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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「天水桃綺譚」凪良ゆう (プラチナ文庫)




人間に恋をした天のモモ。
手の届かぬ桃を一途に想い続けた亨。
天の神に恋をしたみそっかすのコモモ。
小学生か!と突っ込みたくなる、愛情が分かりずらい白虎。
抱えたそれぞれの想い胸に刺さる。
ピュアすぎる気持ちが切なくていとけなくて滲む涙が止まらない。
そして、健気に慕う相手を想い続けた彼らが手にした幸せに心から安堵する。
そんな素敵な物語。
読めて良かったお借り本。
別作品でも思ったけど、凪良さんの「生きる」ことに対する対峙の仕方には心から共感。
他力に縋らないところが潔くて好き。
と同時に「明日も頑張ろう」という気持ちになれる。

この表紙を眺めていると、桃狩りに行った時のことを思い出す。
四方八方桃桃桃……
楽しくて美味しかった♡
良質なファンタジーと藤さんのイラストは抜群の相性だと思う。
そして白虎と言えば四神。四神と言えば平安神宮の御朱印帳!
いつか頂きに!!という野望を抱えたまま何年経っただろう?
うん。いつか、必ず☆

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「堕天使の背骨」鳩村衣杏 (ゲンキノベルズ)



出逢った歳は5歳と8歳。
9年かけて胸の内で育みつづけた想い。
幸福に溺れたのはほんの一時。
唐突に引き離され、一切の連絡を断ったまま流れた時は17年。
再会を果たした瞬間から彼らの運命は大きく動き出す。
何が凄いって、17年間相手に対する想いが揺らがなかったことと、
相手の自分に対する想いを疑いもしなかったことが凄い。
真実を告げることができなかったからこそ、拗れに拗れた想い。
斜め読みしたエロ描写から引き継いだお仕事BL描写がとても面白かった。
そこから一転してのジェットコースター展開。
最後までドキドキだったわ。


第一印象はお互いがお互いを天使だと思った二人。
視覚的に納得させる最終頁のイラストが素晴らしい。
そして、おっしゃる通り、前作とのリンクがお見事。
『007』シリーズがシリーズなのに出版社がバラバラなのも
この作品を読めば納得!とおっしゃっていた読友さんの言葉で
手にした作品でしたが、とても興味深く読みました。
楽しかった。


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「彼の背に甘い爪痕を残し」鳩村衣杏 (ゲンキノベルズ)



やくざモノかと思って読み始めたら、
相当真面目なお仕事小説で、最初はそのギャップに戸惑った。
この表紙にもしっかり意味があるんだけどね。
(でもやっぱりこれじゃない感は半端ない・笑)
過去を乗り越え、今を生きる俊介と、
過去の出来事に囚われたまま今を生きる音弥。
それぞれ過去に事情を抱えた二人が出版翻訳代理店という職場で出会い、
気持ちを通わせていく。
音弥が過去の自分を乗り越えていく経緯がとても良かった。
そして、翻訳小説を読む身としては、
興味深いお仕事事情が色々と伺えて楽しかった。

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「塚森専務の恋愛事情」栗城偲 (ディアプラス文庫)



反発を覚えながらも専務として赴任した経営サイドの塚森に惹かれていく営業部エース荏原と、
そんな荏原の熱を孕んだ視線に気持ちが乱されていく塚森の恋愛模様。
業績が傾いた会社の立て直しに奮闘する塚森と社員たち。
そして、その改革に不満を持つ輩の悪意を持った嫌がらせ。
それぞれがバランスよく描かれて一つのストーリーを紡いでいくお仕事BL。
カップルの経済格差問題をこんなふうに突っ込んだ作品はなかなかないよね?
気にかかることを話し合いで解決していくスタンスは大事。
荏原が塚森に散々に振り回されると良いと思いつつの読了。→


あとがきにもあるように、正直塚森は攻めだと思っていたので、
なんか新鮮に読み進めてしまった。
戦える女王様は大好物なので、
「男らしくて綺麗で可愛い」は好みドストライク!
のはずなんだけど。
そこに「天然」の要素は入っていないので、惜しい!って感じでした。
いや、塚森イイ男ですよ?(笑)
それにしても、経営側の苦労は大変だなー、と、雇われ社員はつくづく思うのです。

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「セキュリティ・ブランケット 下」凪良ゆう (キャラ文庫)



あんなに腹立たしいと思った国生の成長に目を瞠ってしまった下巻。
腹立たしさが一転して、良い子だなーと。
国生に限らず、宮、鼎、高砂、ついでにジェシー。
恋に悩み、相手を思いやり、余計なおせっかいをして、
自分の気持ちに正直に突っ走っり……という色々な過程を経て、
それぞれに成長したり、学んだり。
人間として豊かに大きくなったなーと。
とても清々しく読了したお借り本。
ぶっちゃけ私が願っていたのは鼎の幸せなので、
国生も万ちゃんも鼎を支える気満々な姿に安堵。
この二人、切磋琢磨して男っぷりに磨きをかけていって欲しい。(鼎のために・笑)


ちょうど自分の成長してなさに反省していたところだったので、
これを読んでガツンときたというか、更に反省度が増したというか。
いや、猛反省しました。はい。
フランスの空港で私は気が付いたら荷物が一つ増えていて、
これ、ヤバいモノだったら速攻アウトだ!と、慌わてふためいた記憶があります。
「誰かの落し物か忘れ物です!」と騒いだ(?)結果、
インドに向かう予定の方の忘れ物だったことが判明。
とりあえず良いことをした気分になってみました(笑)

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「ドリアン・グレイの激しすぎる憂鬱」菅野彰 (ディアプラス文庫)



ひっそりと閉ざされた世界で、寂しさで己の心を埋め尽すかのように
時を過ごしてきた白洲。
自分はそうして生きて、朽ちていくのだと本人ですら思っていたであろう白洲が、
実はきれいでやさしいことに憧れているということを見抜いた宙人は、
白洲の閉じこもった世界をぶち壊して外の世界へ引き出した。
このバランスが絶妙。
歳の差があって、全く相いれない世界の住人で。
だけど、強引に内側に踏み込んでくるほどぶしつけではなくて、
相手のことを慮る感性を持っている。
本音を晒して楽に息が出来る相手の前では無防備にもなるよね。
身も心も預けたと思わせつつ、主導権を握っている白洲を微笑ましく思いながらの読了。


真夜中にお風呂に入っていると、時として聞こえてきた踏切の音。
子どもの頃の私はそれが銀河鉄道が通過する音だと思ってとてもとても怖かった。
乗ってしまったらカンパネルラと同じ世界へ連れて行かれる気がして。
アニメのおかげで脳裏に浮かぶジョバンニもカンパネルラも
私の中では猫の姿をしています。
読み返したくなるなー。

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「セキュリティ・ブランケット(上)」凪良ゆう (キャラ文庫)



宮、鼎、高砂、国生。
この四人を主軸にその他の人々も絡み合った人間模様。
読んでる途中で作中の人物約一名の言動のおかげでイライラが募りすぎて
一度本を閉じてしまった。
他の三人の生き方、考え方は私は納得できるし応援する。
上巻は彼らの気持ちのベクトルがあっちこっちに向かって大混乱。
思いを遂げることのなかった高校時代の鼎と高砂の想い。
ヒリっとした感じが好き。
過酷な幼少期を過ごしながらも、ピュアさを失わなかった宮。
そんな宮に向ける鼎の愛情があたたかい。
友情。愛情。親子の情。
縺れに縺れあった彼らの想いはどう着地するのか?
気になるお借り本。


ちなみに。
イラッとしたのは国生。
鼎が好きで好きで大好きで。
抱きたくて、脅して抱いて。
心を預けてもらえないことが不満。
は?ばっかじゃないの。
「何で好きになってくれないの?」的な言動がホント無理。
更に「悪いのは俺」発言。
は?世間的に通用しないのわかってるよね?
下巻では何らかの成長を見せるんだろうなーという布石であろうと思えることもイラッとする。
……というわけで、早く下巻を読んですっきりしたいわ。(笑)

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「金の小鳥の啼く夜は」かわい有美子 (リンクスロマンス)



凛とした文章が紡ぎ出す、繊細でやさしい物語。
左半身に重度の火傷痕があっても、両目が見えなくても。
その心根の優しさと美しさが損なわれることのなかった二人。
6年かけて二人が築き上げた幸せな閉塞世界。
そこにいることで満ち足りていた二人が
その世界が瓦解しそうになった時に感じた絶望。自覚した愛情。
そして、二人を更に大きな世界へと解き放って行った好意と経緯。
一緒に一喜一憂しつつで読みごたえあった。
英彬の良く響く艶やかなテノールが聴こえてきそうな描写が秀逸。
雪乃の告白の言葉はあまりにも鮮烈。刺さったわ。
そして高彬の策士っぷりに喝采を。

やけど治療のための皮膚移植。
あたしそれやってる~~!と、思いがけない親近感(笑)
背中の皮膚を右足に移植したそうです。←覚えてない。

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「人でなしの恋」かわい有美子 (リンクスロマンス)



時は昭和初期。
第一高等学校時代から仲の良かった三人。
仁科、花房、黒木。
共に過ごす年月が増すごとに、
複雑に絡み合っていく三人三様の想い、
時に感情が勝り、時に理性が勝り。
だけど、どうしても嘘のつくことができない心の底から込み上げる想い。
そんな彼らの心情が丁寧に描写されていて、引きこまれると同時にやるせなくもなる。
仁科から見た黒木と花房から見た黒木。
それぞれの解釈が全く違うところがおもしろい。
仁科の想いには胸が痛くなるし、
誠実で実直な花房もまた、捩れた想いを抱えている。
少し苦味の残る読後感が、また心地良い。



関東大震災、小石川、というワードは『はいからさんが通る』と直結。
私は隻眼の黒い狼が大好きでした。
仁科、花房、黒木の三人が別な作品にも出ていることをさっき知ったけど、
既にかわいさんコンプしている私は慌てない(笑)
積んであることの利点は「いつでも読める」
次は『金の小鳥の啼く夜は』にいきます。

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「つないで イエスかノーか半分か番外篇4 」一穂ミチ(ディアプラス文庫)



それが本当か嘘かということと
正しいか正しくないかということはイコールではない。
ないんだけど。
真実に反しているとわかった時点で糾弾される。
そのリスクを負う覚悟があるのか。
バレなきゃいいという甘い考えで手を染めるのか。
そもそもバレないと思っているのか。
各々で負う負債の大きさとその後の対応の仕方は変わってくるんだろうね。
仕事に対する熱意は自分の内から湧いてくるもの。
だけど、そこに外的要因が加わったらより楽しく頑張れる。
素直になりきれない栄が可愛くて仕方ない設楽。
ゆっくりじっくり熟成させていく恋模様。

「炎と書いてジェラシーじゃん」という台詞を
「炎と書いてミラージュじゃん」と読んでしまい、
ん?何言ってんの?と台詞を二度見した自分の闇(?)は深いと思ってしまった(笑)
仕事を頑張るのも流すのも自分次第。
私は……今の状態で適当に流したい。←ダメ発言(笑)

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