忍者ブログ

きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

d「甘い水 2」かわい有美子 (リンクスロマンス)



ここにきて、タイトルの意味がガツンと胸に刺さる。
乗り越えたとか癒えたとか、決してそんなふうに言うことのできない傷を抱えた遠藤。
だけど、それを表に見せない、そしてそれに囚われてはいないタフさが眩しい。
そんな遠藤に対する思慕の念を全く隠さなくなった神宮寺。
デリカシーのない二人の言葉のやりとりが気の毒で愉快。
遠藤が神宮寺を選んだ理由。
その遠藤の想いに応えることの出来る神宮寺。
どちらも壮絶。
でも、根底にあるのが惜しみない愛情と信頼だから、
やるせなさを凌駕する揺るぎのない安心感。
どっしりとした読み応えとしっとりとした色気。
良作。

「おまえなんか…」に続く遠藤の言葉に悶絶。
彼にしか言えない殺し文句。
男前受を存分に楽しませてもらいました。大好き!

拍手

PR

「甘い水」かわい有美子 (リンクスロマンス)



後輩の神宮寺に対して一方的な苦手意識を抱いていた遠藤。
一方の神宮寺は遠藤に対する想いが空まわっていただけかと思いきや。
遠藤も気付いていなかったけれども、職場で一緒になる以前から
遠藤を知り、想い続けたという、筋金入りの遠藤フリークだった(笑)。
一見器用そうな神宮寺が遠藤に対しては上手く立ち回れていないところが、
逆に彼の本気度が知れて面白い。
漢気のある遠藤が神宮寺の気持ちに気付いてからの立ち回りも
意外性がありすぎて面白かった。
遠藤が恋愛事を避けてきた事情がとても切ない。
オトコマエすぎる誘い受け。
どツボ過ぎて最高でした。

再読のはずなんだけど。
このあとの篠口と遠藤がどんなふうになったのかが
全く思い出せないww
この病こそ「フレッシュ症候群」。
わくわくしながら次巻へ。

拍手

「仁義なき愛妻生活」朝香りく(ガッシュ文庫)



もはや「仁義なき」とか言ってる場合ではなく、
タイトルは『愛はヤクザを変える』で良い気がしてきた三作目。
健吾と佳月の結婚生活は糖度増し増し。
健吾の嫁として暮らす佳月の自称は「珍妙な生き物」だけど、
周りの評価が全く違うところがおもしろい。
行き着いたところは「逆ハーレム」。
良い男独り占め(笑)
佳月が裏表なく他人に対して一生懸命で漢気があるからこそ。
健吾の開き直った惚気っぷりは清々しくてお見事。
ああなっちゃうとからかい甲斐がないのよね。
凌也と亜月がガルガル唸りあってるのが可愛い。
ストレスフリーで楽しく読了。

豪華客船の貸切展望風呂ってメチャメチャ贅沢!
周囲に灯りのないところで星空を眺めるもよし。
夜景を眺めるもよし。
あ、朝日もありか。
ちょっと風変わりで印象深いお風呂は「ホテル浦島」の洞窟風呂。
改装オープンした今年、アドベンチャーワールドと抱き合わせで行くつもりだったのに!
のに~~~!!!
目途が全く立たないのが残念なのです。



拍手

「仁義なき新妻生活」朝香りく(ガッシュ文庫)



佳月が健吾の嫁として暮らし始めてから半年。
二人の関係的には順風満帆。
そんな二人の生活に健吾の従弟・凌也が介入することで、
気付けなかったことに気付いたり、
嫉妬で揉めたり、その流れで主に健吾側に反省と賢者タイムがあったりとひと波乱。
そこに佳月が攫われるという一大事が。
窮地にあっても相手のことを思って自分の行動を反省する健吾と佳月からは
お互いが本当に大切なんだなぁということが伝わってくる。
佳月にとって気の置けない友人となった凌也と
佳月の弟・亜月も交えた四つ巴の晩餐会がとても好き。
個人的には凌也が好みドストライクだったのでとてもとても楽しかった♪

愛妻弁当を携えて出勤(?)するヤクザ。
キャラ弁を恥ずかしいとは言えずに美味しくいただくヤクザ。
微笑ましい。
今まで味わうことのなかった家庭のあたたかさとやさしさを
健吾は存分に味わうといいと思う。

拍手

「伯爵夫人の魔法の靴」かわい有美子 (ルナノベルズ)



一度のキスでいい。
その、たった一度のキスを笹野が心の中で希うシーンがとても印象的。
「英国紳士」以外の何者でもなかったラッカムを書き切ったかわいさんの筆力にため息。
とても素敵っ!
デパートの外商部販売員笹野と、そのデパートを買収した英国百貨店の日本支社長のラッカム。
仕事を通じて出逢った二人が、
共に仕事をしながらゆっくりと静かに気持ちを添わせていく。
仕事面でも読み応えがあったし、
タイトルの「伯爵夫人の靴」に纏わるエピソードも素敵。
何より、優しく繊細に通わせていった恋情と
ちょっとフェチが入った濡れ場のギャップが良い。
うっとりと読了。

個人的には。
ジェームズ・ボンドはショーン・コネリーが一番だと思っています。
大好き!


拍手

「仁義なき新婚生活」朝香りく(ガッシュ文庫)



侠客一家の長男として組と姉を守るため、
対立組織の時期組長・健吾の元へ姉の代わりに嫁いだ佳月。
独自路線の一生懸命な正義感が微笑ましい。
本人は自称ヤンキーだけど、家族から大事に育ててもらったんだなーということが
とてもよくわかる箱入りさ加減。
あとからわかる家族の心配もじんわりと心に沁みる。
一方、家族のあたたかさとは無縁の環境で育ってきた健吾。
一緒に暮らすうちに惹かれあっていった二人が、嫉妬心を抱くに至るシーンは良かった。
ラストは佳月の弟、亜月の気持ちに引っ張られて切なくなって読了。
当人同士は甘々のエンド(笑)

「穿くのも恥ずかしいが、ノーパンはもっと恥ずかしい」
男子が女性用を、女子が男性用を。
どちらの場合でも同じ気恥ずかしさがあるんだろうなー。
付き合いのある業者の女社長サンが、ウチの会社の担当と出張に行った時、
突発トラブルで泊まることになり。
「着替えないよ!」
「パンツぐらい買ってやる」
の流れでコンビニに行ったら、男物のパンツしか売ってなかったらしく。
「もー!これ穿けって男物のパンツ渡されたの!」
「で、穿いたの?」
「穿くしかないっしょ。それより、家で洗って干してたら
不審に思った家族に説明するのがメッチャ大変だった」
爆笑した出来事。





拍手

「バイバイ、ハックルベリー」一穂ミチ (ディアプラス文庫)



両親に愛され、家族仲良く天真爛漫に育った塁と、
幼少期には己の内側に引き籠った過去のある槙志。
前半は二人が想いを伝え合うまで、
後半は二人が付き合ってからの物語。
「好き」の種類がままならないものの、離れてしまいたくはない。
そういう心の揺らぎがリアルに伝わってくる。
特に、価値観というか、考え方の違う二人が、
相手のことを思い、すれ違いに悩み、心を添わせていくまでがとても丁寧に描かれていた。
終始話し合いでいったら歩み寄るのにもう少し時間がかかったかも?
ああいう爆発の仕方が嫌味にも不愉快にもならならないのは、
塁がまっすぐで裏表のない子だからだろうなぁ。

そういえば、ウチの甥っ子ちゃん、キッズのオセロ大会で
県予選を突破して東北大会に出場していました。
いろんな大会があるんですね~。

拍手

「アンティミテ」一穂ミチ (ディアプラス文庫)



ギャラリスト自らが見出したまだ画家ですらない画家を、
現代社会の実情に即した形で育てていく物語。
自力で道を切り開いていくことのできる芸術家も世の中にはいるだろうけど。
群のように生活に追われて描くことがままならない人もいるだろう。
それでも、郡は描きつづけた。
少ない時間の合間を縫って、100均の画材で。
絵を描くことが本当に好きなのだという気持ちが伝わってくる。
最初は絵に。
そして群自身に。
惹かれていく和楽の迷いと揺らぎ。
異国の地へと飛び出した群との再会はドラマティックで運命的。
増え続ける習作の存在を思って、微笑ましく読了。

美術展に絵画を見に行くたびに、知識不足を痛感……
するんだけど。
無理に知識を詰め込む必要もないかな?とも思ってる。
どうしても気になったことはその場で調べつつ、
あとは好きか嫌いか。惹かれるか惹かれないか。
主観上等。
……と打ち込んでいたら、私、大学の講義の一つに
「西洋美術史」を選択していたことを思い出しました。
何やったかちっとも覚えてない!←ダメじゃんww
あ、フレッシュ症候群だ!



拍手

「ひつじの鍵」一穂ミチ (ディアプラス文庫)



家族に見せる顔。恋人に見せる顔。友だちに見せる顔。仕事で見せる顔。
程度の差はあっても、皆、それぞれに違う。
一色のオンとオフの切り分けのギャップは相当で、それがかなりの魅力だったけど、
更にに凄いのは仕事に対するプロ意識。
そんな一色のオフの顔を偶然目にした羊は
急激に彼に惹かれていく。
羊は気持ちを「分ける」というよりは「押し隠して」過ごしている未成年。
身近にいる人には見せることのできなかった本音を一色に晒すことによって
深まる関係性。
年の差があったからこそ成就した恋愛だと思う。
軽妙な会話のテンポと着眼点が面白くてぐいぐい引っ張られた。

本来は「洋」であった筈の名前が「羊」になってしまったように。
友だちも自分がそうだとずっと思って名乗ってきた名前が、
実は出生届と違っていることがン十年生きてきて発覚。
「(そうだと思って使ってきた名前に)改名してきたわ!」と憤慨していたことを思い出しました(笑)

拍手

「朧小路の恋の花」かわい有美子 (Holly NOVELS)



京都の花街を舞台にした恋の物語。
しっとりと読ませる作品。とても良かった。
昔堅気な職人気質の板前・吉澤と、人あしらいに長けたカフェバー店長の光希。
偶然の再会から互いの日常に根付いた仕事の部分を介して近づいていく距離感。
思惑のある光希と意図不明な吉澤の逢瀬の積み重ねを追っていくことがとても楽しかった。
関係が拗れかけた時に吉澤の見せた強引さがカッコよくて、
安心して甘えることのできる彼の男前っぷりにときめいていたわけですが。
ラスト、気まぐれな猫のようだった光希のデレた可愛らしさに射抜かれて、
その後の吉澤の行為にさらに悶絶して読了。

もう少し読みつづけていたかった。
甘くてくすぐったい感じの読後感を反芻してなんだか幸せ気分。
宮城さんのイラスト、特に表紙と口絵のカラーが秀逸。
そして、ホット・バタード・ラムを呑む前に冬が終わってしまったことに気付いてみました。
来年こそ!←そもそも、どこに行ったら呑めるのかがわかっていない(笑)

拍手

  

カレンダー

06 2025/07 08
S M T W T F S
1 2 3 4
7 8 9 10 12
14 15 17 18 19
20 22 24 25 26
27 28 29 30 31

フリーエリア

プロフィール

HN:
みやこ
性別:
非公開

バーコード

ブログ内検索

P R

Copyright ©  -- きままに読書★ --  All Rights Reserved

Design by CriCri / material by DragonArtz Desighns / powered by NINJA TOOLS / 忍者ブログ / [PR]