きままに読書★
読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
カテゴリー「BL小説」の記事一覧
- 2019.01.20 「放蕩長屋の猫 」榎田尤利(SHY NOVELS)
- 2019.01.19 「ロマンス作家は騙される」榎田尤利 (SHY NOVELS)
- 2019.01.18 「ハードボイルドに触れるな」榎田尤利 (SHY NOVELS)
- 2019.01.08 「さいはてのゆき」いちか凛 (SHY文庫)
- 2019.01.02 「色悪作家と校正者の純潔」菅野彰 (ディアプラス文庫)
- 2018.12.24 「マーメイド・マーダーズ」ジョシュ・ラニヨン (モノクローム・ロマンス文庫)
- 2018.12.20 「So This is Christmas」ジョシュ・ラニヨン (モノクローム・ロマンス文庫)
- 2018.12.13 「京恋路上ル下ル」夕映月子 (ディアプラス文庫)
- 2018.12.08 「高貴なる賭け 叛獄の王子2」 (モノクローム・ロマンス文庫)
- 2018.11.29 「叛獄の王子 ~叛獄の王子 (1)~」 (モノクローム・ロマンス文庫)
「放蕩長屋の猫 」榎田尤利(SHY NOVELS)
アイツ、最低だよ。
あの人、やめときなよ。
周囲がどんなにそう言っても、自分の心が求めるなら、恋をするのはその人しかいない。
付き合うのは外野じゃなくて自分。
たとえ遊真がどんなにダメ人間だったとしても。
まひろの心は彼を選んだ。
選択権はまひろにあって、流されたわけでも強要されたわけでもなく、
自分の意志で遊真がいいと。
それにしても、遊真、バカだね。
バカだけど、嘘が透けて見える辺りや駆け引きができないところがまだ可愛げがある。
小狡く立ち回れる男だったら、多分まひろは許さなかったんじゃないかな?
四人でお好み焼きを食べる関係になれてよかったね。
ああ、でも私は春彦とまひろが一礼しあって背を向けたシーンで泣きそうになってしまった。
別に二人にくっついて欲しかったわけでもないんだけどなぁ。
紺野さんの絵が大好きなので、紺野さんの漫画が久々に読みたくなりました。
そのうち再読しよう。
その前に続編♪
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「ロマンス作家は騙される」榎田尤利 (SHY NOVELS)
続刊は面白かった!
安定とはまだまだ程遠いながらも、作家としての生活を確立した羽根。
そんな羽根に対してあまりにも身勝手な理由から向けられた悪意。
その事件に向き合った羽根・千疋・神楽坂・ひかりちゃん・美空の態度と、
首謀者に対して言い放った彼らの言葉がとても好き。
そして羽根と神楽坂・千疋との関係は落ち着くべきところに落ち着いた感じかな。
まぁ、羽根がどちらもを選べない限り、この二人が羽根のまわりをウロウロするわけで、
そうすると二人の接点も増えていく。
その結果の愉快な会話と不審な行動がとても楽しい。
このままの関係でいってほしい三人なのです。
前巻『ハードボイルドに触れるな』の感想で千疋に対してウダウダ言ってたけど、
原因が分かった時点で気にならなくなってみました。
(正確には視界に入れないようにした・笑)
神楽坂と千疋のショットがもっと見たい。←
「ハードボイルドに触れるな」榎田尤利 (SHY NOVELS)
私にしてはとってもとっても珍しい現象なのですが。
感覚的に千疋がダメで……ダメでした。
作中の彼にダメなところはないんだけどなぁ。
むしろ、羽根にとってはプラスの影響しか与えてない。
続刊読んでないからなんともなんだけど、
多分羽根は千疋も神楽坂も選べない気がするのよね。
3人でハピエンは個人的には全然ありなんだけど、
千疋が……と、ぐるぐるしてしまった。
ごめん、千疋。
あ!以前、ウチの近所の整体師が猥褻で捕まったのと関係ある?
色々あったからそれでイメージ悪いとか!?
美空ちゃんと一緒で「怪しいじゃん!」と私も思ったからなぁ。
とばっちりだ!
なんかもう、感想になってないけど、これ以外書きようがなかった(笑)
千疋の例えがメフィスト先生ってところでメッチャテンションあがったんだけどなー。
メフィストにバンコランなんて!
イメージ悪いはずがないのに!!
ってか、千疋しか語ってないな、私。
ちゃんと続刊も読みます!
「さいはてのゆき」いちか凛 (SHY文庫)
穢れのない純白のパウダースノウ。
もしくは、どこまでも透き通った澄みわたる世界。
そんなイメージが終始付きまとう。
純度の高い……というよりも、不純なものの一切混ざっていない二人の想いを
適切に伝えられる言葉が見当たらない。
7歳の時に山の事故で両親を失った渓。
彼の負った心の傷と、周りの人たちとの係りの中での立ち直りが丁寧に描かれている。
そんな渓に対して大切に真摯に接してきた貴之。
三年の空白を経ての再会。
今の二人を見れば、それは必要な時間だったんだなぁ、と思う。
繊細に過ぎる二人を取り巻く
山男たちが健康優良児過ぎて頼もしかったお借り本。
山初心者の私に下った指令が「上高地、現地集合」。
どうやっていくの?から始まったミッションは槍ヶ岳登山。
というわけで、自分の体験と被るところもあったおかげで
情景がものすごくリアルに浮かんで山の雰囲気も堪能しました。
ハードだったけど、ただひたすら楽しくて、壮大な景色が美しかった思い出。
「色悪作家と校正者の純潔」菅野彰 (ディアプラス文庫)
正祐の大吾に寄せる愛の深さといとけなさと純真さに感動すら覚える本巻。
あそこまで一途に想われたら、人としての冥利に尽きるんじゃないかな。
他人との関係性が希薄で、内の世界に籠って生きてきた二人には
人として大切な何かが欠けていて。
二人でいることによって気づきがある。
その言葉の応酬と内省が私はとても好き。
白洲の大人な対応も、擬態できる本性も、忖度できるずるさも。
何もかもが素敵なんですけど~~!もっと絡んで欲しい。
ラスト2頁のやり取りを何度も反芻してはドキドキ。
麻々原さんのイラストで視覚的に拝みたい。
私が『こころ』とは相容れないと思った理由は作中でお姉さんが語った理由と一緒。
そして、あの時代の作者とは相容れないと思った理由は
「この人たちとは仲良くなれない(考え方が納得できない)」と思ったから。
とは言え、太宰にだけは傾倒したその頃の私はまだ10代。
そこから延々と敬遠し続けてきた彼らの本を今読んだら感想が変わるのかしら?と、
興味深々ではあります。
因みに、頑張って何人かの作品を読み、
武者小路実篤に至って、あの時代の作者と決別することを決めました(笑)
「マーメイド・マーダーズ」ジョシュ・ラニヨン (モノクローム・ロマンス文庫)
「第一印象とは一度しかチャンスがない」
確かにその通り。
お互いの事情……というよりも、周囲の思惑により、
即席バディを組まされて第一印象が最悪だったケネディとジョンソン。
ロマンスよりも事件に焦点をあてて展開していく物語の中で、
二人の互いに対する印象が変わっていく様がうまく織り込まれていて、
事件解決のドキドキの後は、二人の関係性の行方にドキドキ。
FBI行動分析官と美術犯罪捜査官という立場を活かした事件の真相への迫り方も面白かった。
ガチガチの岩塩始まりで、甘くとろける砂糖で終幕。
おっさんずの物語はこんな例えで間違っていないかと。
組織に属する身としては、何かヤバいことやらかしたら
速攻上司に報告しないと余計に怒られるしヤバくなるんだよ!と言いたいけど。
やらかしたレベルの次元が違ってたからなぁ。
「新シリーズ」とあるからには、続きがあるということは確定ですね。
まだまだ始まったばかりの二人の物語。
続刊を楽しみに待ちます。
「So This is Christmas」ジョシュ・ラニヨン (モノクローム・ロマンス文庫)
表題はシリーズ続編というか完結篇。
よもや、こんな二人を見られる日が来るとは!という、感動がヒシヒシと。
お互いに対する愛情が、その仕草や目線等々の至るところから感じ取れるのが素晴らしい。
ここにきて垣間見れるようになった溢れんばかりのジェイクの包容力は必見。
そして、変わらないアドリアンの芯の強さとやさしさ。
多幸感を噛みしめながらの読了。
同録の『雪の天使』
拗れに拗れた10年愛。
拗れた糸を解いていく過程がとても良かった。
糸に包まれて隠されていた真実(過去)がちょっと切ない。
10年かけて想いを綴った小説……読んでみたいね。
辛かったり苦しかったりの紆余曲折を乗り越えて掴んだ二人の幸せの形。
アドリアン・イングリッシュシリーズは全五巻+この作品で真の完結!
という認識で間違いないと思います。
「京恋路上ル下ル」夕映月子 (ディアプラス文庫)
恋人として向き合うまでの気持ちのすれ違いがなんともいたたまれないふたり。
傷ついたり振り回されたりしながら
次第に変わっていく気持ちの変化とそれぞれの成長が
とても丁寧に描かれていて、好感が持てる。
自分本位の好きから相手を思いやる好きに変わっていった颯馬。
目を瞑ってきた自分の気持ちに気付いた伊織の葛藤が切ない。
颯馬イイ子なんだけどなー。
イイ子なのに何故かイラッとさせられる残念感。
でも、あと10年たったらものすごく素敵な壮年期を迎えそうな予感がひしひしと。
溢れんばかりの愛情を伊織に注いで抱きしめ続けてくれるんだろうな。
好きで好きで好きで。の気持ちが溢れるお借り本。
京都はせっかく行ったのに一日まるっと潰してホテルで寝込んでいたのが最後なので、
いつかリベンジ!
「高貴なる賭け 叛獄の王子2」 (モノクローム・ロマンス文庫)
国と国が対峙すれば、正義はふたつある。
人と人でもそれは然り。
大事なのは何が正しいではなく、自分が何を信じるか。
他国を知り、或は相手を知り、考え抜いた中で、自分がどう動くのか。
だから……
「俺はお前の奴隷だ」
「俺がこれを望んでいないように見えるのか?」
この言葉に込められた彼らの想い。苦悩。葛藤。行為。そして覚悟。
全てを踏まえた上で迎えたラストに震える。
緻密に作り込まれた世界観。想像を許さない展開。
ここまでドキドキしながら迎えたクライマックスは久々。
外道な執政とここまで戦ってきたローレントの孤独が痛い。
安らいでくれればそれでいい。
続刊早く!
どっぷり北方脳なので「調練」とか「陣形」とか言われると
血がザワザワします。
兵を鍛え直すとかまんま水滸伝を連想してしまう。←もはや病(笑)
核の部分にBL展開があるからこそドキドキ感倍増しな作品なんだけど、
カテゴリーを飛び越えて読んでもらいたくなるわ。
「叛獄の王子 ~叛獄の王子 (1)~」 (モノクローム・ロマンス文庫)
アキエロスの王子でありながら、腹違いの兄の策略でヴェーレの奴隷となったデイメン。
ヴェーレの王子でありながら、叔父に命を狙われるローレント。
そのローレントの兄をかつての戦いで殺したデイメン。
その事実を(多分)知らずにいるローレント。
この関係性だけでもドキドキするのに、
彼らの間に漂うヒリヒリとした緊張感。
周囲で張り巡らされる陰謀。
湧きあがる憎しみを呑み下し、
決して心を許さぬまま、いつしか、守り守られる関係へ。
怒涛の展開と絡み合う事象にドキドキ感増し増し。
引き込まれて戻ってこれなくなりそうな世界がここにある。
1巻と2巻を手元にそろえて読み始め、完結巻となる3巻は年明けに発売。
読むタイミング的には間違ってなかった。
何故ここに留まるのか。
何故殺さないのか。
何故共に行動するのか。
時々ある、え?何で?と、問いたくなる
唐突に情に絆されたような展開にはならない心理描写がいい。
続がとても楽しみ。