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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「猫の遊ぶ庭―気まぐれ者達の楽園」かわい有美子 (幻冬舎ルチル文庫)



前作で初めて恋を知った杜司。
今作では無自覚に嫉妬を覚え、自覚したその想いに静かに懊悩する。
その嫉妬が外に向かう前に事件が起き、そこから噴出した怒りからの……
なんて言ったらいいのか……凛とした雰囲気が甘く崩れる感じがとても良い。
織田に対する想いを幼い言葉ながらもまっすぐに伝える可愛らしい一面も、
寮内でやりたい放題の三人組を黙らせる冷ややかな無双っぷりも好き。
織田の穏やかでやさしい懐の深さも好ましい。
今はまだ歯が立たない三人組に、いずれ一泡吹かせてほしいわ。(笑)
今回も山田さんのイラストがとても素敵。特に口絵。








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「猫の遊ぶ庭」かわい有美子 (幻冬舎ルチル文庫)



とても限られた世界の中で、
人ではなく研究の世界と向き合って生きてきたら、
こんなにも純粋培養みたいな人ができあがってしまうんだろうなぁ、と、
杜司をみているとつくづく思う。
自分でさえつかみあぐねた恋情の
たどたどしい伝え方が、とてもいとけない。
でも、彼の中には脆弱さはなくて、しなやかな柳のような強さがある。
自ら手を伸ばしたシーンがとても好き。
言葉の使い方がとてもかわいさんらしい。
一方、一目惚れ状態で杜司への想いを深めていった織田。
杜司に対する丁寧な接し方は好印象。
数年後、めっちゃハイスペックな男に成長していそう。

特筆すべきは表紙が山田さんだってこと!
素敵~。
大学寮ってあんな感じだよなーと、遊びに行った寮の雰囲気を懐かしく思い出してみました。
自分は寮に住んだことはないけど、
通った大学にはいくつか寮があって、その寮風も様々。
この前に読んだ五條さん作品でも大学のことを想起させられて、
敢えてこの本を選んだわけじゃないけど、
本が本を呼んだ不思議な感じ。(笑)

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「色悪作家と校正者の初戀」菅野彰 (ディアプラス文庫)



ネガティブイメージの嫉妬。
今回、この嫉妬の呑み下し方がとても良かった。
自分の知らない他者との交流が、相手の人生のプラスに作用している。
故に、嫉妬を相手にぶつけてしまえばその世界を狭めてしまうことを自覚し、
己の内面で留めようと努める大吾と正祐。
それでも消化しきれない想いは、二人の関係を知る篠田に吐き出して収める。
相手の世界を尊重するのも、嫉妬を飲み下すのも、
情人を信じているからこそ。
特に。
大吾の「お前を信頼している」の言葉が嬉しかった。
あとがきを読んで、この先品が今後どう展開していくのかとても気になってみた。


同じ本を読んでその本に対する思いを語り合う。
それが楽しいと言う彼らの心情がよくわかる。
「岳飛伝読み終わったから感想語りたい!」
と連絡をくれる友だちがいることが、ただ嬉しい。
「アルスラーン読み終わってめっちゃ言いたいことあるんだけど!」
と返せることも嬉しい。
読友さんたちと共読本が増えていくこともひたすら嬉しい。
特典のペーパーはラザニア。
好きなんだけど、作ったことないんだよね。
今度チャレンジしてみようかな。

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「デザートにはストロベリィ」 (モノクローム・ロマンス文庫)



シリーズ三作目。
このシリーズの共通項は、育ちも考え方も違う二人が
相手のことを想い、その考え方を汲み、歩み寄れる着地点を探るところ。
その過程が丁寧に描かれていて、切なさにも喜びにもとても共感できてしまう。
自分が動かなければ駄目だとジョナサンが決意するシーン。好きだなぁ。
彼が欲しているのは自分が手を伸ばさなければ手に入れられないもの。
気づけて良かったね。
途中でタイトルの意味を深読みして、めっちゃセクシーって思った。
当事者二人とジョナサン父との対話もとても良かった。
二人を理解しようとしてくれたジョナサン父素敵。
大満足の読後。


「家族がいつでもそこにいるとは限らない」
そうだよね。
どんな理由でかはそれぞれだろうけど、いつかは離れる時が来る
だから、一緒にいる間はできること怠けないようにしたいなぁ、と。
その時がきても後悔しないようにね。

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「恋人までのA to Z」 (モノクローム・ロマンス文庫)



【再読】
人と人の出会いが、彼らのその先の運命を変える。
ザックとアンジェロ。
出会ったことによって、アンジェロは苛まれてきた孤独感からの解放への一歩を踏み出し、
ザックもまた、単調で無味乾燥な日々との決別を迎える。
だけど、二人だけではその関係を築くことはできなかっただろう。
マットとジャレド。
彼等と出会うことによって、二人は互いを人生の伴侶として認め合うことになる。
付け加えれば、ザックの寛容さというか、懐の広さがあってこその関係。
呑み込み続けた言葉を口にすることができたアンジェロ。
もっと年を重ねた彼の姿が見てみたい。


それにしても……続刊が出るまでに6年とちょっと。
何年かかっても続きが読めるのは嬉しいのです。
M/M作品好き好き♡
もっともっとたくさん翻訳されるといいなー。
BGMは「朝まで生テレビ」。
田原さんの年齢を検索して感心してしまった。
幾つになってもバリっと元気でいられるといいね。

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「ロング・ゲイン ~君へと続く道~」 (モノクローム・ロマンス文庫)



【再読】
読み進めるほどにじわじわと胸が熱くなる。
自分がストレートであると言い聞かせて生きてきたマットがジャレドに惹かれ、
その想いを認め、そして告げるまでの葛藤。
ゲイであることをオープンにしつつも、マットに惹かれる思いと周囲の偏見に苦悩し、
マットと共に一歩を踏み出すことに躊躇するジャレド。
彼等を見守る、或いは理解しようとしない家族との在り方。
周囲の人たちとの折り合いのつけ方。
丁寧にその先を探っていくセックス。快楽を分かち合うリバ。
コロラドの大自然の描写。
何もかもが良かった。
大満足の読後。

新刊を読む前に既刊再読。
ジャレドの母の言葉が心強い。
「他人の考えていることは変えられない。できるのは自分の人生をどう生きるか。
自分で決断することだけよ。他人のことなんか放っておきなさい」

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「最凶の恋人 -組長の女神様-」水壬楓子 (B-BOY SLASH NOVELS)



狩屋視点で描かれる、過去物語。
面白かったんだけど。
どうしても文句を言わないと気が済まない表紙は健在。
遥に服を着せてください。
脱がせる意味が本当にわからない。
私が唯一イラストに文句を言いつづけてるシリーズだわ。
それでも買って読んでしまう不思議。(笑)
遥が自分の手の届くところから飛び立ってしまうことを、一度は享受した柾鷹。
だからこそ培われた今の関係、という件に納得。
アメリカに旅立つ遥の知らないところで、あんな事件があったとは。
窮地に立っても動じずの柾鷹父。かっこよかった。
水壬さんの叔父様萌え、絶賛応援します!

前作の自分のレビューの書き出しが
「表紙がトンチキじゃないことにほっと胸をなでおろしたシリーズ15冊目」ってなってて。
ちょっとまた半裸に戻ってるじゃん!と、脱力してしまったww
ホントやだー。←作中の遥のイメージじゃないの。全然違うの。
と、遥のために文句言ってるけど、私の推しは狩屋だったりします♡

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「竜頭町三丁目帯刀家の暮らしの手帖 毎日晴天!番外編2」菅野彰 (キャラ文庫)



声を出して笑ったり、思わずホロリとしたり。
最初から最後までとてもとても楽しかった。
シリーズも25周年。
ずっと読み続けた彼らはとても身近な存在で、
そこで賑やかに生活をしてくれていることがただ嬉しいし、
作中で経た年数分成長した彼らの在り様が、やっぱり嬉しい。
そして、真弓が思うように、今は一つ屋根の下で暮らしている彼等も、
いずれはバラバラに生活の拠点を築くようになる。
そのことが、少し寂しい。
菅野さんの中では終わりが見えてるのかな。
私も最後までついていきます!

家族に向ける家の中での顔と、
仕事や友人に向ける外での顔。
同じ自分でありながら、やっぱり違いってあるよね。
社会人としての悩みに直面した勇太に対する、
社会人先輩としての大河のアドバイス。
この件、ととても印象的だった。
合間に刺し挟まれた菅野さんのコラム、載せてくれてありがとう!
そして……コミックスのどこに大河の本気のトトロが描かれているのか。
瞬時に思い出せないので、そのうち読み返しながら探します。

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「オッサンの異世界は、何故かハードモード。 」画狼(Ruby collection)



私にしては珍しいタイトル買い。
そして、どんな理由でも直感的に買った本は基本的に外さない。
…というわけで、とても楽しく読了。
オッサンの楽観的思考、素晴らしい。
悲観的な状況に投げやりになっているわけではなく、
経験値と本来の性格からくる前向きな人生観。
彼の存在は周囲の者たちに光をもたらす。
そりゃあ、どん底から救い上げてもらった人たちは執着するし、
光を失ったら世界も終わる。
再び巡り合えてよかったね。
個人的には。
背筋のピンと張った心の鞭、フランシア女史がとても好き。
出自に囚われず、己の生まれ持った才覚と重ねてきた努力が認められての現在の地位。
カッコいい。



一冊で一気に読み切っちゃうのはなんだかもったいないから
二冊に分けてもらえるとお楽しみが分割されるようで嬉しい……かな。
先が気になると読み急いじゃうんだよね。
二度読みすればいいんだろうけど、同じ本を繰り返し読む時間がない。
まー、でも手元に置いておけば、いつかの再読のお楽しみになるわね。

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「獣はかくしてまぐわう」沙野風結子 (ディアプラス文庫)



その対処の仕方に甘いな、と、思えるところもあるんだけど。
それが鹿倉が鹿倉たる所以。
その甘さに救われる者がいて、甘さを抱えているからこそ彼自身が強く在れる。
そもそも、刑事である彼が貫いてきた正義がブレたら進めなくなってしまう。
一方で、裏社会でその力を蓄えてきたゼロは刃を振るうことを厭わない。
鹿倉がゼロに殺人を犯させたくなかったという気持ちはわかるなぁ。
前作から追っていた東野が姿を現したけど、
そのヒトデナシっぷりは予想以上だった。ヤだわ~。
彼に心酔する手負いの獣・煉条がどう動くのか興味がある。
次巻で決着、かな?

特典のイラストカードが素晴らしすぎて眼福♡
本文イラストはどれを見てもうっとり。
沙野さんと小山田さん、本当に相性いいなー。
次作はまずは雑誌掲載。
うーん。文庫化待つ?買う?とチラリと悩んで詳細見に行ったら……
そうだった。菅野さんのシリーズ最終回前編掲載なんだわ。
買わねば!





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