和解できて本当によかった。

「すごいじゃん」と言われて「努力したから」と答えた一葡。
「できる」ことが当たり前ではなくて、
それなりのことをしたからこそできてるんだってことを
胸を張って言えることが素晴らしい。

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「耳をすませばかすかな海」崎谷はるひ (角川ルビー文庫)



和輝の株が上がって、大智の評価が失墜する巻。
そうだった。
前巻の大智はカッコよくてもこっちは最低だったんだわー、と、再読して思い出しました。
人の話聞かずに怒って勝手するのはよろしくないの。
しばらくお店の皆につつかれるといいと思うわ。
メインは和輝と笙惟の物語。
一直線に笙惟を想いつづけた和輝。
まっすぐで嘘がなくて公平な和輝のものの見方が好き。
和輝の本気をはぐらかし続けた笙惟と腹を割って話す言葉を追いつづけると、
やっぱり対話って大事なんだなーと思う。
過去の出来事から誰かに本気で気持ちを預けることが出来なくなっていた笙惟。
和輝と出会えて良かったね。

鎌倉までは何度か行っているけど、
湘南には行ったことがないんだよね。
いつか、行ってみたいな。



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「手を伸ばせばはるかな海」崎谷はるひ (角川ルビー文庫)



前半は瀬里の想いが突き刺さるように胸に流れ込んできて痛い。
自分は多分、瀬里みたいな感じ方や考え方ができない人間だと思うけど、
半端ない共感性。
これは崎谷さんの筆力。
瀬里の自己評価が低すぎるのに対して周囲の瀬里に対する評価が高いっていうのが、
そもそもの不憫さの一因。
瀬里視点での弟・和輝と和輝視点での言い分とでは随分な食い違いがあったけど、
きちんとわかりあえて良かった。
私が思っていた以上に不器用だった大地と、
「好き」を自覚してから距離を縮めていが様がとてもよかった。
「大好き」って言葉が似合う可愛らしいカップル。

前巻の藤木にまつわる出来事を瀬里目線で語られているのがとても興味深い。
そして初読の時よりも大智のことを二割増しでカッコイイと思っている自分も興味深い。
そして何故か『ブラディ・ドール』の藤木が脳内でチラチラしていて(北方キャラで一押し!)、
新装版に手を出したくてウズウズ。
だけどまだ我慢。
海辺のカフェってのも類似点だってことに今気づいたわ。

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「目を閉じればいつかの海」崎谷はるひ (角川ルビー文庫)



相手を思ってのその行為は、果たして本当に相手の為なのか?
それなりの人生経験を積んだいまだから、色々思うところがある。
だけど、渦中にいたら、それ以外の答えは見つけられないんだろうなぁ、という
当事者なりの切迫感もわかる。
折り合えるまで話しあえるのが理想なんだろうけど、時間と状況が許さない。
そして、なけなしの勇気を振り絞って手放すことができるのは一回だけ。
二度目はないってのもよくわかる。
「俺の十年無駄にしやがって……」
ここから丸く収まるかと思ったらもう一波乱。
親身になってくれる他人の存在がとても心強い。

このシリーズで崎谷さんにドハマリして、
ンプする勢いで作品を買い揃えていったけど、まだ追いつかない(笑)
まずは手持ちの本の感想を地道にあげていきます。
家の中の彼女の荷物を全部持って留守中に出て行かれた経験、私の知り合いもしてたなぁ。
「私の買ったものは全部持っていきます」という置手紙があって、
衝撃のままトイレに行ったら、セットしてあったはずの
トイレットペーパーまでなくなっていたって聞いて爆笑するしかなかった。
原因は彼の浮気なので自業自得なのです。

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「ふさいで~イエスかノーか半分か番外篇 3~」一穂ミチ (ディアプラス文庫)



一穂さんが描くのはその人の「人生」なのだと。
つくづく思う。
一瞬の情景を切り取ったドラマではなく、その人の歩んだできた軌跡を読ませる。
とても深い話だった。
意味深なタイトルも秀逸。
現実に打ちのめされてボロボロになった栄に放った設楽の言葉に鳥肌が立った。
業だなぁ、と。
自分が越えられない才能を持った者に対して迸る想い。
その言葉で栄は走り続けて、そして設楽は見守り続けて。
再会を果たした二人の新たなる船出はなるか?
偶発的な出来事からそのジャッジに立ち会ったのは、本編でも良く馴染んだ人たちで、
展開のうまさに溜め息。



重苦しい場の雰囲気をぶち壊した竜起の溌剌とした明るさに安堵。
第三者視点の話だと、外面しか見えない国江田さんのプロ意識に感心しつつ、
裏の毒舌を想像して楽しくなる。
栄と一緒に仕事ができてうれしそうな深の姿が目に浮かんで
なんだかこっちもうれしくなる。
シリーズを読み続けてきたからこそ味わえる楽しさ。
プラスして、じじいレンジャーがとっても可愛らしかった。
栄と言う人を掘り下げて書いてくれたのは良かった。

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