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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「フェア・チャンス」ジョシュ・ラニヨン (モノクローム・ロマンス文庫)



シリーズ完結巻。
エリオットに執拗にまとわりつき、悩ませていた事件の解決。
タッカーとエリオットとが直面した親との間の問題の解消or歩み寄り。
そして多くのぶつかり合いや困難を経てより深く結びついたタッカーとエリオット。
自分の意見をしっかり持ちつつも、相手を尊重しあう二人の在り様がとても素敵。
命の危機に陥りながらも「大丈夫になるから」と言い切ったタッカーが頼もしかった。
そして大活躍して同居人となったボーダーコリーがとても可愛い。
彼らと一緒にドキドキはらはらしつつ、たどり着いたのはとてもきれいな幕引き。
まさに「ゲーム・オーバー」。

別シリーズの誰かさんの名前が出てきて、ひとりニヤニヤ。
作家読みのお楽しみですね。
モノクローム・ロマンス文庫のレーベル買いの始まりはまさにこのシリーズから。
無理なく買える発刊ペースで今のところ外れなしでどれも楽しく読めているのが素晴らしい。
積んでいる本は今年中に読了を目指します。

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「蒼空の絆」かわい有美子 (リンクスロマンス)



たとえ、自分の命が潰えたとしても。
君には生きていてもらいたい。
自分がそう思うのなら。
相手だって同じことを思っている。
だから、どちらかを置いていくという選択肢はあり得ない。
共に歩むきことができる選択肢があるのなら、迷わずその道を選ぶといい。
そもそもが、幼少期からの深い絆を持つ二人。
エーリヒに忠誠を誓ったアルフレートの献身と、ストイックさの陰に潜んでいた激情が良い。
そして荷家さんの『ザイオンの小枝』がとてもとても好きな私としては、
稲荷家さん!軍服!キターーー!という感じで、ものっすごくテンションあがった。

楽しめるのはフィクションだから。
先日トップガンを観てきた時も思ったけど、
リアルでは戦闘機乗りという職業はなくなればいい。
そもそも戦争自体がなくなればいいというのが大前提だけど。
どうしても戦闘機を動かすなら、AIで。
空で命が奪われることがありませんように。

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「傭兵の男が女神と呼ばれる世界 (2) 」野原耳子



【再読】
読んだ本の内容を完璧に覚えていられた方がいいのか、
薄らぼんやりしていた方が再読したときのお楽しみが増すのか。
出来れば完璧に覚えていたいけど無理。
というわけで、新刊を読む前の予習復習的な準備万端。
自分を必要としてくれる誰かがいる。
自分の命を預けることのできる誰かがそこにいる。
孤独と絶望の中にいた雄一郎とノアとテメレアの三人のバランスが心地よい。
他国からの干渉をはねのけ、
自らの国を守るために、前線で戦いに臨むことを選んだ彼ら。
現実世界の出来事を鑑みて思わず唸ってしまう。
彼らの幸いを願って、最終巻へ。

読む気は満々なんだけど、オーダーした本が届くのが来週。
他の本とまとめての発送にしちゃってるからだけど、今すぐ読みたい、
と、気持ちが逸る。

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「林檎甘いか酸っぱいか[青]」一穂ミチ (ディアプラス文庫)



潔いほどまっすぐに放たれる言葉。
迷いなく飛び込むことのできる行動力。
それは、まだ未成熟な子ども故の無鉄砲さではなく、
志緒という一人の人間の在り様であるからこそ、
惹かれ、魅了される。
一方、大人であり、教師という柵から逃れられない桂は、
何でもないような顔をしながら、やるせない思いにのたうちまわる。
ひどくバランスの悪いふたりが、
だけれども、これ以上ない絆と結びつきを深めていく様子が
丁寧に描かれていて、
その心の機微に触れては嬉しくなったり切なくなったりの追体験。
幸せな読書時間。
そして志緒の父、かっこよかった。

中高大と一貫した女子校に務める母親から、
職場に忘れ物を持ってくるように仰せつかった高校生男子。
母の指令は絶対。
だけど、女の園に一人で足を踏み入れるのは絶対無理。
ということで、引きずって行ったのは双子の弟。
二人で校内を恐る恐る歩いた結果は……悪目立ち。(笑)
本当にそっくりな双子だったんだよね。

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「meet, again.」一穂ミチ (ディアプラス文庫)



【再読】
言葉は時に鋭い刃となる。
その言葉をぶつけられた相手と、そして放った当人の心をズタズタにする。
そんな傷を抱え続けた嵐。
そして、言葉を巧みに操って他者を傷つける栫。
何が彼をそこまで歪なものにしたのか?
彼の置かれた環境、としか答えられない。
栫の言葉に抉られ、そして救われた嵐は、
歪みを抱えた栫に惹かれ、疲弊していく。
母親同様、過去に捕らわれ続けた栫。
嵐の言葉に応えた栫の眠りからの目覚めはある種の禊。
栫を世界に呼び戻してくれた嵐の心からの笑顔を、今度は栫が取り戻してあげて。
その日は必ず訪れる。

というわけで、登録2000冊目。
節目の数にふさわしい本を選ぶ、というよりも、今一番読みたい本を読んだ結果、
この本の再読ということになりました。
まー、読書の仕方として間違ってない(笑)
これでようやく『林檎甘いか酸っぱいか』にすすめる。
七年近くも積んでしまったことが信じられない。

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「雪よ林檎の香のごとく」一穂ミチ (ディアプラス文庫)



【再読】
一穂さんらしい綺麗で独特な言葉で構築される、透明な世界。
再読でも読後に尾を引く余韻が半端ない。
心地よいため息。
どこから生まれてくるのかわからないけれども。
気づいたら抱えている「好き」の気持ち。
それを意図的に殺してしまうことはできない。
だから抱え続ける。
そんな志緒の想いが解いた、桂の孤独な決意。
誰かと共に生きていけること。
その幸せをかみしめる。
栫に立ち向かったりかちゃんはかっこいいし、
栫に馬鹿っぽい啖呵を切った桂に笑う。
散々に傷ついた後に手にした光。
幸せになる権利は誰にだってある。
そのことを忘れないで。

続編を読むために再読。
積みっぱなしの同人誌が段箱にひと箱じゃすまない現実に戦慄する身としては、
一冊の本にまとめてくれたのは大変ありがたい。
いや。
同人も商業も読めてない現実は一緒?
買って満足する…という現状をどうにかしないと、積読は減らないよね。
頑張ろう、私(笑)

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「メロウレイン~ふったらどしゃぶり~」一穂ミチ(新書館)



本編その後の短編やSSがぎっしり詰まった一冊。
やさしくてうれしくて、時々ツキンと胸が痛くて。
一顕と整がお互いがお互いを好きだと
改めてしみじみと想う瞬間がとても愛おしくなる。
刻まれた時間の分だけ共有できる思い出が増え、関係を深め、
過去の自分と新たな目線で向き合って、
周囲の人たちとも新たな関係を築いていく。
日常の延長がそこに在って、
しっかりと人生を歩いている彼らの姿に安堵する。
そして叶うならば。
和章のその後もこうやってぎっしり詰まった一冊にしてもらえると嬉しいなぁ。
整が和章の気配をちゃんと感じ取ってくれたことが嬉しかった。


せっかく新刊で買ってるのに、3年半放置したのかーと。
なんだか反省。
そして、もう3年半も経ったのかーと、あまりにも時間の経過が早すぎてびっくり。
時間泥棒がいますよー。←いません。(笑)
同人やペーパーを持っていても、いちいち一冊ずつ引っ張り出すのがめんどくさいので、
一冊にまとめてもらえるととても嬉しい。

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「ふったらどしゃぶり~When it rains, it pours~完全版」一穂ミチ(ディアプラス文庫)



セックスの悩みを赤裸々に他人に打ち明けることは難しい。
その悩みが、一顕や整の抱えたような深刻なものであればあるほど、口は重くなる。
内に抱えたものに煩悶としながらずぶずぶと深い沼に沈みこんでいきかけた状況から
彼らを引き上げたのは、見ず知らずの他人とのメールでのやりとり。
思いを吐き出す場所がある。耳を傾けてくれる人がいる。
なにより。
同じものを見て、同じことを相手に伝えたいと思った共感性。
崩れそうな想いを支えるかのように腕を伸ばした結果、現状をぶち壊すことにはなったけれども。
前に進むために必要だった禊。
幸せになってほしい。

旧版の方では私がやらかした一顕と同じような間違いメールの話をしたので、
ここでは間違い電話の話を。
今ほど警戒心でガチガチではなかった時代。
気軽く出てしまった見知らぬ携番からの電話は間違い電話。
一度切ったんだけどね。
少したってその男性から折り返しかかってきて。
「周囲に相談できる人がいなくて、ちょっと聞いてもらいたいんですけど…」
と、何故か彼女に対する悩み相談。
気軽く拒否るのがためらわれる声音だったのもあるけど、よく付き合った、私(笑)

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「ぼくのスター」一穂ミチ (幻冬舎ルチル文庫)



つるむ仲間のグループ化が確立される高校生活。
その枠からすら外れ、自分の殻にこもって学校からも遠ざかりがちだった侑志。
そんな彼の世界に突如飛び込んできた航輝。
その介入の仕方がインパクトありすぎて圧倒される。
あのエネルギーはすごいわ。
全く嚙み合わないながらも二人の会話が成立するのは、
互いが互いを尊重しているから。
二人に限らず、羽山も久住も、
根本的なところで他人を否定しない彼らの在り様がやさしくて心地よい。
そしてキーマンとなる10代のアイドル、ほたるんの在り様がかっこいい。
新しい一歩を踏み出した彼らに幸あれ。

線香花火の件がとても好き。
そしてホテルで「完ぺきじゃん」と(多分)どや顔する航輝に笑う。
大学生になった彼らが、これからどんな人生を歩んでいくのか。
どこかでふと出会えたらうれしいなぁ、と思える二人だった。

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「アロー」一穂ミチ (幻冬舎ルチル文庫)



気持ちの温度で例えると、低めに進行する物語。
だけど、その熱くない感が心地良い。
関わる人たちの気持ちがあたたかくて、
だけどベタついていない距離感がやはり心地良い。
そしてサラリと放り込まれるいくつもの印象的な出来事。
金子、いい人だよー。
金子がいてこそつながった草と麦。
つながったからこそ、柵から解放された二人。
一人では変わることのできなかった二人の心情の変化の丁寧な描写から、
フラットだった感情の起伏が伺えて、互いに芽生えた想いに安堵する。
表紙とタイトルを改めて眺め、統一された世界観に浸れる読後。
作中の人たちの会話がとても楽しくて好き。

「底までついたらあとは浮上するだけ」って激しく共感。
中途半端なところで踏ん張ってるから苦しい。
だったらいっそ底まで落ちてしまおう。
上に行く以外、行き場がないのだから。
そう思えるようになった瞬間、楽になったかつての私。
ああ、だけど果てしなく穴を掘る夢を見てうなされたこともあったわ~。(爆笑)

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