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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「さみしさのレシピ」一穂ミチ (ディアプラス文庫)



「孤独やさみしさじゃ誰も死ねない」
確かに、物理的には死ねない。
だけど、心が立ち上がれなくなることはあると思う。
抱えたさみしさを一人で埋めることはただでさえ難しいのに。
誰かのぬくもりを知ってしまった後のさみしさは、余計にやるせない。
様々なさみしさを抱えた人たちの物語。
生きていくためにそれぞれが抱えてきた価値観を受け止めたうえで構築していく人間関係が、
癒えない傷の痛みを包み込むやさしさが垣間見えてあたたかい。
「一緒にご飯が食べたい」
さみしかった一人と一人が
そう思える相手とずっと一緒にいられることの幸せをかみしめる。


久しぶりの一穂さんはゆるっと心にしみる良い作品だった。
相手のために本気で怒れる慈雨と実華子はとても素敵な戦友。
だけど、根本的な寂しさを埋めることはできなかったのかもしれない。
咲彦と慈雨のテンポの良い会話が小気味よくて好き。
本人たちが納得してるなら、こういう関係もありだと思う。

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「異世界の沙汰は社畜次第2 教会運営支援計画 」八月八( KADOKAWA )



周囲を憚らないアレシュの誠一郎に対する溺愛ぶりがとても楽しい第二巻。
そんなアレシュの想いになかなか動じなかった誠一郎だけど、
キューピットの矢が誠一郎の胸にトスン、と刺さった瞬間に万歳三唱したくなったわ。
アレシュのやきもちは可愛いし、弱った自分を見せようとしない頑張りも微笑ましい。
何よりまっすぐな好意が眩しいね。
そして、アレシュも誠一郎も周囲から愛されてるなぁ、ということが
伝わってくるのも嬉しい。
二人の恋の成就を祝うお菓子をご近所に何と言って配ったのか。
私も気になるお借り本。
三巻目が出てくれたらとても嬉しい。

今回の誠一郎の任務は教会内の不正を明らかにすること。
すったもんだの末の誠一郎と優愛の日本人的な宗教観はなじみがありすぎてほっとする。
八百万の神万歳☆

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「異世界の沙汰は社畜次第 聖女召喚改善計画 」八月八



巻き添えで召喚された異世界で誠一郎が望んだもの。
それは「仕事」。
猛烈に仕事に取り組む誠一郎の姿勢は
現代日本の社会の中では特異なものじゃないけど、
異世界であることで際立ってしまっている。
改善点を納得させるステップは現代社会と同じなのよねー、と言う説得力。
一方、その世界で退屈に倦んでいたアレシュは、
行きがかり上、誠一郎の面倒を見ることに。
予測不可・制御不可な誠一郎に振り回されているうちに彼の中に芽生えた想い。
この振り回されっぷりが相当面白かった。
全くデレない誠一郎に対してアレシュが理詰めで持ち込んだ同居生活の行く末が気になるお借り本。


仕事をするということは、今までと変わらない日常を送ること。
それが誠一郎にとって精神バラスを保ち、
見知らぬ世界に馴染むための最短ルートであったことがよくわかる。
結果的には彼自身の命を救うことにもなったしね。
命を救われた後の「はああああぁ!?」の場面で夜中に爆笑。
ものすごく楽しく読了。

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「パブリックスクール -ツバメと殉教者-」樋口美沙緒 (徳間書店)



愛の迷子になった子たちが、
傷ついて傷つけて、それでも必死に頑張って
誰かの為に尽くした結果、真実の愛にたどり着いた物語。
自分の為じゃないところが本当に健気で刺さる。
再読でも胸に響くお借り本。
理不尽な暴力に傷つけられながらも、献身を知っている子たちが尊い。
と同時に、もっと自分のために生きていいんだよ?という気持ちにもなる。
一匹狼だと思っていたスタンの属性がヘタレワンコだったことが、
じれったいながらも微笑ましい。
オカン属性のケイトに思いっきりワシャワシャしてもらうといいと思う。
そしてケイトを存分に愛してあげるといい。
復習完璧なお借り本☆
張り切って続編へ。

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「花の迷い仔」沙野風結子 (ダリア文庫)




決して報われることのない、かといって捨て去ることもできない
想いを胸の内に抱え、苦しさと向き合い続ける出口のないサークルの中で
時を過ごしてきたウーと夕矢。
監視する側、される側として出会った二人が、
そのサークルの中から抜け出すまでの物語。
わーん、すごくよかった。
斎に対するウーの想い。
キリトに対する夕矢の想い。
想い続けた相手に対する気持ちを否定せずに
新しい関係を築いていく過程がとても良かった。
シリーズを順にここまで読み続けてきたからこその感慨。
この二人のその先をもう少し垣間見たいという想いを抱えての読了。


「かんがい」の一発変換が「灌漑」だったことが全く納得いかないマイPC。
どうしてそうなった?
そして順に読んできたからこそ、
シリーズ一作目からここまでの間に沙野さんの筆力が上がっていることも実感できる。
『花の堕ちる夜』→『花陰の囚人たち』→『千年の眠り花』→『甘やかな共謀』→『色めく夜の陰謀』→『花の迷い仔』
上記シリーズは読了したものの、頑張って集めた小冊子というお楽しみが待っています。

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「色めく夜の陰謀 共謀」沙野風結子 (ダリア文庫)



恋愛って一人でするもんじゃないんだよ?
圭祐を巻き込みたくないという想いから
トラブルを打ち明けず、抱え込んだ結果、
キリト自身が窮地に陥るいるという大ピンチに。
圭祐は自力で戦う力がある。
それがわかっているなら、隠すのではなく打ち明けるべきだったんじゃないかな。
とは、圭祐側に寄った私の言い分。
結果的にキリトを助け出すために一役買った圭祐はとてもかっこよかった。
沙野さんの書く攻でここまで精神的に未成熟な人は珍しいかも?
時間帯が合わなくても仕事を疎かにせず、
それでも会う時間を捻出しようとしてきた二人が好き。


と、感想を打ってみましたが☆
私もそれなりに大きな手術をすることをうっかり言いそびれたまま入院→
まぁ、連絡取れないのは手術日と翌日くらいだからバレないだろう→
タイミング悪くそんな相手から連絡があり、音信不通だと大騒ぎになる→
結果、手術がバレ、黙ってたおかげで絶交されかかる……という大騒ぎがあったことを思い出しました。
わぁ!黒歴史!
シリーズは次でとりあえず最終巻。
色々繋がってきたのでとても楽しみ♪

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「甘やかな共謀」沙野風結子 (ダリア文庫)



自分を脅迫して強姦した相手を何故そう簡単に信じられると思うんだろう?
そもそもの人間性が疑われる行為なわけで、
それを理由にお前のことが信じられないと言われても、
それを責めたりそれで傷ついたりするのは筋違いだと思うよ、キリト。
オラオラぶりが霧散してうなだれた犬のようにおとなしくなった後の
巻き返しは頑張ったね。
不正を暴くため、と、キリトとの関係を割り切った圭祐の心情の変化は
追っていて楽しかったし、
気持ちが伴ってからの行動力はかっこよかった。
そして描き下ろしはオトコマエすぎたわ。
リバってくれてもいいんだけどなぁ。

『花シリーズ』からの鷹羽刑事の貫禄ある暴力団幹部っぷりに笑う。
それも順番に読んできてるから。
シリーズが関連しているとは知らずにうっかりここから読み始めそうになり、
読み始める直前で気づけたのはラッキーだったわ。
『花の堕ちる夜』→『花陰の囚人たち』→『千年の眠り花』→『甘やかな共謀』→『色めく夜の陰謀』→『花の迷い仔』
いつも読友さんたちに頼りっぱなしなので私もシリーズ順番に記載してみました。
ホント助かっています。ありがとう!

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「獣はかくして交わる」沙野風結子 (ディアプラス文庫)



光と闇。
コクミンとヒ・コクミン。
刑事と自称フリーライターの男。
全く異なる世界に身を置く二人が、同じ目的を果たすために手を結ぶ。
飼うか飼われるか、ではなく、飼って飼われる関係性がとても好き。
そして、二人ともおとなしく飼われるタマじゃないところがまた素敵。
たとえるなら、大型肉食獣のぶつかり合い。
警察、検察、闇組織。
三者が絡んだ諸々の根本的な決着は続刊以降まで持ち越し。
ゼロも鹿倉も男としての伸びしろはまだあると思うから、
今後どうなっていくかがとても楽しみ。
沙野さんの世界観と小山田さんのイラストはベストマッチ。ひたすら眼福。


部下のカワウソ。
粘着質な検事のカメレオン。
例えが絶妙。
このカメレオン。
ただの変態ではなさそうなので、スピンがあったらとても楽しそう。
そして、フレグランスを取り上げられたカワウソくんは、
代わりのものをちゃんと買ってもらえたのかしら?
気になる……
『北斗の拳』と言われれば、反射的に思い浮かべるのはサウザーです!

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「千年の眠り花」沙野風結子 (ダリア文庫)



「寄り添っている相手からは価値観の影響を受けて当たり前」
とは、鷹羽の言。
その通りだと思うから、ズシリと重い。
蒼の変化が悲しかったから。
蒼がその手を血で汚すことになったのは、零飛の傍に在り続けるため。
蒼が踏み込んだ黒社会で愛する人を守るために必要だった決意。
当の零飛は悪趣味に拍車がかかって、ちょっとどうなの!?って言いたいけど、
なんか最後はうっかり絆されそうになってしまった。
零飛は間違いなく蒼の想いを受け取っていたから。
変わるための第一歩を踏み出したから。
とはいえ、そこにたどり着くまでに巻き込まれた人たちはホントに大迷惑だよね。

前作で相性悪いかな?と思った鷹羽の印象は好転。
良いことだ。
それにしても……斎の行方不明を会社(警察)側にどう説明してるんだろう?







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「花陰の囚人たち」沙野風結子 (ダリア文庫)



こんな脇が甘々な潜入捜査やってたらバレるよね?
身バレしてるから取引ぶち壊した後に命狙われるかもしれないよね?
そもそも!
前作の零飛のイメージがあるから、今作の彼はただ悪役ぶってるようにしか見えない。
彼が本気だったら、刑事二人、生きてあの屋敷から出れないよね?
と、余計なことをぐるぐるした結果、作中に入り込めなかった私の負けだわ。←何と戦ってる!?
暗に「付き合おう」と言っている鷹羽の意図が全く読めなかった斎、イイね。
そして「俺を欲しがれ」と斎に言った鷹羽に「お前が欲しがれ!」と嚙みつきたくなってみた。
ん?相性合わないのはもしかして鷹羽?

……と、グダグダ言ってる割には、最後まで一気読み。
沙野さんの文章は好き。
そして、後書きのイラストは必見。
パンダの刺青がかっこよく決まってる人って他にいない気がする。

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