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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「セキュリティ・ブランケット(上)」凪良ゆう (キャラ文庫)



宮、鼎、高砂、国生。
この四人を主軸にその他の人々も絡み合った人間模様。
読んでる途中で作中の人物約一名の言動のおかげでイライラが募りすぎて
一度本を閉じてしまった。
他の三人の生き方、考え方は私は納得できるし応援する。
上巻は彼らの気持ちのベクトルがあっちこっちに向かって大混乱。
思いを遂げることのなかった高校時代の鼎と高砂の想い。
ヒリっとした感じが好き。
過酷な幼少期を過ごしながらも、ピュアさを失わなかった宮。
そんな宮に向ける鼎の愛情があたたかい。
友情。愛情。親子の情。
縺れに縺れあった彼らの想いはどう着地するのか?
気になるお借り本。


ちなみに。
イラッとしたのは国生。
鼎が好きで好きで大好きで。
抱きたくて、脅して抱いて。
心を預けてもらえないことが不満。
は?ばっかじゃないの。
「何で好きになってくれないの?」的な言動がホント無理。
更に「悪いのは俺」発言。
は?世間的に通用しないのわかってるよね?
下巻では何らかの成長を見せるんだろうなーという布石であろうと思えることもイラッとする。
……というわけで、早く下巻を読んですっきりしたいわ。(笑)

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「金の小鳥の啼く夜は」かわい有美子 (リンクスロマンス)



凛とした文章が紡ぎ出す、繊細でやさしい物語。
左半身に重度の火傷痕があっても、両目が見えなくても。
その心根の優しさと美しさが損なわれることのなかった二人。
6年かけて二人が築き上げた幸せな閉塞世界。
そこにいることで満ち足りていた二人が
その世界が瓦解しそうになった時に感じた絶望。自覚した愛情。
そして、二人を更に大きな世界へと解き放って行った好意と経緯。
一緒に一喜一憂しつつで読みごたえあった。
英彬の良く響く艶やかなテノールが聴こえてきそうな描写が秀逸。
雪乃の告白の言葉はあまりにも鮮烈。刺さったわ。
そして高彬の策士っぷりに喝采を。

やけど治療のための皮膚移植。
あたしそれやってる~~!と、思いがけない親近感(笑)
背中の皮膚を右足に移植したそうです。←覚えてない。

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「人でなしの恋」かわい有美子 (リンクスロマンス)



時は昭和初期。
第一高等学校時代から仲の良かった三人。
仁科、花房、黒木。
共に過ごす年月が増すごとに、
複雑に絡み合っていく三人三様の想い、
時に感情が勝り、時に理性が勝り。
だけど、どうしても嘘のつくことができない心の底から込み上げる想い。
そんな彼らの心情が丁寧に描写されていて、引きこまれると同時にやるせなくもなる。
仁科から見た黒木と花房から見た黒木。
それぞれの解釈が全く違うところがおもしろい。
仁科の想いには胸が痛くなるし、
誠実で実直な花房もまた、捩れた想いを抱えている。
少し苦味の残る読後感が、また心地良い。



関東大震災、小石川、というワードは『はいからさんが通る』と直結。
私は隻眼の黒い狼が大好きでした。
仁科、花房、黒木の三人が別な作品にも出ていることをさっき知ったけど、
既にかわいさんコンプしている私は慌てない(笑)
積んであることの利点は「いつでも読める」
次は『金の小鳥の啼く夜は』にいきます。

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「つないで イエスかノーか半分か番外篇4 」一穂ミチ(ディアプラス文庫)



それが本当か嘘かということと
正しいか正しくないかということはイコールではない。
ないんだけど。
真実に反しているとわかった時点で糾弾される。
そのリスクを負う覚悟があるのか。
バレなきゃいいという甘い考えで手を染めるのか。
そもそもバレないと思っているのか。
各々で負う負債の大きさとその後の対応の仕方は変わってくるんだろうね。
仕事に対する熱意は自分の内から湧いてくるもの。
だけど、そこに外的要因が加わったらより楽しく頑張れる。
素直になりきれない栄が可愛くて仕方ない設楽。
ゆっくりじっくり熟成させていく恋模様。

「炎と書いてジェラシーじゃん」という台詞を
「炎と書いてミラージュじゃん」と読んでしまい、
ん?何言ってんの?と台詞を二度見した自分の闇(?)は深いと思ってしまった(笑)
仕事を頑張るのも流すのも自分次第。
私は……今の状態で適当に流したい。←ダメ発言(笑)

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「愛しのニコール」凪良ゆう(ショコラ文庫)



悩んで苦しんで立ち止まって。
一歩を踏み出そうとして停滞して、やっぱり悩んで。
人生ってそういうものよねーと、いう想いを
長い年月をかけて彼らと一緒に追えたお借り本。
一度は尽きかけた情熱。
そこからどう持ち直すのかな?と思ったけど、
日常の積み重ねの上に新しく芽生えていったやさしい熱情。
何処かのタイミングでどちらかが諦めてしまっていたら決して成就することのなかった恋。
この二人のこれまでの経緯を思えば、一直線にうまくいくよりも説得力があった気がする。
二人を育んだ故郷にずっとずっと一緒に帰省できるといいね。→

ニコールが一番最初に出逢った二丁目の人がマスターで良かったと
心底思ったお借り本。
心からくつろげる癒しの場って大事だよね。
そこでリフレッシュできるからこそ、明日からの日々を頑張れる。
私の場合はお部屋で読書が十分な癒しタイムになっているのです♪






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「2119 9 29」凪良ゆう (ショコラ文庫)



この世界に生まれ落ちたからにはやさしくしたいし、やさしくされたい。
大切な人と一緒に天寿を全うしたい。
例え目の前にどんな困難が立ちはだかっていたとしても。
誰かと共に歩む幸せな人生を描ききった物語。
やさしさと愛情深さが読み進める程沁みてきて、胸が震える。
阿部ちん、オトコマエだったよー。
そして、自力ではままならないことも、
誰かの力を借りれば突破できることも思い知る。
タイトルの意味は途中で知れる。
じゃあ、どうやってその時をむかえるの?
そう思って読み進める程にいろんな思いが溢れて泣きたくなり、
読んでいる間も読み終わっても幸せだった。

読めて良かったお借り本。
個人的にリョウと芝のアメリカでの暮らしぶりも気になる。

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「ショートケーキの苺にはさわらないで」凪良ゆう (ショコラ文庫)




やさしくてやわらかくて。
哀しくてあたたかい、とても綺麗なお伽噺。
単純に恋愛っていうだけじゃなく、
誰かを幸せにできる大きくて深い愛情のかけかたって、
こういうことなんだろうなぁ、と心から思える。
与えるだけじゃなく気づきがあって、
お互いに受け止めあう想いの純粋さが眩しい。
南里と出会ってからのシンはそうやって「幸せ」の意味を教えてもらって、
南里の周りには彼を理解して力を貸してくれる仲間がいた。
人の営みってそういうもの。
悩みながらも幸せをみつけて
一度きりの人生を一直線に歩んでいく。
終着点は「死」。
だからこれは幸せなお伽噺。

「何のために生きているのか」を
吐きそうなほど考えてハイティーン時期を通過してきた身としては、
なんとなく釈然としない結末で、カテゴリーとしては良質なファンタジー。
悶々としていた頃の自分を懐かしく思い出したお借り本。
ちなみに。
『銀河鉄道スリーナイン』は私の殿堂入りアニメベストスリーの一角です。

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「好き好き大好き、全部欲しい」 夕映月子(シャレード文庫)



ピュアラブと可愛いがぎゅぎゅぎゅっと詰まったお借り本。
最初は言葉の魔法から。
友だちから恋人へ。
認識が変われば、距離感も態度も変わる。
他愛のない会話。重ねる逢瀬。優しいキス、深いキス。そしてセックス。
日常のそこかしこに溢れる
「好き」の気持ちをこうやって丁寧に重ねて育てていくってホント素敵。
「圧倒的に恋してる」
良き言葉。
そして二人とも自分ありきじゃなくて、相手の気持ちを優先的に思いやるところが尊い。
だからこそ、自然なリバップル。
明日の約束を重ねていきながら見据える永遠。
ずっとキラキラしていてほしい。

感想は?って聞かれたら、まずは可愛い!を何度も連呼したい(笑)

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「破廉恥なランプ」中原一也 (シャレード文庫)



もう、二度と会うことはできないあなた。
だけどずっと愛している。
イシュタルの過去と現在。
そして匡の仕事事情。
点と点が綺麗につながる展開に喝采。
そして、おふざけとシリアスの緩急が素晴らしい。
戦闘クライマックスのどシリアスシーンで
まさか股間が光るとは思わなかったよ。
永遠の刻を生きる魔物と有限の刻に縛られる人間。
自ずと生じる苦悩があるわけで、
切なくて匡と一緒にキリキリしながら、
キファーフの想いの深さに包まれてほっこり。
ワンルームに人間1人とランプの精が4人。
これはぜひお引越しした彼らの日常も読みたいわ。

下ネタ比喩は後半になっていくにつれ
もはや意味不明になってきたけど、
個人的に「真っ赤なランボルギーニカウンタックがピットイン」がベスト。
身近にランボルギーニ乗りがいてびっくりしたことがあったけど、
私が乗りたいのは真っ赤なカマロ。


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「淫猥なランプ」中原一也 (シャレード文庫)



しっとりとした雰囲気の漂う淫靡な千夜一夜物語。
……ではなく。
昭和臭漂うリーサルウエポンなおっさんランプの精と
純朴で無害だけどちょっと訳ありなサラリーマンと
成長途中のちみっこランプの精の物語でした。
ちみっこ可愛い。
掴みは相当なアホエロだったけど、
根底にあった諸事情はどシリアス。
平和な日本のワンルームマンションから
北アフリカの紛争地帯へ飛び、ど迫力な展開へ。
エンタメ要素盛りだくさん。
でも際立ったのは匡の無欲さと働くことに重きを置く姿勢。
そしてスパイシーチョリソーはホットじゃなくヒリヒリしそうだから
例えとしてはよろしくないと思う。


歩いていたら「無料で姓名判断してあげるよ」と怪しい勧誘をされたこと
私もあったなー。
話を聞きながらハンコを売りつけたいんだな、というのは透けて見え、
その時点で私の勝ち(笑)
同じく「無料診断」で石を売りつけたいんだなーと言う占い師の
不安を煽るような言い分に悉く言い返してたら追い出されました(爆笑)


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