きままに読書★
読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
カテゴリー「BL小説」の記事一覧
- 2022.11.09 「マジシャン・マーダーズ」ジョシュ・ラニヨン (モノクローム・ロマンス文庫)
- 2022.11.02 「ウィンター・キル 」ジョシュ・ラニヨン(モノクローム・ロマンス文庫)
- 2022.10.30 「もう恋なんてする気はなかった」月村奎 (ディアプラス文庫)
- 2022.10.28 「謹製ヘルブック」尾上与一 (Holly NOVELS)
- 2022.10.23 「彩雲の城」尾上与一 (Holly NOVELS)
- 2022.10.11 「ルドヴィカの騎士 ~奇跡の泉・銀~ 」尾上与一(CROSS NOVELS)
- 2022.09.30 「ツァイガルニクの恋の沼」月村 奎 (SHYノベルス)
- 2022.09.24 「ドリアン・グレイの禁じられた遊び」菅野彰 (ディアプラス文庫)
- 2022.09.21 「ドリアン・グレイの激しすぎる憂鬱」菅野彰 (ディアプラス文庫)
- 2022.09.19 「サイモン・フェキシマルの秘密事件簿 」KJ・チャールズ(モノクローム・ロマンス文庫)
「謹製ヘルブック」尾上与一 (Holly NOVELS)
彗星ペアの番外編集。
戦時下での伊魚の藤十郎への想いが切ない。
終戦後の二人の姿を追うことができるのが嬉しい一方で、
伊魚の自己否定が拭えないのがやっぱり切ない。
だけど。
藤十郎が伊魚を好きだと伝え続けてくれていることが嬉しい。
自分が身を引けば相手が幸せになれると思うのは壮大な勘違いで。
それを伊魚に知らしめる藤十郎の嘘はありだと思う。
誰かの幸せの在り様を他人が勝手に決めつけてはいけないんだよ。
好き合ってる者同士。
自分が身を引いたって、相手は幸せになれない。
だから、二人でまっすぐに幸せと向き合ってもらいたいと、切に願う。
同人誌で所持していたため、後から出た商業は積みっぱなしだったけど、ようやく読了。
個人的には同人や特典SSが一冊にまとまるのは大変ありがたい。
これで尾上さんの既刊は登録コンプ。
特典の小冊子がまさかの三上と塁で。
ローレライも再読したくなってみました。
「彩雲の城」尾上与一 (Holly NOVELS)
【再読】
その先に可能性がほんの僅かでもあるならば。
生きることを諦めてはいけないのだと。
彼らはその身で語っている。
「生きるというのは、自分の思い通りにすることだ」
自分の自由意思で明日を決める事すらままならなかった戦時下での
藤十郎の言葉。
そこに暗に含まれた意味もふまえて、胸にストンと響いてくる。
赴任してきたころは生きることを諦めたかのようだった伊魚からの寄り道の提案が、
二人の未来を切り開いたことが、ただ嬉しい。
不遇な境遇も、二人が出会うための布石。
出会えたことは唯一無二の幸せ。
結末を知っているからこそ、
初読の時とは全く違った想いを抱きながらの読了。
「待ち合わせは靖国で」
胸が締め付けられるような彼らの約束。
近くを何度も何度も通りながらも一度も訪れた事がなかった靖国神社に、
この作品を共読しているお友達と行くことができたことに感謝。
「ツァイガルニクの恋の沼」月村 奎 (SHYノベルス)
お手本みたいな両片思い。
相手の想いを客観視できなくて思い込みで突き進むと、こうなるのね、という典型。
とはいえ、そう思い込むのにはそれぞれ理由があって、まぁ、致し方ないかと。
とはいえ、気づけよ!……みたいな。(笑)
うん。
航輝はちゃんとアプローチできてたと思うんだ。
お互いに足りなかったのは言葉、かな。
そんなこんなで焦れったくも微笑ましくももどかしい二人。
どうにもならずに立ち止まっていた二人に第三者が良い感じで絡んでくれて、
関係性が前進した上に、長年にわたって秘めていた想いまで露呈し、
嬉し恥ずかしなお借り本。
収入よりもやりがい。
お金に困っても楽しい仕事。
ここは同意できなかったかな。
理想かもしれないけど、現実を考えるとそうも言ってられない。
働けなくなった時のことも考えて、いろいろ備えて生活していかないといけないからね。
「ドリアン・グレイの禁じられた遊び」菅野彰 (ディアプラス文庫)
檻の中に自ら閉じこもった彼の、長い間囚われ続けた柵からの真の意味での開放。
そんな彼の本質をやさしく愛情深く見抜き、彼の惑いごと抱きしめた青年の懐の広さ。
そして、本当の自分を解放した男の情の深さと想いの苛烈さ、その積年の想いの行き所のなさ。
人々の想いがやるせなくて切なくてやさしくて。
なんかいろいろ刺さりまくって途中からずっとぐずぐずと半泣きになりながら読了。
うわーん。すごくよかった。
会話の妙に時々笑いながら、ペーパーまで読み終えて、
大吾、正祐、篠田、双葉、宙人の五人でひとつの環が出来上がった着地点がただ嬉しくて、やっぱり泣ける。→
菅野さんが「自分が書いてきた中で一際好きな一冊」とあとがきで書いてるけど、
私にとっても、ものすごく好きな一冊になりました。
この作品のスピン、文庫化になる来年まで待とうと思ったけど、
待つの無理!と思って掲載されてる雑誌をポチってしまった。
だって……気になりすぎて仕方ないんだもん。
「ドリアン・グレイの激しすぎる憂鬱」菅野彰 (ディアプラス文庫)
【再読】
対外的には自らの在り様を擬態し、出自や本名を封じ、
閉塞的な世界の中でひっそりと生きてきた白洲の殻をぶち壊すのは、
世代も考え方も言葉の選び方も全く違う宙人じゃないとダメだったのだろう。
だけど、一見傍若無人な宙人が、実は繊細な感受性を持っていたことが、
白洲にとっては実は大きく作用している。
ただの破壊神なら簡単に打ち捨てられていたはず。
宙人は白洲の世界を壊すだけではなく、
胸に抱えた淋しさに気づき、渇えて不足していたものをやさしく注ぎ込んでくれる存在。
気づいてしまったら、多分もう手放せない。
めんどくさくもいとおしい人たちの物語。沁みる……→
「木彫りの熊……あれはなんなんだ」
そのつぶやきにわかりみしかない世代です。
あちこちの家に当たり前のように置いてあった、鮭を咥えた木彫りの熊。
最近ではみかけなくなったなぁ。
さて。
復讐は完了して、あとは新刊の到着を待つのみ!
(まとめての配送にしているから発売日より遅くなるの。待ち遠しい……)
ワクワクなのです♪