きままに読書★
読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
カテゴリー「BL小説」の記事一覧
- 2022.09.30 「ツァイガルニクの恋の沼」月村 奎 (SHYノベルス)
- 2022.09.24 「ドリアン・グレイの禁じられた遊び」菅野彰 (ディアプラス文庫)
- 2022.09.21 「ドリアン・グレイの激しすぎる憂鬱」菅野彰 (ディアプラス文庫)
- 2022.09.19 「サイモン・フェキシマルの秘密事件簿 」KJ・チャールズ(モノクローム・ロマンス文庫)
- 2022.09.15 「アヴァロンの東 ~奇跡の泉・金~」尾上与一 (CROSS NOVELS)
- 2022.09.06 「隷属の定理」沙野風結子 (ディアプラス文庫)
- 2022.09.02 「毒を喰らわば皿まで ~箱詰めの人魚~」十河
- 2022.08.31 「毒を喰らわば皿まで: その林檎は齧るな 」十河
- 2022.08.29 「毒を喰らわば皿まで」十河
- 2022.08.15 「ロイヤル・フェイバリット」ライラ・ペース (モノクローム・ロマンス文庫)
「ツァイガルニクの恋の沼」月村 奎 (SHYノベルス)
お手本みたいな両片思い。
相手の想いを客観視できなくて思い込みで突き進むと、こうなるのね、という典型。
とはいえ、そう思い込むのにはそれぞれ理由があって、まぁ、致し方ないかと。
とはいえ、気づけよ!……みたいな。(笑)
うん。
航輝はちゃんとアプローチできてたと思うんだ。
お互いに足りなかったのは言葉、かな。
そんなこんなで焦れったくも微笑ましくももどかしい二人。
どうにもならずに立ち止まっていた二人に第三者が良い感じで絡んでくれて、
関係性が前進した上に、長年にわたって秘めていた想いまで露呈し、
嬉し恥ずかしなお借り本。
収入よりもやりがい。
お金に困っても楽しい仕事。
ここは同意できなかったかな。
理想かもしれないけど、現実を考えるとそうも言ってられない。
働けなくなった時のことも考えて、いろいろ備えて生活していかないといけないからね。
PR
「ドリアン・グレイの禁じられた遊び」菅野彰 (ディアプラス文庫)
檻の中に自ら閉じこもった彼の、長い間囚われ続けた柵からの真の意味での開放。
そんな彼の本質をやさしく愛情深く見抜き、彼の惑いごと抱きしめた青年の懐の広さ。
そして、本当の自分を解放した男の情の深さと想いの苛烈さ、その積年の想いの行き所のなさ。
人々の想いがやるせなくて切なくてやさしくて。
なんかいろいろ刺さりまくって途中からずっとぐずぐずと半泣きになりながら読了。
うわーん。すごくよかった。
会話の妙に時々笑いながら、ペーパーまで読み終えて、
大吾、正祐、篠田、双葉、宙人の五人でひとつの環が出来上がった着地点がただ嬉しくて、やっぱり泣ける。→
菅野さんが「自分が書いてきた中で一際好きな一冊」とあとがきで書いてるけど、
私にとっても、ものすごく好きな一冊になりました。
この作品のスピン、文庫化になる来年まで待とうと思ったけど、
待つの無理!と思って掲載されてる雑誌をポチってしまった。
だって……気になりすぎて仕方ないんだもん。
「ドリアン・グレイの激しすぎる憂鬱」菅野彰 (ディアプラス文庫)
【再読】
対外的には自らの在り様を擬態し、出自や本名を封じ、
閉塞的な世界の中でひっそりと生きてきた白洲の殻をぶち壊すのは、
世代も考え方も言葉の選び方も全く違う宙人じゃないとダメだったのだろう。
だけど、一見傍若無人な宙人が、実は繊細な感受性を持っていたことが、
白洲にとっては実は大きく作用している。
ただの破壊神なら簡単に打ち捨てられていたはず。
宙人は白洲の世界を壊すだけではなく、
胸に抱えた淋しさに気づき、渇えて不足していたものをやさしく注ぎ込んでくれる存在。
気づいてしまったら、多分もう手放せない。
めんどくさくもいとおしい人たちの物語。沁みる……→
「木彫りの熊……あれはなんなんだ」
そのつぶやきにわかりみしかない世代です。
あちこちの家に当たり前のように置いてあった、鮭を咥えた木彫りの熊。
最近ではみかけなくなったなぁ。
さて。
復讐は完了して、あとは新刊の到着を待つのみ!
(まとめての配送にしているから発売日より遅くなるの。待ち遠しい……)
ワクワクなのです♪
「隷属の定理」沙野風結子 (ディアプラス文庫)
主役の二人以上の存在感を放った式見槐、マジ天使!
狂気を宿した乃木と対峙して圧倒的に打ち負かしたその姿に惚れ惚れする。
暴力じゃなくても、人を屈服させることってできるのよね。
そしてうっかり本業を忘れてしまうくらい、式見のボディーガードが板についた貞野。
チラチラと垣間見せる嫉妬心がまた良き。
前作のタイトルへと見事につながった本作は、
一人では生きることがままならなかった二人が、
強烈な破壊を経て見事な再生を果たす物語。
乃木がいい意味で想像を裏切ってくれたかな。
オラオラかと思ったけど、メンタルは一番繊細だった。
特典ペーパー。
タイトルから私が想像したのとはちょっと違って、
とても穏やかな空気感が醸し出された作品だった。
だって、4人っていうから……ごめんなさい。(笑)
「毒を喰らわば皿まで ~箱詰めの人魚~」十河
興に乗って第三弾。
国が増えても登場人物が増えても。
骨組みがしっかりしているから、最初から最後まで緻密に構築された
作品世界にどっぷりハマって楽しめる。
いつもの面々の相変わらずな様子ドキドキムフムフ(?)しつつ、
エゴ丸出しの醜悪な我欲に立ち向かった幼子の勇気を褒め称えたい。
これまで他者に選択を強いてきたアンドリムが、逆に選択を迫られるシーンが印象的。
その選択を促すのがヨルガだというところが運命的。
二人の約束の言葉が胸に刺さる。
彼らの物語をもっともっと追いかけたい。
というわけで、続編是非!
それぞれの国があって、それぞれの王がいて、それぞれの文化があって。
ん?
……はい。十二国記を想起。
結局、表立っては表れてこない細部まで作りこまれた世界観の上に成り立ってる話が
おもしろくないわけがないのだ!と、改めて納得。
「毒を喰らわば皿まで: その林檎は齧るな 」十河
【再読】
抱えたもののすべてを手にすることができないとしたら、何を選ぶ?
或いは。
唯一を守るために切り捨てなければならないものがあるとしたら、どんな選択をする?
突きつけられるのは、そんな問いかけ。
それぞれの選択が潔くもあり、痛々しくもあり、やるせなくもある。
常にぴったりと寄り添い合っている姿が常態化したアンドリムとヨルガ。
互いの溺愛っぷりが際立つけれども。
甘さの裏にとぐろを巻くアンドリムのしたたかさと容赦のなさは健在。
そして。
彼の懺悔がやるせない。
しんみりした後の驚愕で読後のインパクト半端ない。
「ヒルガオ」という言葉で上戸彩の姿が浮かぶのは完全にドラマの影響。
私、そのドラマ観てないのに!
なんか影響力すごいな~。
さて。
いよいよ未読の最新刊へ。楽しみ~♪
「毒を喰らわば皿まで」十河
【再読】
借りて読んでいたんだけど、結局自分で買ってしまったお気に入り♡
このまま手を打たずに事態が進んでいったら身の破滅。
ならば、回避する手段を模索するのは必須。
奸計であり、痛快。
悪の宰相・アンドリムが、気づけば、国の中枢にいる面々から頼られ、慕われ、溺愛され、
ていく様はなんとも愉快。
けれども当の本人の根源はやはり白ではなくダーク。
歪められた真実を囁かれた孤高の騎士・ヨルガがアンドリムに籠絡されるも、
結果的には自らの意志で彼を選ぶ様もぞくぞくする。
そしてまさかの顛末を経ての壮大なエンディング。
大満足な読み応え。
再読ながらとってもとっても楽しかった。
残り既読一冊、未読一冊。
お楽しみがまだ待ち構えている幸せ(笑)
「ロイヤル・フェイバリット」ライラ・ペース (モノクローム・ロマンス文庫)
英国皇太子とニュース記者との恋。
じっくり読ませる作品だった。
その恋を公表することで職までも失い、
自由気ままに暮らしてきたこれまでとは
激変した生活を送ることになったベンの苦悩。
セクシャリティの件は公表したものの、
生まれついての王族であることの柵に直面して苦悩するジェイムス。
当人同士にかかわる問題だけではなく、
周囲の人々や国の将来等すべてを俯瞰しながら
二人の最良の在り方を模索する姿に、全力で応援したくなる。
生じた種々の問題を乗り越えての円満な着地に幸せな読後。
三組のカップルに祝福を。
イギリス王室と教会の関係が興味深かった。
常に他人の目を気にしながらの生活は……大変そうで想像もしたくないなぁ。
行きたいときに行きたいところに行って、欲しい時に欲しいものが買えることって
とても幸せなことなんだなぁ、としみじみ思う。