きままに読書★
読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
カテゴリー「BL小説」の記事一覧
- 2020.05.04 「ルーデンドルフ公と森の獣 」かわい有美子 (SHY NOVELS)
- 2020.05.03 「恋するクラゲ」かわい有美子 (SHYノベルス)
- 2020.05.02 「進行性恋愛依存症」かわい有美子 (ビーボーイノベルズ)
- 2020.04.30 「誓いをどうぞ」水壬楓子 (ガッシュ文庫)
- 2020.04.29 「秘密をどうぞ」水壬楓子 (ガッシュ文庫)
- 2020.04.29 「キスをどうぞ」水壬楓子 (ガッシュ文庫)
- 2020.04.27 「お手をどうぞ」水壬楓子 (ガッシュ文庫)
- 2020.04.25 「恋は異なもの味なもの」かわい有美子 (ビーボーイノベルズ)
- 2020.04.22 「墨と雪」かわい有美子(リンクスロマンス)
- 2020.04.20 「Zwei」かわい有美子 (リンクスロマンス)
「ルーデンドルフ公と森の獣 」かわい有美子 (SHY NOVELS)
内気で孤独で庇護欲をそそられる人狼・ユリアンは、
ぎゅって抱きしめたくなる頼りなさ。
推定年齢35歳。
一方で、柔軟でおおらかな建築学者の藤森。
人から狼に変わったユリアンの姿に
「尻尾!尻尾!」って追いかけた時点で、
ああ、この子、大丈夫だな、と、微笑ましかった。
藤森の少しの不在で揺らいだユリアンが抱えた孤独と諦念が哀しい。
もう大丈夫。
安心して……からの先!
先も読みたいんですけどーー!
欧州との文化の違いが丁寧に描かれていたのが興味深かった。
緑豊かな森の奥で暮らす彼らのその後を思い描きながらの読了。
イラスト買いって私はしないけど、
もしするなら周防さんイラスト作品は絶対集める。
他の作家さんは?
考えないで浮かんだのは
蓮川さん、小山田さん、高階さん。
わ~~、なんかすごく幸せに眺めていられそう。
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「恋するクラゲ」かわい有美子 (SHYノベルス)
大人の恋愛。とても良かった。
日々の仕事に取り組む男たちの
終始フラットに進行する日常の中に差し挟まれる
恋情を伴った熱量と、たまらなく艶めかしい色香。
この辺りの緩急はさすがかわいさん。
エレガントで終始ソツのない朧谷の仕事で見せる表の顔と
プライベートで除かせる素の顔とのギャップがかなりいい。
綺麗な顔して凶暴で武闘派って、好みドストライクすぎて悶絶。
一方の「クラゲ」と称される天宮のスタンスは表も裏も変わらない。
押し付けがましくなくて無自覚なのに、スペック高すぎる。
時々天然が入るところが、また好ましかった。
余韻にうっとり!
今のザワザワしている状態が収まったら、
必ず旅に出よう。
ちょっと素敵なホテル(or旅館)に泊まってのんびりしよう。
そして改めて、かわいさん好きだわー。
そう思わせてくれる作品でした。
「進行性恋愛依存症」かわい有美子 (ビーボーイノベルズ)
「狂え、俺に焦がれた歳月の分」
こんな台詞を口にする男にもこんな台詞が似合う男にも
そうそう出逢えないと思うんだけど。
いましたよ、ここに。
内面の読めない御巫の距離感に苛立っていた九鬼は、
もう少し自分に自信がある王様気質な男かと思ったけど、
実際は多くの痛みと苦しみを乗り越えてきた男だった。
最後の九鬼のデレた台詞が予想外で、だからこそ身悶える。
九鬼に焦がれ続けた御巫。
彼らの関係性に関しては惚れた方が歩が悪いなぁ、と
御巫が気の毒にも思いつつ。
結局は彼を手放すことができなかった九鬼。
御巫の逆転サヨナラヒットだったと思う。→
かわいさんにしては珍しい書き出し?
と思ったけど、なるほど。そう言う事情がありましたか。
と、後書きで判明。
それにしても「御巫」
北方の中国名よりも頭に入ってこなくて、馴染むまでが大変でした。
むー、なんか敗北感(笑)
「誓いをどうぞ」水壬楓子 (ガッシュ文庫)
シリーズ最終巻。
ここにきて暁斗の成長ぶりに目を瞠る。
考えなしな部分は相変わらずだし、周りに恵まれた感ありありだけど、
それでも、自分が変わろうと努力し、将来のビジョンを明確に見つけることができたのは
良かったと思う。
ショーのために奮闘する彼らの姿は清々しかった。
暁斗が変わる為には、桐原の方も成長が必要。
譲歩が3日までの家出だけど、この二人にはそれくらいがちょうどいいのかも。
リックの自己評価の低さにちょっと驚いた描き下ろし。
6年も付き合ってるんだからもっと自信持って!とエールを。
東悟がそんなリックにべた惚れなのは一目瞭然よ。
桐原と暁斗、東悟とリック。
時に喧嘩したり、からかいあったりしながら、
四人で和気藹々と歳を重ねて欲しいなぁ。
「お手をどうぞ」水壬楓子 (ガッシュ文庫)
絵に描いたようなシンデレラストーリー。
言ってみれば王道。こんな設定あるよねー、とまぁ、斬新さはないんだけど。
そこはさすが水壬さんらしいテイストで、よくある感を全く感じることなく楽しく読ませてくれます。
年上が年下を甘やかす話を壬南さん自身が好きで楽しく書いているのが伝わってくる。
「付き合ったばかりなのに抱いてくれない」という暁斗の独りよがりな葛藤は、
正直めんどくさいなーと思う部分もあるも、
そもそも言葉選びを失敗したのは桐原。
周囲の悪ノリもあっての仲直りセックス……からの翌朝の顛末に爆笑。
バスローブで開き直る残念なスパダリ。
最高だわ。
桐原と暁斗の出逢いが偶然ではなかったことが個人的にはポイント高い。
「偶然を信じるな」は沖津さんの名言。←『機龍警察』
「恋は異なもの味なもの」かわい有美子 (ビーボーイノベルズ)
ゲーム感覚で相手を落としは、綺麗に別れた!と自負するチャラ男、丹羽。
アプローチしても自分には決して靡かなかった柏葉を攻略しようと思った発端は遊び心。
だけど、柏葉の人となりを知るにつれ、自分の軽薄さを省み、
だんだんと彼に対して本気になっていく。
一方で丹羽を受け入れつつも、柏葉の彼に対するスタンスが終始変わらなくて、
そのままいくのかな?と思ったけど。
初めて身体の関係を持ち、迎えた朝の柏葉が!
思いっ切り小悪魔で個人的にどツボ。
確実に逆らえない丹羽が愉快。
いつかリバって欲しい二人。
丹羽、受け身の快楽にも弱そうなんだよね。
「彼女とハワイにいったんでしょ!」「え?誰だよその女!」
と冷やかされていた男友達が
「ちげーよ!っつか、俺いねーだろ、彼女。男と一緒だよ!」と返していましたが☆
数年後。
全く別ルートの友だち主催の飲み会に急遽引っ張られていって、
同席していた初対面の子たちの中に、
なんとその彼と一緒にハワイに行っていたという女の子がいたミラクル。
メッチャ当時の彼氏自慢してたけど、
彼は何で隠してたんだろ?と、素朴な疑問。
あーー!って言いたかったけど、
とりあえず何も知らないフリして話を聞いてた私、大人な対応(笑)
「墨と雪」かわい有美子(リンクスロマンス)
経済的にも精神的にも余裕のあるアラフォー黒澤。
駆け引きめいた会話とつかず離れずの距離感を楽しみながら
懐かない猫のような篠口を手中に落とす話かと思いきや。
暗雲立ち込める急展開。
不測の事態に陥った時の対処方法を知っていることと、
実際にそんな事態に直面するのとでは訳が違う。
サイコパス袴田、怖いし気持ち悪い。
篠口に対する追い詰め方がリアルに迫ってきて、ぞっとする。
窮地を脱した傷だらけの篠口に対する黒澤の寄り添い方が
半端なく素敵!と思ったんだけど。どーー!
読みたいのはそこから先!先なのよ!というところでエンド。
続きいつですか!?
あとがきでかわいさんが続編はある、と断言していらっしゃるので、
期待に胸を膨らませて待つわ。
今年出してくれたらメッチャ嬉しい。
「Zwei」かわい有美子 (リンクスロマンス)
読み応えのある警察小説。
であると同時に、とても綺麗に花開いた再会愛を描いた作品。
「好きだ」という言葉に「俺も」と返すことのできない切なさに抉られる。
お互いが想いあっていることが如実に伝わってくるだけにやるせない。
失った信頼。
取り戻すためは相手のことを信じてただひたすら待つこと。
再会した時には疲弊しきっていた二人が
逢瀬を重ねるたびに覇気を取り戻していく様は心地よかった。
全体的に派手さはないけど、そこがいい。
男たちが苦悩したり葛藤したりしながら自分の答えを見出していく様が
人間味あふれていて沁みる良作。
屈強なアラサー男、宮津と峯神のトナカイ姿。
想像するだけで楽しくなる。
そういえば、クリスマスにコスって久しくしてないなぁ。
シリーズ最初から読み返したくなるけど、そこはぐっと我慢。
次『墨と雪』へ。