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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「僕らがもう大人だとしても 毎日晴天!7」菅野彰 (キャラ文庫)



大人だって惑う生き物だ。
安易に吐き出せない分、子どもの惑いより深いかもしれない。
前巻では勇太が惑い、その惑いが秀の惑いを誘ってしまう。
発せられる言葉は、時に人を傷つける鋭利な刃となる。
相手を思いやって呑み込んだ言葉も、
発せられないことによって思いやったはずの相手を傷つけることもある。
言ってもらえないことが自分に足りないものがあるからだと、
思い悩む秀の苦悩がとても辛い。
だからこそ、勇太が秀にその胸の内をぶつけた瞬間の歓喜と安堵は計り知れない。
秀の子育ては間違っていなかったと。
自信に思っていいんだよ。
おかえり、秀。→

秀の抱えた孤独に胸が軋んで軋んで……辛かったわ。
必死に事実を隠そうとしてきた勇太が、すべてを大河に話した瞬間がとてつもなく嬉しかった。
なんかもう、色々感情揺さぶられて大変だった何度目かの再読。

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「HOME―A PLACE IN THE SUN」かわいゆみこ (キララノベルスセレクション)



過去の辛い恋愛体験から、
恋をすることに臆病になってしまっていた桂木。
だけど、八神に惹かれる気持ちは止められない。
恋を自覚した瞬間に感じるのが苦い痛みばっかりなのは辛いなぁ。
恋愛をすること=ボロボロになるまで傷つくこと。
そんな桂木をふわりと包み込むように愛していく八神の懐の広さとあたたかさが素敵。
だけど、彼なりの悩みや苦悩があるところがまた素敵。
鍵になるワードの使い方が効果的過ぎて、この二人の関係に運命を感じてしまった。
堅実に歩み寄っていく二人の距離感がいい。
しっとりと読ませる大人の恋愛。
その中で菅原の存在がとても健康的。



初期のころのかわいさんの醸し出す雰囲気がとても好き。
まぁ、初期に限らず好き作品は好きなんですけどね(笑)
桂木の兄貴分的な菅原が暑苦しくなく、押し付けがましくなく、
とてもいい人だった。
榛原もいい人だね。




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「初恋をやりなおすにあたって」尾上与一 (キャラ文庫)



そこは、雪が自らの意志で選んだ場所であり、
一切の退路を断った唯一の場所でもある。
その道を進みつづけることのできる才能と努力を持ち合わせたことが、
彼の命を繋いだ、と言っても過言ではないだろう。
一方で自らの在り方に疑問を持ち、職を変えた敦也。
「逃げた」という表現を使っていたけど、葛藤の質から行けば、私はそれを「模索」だと思う。
だから戻ることを許された。かつて背を向けたその道に。
二人の出逢いは小学生の時。
それから十三年後の今に至るまでの彼らの想いが、丁寧に綴られている。
己の選んだ道を邁進し、共に在り続ける10年後の彼らの姿を思い描きつつの読了。



久々の尾上さん。
骨組みがしっかりとしている作品で読みごたえあり。
個人的にはなんでも屋さんが大好きなので、敦也はそのまま今の職に留まってくれても良かったんだけど、彼の選んだ道はそこじゃない。
小学生のころからお夕飯づくりの手伝いをしていたから、料理は自然と覚えたなぁ。
おかげで料理で苦労をすることがなかったから、感謝。
そして、今の方が料理を作る頻度が落ちてるという大問題が(笑)

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「ストレイ・リング」水壬楓子 (ガッシュ文庫)



四十代に溺愛される三十代。
そんな二人の恋愛模様がとても良かった。
甲斐性あり。包容力あり。すべてにおいて余裕あり。で、ちょっと意地悪。
そんな四十代右城さんが半端なくカッコよくって、ときめく。
その一方で、元嫁と娘に恋愛成就の手助けを頼むお茶目な一面もイイね。
気が強くてオトコマエでちょっとシニカル。
身を引く決意はするものの、右城への想いを捨てきれない藤近。
そんな三十代藤近が右城の前でだけ甘えたり拗ねたりするところがツボ。
右城の大人の口説き文句が素敵すぎて、
自分に言われてるわけじゃないのに夢見心地な気分になれます。笑→

大人の男のラブロマンス。
どっちもしっかり自立した働き盛りの世代ってところもツボ。
水壬さんの書くオヤジに弱い。
とっても弱い。
ホント右城さん、カッコよかったよー。


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「晴れ男の憂鬱 雨男の悦楽」水壬楓子 (ガッシュ文庫)



10年ぶりに再会した働き盛りの男たちの恋愛模様。
正直。
泉を自分の部署につけた志水サイドの理由が子供じみているし、何やら器は小さいし、
そもそも噂の内容だけで泉を責めた時点で、この男のどこがいいの?という気持ち満々だったわけですが。
その後の志水の行動が、というか、泉に対して口にした台詞がいちいちカッコよすぎてイメージが真逆に転換。
誕生日プレゼントの件が素敵すぎ。
相手の気持ちに疑念を抱いたことに対して、
謝るのは両方だという志水の言い分にも納得。
泉はちょっと疑心暗鬼になりすぎたね。
そんな不安は全部志水が腕の中で払拭してくれると思うわ。


志水と抱き合う前の泉にガーリックの効いたパスタを作って食べさせる藤近の可愛げのある意地の悪さが好き。
スピンはそんな藤近の物語。
とても楽しみ♪


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「毎日晴天!5 花屋の二階で」菅野彰 (キャラ文庫)



自分の在り方に迷う時期や自問する時期は確かにあって。
究極は何で生きているのかって問いかけもした。
だけど、そんな時代をとっくの昔に通り過ぎてきた私は
明信や龍の揺らぎや迷いを「そういう時期もあるよね」と
客観的に眺めていたたはずなのに。
結果的に龍の言葉に胸が疼いてしまった。いくつだ……。
「過去の自分は変えられない。だけど、未来の自分は変えられる」
これは誰かの明言。
悔やむ気持ちは分からなくはないけど、
そんな過去を歩んでここに在る自分を受け入れてくれた人に出会えた奇跡を
幸いに思って欲しい。


極真空手。
私も体験入門に行って向いてないと悟ったクチ。
むしろ行くまえに気付けよ、ってくらい不向きなんだけど、
百聞は一見に如かずの言葉通り、
実際に体験することには大きな意味がある。


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「毎日晴天!3 子供の言い分」菅野彰 (キャラ文庫)



肉親の情愛とは著しく縁遠い他人同士が家族になった秀と勇太。
二人で寄り添いあって生きてきて、そして勇太が見失ってしまった距離感。
本来の家族の在り方に気付いたのは秀。
それを不意打ちで突きつけられ、
自らが突き放されたと感じた勇太の絶望と孤独が痛いけど、
人はそうやって大人になっていく。
一方、兄たちからの愛情を一身に受けて育ってきた真弓。
真弓の振り翳す容赦ないまっすぐな想いが勇太を在るべき家族の元へと引き戻し、
勇太の帰りを待っていた帯刀家の面々が、ここが彼の家だと伝えてくれる。
だからもう、見失わない。
疑わない。
自分に向けられるその想いを。



「家族っていつでも手を離せるもののこと」
秀の言葉通り、子どもは親元を離れ、いつしか自らの家庭を築いていく。
その子どもたちも然り。
誰に倣わずとも自ずと知っていくことをああして言われるまで気付けなかった勇太。
手を離しても、そこで関係性が途絶えるわけではなく、
一つ屋根の下で暮らしていなくたって「家族」としていつまでも繋がっていられる。
そう言う大切な事、彼らは勇太にに教えてくれる。
秀と二人だけでも幸せだったかもしれない。
だけど、真弓と、そして帯刀家の面々と出会うことによってより大きな幸せを知ることができた勇太。
よかったね。

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「色悪作家と校正者の多情」菅野彰 (ディアプラス文庫)



亭主関白を地で行くような男だと思っていた大吾が見せた子らしさ。
というか、勝ち目のない相手に戦いを挑む愚行。
それは嫌いじゃない。むしろ好き。
挑んできた大吾を撃沈した瑤子さん、カッコいいなぁ。
大吾の気持ちを勝手に慮って、見当違いな痛みを募らせていく正佑。
自らの想いは言葉にしなければ伝わらない。
初めての恋愛に戸惑う正佑が必死で口にした胸の内。
他人に共感する力が低いと自覚のある大吾が、正佑を理解しようと歩み寄る。
この二人、一緒にいることでちゃんと成長している。
同時に愛情も深まっていっていることが汲み取れるのが嬉しい読後。

私にとってのネズミの国は誰だろう?
問われたら迷わず即答。
一秒だって時間はいらない(笑)
オスカー・フォン・ロイエンタール。
そして氷室上総。
拗らせてると言われても、彼らが私の双璧。

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「毎日晴天!2 子供は止まらない」菅野彰 (キャラ文庫)



きっちりと整えられた襟元。
シャツの下に隠された業。
寂しかっただけなのに。
招いた事態が後に誰にどんな影響を及ぼすのか。
思いめぐらせるには、彼はあまりにも子どもだった。
「他人やから」と。
それが自分の役割だと、
帯刃家のアンバランスさを看過できずに叩き壊した勇太。
生まれながらに一緒だった家族は、いつか離れ離れになっていく。
それを惜しむ真弓の心情が刺さる。
少なからずの別れを繰り返して、人は大人になっていく。
だけど。
一生の宝となる出逢いもある。
そうやって人は「家族」を築いていくんだね。
でも彼らはまだしばらくは一つ屋根の下。
そのことに安堵する。

この巻を読み終わり、そして5巻のタイトルを見て、
こんなに展開早かったんだ~、とちょっとびっくり。
なんかもっとゆっくり進行していたイメージだけど、
10年以上続きが出なかった時期があったからね。
そりゃあ、時間間隔わからなくなるわ(笑)
止まっていた時間が動き出してくれて本当に良かった。

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「毎日晴天! 1」菅野彰 (キャラ文庫)



初読は20年前か~、と思うと、なんだか感慨深い。
菅野さんの文章も若い。
ドタバタ始まりのシリアス展開。
どんなに言葉を尽くして説明しても、届かないことがある。
誰かの言葉ではなく、自ら気付かない限り、そうだって認識はできない。
だから、秀と帯刀家の面々との距離感がやるせない。
最初から幸せを諦めてしまっていた秀。
幸せを望む事すら思いつかなかったかのように。
そんな秀と共に過ごしてきた勇太の老成っぷりに涙出そうになるわ。
帯刀家には「寂しい」人を寂しいままにさせないパワーがあるけど、
それはみんなが秀を好きだから。
ちゃんと伝わってるといいね。

というわけで、このシリーズの再読に着手。
16冊+外伝。
今まで一冊一冊、どんなに間があいても追いかけて読んできた作品を
一気読みできる幸せ☆
最大5人いた我が家も今は一人抜け、二人抜け……でだいぶ静かになりました。
帯刀家の賑やかさを懐かしく想いつつ……と回顧してたら、
夏休みがくるんだわ。
ちびっこたちがやってきて、総勢6人での生活が暫し。
あら?増えてる(笑)





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