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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「上海血華」沙野風結子 (ラヴァーズ文庫GREED)



たとえば淋が自分の幸せだけを考えたのならば。
もっと楽に生きられたんだと思う。
けれども。
彼が重きを置いたのは殺された兄の復讐。
それを果たしたところで幸せになんてなれないことは、
先の未来が思い描けなかった時点で思い描けたであろうに。
自分を責め、兄の仇を憎み、意に反した行為を強要される中で生じた複雑な愛情。
兄を殺した英冥が自分の命を救った相手でもあったことが
二律背反を生じた一因。
故に殺すことと愛することが矛盾なく両立する……のかな。
いつか、愛の方が勝ればいいな、と思いつつの読了。


英冥サイドの心情がもう少し掘り下げられていたらもっとのめり込めた気がする。
設定は好みなだけに、ちょっと残念。
そして自分がそこまで誰かを憎んだことがないからか、
淋の想いに同調できなかったのも、残念。

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「上海散華」沙野風結子 (ラヴァーズ文庫GREED)



晶羽が今までの己の傲慢と偏見に基づいた態度に気づき、内省し、
悔いるシーンがとても印象的。
とはいえ、晶羽自身も抑圧された環境で育てられた被害者。
炎爪と出会わなければ、鬱屈した想いを抱えたまま、
心から笑うことはできなかったと思う。
そこから抜け出すための代償が凌辱やら異国の地・上海への連れ去りやらだけど、
結果的には炎爪に溺愛され、晶羽も炎爪への愛を自覚し、
人として大きく成長できたわけだから、読後の印象は甘々。
クリスがもう少し癖のある人かと思ったけど、普通に善い人だった。←何を期待してた?笑

小山田さんのイラストを眺めてはうっとり。やっぱり好きだわ~。
ややこしいけど読む順番は
『上海散華』→『上海血華』。
というわけで、リンク作いきます。


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「君がいなきゃ涙さえ出ない」沙野風結子 (二見シャレード文庫



自分にとって日常的で「当たり前」な家庭環境でも、
他者から見ればそれは「虐待」になる。
それにも気づけず、自己否定や低い自己評価に追い詰められ、
潰されていく子どもが実際にもいるのだと思うと、やるせない。
そんな自分の環境と向き合い、決着をつけることが出来た志摩。
志摩を支え、救いへと導いた十李もまた、過去に傷を抱えていた。
その傷の一因を担った志摩を探しだし、近づいた十李の執念には脱帽。
だけど、そのおかげで二人とも過去に捕らわれた自分から脱皮して、
新たな一歩を踏み出すことが出来たのだから、結果オーライよね。
二人一緒なら強く在れる。

小山田さんのイラストの美しさにうっとり。
イラスト集出してくれたら迷わず入手したい。

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「性悪暴君騎手と流され戦馬」成田のもと (on BLUEコミックス)



人間の記憶を持ちながら馬に転生し、
お気楽ハッピー馬ライフを送っていたアレクセイ。
傷を負った軍人・フェリクスと猛る熊に遭遇し、彼を助けてしまったことから、
一転してドラマティックな展開に。
馬のアレクセイのモノローグがとっても楽しかったので
馬描写がもっとあってもよかったけど、
人間アレクセイも可愛かった。
そんなアレクセイにベタ惚れな俺様フェリクスもなんだかんだ可愛い。
お預け調教すら甘い。(笑)
とても楽しく読めて人外(獣人?)BL入門編としておススメなので
こちらのアカでレビューアップ。
自由な発想が素晴らしい。

馬から人間に変化しての感想が「顔が平たい」って……(爆笑)
確かに平たい(笑)
読友さんたちの感想に惹かれて購入。
そうじゃなかったら手を出さなかったと思うので読メに感謝。

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「王室護衛官に欠かせない接待」水壬楓子 (キャラ文庫)



ファンタジーとして、お仕事小説として、ラブストーリーとして。
三拍子そろって楽しく読める作品でした。
加えて、二国間の駆け引き在り、王宮内での刺客あり。
これだけの内容をこの頁数にまとめられるのは、水壬さんの力量かと。
栄誉ある王室護衛官に任命されながらも自己評価の低いトリスタン。
そんなトリスタンの抱えた心の傷を癒したのは異国の伯爵、イーライ。
偶発的な出会いで始まったからこその二人の関係は読み応えあり。
そして王室護衛官の面々の結束力と仲間意識がとっても素敵。
トリスタンの努力が認められていたことが嬉しかったわ~。

スピンあったらいいな~、と思いながら後書き読んでびっくり。
この作品、シリーズ二冊目だったとは!
基本的にシリーズ作品は最初から順番に読みたい身としては、
やらかしたー!という気分だったけど、前作を知らなくても楽しく読めたので無問題。
とはいえ、一作目『王室護衛官を拝命しました』も近々入手しようと思います。


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「イエスタデイをかぞえて」綾ちはる (ショコラ文庫)



異世界転生は楽しく読めても、生き返りは納得できないのだと再認識したお借り本。
というわけで、事故死した主人公が人生のやり直しを計るために復活する前半の「イエスタデイをかぞえて」は物語世界にまったく入り込めずに戸惑っていたわけですが。
恋人の死と向き合い、その恋人との出会いと共に過ごした時間を丁寧に振り返る後半の「イエスタデイをひろって」は物語世界に入り込んで彼らと想いを共有できました。
最後まで読んでよかった。
特に後半、椿が三島に対してどんなふうに想いを寄せていったのかが追えたことがとても良かった。


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「異世界の沙汰は社畜次第3 魔法外交正常化計画」八月八



シリーズ最終巻。
前巻で相思相愛になったアレシュと総一郎。
蜜月展開になるかと思いきや、そうはならないところが二人らしいというかなんというか。
アレシュの溺愛ぶりは相変わらずなのに、諸々自己完結してしまったが故の痴話げんか。
一方の総一郎がアレシュに求めたのが報連相って……彼らしすぎて爆笑。
アレシュが先走った婚約の証はともかく、
二人ともが同じ方向を向いて色々模索していたのにね。
そして総一郎が示した驚くべき行動力。
オトコマエすぎて素敵。
メンタル鋼の二人の恋愛模様がとても楽しかったお借り本。
面白かった!

「八」と書いて「わかつ」と読む。
この作者に出会うまで知らなかったわ~。
取引先の所長のお名前漢字一字での「子」が読めなくて悶々としていたことを思い出しました。
正解は「しげる」さん。
ちなみに私の名前は100%正しく読み取ってもらえる漢字。
妹は100%首を傾げて読めない漢字。
姉妹でも両極端なのです。

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【異世界の沙汰は社畜次第2 教会運営支援計画】八月八



世界平和には八百万の神を!
と、推奨したくなるお借り本。
自分と異なる宗教を認めなくてもいいけど、否定はしない。
そうすれば諍いは減るのにね。
アレシュの溺愛っぷりは明白でも、何とも言い難かった誠一郎の想い。
ここにきて誠一郎側に可愛らしい恋の自覚。
そして、相思相愛になってみれば週一の情事に不平を漏らしたアレシュだけど、
それまでの待てのできるワンコぶりに惚れ惚れするわ。
そこに在る自分が打ち込める何かがある。
それって、自分の存在意義を認識するうえで大事なこと。
誠一郎も優愛も異世界での頑張りっぷりが素晴らしいと思うわ。

次巻で完結。
元いた世界へ戻る道を模索する彼らがどう決着をつけるのか。
とても楽しみ。
自分が異世界に飛ばされたとして。
そこにメガネはあるのかないのか。(コンタクトは期待しない)
そもそもの死活問題はそこだなーと思ってみました。
裸眼で日常生活って無理―!



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「異世界の沙汰は社畜次第 聖女召喚改善計画」八月八



【再読】
絶対残業しないよー!と意気込んだものの、残業になり。
1.5日分くらい働いた気分でもう今日は読書無理ー!と帰ってきたわけですが。
そんな時こそ社畜の話!(多分違う)と読み始めたら、
一気に読み切ってしまったお借り本。
やっぱこの話、好きだわー。
ワーカホリックの誠一郎との出会いはアシュレにとって未知との遭遇。
誠一郎の行動が斜め上すぎて目を剥きつつ、命の危機とばかりに世話を焼きつつ、
気づけば囲い込むように溺愛しているところがもう最高。
見た目はしなやかな猫科の肉食獣でありながら、中身が大型犬って超最高。
ラブの進展を期待しつつ次巻へ。

睡眠削っても読みたい本が手元にあるって素晴らしい。
誠一郎みたいに仕事しすぎて睡眠が足りなくなることはまずないけど、
本を読みたいから寝たくないっていうのはしょっちゅうです。(笑)
平日は4時間睡眠でも平気かなー。

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「微睡の月の皇子」かわい有美子 (リンクスロマンス)



とってもフリーダムな神さまたちのお話。
え?暇なの?馬鹿なの?という荒くれどもには思っていた以上の天誅が下り、
そもそもの発端は貴女ですよね?の神さまの思考は最後まで読めず。
天界から下界に追放された月夜見を保護し、犯し、だけど、かいがいしく尽くす蛇神の夜戸。
夜戸の行為を咎めながらも、夜戸に庇護され、終始穏やかであった月夜見が夜戸のためにふるった力はある意味最終兵器。
想いは通じ合っているんだなぁ、と、王道上等な展開。
日本神話の世界観と半陰陽設定とかわいさんの文体が見事にマッチングしていて、楽しく読了。

ガッツリJUNE世代な私にとって、半陰陽と言えば山藍さん。
角川文庫で決定版として出版された『アレキサンドライト』が
なかなか硬派なミステリーと隣り合わせで並んでいた時、思わず目を剥いた思い出。
妖しく狂おしく美しい、正統派(?)な耽美小説だと思います。
でも私は山藍さん作品の中では『冬の星座』が一番好き♡
あれ?これ、かわいさん作品の感想だった……(笑)

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