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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「朝から朝まで」一穂ミチ (幻冬舎ルチル文庫)



今そこに在る人には、生きてきた年数だけの過去があって。
その過去がその為人を形成し、
それぞれが大なり小なり何かを抱えている。
過去の小さな接点がそれぞれにプラスの効果を催し、
更に現在の接点が恋に発展していく。
ちょっとそれどうなの!?ともどかしいところはあれども、
真っ正直に気持ちを貫いた二人が清々しかった。
自分の知らないところで相手に良い効果を与えている関係って素敵。
仕事と向き合う彼らの姿勢も仕事の内容そのものも興味深かったので、
京平が今後、どんな仕事をしていくのか気になるところ。
彼らのクーデター計画の実現を祈る。


どこで初エッチをするかの会話に爆笑。
「おそろしいこと」確かにその通りだわ。
田島アナのように陰で努力して表では涼しい顔をしている女子、私は好き。
纏った服は戦闘服なのです。

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「異世界で調子に乗ったら捕まった 下」嘉野六鴉 (Ruby collection)




語られたハルマの過去に息を吞む。
それでも強く前向きに生きてきたこの子は、
幸せになるために異世界にきたのだと思うの。
一冊に含まれた情報量の多さと、時間の長大さには相当なものがあるけど、
詰め込んだ感も駆け足になった感もないところがうまいなぁ、と。
そして、着地したタイトルに含まれた意味に感じ入る。
アーロンのスペックはホント高かった。
楽しく読了のお借り本。
子ども部屋でごろごろする7匹の子竜。
これ、視覚的に見たい。とても見たい!
そして骸霊を借りながら、行く先々でトラブルに見舞われながら
楽しそうに旅をしている二人がもっと見たかった。


個人的に生き返りはアウトなんだけど、
今回のはアウトと思わせたあとの一発逆転セーフ。
うん。それならありだわ。
慧眼だったアーロン父ブランをちょっと見直した。

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「異世界で調子に乗ったら捕まった 上」嘉野六鴉 (Ruby collection)



転生した異世界で幸運にも精霊魔法を扱うことに長け、
一級の討伐者ランクで異世界ライフを心底満喫している晴真。
この子のメンタル最高。
どんな状況でも日常を楽しめるって強みだわ。
一方、齢千年を超え、退屈に倦んでいるアーロンは、めんどくさがりながらも晴真の任を受け、
結果的にはその晴真に感化され、冒険の旅へ。
倦んだ日々がワクワクしたものに変わっていく様が生き生きと楽しそうに描かれている。
とある事情から番となった二人にふりかかったまさかの事態。
このあとどうなる!?
交互につづられる一人称の口語体がとても愉快。
あっちこっちで笑わせてもらったお借り本。


晴真が「パンダネコ」呼ばわりしているおかげで、
「パルンダニャーク」が「パンダルニャーク」としか読めなくなっている弊害が。
でも、どこにも影響ないよね(笑)

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「パブリックスクール -ツバメと監督生たち-」樋口美沙緒 (キャラ文庫)



スタンの進路。将来。音楽への道。
そして、トラウマからの脱却。
周囲が動いた全ての動機はスタンのためであって、
じゃあ、桂人の想いはどうなるの?と真顔になった。
身を引く覚悟を決め、それでもスタンを支える決意をし、
気持ちを損なうことなくスタンを思い続けた桂人。
そんな最中に他寮の問題まで解決した桂人の器の広さにはひたすら敬意を。
桂人のメンタルが強くなったのは、スタンの、そしてウェリントン寮の仲間のお陰。
今度はスタンの番だよ、と思ったお借り本。
本当の意味で開放することができた弱さ。
ここから、強く在れる。ふたりでなら。


それでも私はメンべラーズは絶対に推さない。
桂人が選んだのがスタンだから。
そして、気持ちが傷つくことがわかっていながら、
裏側から他人を動かして問題を解決しようとする輩には良い印象はないから。
ごめんね、じゃないわよ。

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「さみしさのレシピ」一穂ミチ (ディアプラス文庫)



「孤独やさみしさじゃ誰も死ねない」
確かに、物理的には死ねない。
だけど、心が立ち上がれなくなることはあると思う。
抱えたさみしさを一人で埋めることはただでさえ難しいのに。
誰かのぬくもりを知ってしまった後のさみしさは、余計にやるせない。
様々なさみしさを抱えた人たちの物語。
生きていくためにそれぞれが抱えてきた価値観を受け止めたうえで構築していく人間関係が、
癒えない傷の痛みを包み込むやさしさが垣間見えてあたたかい。
「一緒にご飯が食べたい」
さみしかった一人と一人が
そう思える相手とずっと一緒にいられることの幸せをかみしめる。


久しぶりの一穂さんはゆるっと心にしみる良い作品だった。
相手のために本気で怒れる慈雨と実華子はとても素敵な戦友。
だけど、根本的な寂しさを埋めることはできなかったのかもしれない。
咲彦と慈雨のテンポの良い会話が小気味よくて好き。
本人たちが納得してるなら、こういう関係もありだと思う。

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「異世界の沙汰は社畜次第2 教会運営支援計画 」八月八( KADOKAWA )



周囲を憚らないアレシュの誠一郎に対する溺愛ぶりがとても楽しい第二巻。
そんなアレシュの想いになかなか動じなかった誠一郎だけど、
キューピットの矢が誠一郎の胸にトスン、と刺さった瞬間に万歳三唱したくなったわ。
アレシュのやきもちは可愛いし、弱った自分を見せようとしない頑張りも微笑ましい。
何よりまっすぐな好意が眩しいね。
そして、アレシュも誠一郎も周囲から愛されてるなぁ、ということが
伝わってくるのも嬉しい。
二人の恋の成就を祝うお菓子をご近所に何と言って配ったのか。
私も気になるお借り本。
三巻目が出てくれたらとても嬉しい。

今回の誠一郎の任務は教会内の不正を明らかにすること。
すったもんだの末の誠一郎と優愛の日本人的な宗教観はなじみがありすぎてほっとする。
八百万の神万歳☆

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「異世界の沙汰は社畜次第 聖女召喚改善計画 」八月八



巻き添えで召喚された異世界で誠一郎が望んだもの。
それは「仕事」。
猛烈に仕事に取り組む誠一郎の姿勢は
現代日本の社会の中では特異なものじゃないけど、
異世界であることで際立ってしまっている。
改善点を納得させるステップは現代社会と同じなのよねー、と言う説得力。
一方、その世界で退屈に倦んでいたアレシュは、
行きがかり上、誠一郎の面倒を見ることに。
予測不可・制御不可な誠一郎に振り回されているうちに彼の中に芽生えた想い。
この振り回されっぷりが相当面白かった。
全くデレない誠一郎に対してアレシュが理詰めで持ち込んだ同居生活の行く末が気になるお借り本。


仕事をするということは、今までと変わらない日常を送ること。
それが誠一郎にとって精神バラスを保ち、
見知らぬ世界に馴染むための最短ルートであったことがよくわかる。
結果的には彼自身の命を救うことにもなったしね。
命を救われた後の「はああああぁ!?」の場面で夜中に爆笑。
ものすごく楽しく読了。

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「パブリックスクール -ツバメと殉教者-」樋口美沙緒 (徳間書店)



愛の迷子になった子たちが、
傷ついて傷つけて、それでも必死に頑張って
誰かの為に尽くした結果、真実の愛にたどり着いた物語。
自分の為じゃないところが本当に健気で刺さる。
再読でも胸に響くお借り本。
理不尽な暴力に傷つけられながらも、献身を知っている子たちが尊い。
と同時に、もっと自分のために生きていいんだよ?という気持ちにもなる。
一匹狼だと思っていたスタンの属性がヘタレワンコだったことが、
じれったいながらも微笑ましい。
オカン属性のケイトに思いっきりワシャワシャしてもらうといいと思う。
そしてケイトを存分に愛してあげるといい。
復習完璧なお借り本☆
張り切って続編へ。

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「花の迷い仔」沙野風結子 (ダリア文庫)




決して報われることのない、かといって捨て去ることもできない
想いを胸の内に抱え、苦しさと向き合い続ける出口のないサークルの中で
時を過ごしてきたウーと夕矢。
監視する側、される側として出会った二人が、
そのサークルの中から抜け出すまでの物語。
わーん、すごくよかった。
斎に対するウーの想い。
キリトに対する夕矢の想い。
想い続けた相手に対する気持ちを否定せずに
新しい関係を築いていく過程がとても良かった。
シリーズを順にここまで読み続けてきたからこその感慨。
この二人のその先をもう少し垣間見たいという想いを抱えての読了。


「かんがい」の一発変換が「灌漑」だったことが全く納得いかないマイPC。
どうしてそうなった?
そして順に読んできたからこそ、
シリーズ一作目からここまでの間に沙野さんの筆力が上がっていることも実感できる。
『花の堕ちる夜』→『花陰の囚人たち』→『千年の眠り花』→『甘やかな共謀』→『色めく夜の陰謀』→『花の迷い仔』
上記シリーズは読了したものの、頑張って集めた小冊子というお楽しみが待っています。

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「色めく夜の陰謀 共謀」沙野風結子 (ダリア文庫)



恋愛って一人でするもんじゃないんだよ?
圭祐を巻き込みたくないという想いから
トラブルを打ち明けず、抱え込んだ結果、
キリト自身が窮地に陥るいるという大ピンチに。
圭祐は自力で戦う力がある。
それがわかっているなら、隠すのではなく打ち明けるべきだったんじゃないかな。
とは、圭祐側に寄った私の言い分。
結果的にキリトを助け出すために一役買った圭祐はとてもかっこよかった。
沙野さんの書く攻でここまで精神的に未成熟な人は珍しいかも?
時間帯が合わなくても仕事を疎かにせず、
それでも会う時間を捻出しようとしてきた二人が好き。


と、感想を打ってみましたが☆
私もそれなりに大きな手術をすることをうっかり言いそびれたまま入院→
まぁ、連絡取れないのは手術日と翌日くらいだからバレないだろう→
タイミング悪くそんな相手から連絡があり、音信不通だと大騒ぎになる→
結果、手術がバレ、黙ってたおかげで絶交されかかる……という大騒ぎがあったことを思い出しました。
わぁ!黒歴史!
シリーズは次でとりあえず最終巻。
色々繋がってきたのでとても楽しみ♪

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