きままに読書★
読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
カテゴリー「BL小説」の記事一覧
- 2021.05.25 「シュガーギルド」一穂ミチ (ディアプラス文庫)
- 2021.04.25 「ウサ耳オメガは素直になれない」海野幸 (カクテルキス文庫)
- 2021.04.11 「最強の夫婦騎士物語」海野幸 (シャレード文庫)
- 2021.04.03 「ifの世界で恋がはじまる」海野幸 (キャラ文庫)
- 2021.03.31 「ハートの問題」一穂ミチ (ディアプラス文庫)
- 2021.03.21 「恋する犬のしぐさ図鑑」海野幸(ショコラ文庫)
- 2021.03.16 「天使の定理」沙野風結子 (ディアプラス文庫)
- 2021.03.15 「兄弟の定理」沙野風結子 (ディアプラス文庫)
- 2021.03.13 「匿名希望で立候補させて」海野幸 (キャラ文庫)
- 2021.03.07 「はな咲く家路」一穂ミチ (ディアプラス文庫)
「シュガーギルド」一穂ミチ (ディアプラス文庫)
いろんな意味で興味深くとても楽しく読了!
お仕事面はぐいぐい引き込まれる。
達生の砂糖に対するこだわりもそうだし、仁科の仕事に対するパワーがすごい。
一緒に仕事したら楽しいだろうなぁ。
この二人の掛け合いは楽しかった。
地理的には実際に行った場所、いつか見たいものがふんだんに描かれていて、
リアルに想像できることが楽しいし、いつかを思い描いてワクワクする。
僅か1日の間に芽生えた想いを大切に大切に抱え続けた和。
一方、再会することで忘れ去っていた過去を思い出した達生。
固かった和のガードが解け、抱え続けた思いを吐露するシーン、とても好き。
徳島の紅葉の話は、実際に現地に案内してもらって話をきかせてもらって。
ものすごく感銘を受けた。
道東は札幌から行くよりも東京から!
うん。私もそのチョイス。
仙台から行ったときも東京経由して女満別に飛びました。
流氷はいつか必ず見に行きたい。
真夏の流氷館で誓って帰ってきたわ。
そして知床、もう一度行きたい。←ここだけは本作品に関係ないです(笑)
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「ウサ耳オメガは素直になれない」海野幸 (カクテルキス文庫)
自分らしく生きるって難しいね。
そもそも、自分らしくって何だろう?
外から見たら順風満帆かもしれないけど、
当の本人にとっては波乱万丈。
そんなこともザラ。
それぞれが悩みを抱えながらも、みんな、頑張って生きている。
私生活と仕事と生い立ちと。
すべてひっくるめてそういうのが伝わってきて、色々染みた。
そこに絡まる恋愛模様。
汐見と理人の関係は、あ、そうきたんだ!と唸る展開。
それがまた良い。
何がそうなのかは是非読んでみてください。
と、思わず薦めたくなるお借り本。
そして、個人的には来栖がイチオシ。
この子のスピン是非!
切除した耳を補うつけ耳。
ちょっと違うかもしれないけど、
切除した胸を補う人工乳房或いはシリコンパッドを想起しました。
なくても問題ないかもしれないけど、心の安定のために必要なもの。
少なくとも私はそれでストレスフリーな生活を送れています。
「ifの世界で恋がはじまる」海野幸 (キャラ文庫)
意に沿わない部署への異動。
精一杯仕事をこなしながらも、周囲とうまく溶け込めない彰人。
とある気づきがあって部署内での良好な人間関係を築いていくことができるようになる。
後輩指導、周囲との軋轢の避け方、仕事に対する姿勢は学ぶところも多々あり。
だからこそ。
並行世界を介さず、現実世界の日常の営みの中でその気づきがあったとしたら、
海野さんはその過程をどう書いたのかな?と思ってしまう。
それは私のif。
狼上と彰人の互いの仕事に対する姿勢を認め合ったからこそ芽生えた想い。
どこに惹かれたのか、どんなふうに感じたのか。
丁寧に描かれていて楽しく読了のお借り本。
私も「え?何でここに?」と言う部署異動を経験し、とまどいながら悪戦苦闘した思い出。
わからないことは即効聞く!とにかく聞く!と当時の上司の本部長に猪突猛進していたら、
「考えてもわからないから聞きに来たのか、考えるのがめんどくさいから聞きに来たのか」
がバレるようになってしまいました。わははは。
「ハートの問題」一穂ミチ (ディアプラス文庫)
自分一人では変わることが出来なくても。
寄り添ってくれる誰かがいることで、変わることが出来る。
その「誰か」も誰でもいいわけじゃなくて、
それこそハートに響いた誰か。
裏表も駆け引きもなく、感情のままに行動しているようなサンだったからこそ、
臆病で傷を負った要の心を解して癒すことができたんだろうなぁ。
しょう子さんの過去が壮絶すぎて、ちょっと鳥肌。
彼女がいつか黒以外の服が着れるようになるといいな、と思うのは余計なお世話かな?
その瞬間、過去から解き放たれたのは要であり、姉のつぐみでもある。
それぞれの幸せの形に収まった彼らの物語。
家族でもいいままでと同じ家族ではない。
いつでも会えるけど、帰らない旅に出た。
その淋しさ、わかるなー。
家から出ていった妹弟を見送った時ってそんな気持ちだった。
子どもの旅立ちを見送るときもそんな気持ちになるんだろうね。
「恋する犬のしぐさ図鑑」海野幸(ショコラ文庫)
もしも相手の感情を読み取ることができるようになったら?
そんな直紀の都合の良い願いが聞き届けられたものの、
不思議な効力に頼り切らずに恋を成就させたところが好印象。
立ち位置の逆転があって、
そこから重倉サイドの心情が知れてより深みを増す構成がうまい。
感情を推しはかるアイテムが耳と尻尾なんだけど、
尻尾が揺れたり耳がたれたりしている様が
リアルに想像できてめっちゃ可愛かった。
五年前の出来事をお互いが同じような位置づけで胸に抱いていた事実にほっこりする。
から揚げ勘違いが個人的にツボッたお借り本。
「めんどくさい客の要求は通りやすい」にわかりみ。
受けた仕事の依頼は必ず回答期限を聞く。
期限元首は当然だけど、
その中でも時間かけるとうるさい客先の見積はさっさとやろう、って私も思う。
納期の指定と確認をゴリゴリするのは私もやる。
この場合、めんどくさい客は私。
でも、短納期の依頼でもみんなできる範囲でちゃんと協力してくれる。
無理が通った時のお礼は忘れずに。
「天使の定理」沙野風結子 (ディアプラス文庫)
加速度的に増していく面白さは最後まで勢い衰えず。
圧巻の読み応え。
閉じた世界の中で過去と共に朽ちていこうとしていた弦宇。
そんな彼の世界の扉にうっかり手をかけてしまった槐。
他人と深くかかわらず自らを保ってきた槐にとって、
物事を俯瞰できなくなった時点で傍観者ではいられなくなった。
そこからの二人の文字通り命がけのバトルが壮絶。
そしてまさかの第三者の介入での豪快な着地。
弦宇の抱えた雑音の正体に感極まったところでクライマックスかと思ったけど、
もう一段高みへと引き上げられての読了。
笠井さん絵には見惚れてため息。
前作での不安定さがまったくなくなっていた要斗。
聰一郎との関係が良好な証。
しっかり仕事をしている姿が嬉しい。
今作のその後は堕ちた天使の世話をかいがいしく焼いているツキノワグマの姿が
垣間見られるペーパーが嬉しい。
「兄弟の定理」沙野風結子 (ディアプラス文庫)
血が繋がってないなら、迷わず飛び込んじゃって良くない?
と思った私が浅はかでした。
血が繋がっていないからこそ、兄弟であることに固執した二人。
だからこそ苦しくて、思い悩み、結局どちらも追い詰められて、
それでも、あるべき答えを見つけ出した二人。
心の中に抱いていた思いをずっと自覚し続けてきた要斗と、
ある意味、無理やり向き合わざるを得ない状況に追いやられた總一郎。
だけど。
あの日、總一郎が要斗に手を伸ばした時点で道は決まっていたのだと思う。
いろんな枠をとっぱらって、二人なりの関係を築いていってほしい。
リビングのどまんなかにダブルベッド。
良いの?(笑)
壁面全部を本棚にしたくて部屋の中央に机を配置しようとした私は全力で家族に止められました。
やだなぁ。本気なわけないじゃん!←(笑)
メフィストフェレス的な立ち回りかな?と思った式見だったけど、
意外とそうでもなくて。
で、スピンのタイトルが『天使の定理』。
あれ?悪魔と真逆……でもないか。表裏一体(笑)
楽しみ!
「匿名希望で立候補させて」海野幸 (キャラ文庫)
三人兄弟の間の拗れた関係の再構築と、彼らの隣人が抱き続けた想いの行方。
個人的には拗れに拗れた兄弟間の仲が解けていく様が読み応えあった。
困ったときに誰よりも親身になってくれるのが家族である一方で、
家族だからこそ見せたくない弱音って確かにある。
そんな時に寄りかかれるのは、弱った心をさりげなくフォローしてくれる他人。
何もかもに秀でたパーフェクトな人だと思われていた長男の
弱さと家族に対する想いにぐっときてしまったお借り本。
そしてあまりにも遅かった恋心に、このニブチンが!と金八先生風に。←世代が……(笑)
甘えるスキルをマスターした彼は最強だと思うわ。
「交換日記」と言うアイテムがとてもとても懐かしい。
手元に一冊も残っていないけど、誰かが持ってるのかな?
全部処分したりされちゃったりなのかな?
私が手元に残してある自筆のノートは
16歳の誕生日になぜか思い立ち、5~6年くらいつけ続けた読書ノート。
これは後生大事にとっておこうと思います。
「はな咲く家路」一穂ミチ (ディアプラス文庫)
葵とかずさの義兄弟、
そこに慎一と弓子を加えた家族の物語。
過去と現在が交差しながらそれぞれが抱えた想いが描かれる前半。
彼らの心の機微が染み入るように伝わってくる。
就活や卒業という節目を前に将来のことに思い悩みながらも、
自身の歩む道を見つけていく姿が描かれた後半がダントツで良かった。
迷いに迷ったかずさは、行きついてみればそれしかないという答えにたどり着き、
葵に関しては想像しきれない事態に直面したけど、彼の本質は全く損なわれずに安堵。
慎一と弓子の親としての彼らに対する接し方もしみじみ良かった。
マクドナルドの「マクド」呼びに、何となく懐かしさを感じてみる。
大学の頃「マック」呼びが多かった中で、
関西の友人が四年間「マクド」と言い続けてたわ。
ビスコが関係する本を読んだばっかりだったので、
アイテムでビスコが出てきたときは、あ、このタイミングで読む運命だったんだなーと(笑)