きままに読書★
読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
カテゴリー「BL小説」の記事一覧
- 2022.02.11 「星に願いをかけるには」イーライ・イーストン (モノクローム・ロマンス文庫)
- 2022.01.29 「君のために泣こう」英田サキ (SHY NOVELS)
- 2022.01.19 「春になるまで待っててね」伊達きよ(幻冬舎コミックス)
- 2022.01.16 「薔薇色じゃない」凪良ゆう(幻冬舎コミックス)
- 2022.01.10 「恋愛前夜」凪良ゆう (キャラ文庫)
- 2022.01.08 「求愛前夜 恋愛前夜(2)」凪良ゆう(キャラ文庫)
- 2022.01.03 「サンドリヨンの指輪」綾ちはる (ショコラ文庫)
- 2021.12.31 「なれの果ての、その先に」沙野風結子 (キャラ文庫) 文庫
- 2021.12.22 「藍より甘く」一穂ミチ (幻冬舎ルチル文庫)
- 2021.12.16 「毒を喰らわば皿まで~その林檎は齧るな~」十河(アルファポリス)
「星に願いをかけるには」イーライ・イーストン (モノクローム・ロマンス文庫)
新刊を読む前に再読……してよかった。
色々記憶が欠けてるww
好きシリーズなんだけどなぁ。
マッドクリークの町に持ち込まれたパンデミックの脅威。
世情が世情なだけに他人事とは思えない。
未知のウィルスを相手に
どうにかして人々を救う術を見出そうと、奮闘する彼らの姿に拳を握る。
犬たちが水場から動けなかった理由が尊い。
今回の主軸となるのはちょっと偏屈で不器用な科学者と心優しい青年との始まりの物語。
これまで孤独だったり哀しかったりした分、これからは互いを思いあって幸せを築いていける。
星が願いを聞き届けてくれたから。
このシリーズ、『月吠えシリーズ』となっていたことを
はじめて知ったわ~。いつの間に!?
次巻はこの作中に出てきたサブキャラがメインキャラだということに
途中で気づいたんだけど、再読して良かったと、しみじみ思ったわ。
読了してしばらくたっても内容をきっちり覚えてる話と覚えていない話の差ってなんだろう?
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「君のために泣こう」英田サキ (SHY NOVELS)
なんで他人の言葉に惑わされて
自分たちの関係の在り様を決めてしまえるんだろう?
と、思ってみたけど。
それは自分の気持ちに確固たる自信がないから。
自分の惑いにいっぱいいっぱいで、相手のことを思いやる余裕がないから。
向けられた刃の裏の真意を読み取ることができなければ、
刃で返すしかない。
だから二人とも傷だらけで辛い思いをすることになる。
複雑な家庭環境で育った二人が抱えた孤独と自責の念。
これから二人で寄り添って生きていくことで、それらが薄れ、幸せの濃度が深まっていくといい。
泣いた分だけ笑ってほしい。
それにしてもよ。
自分に気持ちの向いていないない相手をどうにか手に入れようと、
その相手が好きな人に「ふさわしくないから別れてください」と言いにいく心境が全く理解できない。
好きな相手に直接ぶつかることができないなら、そもそもアナタが相応しくない。
余談だけど。
ウチは逃げたインコは近所の人に保護されて、逃げた文鳥は自力でしっかり我が家に戻ってきてくれました。
私も泣きながら探したよー。
「春になるまで待っててね」伊達きよ(幻冬舎コミックス)
冬眠期を迎えた熊獣人ディビスとリス獣人リックが
居心地のよい暖かな部屋で
睡眠と半覚醒を繰り返しながら
互いのぬくもりを分け合って
ひとつのベッドでくっつきながらひたすらスヤスヤゴロゴロぬくぬく……
何この可愛い生き物!
頁を捲っても捲ってもその可愛さにほっこりする癒ししかない。
そして保存食のぎっしり詰まったディックの食糧貯蔵庫が魅力的。
ついでにお宝本のずらりと並んだ書庫があったら
私もそこで冬眠休暇を取ってぬくぬくしたい。
細かいことは突っ込み不要なお借り本。
冬の寒さを吹き飛ばしてほっこりする癒し力でした。
ディビスの想いと押しに流されるのではなく、
きちんと自分で考えて着地したリックの結論は好印象。
それにしても一瞬ですべてが灰になる火事怖い。
色々気をつけよう。
「薔薇色じゃない」凪良ゆう(幻冬舎コミックス)
諍いの理由。
すれ違いの過程。
細々としたことが本当にリアルで胸に刺さる。
だからこそ、苛立ちを覚え、哀しくなり、理不尽だと思いながらも嬉しくなる。
決定的なのがタイミング。
分岐点でのタイミングの良し悪しってホントにあるよねーと思う。
それが悪い方に振れた場合、良い方に振り返せるかは自分の頑張り次第。
諦めてしまった瞬間、どうにもならなくなる。
20歳で出会い、そこから積み重ねた15年の時。
「本当に嫌だったら付き合いはつづかない」
久我のこの一言に尽きると思う。
年齢を重ね思いやることのできるようになった相手の気持ち。
掴み取った幸せを手放すことがありませんように。
行きつけの店っていいな、と思ったお借り本。
大将、ナイスアシスト。
でも結局はおうちごはんが一番好き。
そう思える環境だったことに感謝。
「恋愛前夜」凪良ゆう (キャラ文庫)
キミが好き。
ずっと一緒にいたい。
だけど、その「好き」の意味合いが違っていたら?
とてもいたたまれない。
幼馴染のトキオとナツメ。
幼い頃からずっと一緒に過ごしてきて、いつしか意味合いの違ってしまった想い。
離れることを決意し、それから二年後の再会。
その間、現実的だったのはトキオの方で、楽観的に過ぎたナツメ。
ヤコ先生の立ち位置、辛いなぁ。
再会しなかったら動き出すことのなかった想い。
だけど、再び出会ってしまった二人。
心理的な描写が丁寧に描かれていて、一緒になって切なくなってしまった。
二人とも、ヤコ先生を拝みやがれなお借り本。
幸せにね。
ネームが出来ずにモダモダしてる時間も
お仕事時間なんですよーと思う。
結果、締め切りに「間に合えばいい」とも思うけど、
周りはヒヤヒヤだよね。
ナツメがとても良い子だったけど、
輪をかけてヤコ先生もイイ人だった。
「求愛前夜 恋愛前夜(2)」凪良ゆう(キャラ文庫)
オトコマエなオネエ攻めって個人的に大好きなのですが!
そんな理由で採点甘いことを差し引いても半端なく面白かったお借り本。
30歳のピュアラブ。
漫画家と担当編集。
二人が真摯にお仕事に向き合う姿勢も好印象だし、
自分の言動を顧みて相手を思いやって反省する姿勢も好印象。
立ち位置が違えば、そういう捉え方になるのね、という気づきは、私自身も戒めになる。
コンプレックスの克服って難しいと思うけど、
ヤコ先生、無理やり押し切らずに貢藤の想いを尊重してくれるところがやっぱりオトコマエ。
据え膳を我慢しようとしたところもやっぱりオトコマエ。
と、ヤコ先生を褒めまくりだけど、貢藤推しという着地点。(笑)
スピン元をふっとばしてこちらを読んでしまったけど、
そんなの関係ねぇ!という勢いで楽しかった。
家族から「日本人形のように可愛い」と言われて自分自身「かわいい」と思ってきた貢藤。
わかる、わかるわ!
標準より痩せている家族に「(丸いから)転がったら早いんじゃない?」と言われたことのある(←悪意はない)私は
自分が太ってると思ってずっとずっと育ってきたけど、
実はそうじゃなかったことに気づいたのは大学に入ってからでした。
ちょっと!
「サンドリヨンの指輪」綾ちはる (ショコラ文庫)
甘え方を知らない子どもは不憫だと思う。
そして、私だったらあんな父親と和解することは難しいわ、と思ったけど、
それでも見捨てることもできず、歪むことなく育った千尋。
両親の愛情を知らず、寂しさを抱えたまま大人になった彼が、
偽りの愛から真実の愛を手にするまでの物語。
一度は縋った指輪を手放すまでの心理が痛々しい。
一方の赤枝の苦悩も、人間味があって嫌いじゃない。
魔法が解けた後、赤枝自身が想いの在り所を自身に問いかけて、
そして見つけた胸に宿っていた想い。
きっかけはどうであれ、育ち始めた恋。
千尋は赤枝に存分に甘えられるようになるといい。
深夜近く。
自宅へと急ぐ私の視界の端に移ったモノに思わず足を止め、
振り返ってみればそこにいたのはガードレールの間に挟まって横たわっている殿方。
え?具合悪い?酔っ払い?変な人??
以前酔っ払いを助けて足を捻挫したことを思い出し、
すぐに駆け戻ることができず、暫し逡巡している間に後からきたご婦人が
「ちょっと!こんなところで寝てたら風邪ひくよ」と声をかけてくれていて、
あとはよろしくお願いします、と、立ち去ったことを何となく思い出しました。
道端で転がっているのは心臓に悪いからやめて。
「なれの果ての、その先に」沙野風結子 (キャラ文庫) 文庫
考えて自分の意思で選択して生きる事って大事なんだな、と。
無自覚のうちに他人の思考に呑み込まれて
洗脳されていくって怖いわ~。
ならば自覚して堕ちていく方がまだ納得できる。
過去の出来事から心に傷を負ったタスクと、挫折して人生のどん底にいた基彬。
一人では立ち直ることのできなかった二人が、
互いを知り、心を通わせることによって、人生を立て直していく。
かなり硬派な政治テーマが盛り込まれていて、
BL抜きでもガッツリ社会派な話が書ける作家さんだと思う。
だけど、そこにぶちこまれたモットーが沙野さんが沙野さんたる所以。
後書きで爆笑。
今回の裏テーマは出てきた瞬間、コレだな、と思ったけど、
そこにたどり着くために話を積み上げたとは思わなかったよ、沙野さん(笑)
個人的にはリバでもオッケー。
「藍より甘く」一穂ミチ (幻冬舎ルチル文庫)
貴方に恋人がいないから好きになるわけでも、
自分を好きになってくれそうだから好きになるわけでもない。
貴方が貴方であるが故に好きになった。
報われたいわけじゃない。
ただ、好きでいたい。傍にいたい。
けれども。
唐突であったかのような告白の裏に隠された事情と押し殺された想いが垣間見えるにつれ、
やるせなくなる。
遥の想いはどこまでも透明で一途。
そして揺らいで迷って戸惑いながらも、
遥の想いとまっすぐに向き合い続けていつしか生まれた暁行の想い。
友だちから恋人へ。
二人の気持ちの距離の詰め方がとても良かった。
個人的には真希ちゃんの恋も応援したかったんだけどね。
まぁ、こればっかりは仕方ない。
とはいえ、人づてに伝えられる彼女の結婚報告は
彼女の幸せ報告と言うよりも
暁行を擁護するかのようなとってつけた感がぬぐえなくて私的には不要。
「毒を喰らわば皿まで~その林檎は齧るな~」十河(アルファポリス)
前作が復讐劇なら、今作は冒険譚。
骨太な構成がとても楽しかったお借り本。
辞したにもかかわらずあちこちから頼られる元宰相アンドリムの頭脳の明晰さと腹黒さは健在。
彼の番である騎士団長ヨルガの腕っぷしの強さは更にバージョンアップしている気がする。
そして二人の結びつきの深さよ。
二人の間で紡がれる言葉に込められた想いに、何度も胸を突かれる。
アンドリムがヨルガに対する胸の内を吐露するシーンが最高潮。
毒の林檎を齧らざるを得ない状況に追い込まれたシラユキ。
そうまでしてアンドリムがその国を守ろうとした理由に、ああ、と。
壮大な愛の物語。
前作も今作も本当に楽しかった。
こういう個性と言うか独創性、大事にしてもらいたい。
web上で連載中の番外編があるんですねー。
書籍化が楽しみ♡←気が早い?(笑)