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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「新公安捜査 Ⅰ」浜田文人(ハルキ文庫)



都庁で起きた爆発事件。
10年前、新島で起きた殺人事件。
それぞれの事件の真相を探る捜査一課強行犯三係の面々と、
神奈川県警公安二課の螢橋
派手な立ち回りは全くないまま、展開していく物語。
だけど、男たちの熱い気概は伝わってくる。
「犯人をパクる。俺たちにはそれしかない」
たとえ、どんな手段を使っても。
そんな要がどんどんあがめられていっている様がおもしろい。←褒めてます。
実際の所、公安警察の在り様ってどんな感じなんだろう?と、
この作品を読むたびに思います。
蛍橋のように何もかもを犠牲にしないと成り立たないような職なら
やるせない。

「底なしの純情」
「嫉妬交じりに惹かれた」
「澄んだ瞳」
35歳男子の要に対する男たちの賛辞に、どんだけ~!?と、心の中で叫びました。(笑)
さて。
次巻はあの人の復活です!待ってた!!!



内容(「BOOK」データベースより)

都庁で爆発事件が発生。都知事、石橋太郎の檄文を聞き、警視庁の捜査会議は色めき立った。都民の人気は絶大だが、企業や営利団体の反感を買っている都知事。捜査一課強行犯三係の児島要は、鹿取警部補のアドバイスを受けて、都知事との面談に向かう。一方、神奈川県警公安二課の螢橋政嗣は、かつて捜査対象者だった男の白骨死体の発見で、一人新島を訪れていたのだが…。北朝鮮シリーズに次ぐ、待望の書き下ろし新シリーズ第一弾。

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「さよなら、ベイビー」里見蘭(新潮文庫)



肉親との死別。
思いもよらなかった事態との遭遇。
迫られる対応。
それは、誰にでも起こり得るもの。
対処の仕方がわからなくなって、途方に暮れた時こそ、
これまで培ってきた人生の経験値が生かされる。
自分だけが特別なわけじゃない。
みんながそうやって生きている。
そして、助言や助力を与えてくれる人がいなければ、
多分、危機を乗り越えることは難しい。
雅祥には色々言いたいことはあるけど、
ひきこもりでありながら、生後数か月のタカヤと
懸命に向き合った姿は評価したい。
彼らの接点は?
この子は誰の子?
そんな疑問を内在した時系列の運び方が秀逸。
おかげでノンストップで読み切りました。

「愛し愛されるためにやってきたこども」
このフレーズがとても響きました。
全ての子供達がそうであることを願いたい。


内容(「BOOK」データベースより)

見知らぬ赤ん坊を連れてきた父親が、まさかの突然死。母亡き後ひきこもり歴4年の雅祥が、いきなり育児を任されることに。この時から地獄の二人暮らしが始まった。ミルクを飲ませても、おむつを替えてもタカヤは泣き止まない。母親はいったい誰…迎えが来る日まで、あと1日。だが、まあくんとタカヤと母親の人生は驚愕の真実へと急転直下する!胸に染みる、痛快青春ミステリー。

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「公安捜査3 北の謀略」浜田文人(ハルキ文庫)



殺人事件の容疑者として身柄を拘束された鹿取。
蘇る過去の因縁。
要たちの心配を知りつつも、蛍橋と犯人を追う鹿取。
この二人の会話がなんだか軽妙でおもしろい。
そして散々振り回され、頬を膨らませて拗ねる36歳、児島要。
なんだかんだ可愛がられている様がおもしろい。
鹿取を拘束した神奈川県警の近藤と坂井。
蛍橋といがみ合いながらも、結果的には認め合う間柄がいいな、と思う。
事件よりも人と人のつながりを追うのが面白かった本巻。
一巻から引きずってきた政治家との攻防はここでひとまず一段落。
幕引きにはヴェールの向こう側にいた彼が表に出てきます。

因縁の相手を仕留めたのが渾身の頭突きだったことに吹きました。
いいね、その泥臭さ。
そして、田中さん……機龍警察の誰かさんと被るんだよね。


内容(「BOOK」データベースより)

鹿取刑事から呼び出された神奈川県警の公安刑事・螢橋政嗣は、鹿取の待つマンション近くで不審な人物をはねてしまうが、男は搬送先の病院から忽然と姿を消す。一方、鹿取は落ち合うことになっていたマンションの住人・佐藤友子殺しの被疑者として身柄を拘束されてしまう。鹿取は彼女の何を探っていたのか?そして姿を消した男と事件の関係とは?やがて事件の裏に、対北朝鮮利権に絡む売国的政治活動が浮かび上がってくるのだが…。好評の公安シリーズ第三弾。

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「最愛のあなたへ 炎の蜃気楼 断章」桑原水菜 コバルト文庫



小百合姫と成政の悲恋。
かつての成政の苦悩に己の姿を重ねる直江。
ぶつけられる激情に戸惑いながらも、
まっすぐに向き合おうとする高耶。
真っ正直に吐き出した言葉は直江の胸を射抜き、
彼の仮面を剥がし取る。
潜んでいたのは、狂おしいほどの愛情と、引き裂かれそうな憎しみ。
ただ孤高に。
ただ正しく。
凛としてそこに在る存在を、ひたすらに、求めて。
「断章」という位置づけでありながら、「本編」である本巻。
一気に引きずり込まれます。
後半は中学時代の高耶と譲の物語。
人の強さって喧嘩の強さや腕力じゃないよなーと、しみじみと思い知らされる。

この巻まで一気に買って読んでドハマリし、あとは順次発刊待ち。
あいだあいだが本当に待ち遠しい作品でした。


内容(「BOOK」データベースより)

奈良の事件を解決し、かつての上杉家の古戦場を訪ねた高耶と直江。だが、そこでも闇戦国の怨将の陰謀が渦巻いていた。佐々成政を狙う早百合姫の秘密とは。「最愛のあなたへ」。母に去られ、酒乱の父に反発しながらグレていた中学時代の高耶。孤独な彼の心を救ったのは、そばにいる譲の存在だった。そんな時高耶が無実の罪に問われ。「凍てついた翼」。大人気「炎の蜃気楼」シリーズ番外編登場。

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「公安捜査Ⅱ 闇の利権」浜田文人(ハルキ文庫)



「腐ってやがる」
やくざにそう吐き捨てられる警察。
だが、その警察の腐敗を暴こうとしているのもまた、警察だ。
不審車両を追走中に殺人事件の現場に居合わせた蛍橋。
偶発的なようで、彼が追っていた事件は、その殺人事件とも無関係ではなかった。
上からの指示で単独捜査を進める蛍橋を全力でサポートするのが、三好組の面々。
組長である三好が底抜けにかっこいい。
彼の貫いた漢気には惚れ惚れする。
組織には内緒で蛍橋に協力する要と鹿取も
だんだんと個性が際立ってきて、おもしろさが加速するシリーズ第二弾。
とはいえ、弱者を食い物にした事件の真相には、
そして、保身のために真実を探求する者を死に至らしめた者達の存在には
憤りを感じるばかりだ。


要のことを「人タラシ」と私の友達は断言しましたが。
すれ違っただけの三好さんに「あんな男と呑めば情に締まりがなくなる」を言わしめて、
既にその片鱗を見せています。
ガラの悪い蛍橋に「すまん、ガラの悪いほうが来てしもうた」と、
やくざに向かって頭を抱えさせる鹿取もいい味出してます。
そして、やくざ者なのに強烈な好印象を植え付けてくれた三好さん。
大好きです!←聞かれてない(笑)






内容(「BOOK」データベースより)

北朝鮮からの覚醒剤密輸事案を内偵中だった、神奈川県警公安二果の螢橋政嗣。監察対象者を追うさなか、螢橋は殺人の現場に遭遇してしまう。殺されたのは麻薬取締官・四角哲也。彼は、広域暴力団仁友会の小山こと在日北朝鮮人・申勲を内偵中に妻を殺され、復讐に燃えていたという。螢橋はやがて、とある病院と老人ホームへたどりつく。北朝鮮との闇のつながりとは果たして何なのか?大好評のシリーズ第二弾。

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「望郷の道 下巻」北方謙三



まっすぐに生きたその先に輝く一番星。
この物語で正太が築きあげたものが、まさしく「望郷の道」。
日本を出てからの彼らの生き様を追いつづけ、
正太と瑠瑋が藤の家の門を潜る場面には胸が震えた。
二人、足りない部分を補い合い、全力で支え合いながら過ごした台湾での日々。
瑠瑋の優しさと豪胆さ、そして度胸の良さには
本当に惚れ惚れする。
喧嘩の仲裁シーンは見事だった。
正太の才覚なくして「七富士軒」の成功はありえない。
そして、瑠瑋なくして、正太の成功はありえなかっただろう。
そんな瑠瑋の泣き笑い。
とても素敵な笑顔で幕を閉じる物語。

佐賀に行った直後に読めたことに、北方との「縁」を勝手に感じました。
姑息に立ち回らず、苦難にも真正面から向きあって努力をすれば、
見合うだけのものが返されるのだと、教えられた気がします。

内容(「BOOK」データベースより)

失意の正太は台湾へ。心に虚無を抱えながらも、日々懸命に働く。そんな正太の前に、海を渡った瑠〓(い)が幼子を連れて現れた。再会を果たし活力を得た正太は菓子屋「七富士軒」を創業し、商いの世界で熾烈な競争を繰り広げる。やがて頭角を現した正太は、ある想いを実現するために動き出すが―。日本人のものづくりへの情熱を謳いあげた感動巨編。

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「まほろばの龍神 炎の蜃気楼5」桑原水菜(コバルト文庫)



少しずつ「上杉景虎」としての能力が覚醒していく高耶。
戦い方が板についてきたし、自分のやるべきことも自覚しつつある。
自然にリーダーシップをとり始めていて、直江はもちろん、千秋もそれを許容しつつある。
お互いにガルガルと突っかかりあいながらも、千秋とは良いコンビだと思います。
一方で苦悩が深まる直江。自分本位で身勝手な苦悩。
護りたい、という情愛と、壊したい、という狂気。
「愛」を持ち出したら何もかも許されると思わないでよね、と思いつつ。
「あなた、という、たったひとつの、私の、命」
この台詞に胸が軋むのでありました。
明智光秀の復活も仄めかされ、ますます混乱を極めていく闇戦国。


この巻で私は、松永久秀と佐々成政という武将を知りました。
佐々成正がとてもカッコイイ!と思っているのは、ミラージュの刷り込み。
信貴山のお土産は張り子の虎。これテッパン(笑)
この巻を読みつつ、東大寺と信貴山は必ず行かねば、と、志を新たにしてみました。


内容(「BOOK」データベースより)

夜な夜な出没するという火の玉『ホイホイ火』を調査するために、奈良入りした高耶と千秋。火の玉に殺された塩原の家に向かった高耶たちは、そこで妖怪にとりつかれた少女・なぎと出会った。なぎに寄生しているのは、戦国時代の茶釜の妖怪・平蜘蛛だった。なぎを救うために、妖怪を操る『信貴山の龍神』の正体を探ろうとする高耶たち。だが、宿敵・織田軍も、なぎを狙って動きだしていた…。

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「公安捜査」浜田文人(ハルキ文庫)



人間にはいくつもの顔がある。
家族に見せる顔。仕事相手に見せる顔。友人に見せる顔。
多くの人から恨まれた男にも彼を愛する妻がいて、守ろうとするものがあり、
その死を悼む者がいる。
彼、そして彼に次いで殺された男たちの死の真相を追う刑事たち。
独自の判断に基づき、地道な捜査と型破りな捜査が進められるにつれ、
チラリと見えてくる警察内部の腐敗。
反目したり、腐ってたり。
同じ組織なのになーと、いろんな警察小説読むたびに思います。
要の妻・洋子と、要の義父・元警察官の久保と。
「警察官」という職業を主軸に置いた彼ら三人の関わり方はとてもリアルで、
共感はできないながらも、洋子の憤りはなんだか理解できる気がした。

とりあえずシリーズ一作目は人物紹介的な意味合いかと思いきや、
三係の面子の大人しいこと大人しいこと。ネコ被ってます。(笑)
初読の時は要とあまり歳の変わらなかった私ですが、
いまではすっかり追い越してしまいました。






内容(「BOOK」データベースより)

渋谷と川崎で相次いで起こった殺人。被害者は会社社長・松原と渋谷署刑事坂東。詐欺・贈収賄などの疑惑が囁かれていた松原だが、常に追及の手をかわしていた。事件直後警察に届いた、松原と内通していた警察関係者のリストの中には殺された坂東の名が―。北朝鮮への不正送金疑惑に関連して松原に接触していた公安刑事・螢橋は事件の背後関係に迫るのだが…。警察内部の腐敗と不正送金問題に鋭くメスを入れる、迫真の警察小説。

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「琥珀の流星群 炎の蜃気楼4」桑原水菜(コバルト文庫)



「上杉景虎」としての彼を望む声と「仰木高耶」を捨てるなと叫んだ親友。
共存を意識する中で覚醒しつつある力。
直江と背中合わせで毘沙門刀を振るう高耶の姿には、
痛々しさと高揚感を覚える。
そして、記憶はなくとも、景虎は間違いなく高耶の中に在るんだなーと。
街や人々を護ろうと必死に駆けずりまわる人々がいる一方で、
破壊を目論む輩がいる。
どこまでも戦国に生きる者の思考で暗躍する高坂とは対照的に、
伊達は現世の人々を傷つけまいと、戦場に赴く。
時を経て蘇った者達はみな、過去に囚われたままで、どこか忍びない。
武田が動き、織田が暗躍する。
まだまだ序章。
彼らと一緒に闇戦国を駆け抜けます!

自らの霊廟にお金を払って入った前巻に引き続き、
自らの城に攻め入ることになった政宗公。
その時々の台詞がなんだかユーモラス。
「魂尽きるまで仙台は守る」
政宗公はどこまでもカッコイイ御仁です。


内容(「BOOK」データベースより)

高坂の謀略で慈光寺を爆破され、九死に一生を得た高耶。だが、住職の国領は瀕死の重傷を負ってしまった。自分の無力さを知り、かつての景虎の〈力〉を取り戻そうと苦しむ高耶だが…。一方、仙台に集結した千秋、綾子らは、仙台市を「金輪の法」を用いた巨大な結界で包囲しようとする最上義康を追っていた。呪法の「壇」となる陥没事故現場を舞台に、義康と冥界上杉軍の対決が始まった。仙台を乗っ取ろうとする最上軍の怨霊たちに、高耶は!?アクション・ファンタジー。

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「ガラスの子守歌 炎の蜃気楼3」桑原水菜(コバルト文庫)



壊されていく仙台の街。
渦巻く怨念。陰謀。
滅びた身のはずながら、
はた迷惑な野望を抱く輩がいる一方で、
「生前の運は天の意思」と、穏やかに言い切れる政宗公は
間違いなく我が街の御屋形様でした。
自分の在り方について、苦悩が深まる高耶。
知らない自分を他人が語ること。
心当たりのない責任を背負わされること。
不安が深まる最中の別れた母との再会は、彼により一層の混乱をもたらす。
そんな時に直江、何やってるのよ!?←愛故に私、直江にはキツイです。
現世は今在る人の街。
守る為に、そして、彼ら自身の在り方に決着をつけるために。戦いが始まる。


「災害が起こりにくく、水が豊富で……」
いまとなってはグサグサと胸に刺さる言葉です。
「備えあれば憂いなし!」は常に心の隅に。
過剰な備えは不要だけど、必要最低限の備えは絶対に在った方がいい。
震災を体験したからこそ、切に思います。
それにしても直江のやらかしたことは、何度読んでもやっぱり最低。
でも、一番泣かされたのは直江。一番感情移入したのも直江。
なんだかんだ直江と共に歩んだミラージュだったのでありました。
だから、ミラージュは苦しいの。(^^;
今回の再読で感想変わるかな?←変わらなさそう(笑)

内容(「BOOK」データベースより)

仙台市で、建築物が一瞬のうちに倒壊する事件が続発。直江の連絡で、高耶と綾子が調査に向かうことになった。仙台では活発化する最上義光軍の怨霊に対抗するため、伊達政宗が復活。激しい〈闇戦国〉を繰りひろげていた。政宗と同盟を結ぼうとする高坂弾正、事件のかげに見え隠れする狐の霊を操る女…。そして巨大な陰謀が渦巻く仙台で、高耶は自分を捨てて出ていった母・佐和子と出会った。

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