きままに読書★
読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
カテゴリー「BL小説」の記事一覧
- 2021.12.14 「毒を喰らわば皿まで」十河(アルファポリス)
- 2021.12.09 「融愛 ~Melt Down~ 」沙野風結子(SHY文庫)
- 2021.12.07 「籠蝶は花を恋う」沙野風結子 (ダリア文庫)
- 2021.12.05 「世界の半分」かわい有美子(SHY NOVELS)
- 2021.12.04 「銀の雫の降る都」かわい有美子 (リンクスロマンス)
- 2021.11.28 「疵物の戀」沙野風結子(キャラ文庫)
- 2021.11.25 「上海血華」沙野風結子 (ラヴァーズ文庫GREED)
- 2021.11.20 「上海散華」沙野風結子 (ラヴァーズ文庫GREED)
- 2021.11.04 「君がいなきゃ涙さえ出ない」沙野風結子 (二見シャレード文庫
- 2021.11.02 「性悪暴君騎手と流され戦馬」成田のもと (on BLUEコミックス)
「毒を喰らわば皿まで」十河(アルファポリス)
ヒールに徹した愛されキャラ・アラフォーの宰相アンドリムが最高に魅力的なお借り本。
パーティーの始まりはたったの三人。
周囲は全て敵という崖っぷち寸前の状況からの起死回生。
正攻法ではない手段ながらも、周囲の者たちを気づけば味方につけて行く手腕はお見事。
とはいえ、アンドリムはダークヒーローなので真の目的は国の滅亡を願う復讐劇。
アンドリムを殺したいほど憎んでいた正統派の騎士団長ヨルガが、彼に懸想していく様が面白い。
結局、自らの命運をヨルガの手に委ねるアンドリム。
この決定的なシーン好きだなぁ。
王道?ナニソレ?展開が本当に楽しかった。→
自分で買おうと思ってカートに入れてたら
友だちが持っていたのでお借りしましたが。
買おうと思っただけあって、メッチャ楽しかった。
「絶対好きだと思う」と友だちに言われたけど、まさにその通り(笑)
日付が変わっても読み終わるまで寝れなかった。←平日
PR
「融愛 ~Melt Down~ 」沙野風結子(SHY文庫)
兄・海里に対する想いを心の奥底に押し込めて封じて蓋をし、
その想いの片鱗も見せまいとしてきた翼久。
弟・翼久の想いにも自分の深層心理に潜む想いにも気づかず、
弟を思いやりながら生きてきた海里。
親に捨てられ、二人きりで身を寄せ合って生きてきた兄弟。
そんな二人の間にたった一人の他者が介在することで、激変を来す日常。
血を分けた兄弟間での葛藤を繰り返し、
すれ違いに絶望し、孕んだ狂気や情欲に翻弄されながらも、
辿り着いたのは穏やかな愛。
文庫描き下ろしの短編までできれいに完結する物語。
個人的に弟の電話を兄が奪うシーンがお気に入り。
会社携帯をなくした!と大騒ぎで電話してきた殿方一名。
携帯紛失時の位置情報を取得した結果、
隣県のIC入口付近に落ちていることが判明。
PCの地図上にここにあるよ!ってちゃんと表示されて、すごーい!となりました。
その付近で車を止めて電話して、車の屋根に携帯を置いたまま出発したそうな。
ちなみにこの方、屋根にお財布を乗せたまま走って紛失したり、
社外秘の書類乗せたまま走ってなぜか警察に届けられてたり、と前科色々。
背が高いとそういうことになるのねー、と、
車の屋根の上に物を置くことのできないサイズの私は思うのでありました。
「籠蝶は花を恋う」沙野風結子 (ダリア文庫)
最初の出逢いは吉原で。
それは、切ないまでの誤解とすれ違い。
秘めたまま、それでも一途に抱え続けた想い。
たったひとり、あなた(おまえ)だけ。
やーん。ザ・純愛。
と思って読んでいたら、後書きで沙野さんは王道とおっしゃっていました。
確かに。
お堅いだけかと思っていた、
ロッテンマイヤーさん的立ち位置の中津が最後デレたのも良かった。
何より、紆余曲折あっても貫き通した鼎と詩央の想いが尊い。
詩央を息子として迎えた月舘さんちは跡取り大丈夫?と思わなくもないけど、
そこは鼎がうまくやってくれる気がする。
浪漫だわ~、と思ったところから……→「浪漫飛行」聴きたい→大正浪漫→『はいからさんが通る』読みたい→でもそんな時間ない。と、現実を直視したところに着地してみました。(笑)
「銀の雫の降る都」かわい有美子 (リンクスロマンス)
陽光を浴びて美しく輝く青い海。
やさしく肌をなぞる心地よい風。
揺らめく布の薄く軽やかな質感。
緻密に綴られる描写に、あたかもその場に佇んでいるかのような気持ちになる。
発達度合いの全く異なる文明の混在したその世界で、
静かにゆっくりと育まれていく穏やかな愛。
降り注ぐ光のように惜しみなく与えられるユーリスの愛情に、
愛を知らなかったカレルの頑なで寂しい心が、解きほぐされていく。
とてもやさしくて暖かさに満ちた物語。
だけど抗えない運命に切なくなる。
私的には銀色のカードはいつまでもユーリスの胸で揺れていればハピエン。
あああああ、惜しいっ!となりました。
ホント、惜しい。
そうじゃないの。
一度きりの人生はやりなおしがきかないの。
だからこそ、最近沙野さんの作品のレビューでも言及したばっかりだけど、
キャッツアイのトシのラストのセリフなの。
まぁ、個人的な見解ではありますが、そうじゃないんだよー。
ラスト直前までがとてもとても良かっただけに残念。
目標達成率99.8%で「もうそれ以上は無理」と思ったときのことを思い出しました。
「疵物の戀」沙野風結子(キャラ文庫)
前編と後編で一冊の構成。
沙野さん曰くの「冒険的展開」の後編が、半端なく良かった。
警護対象となった研究者・真智と、彼を警護するSP・玖島の13年ぶりの再会愛。
好意を寄せあっていた二人なのに、13年前の境遇の捉え方が見事に違っていたが故の訣別。
でも多分、あのまま一緒にいたらだめになっていた気がする。
国家をざわつかせたプロジェクトを生み出すに至った真智の想いが切ない。
そのプロジェクトが故に二人は再会し、そのプロジェクトに翻弄された恋心。
二人共に在るための決断は、あまりにもやるせないものだった。
だからこそ、共に生きる二人の幸せを希う。
二人のその後が描かれた電子の書き下ろし番外編『疵物の幸福』が気になる。
とっても気になる。うわーん。そういうのは紙本にも収録して欲しいなぁ。
【以下、知っている人にとってはネタバレ】……………
キャッツアイのラストシーンが脳内を過ったエンド。
トシのあのセリフは永遠の名セリフだと思うわ。
「上海血華」沙野風結子 (ラヴァーズ文庫GREED)
たとえば淋が自分の幸せだけを考えたのならば。
もっと楽に生きられたんだと思う。
けれども。
彼が重きを置いたのは殺された兄の復讐。
それを果たしたところで幸せになんてなれないことは、
先の未来が思い描けなかった時点で思い描けたであろうに。
自分を責め、兄の仇を憎み、意に反した行為を強要される中で生じた複雑な愛情。
兄を殺した英冥が自分の命を救った相手でもあったことが
二律背反を生じた一因。
故に殺すことと愛することが矛盾なく両立する……のかな。
いつか、愛の方が勝ればいいな、と思いつつの読了。
英冥サイドの心情がもう少し掘り下げられていたらもっとのめり込めた気がする。
設定は好みなだけに、ちょっと残念。
そして自分がそこまで誰かを憎んだことがないからか、
淋の想いに同調できなかったのも、残念。
「上海散華」沙野風結子 (ラヴァーズ文庫GREED)
晶羽が今までの己の傲慢と偏見に基づいた態度に気づき、内省し、
悔いるシーンがとても印象的。
とはいえ、晶羽自身も抑圧された環境で育てられた被害者。
炎爪と出会わなければ、鬱屈した想いを抱えたまま、
心から笑うことはできなかったと思う。
そこから抜け出すための代償が凌辱やら異国の地・上海への連れ去りやらだけど、
結果的には炎爪に溺愛され、晶羽も炎爪への愛を自覚し、
人として大きく成長できたわけだから、読後の印象は甘々。
クリスがもう少し癖のある人かと思ったけど、普通に善い人だった。←何を期待してた?笑
小山田さんのイラストを眺めてはうっとり。やっぱり好きだわ~。
ややこしいけど読む順番は
『上海散華』→『上海血華』。
というわけで、リンク作いきます。
「君がいなきゃ涙さえ出ない」沙野風結子 (二見シャレード文庫
自分にとって日常的で「当たり前」な家庭環境でも、
他者から見ればそれは「虐待」になる。
それにも気づけず、自己否定や低い自己評価に追い詰められ、
潰されていく子どもが実際にもいるのだと思うと、やるせない。
そんな自分の環境と向き合い、決着をつけることが出来た志摩。
志摩を支え、救いへと導いた十李もまた、過去に傷を抱えていた。
その傷の一因を担った志摩を探しだし、近づいた十李の執念には脱帽。
だけど、そのおかげで二人とも過去に捕らわれた自分から脱皮して、
新たな一歩を踏み出すことが出来たのだから、結果オーライよね。
二人一緒なら強く在れる。
小山田さんのイラストの美しさにうっとり。
イラスト集出してくれたら迷わず入手したい。
「性悪暴君騎手と流され戦馬」成田のもと (on BLUEコミックス)
人間の記憶を持ちながら馬に転生し、
お気楽ハッピー馬ライフを送っていたアレクセイ。
傷を負った軍人・フェリクスと猛る熊に遭遇し、彼を助けてしまったことから、
一転してドラマティックな展開に。
馬のアレクセイのモノローグがとっても楽しかったので
馬描写がもっとあってもよかったけど、
人間アレクセイも可愛かった。
そんなアレクセイにベタ惚れな俺様フェリクスもなんだかんだ可愛い。
お預け調教すら甘い。(笑)
とても楽しく読めて人外(獣人?)BL入門編としておススメなので
こちらのアカでレビューアップ。
自由な発想が素晴らしい。
馬から人間に変化しての感想が「顔が平たい」って……(爆笑)
確かに平たい(笑)
読友さんたちの感想に惹かれて購入。
そうじゃなかったら手を出さなかったと思うので読メに感謝。