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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「最凶の恋人(3)―蝶々の束縛―」水壬楓子 (ビーボーイスラッシュノベルズ)



前半は子供CP。
千紘が凌辱されてしまったがために
生野が負ってしまった悔恨と負い目。
千紘に対して彼が純粋に「好き」の気持ちだけでは対峙できなくなったことが
なんだかやるせない。
それにしてもの素朴な疑問。
組の跡目を継ぐ千紘の武道のたしなみってどの程度あるんだろう?
大人CPは柾鷹のバカっぷりに拍車がかかり、
遥の柾鷹のあしらい方には年季が入り……と、
なんだかんだ楽しく平和。
柾鷹のエロおやじの側面だけではなく、
極道らしい一面が垣間見られたのは新鮮だった。
ちゃんと仕事(?)してたのね。

性犯罪者に対する処罰はハンムラビの法則で。
……という観点からは理に適っているんだけど。
夢見心地の中での制裁はちょっと甘い気もする。




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「最凶の恋人(2)―地上の楽園―」水壬風子 (ビーボーイスラッシュノベルズ)



俄然面白くなってきたシリーズ第二弾。
自分の意志でアメリカに留学することを決意し、
柾鷹に悟られることなく見事にそれを実行した遥。
自分の人生は、自分の意志で選んで歩んでいる。
そういう自己確認をしたくなる気持ちはわかる。
やり遂げたことが自信になることも。
今回は遥側の柾鷹に対する想いが描かれていて、
二人の在り様がストンと腑に落ちた。
そして、自分勝手に遥を振り回していた柾鷹が、
彼なりの最大限の譲歩で遥の意志を尊重していたのかも。
柾鷹と共に暮らすことを決意した遥。
より神経が太くなってきた気がするのは良いことだと思っておこう。


柾鷹と知紘の全力で大人げない親子喧嘩のシーンが好き。
子どもに「ヨコシマな」と言われる親心……(笑)
手元の全巻を眺めてみて、この表紙、どうにかならなかったのかとため息。
もともと私がこの絵師さんと相性が悪いのもあるんだろうけど、
この表紙のおかげで、私は遥の立ち位置を
「強いられるままに囲われる人」だと曲解したのよね。
自分の意志で戦える人で良かったわ。




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「最凶の恋人(1)―ルームメイト―」水壬風子(ビーボーイスラッシュノベルズ)



長らく続いていくシリーズ第一弾。
やくざモノあるあるだけど、抱かれて乱れる恋人の姿を
他人に晒したい心境がさっぱりわからない。
始まりは強姦から。
柾鷹よ、それを他人にしれっと言うな、しれっと!
だけど、結局遥はそんな征鷹を受け入れる。
これがその理不尽にひたすら耐える健気受なら私の好みじゃないんだけど、
遥はちゃんと自己主張も意思表示もできるから、それもありかと。
そもそも、10年経っても気持ちがかわらなかったら、
それはもう、お幸せに、と言うしかない。
一方の子供CP。
残念なことに知紘は全く私の好みじゃなかった。
というわけで、大人CPの動向を楽しみに次巻へ。

11巻までそろえつつ、
積みっぱなしで長いこと手が出なかったのですが、
ようやく読み始めてみました。
1巻目じゃ面白さはわからないよー、と、
何人もの方々からおっしゃっていただいたので、
この先に待っている物語にワクワクしながら次へいきます。
これを既読の棚にしまえたら、積読棚が相当空くのもお楽しみ(笑)

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「潜入捜査~美しく淫らな男たち~ 」松雪奈々



「潜入捜査」はタイトルに偽りなし。
副題の「美しく淫らな男たち」は……ん?どちらさま??と、クエスチョン。
だんだんグーデリアン(@サイバーフォーミュラ)にしか
見えなくなってきた陽気なアメリカ人と
生真面目さが可愛い初心でちょろい(褒め言葉ね)日本人男子が
仕事を介して出逢い、惹かれていく物語。
CIAと公安。
それぞれの立場でのお仕事シーンは読み応えあったけど、
美しさも淫らさも何処にも落ちてなかった(笑)
副題に則った最初の先入観に最後まで引きずられ、
なんか違う感が拭えなかったのは自分の妄想力のせいかな?

このタイトルにこの副題だったら山藍紫姫子さんに是非!
と思ったけど、それ、『背徳の聖者たちシリーズ 』に近いモノがあるうんじゃない?
と、気付いてみました。
あっちは「目には目を、歯には歯を」で
ハンムラビの補足に則って暗殺を請け負う物語。
「美しく淫ら」の看板に偽りなし!

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「天水桃綺譚」凪良ゆう (プラチナ文庫)




人間に恋をした天のモモ。
手の届かぬ桃を一途に想い続けた亨。
天の神に恋をしたみそっかすのコモモ。
小学生か!と突っ込みたくなる、愛情が分かりずらい白虎。
抱えたそれぞれの想い胸に刺さる。
ピュアすぎる気持ちが切なくていとけなくて滲む涙が止まらない。
そして、健気に慕う相手を想い続けた彼らが手にした幸せに心から安堵する。
そんな素敵な物語。
読めて良かったお借り本。
別作品でも思ったけど、凪良さんの「生きる」ことに対する対峙の仕方には心から共感。
他力に縋らないところが潔くて好き。
と同時に「明日も頑張ろう」という気持ちになれる。

この表紙を眺めていると、桃狩りに行った時のことを思い出す。
四方八方桃桃桃……
楽しくて美味しかった♡
良質なファンタジーと藤さんのイラストは抜群の相性だと思う。
そして白虎と言えば四神。四神と言えば平安神宮の御朱印帳!
いつか頂きに!!という野望を抱えたまま何年経っただろう?
うん。いつか、必ず☆

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「堕天使の背骨」鳩村衣杏 (ゲンキノベルズ)



出逢った歳は5歳と8歳。
9年かけて胸の内で育みつづけた想い。
幸福に溺れたのはほんの一時。
唐突に引き離され、一切の連絡を断ったまま流れた時は17年。
再会を果たした瞬間から彼らの運命は大きく動き出す。
何が凄いって、17年間相手に対する想いが揺らがなかったことと、
相手の自分に対する想いを疑いもしなかったことが凄い。
真実を告げることができなかったからこそ、拗れに拗れた想い。
斜め読みしたエロ描写から引き継いだお仕事BL描写がとても面白かった。
そこから一転してのジェットコースター展開。
最後までドキドキだったわ。


第一印象はお互いがお互いを天使だと思った二人。
視覚的に納得させる最終頁のイラストが素晴らしい。
そして、おっしゃる通り、前作とのリンクがお見事。
『007』シリーズがシリーズなのに出版社がバラバラなのも
この作品を読めば納得!とおっしゃっていた読友さんの言葉で
手にした作品でしたが、とても興味深く読みました。
楽しかった。


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「彼の背に甘い爪痕を残し」鳩村衣杏 (ゲンキノベルズ)



やくざモノかと思って読み始めたら、
相当真面目なお仕事小説で、最初はそのギャップに戸惑った。
この表紙にもしっかり意味があるんだけどね。
(でもやっぱりこれじゃない感は半端ない・笑)
過去を乗り越え、今を生きる俊介と、
過去の出来事に囚われたまま今を生きる音弥。
それぞれ過去に事情を抱えた二人が出版翻訳代理店という職場で出会い、
気持ちを通わせていく。
音弥が過去の自分を乗り越えていく経緯がとても良かった。
そして、翻訳小説を読む身としては、
興味深いお仕事事情が色々と伺えて楽しかった。

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「塚森専務の恋愛事情」栗城偲 (ディアプラス文庫)



反発を覚えながらも専務として赴任した経営サイドの塚森に惹かれていく営業部エース荏原と、
そんな荏原の熱を孕んだ視線に気持ちが乱されていく塚森の恋愛模様。
業績が傾いた会社の立て直しに奮闘する塚森と社員たち。
そして、その改革に不満を持つ輩の悪意を持った嫌がらせ。
それぞれがバランスよく描かれて一つのストーリーを紡いでいくお仕事BL。
カップルの経済格差問題をこんなふうに突っ込んだ作品はなかなかないよね?
気にかかることを話し合いで解決していくスタンスは大事。
荏原が塚森に散々に振り回されると良いと思いつつの読了。→


あとがきにもあるように、正直塚森は攻めだと思っていたので、
なんか新鮮に読み進めてしまった。
戦える女王様は大好物なので、
「男らしくて綺麗で可愛い」は好みドストライク!
のはずなんだけど。
そこに「天然」の要素は入っていないので、惜しい!って感じでした。
いや、塚森イイ男ですよ?(笑)
それにしても、経営側の苦労は大変だなー、と、雇われ社員はつくづく思うのです。

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「セキュリティ・ブランケット 下」凪良ゆう (キャラ文庫)



あんなに腹立たしいと思った国生の成長に目を瞠ってしまった下巻。
腹立たしさが一転して、良い子だなーと。
国生に限らず、宮、鼎、高砂、ついでにジェシー。
恋に悩み、相手を思いやり、余計なおせっかいをして、
自分の気持ちに正直に突っ走っり……という色々な過程を経て、
それぞれに成長したり、学んだり。
人間として豊かに大きくなったなーと。
とても清々しく読了したお借り本。
ぶっちゃけ私が願っていたのは鼎の幸せなので、
国生も万ちゃんも鼎を支える気満々な姿に安堵。
この二人、切磋琢磨して男っぷりに磨きをかけていって欲しい。(鼎のために・笑)


ちょうど自分の成長してなさに反省していたところだったので、
これを読んでガツンときたというか、更に反省度が増したというか。
いや、猛反省しました。はい。
フランスの空港で私は気が付いたら荷物が一つ増えていて、
これ、ヤバいモノだったら速攻アウトだ!と、慌わてふためいた記憶があります。
「誰かの落し物か忘れ物です!」と騒いだ(?)結果、
インドに向かう予定の方の忘れ物だったことが判明。
とりあえず良いことをした気分になってみました(笑)

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「ドリアン・グレイの激しすぎる憂鬱」菅野彰 (ディアプラス文庫)



ひっそりと閉ざされた世界で、寂しさで己の心を埋め尽すかのように
時を過ごしてきた白洲。
自分はそうして生きて、朽ちていくのだと本人ですら思っていたであろう白洲が、
実はきれいでやさしいことに憧れているということを見抜いた宙人は、
白洲の閉じこもった世界をぶち壊して外の世界へ引き出した。
このバランスが絶妙。
歳の差があって、全く相いれない世界の住人で。
だけど、強引に内側に踏み込んでくるほどぶしつけではなくて、
相手のことを慮る感性を持っている。
本音を晒して楽に息が出来る相手の前では無防備にもなるよね。
身も心も預けたと思わせつつ、主導権を握っている白洲を微笑ましく思いながらの読了。


真夜中にお風呂に入っていると、時として聞こえてきた踏切の音。
子どもの頃の私はそれが銀河鉄道が通過する音だと思ってとてもとても怖かった。
乗ってしまったらカンパネルラと同じ世界へ連れて行かれる気がして。
アニメのおかげで脳裏に浮かぶジョバンニもカンパネルラも
私の中では猫の姿をしています。
読み返したくなるなー。

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