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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「イスラム飲酒紀行」高野秀行(講談社文庫)



酒飲みの、酒飲みによる、酒飲みも酒飲みじゃなくても楽しめる本。
酒を禁じるイスラム圏を旅する著者が、いかに楽しく酒を飲むかに全力で挑む本。
見つかったら危険が伴うであろう行為を「現地の人たちと楽しく酒が飲みたい!」一心で
ダダをこねる子供のようにやり通す。
時に酒で腹を下して野グソをしたとしても、懲りずに酒を求める。
はっきり言って馬鹿である。
だけど、その馬鹿っぷりは尊敬に値する。
そして、そんなふうに人生楽しめたらいいなーと、ちょっと羨ましくもなる。
酒飲みは酒飲みを呼ぶ。
著者の出会った酒飲みたちは、概ね陽気で面白みのある人たちばかりだ。
個人的には「秘密警察と酒とチョウザメ」の章が好き。
そして、これを読んだら『ルバイヤート』を再読しないといけない気がしてきました。

内容(「BOOK」データベースより)

イラン、アフガニスタン、シリア、ソマリランド、パキスタン…。酒をこよなく愛する男が、酒を禁じるイスラム圏を旅したら?著者は必死で異教徒の酒、密輸酒、密造酒、そして幻の地酒を探す。そして、そこで見た意外な光景とは?イスラム圏の飲酒事情を描いた、おそらく世界で初めてのルポルタージュ。

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「水滸伝17 朱雀の章」北方謙三(集英社文庫)




その男にあまりにも似つかわしい壮絶な死に様に、
読後、たまらずに溜息が零れた。
彼に限らず、戦いの中で散っていった多くの男達。
敵は強大。
圧倒的な数の差はあまりにも大きくのしかかる。
戦闘を「愉しみだ」と言う童貫の余裕が薄ら寒い。
梁山泊に集った彼らは掲げた志のために駆け続ける。
自らの命が尽きる、その瞬間まで。
だが、彼らの命は受け継がれる。
その想いを受け取った仲間たちによって。
そして、彼らの生き様を語り継ぐ者達によって。
「替天道行」の旗に包まれて梁山湖に沈む彼には穏やかな眠りを。
労いの言葉の代わりに、月明りを。


ケイロニアの王に「息子よ」と言われたグインに私、号泣しましたが。
蘆俊儀の「わが息子、燕青よ」でやっぱり泣きそうになってしまった。
血の繋がりがなくとも、心の底から想いあう絆には心が震えます。
そして下村(@ブラディドール)がいますよ!ここに下村が!と、
ふいに叫びたくなるシーンが(笑)
珍しく雄弁な彼の語った壮絶な過去。
窮地に陥ればお互い助けにいくくせに遠慮なく罵りあう相手がいてよかったね。



内容(「BOOK」データベースより)

童貫と〓美(ほうび)が、怒涛の猛攻を開始した。董平率いる双頭山が総力を挙げて迎え撃つが、次々と同志は討たれていく。更なる禁軍の進攻を止めるため、侯健は偽の講話案を進めていた。巧みに高〓(こうきゅう)を信じさせるが、そこには思わぬ落とし穴が待ち受けている。一方、致死軍と高廉の軍の決戦が間近に迫っていた。闇の中で、両者は息を潜め、刃を交える時を待っている。北方水滸、悲泣の十七巻。

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「そして夜は甦る」原尞(ハヤカワ文庫JA)



いい。これはいい。
緻密なプロット。硬質な文体。
謎解きが二重三重に展開されていく物語。
何より、登場人物が魅力的。
それぞれの人生があり、それぞれの言い分があり、それぞれの生き様がある。
事件の顛末と共に、それらをみっちりと書き切った正統派なハードボイルド。
「愛情や真実や思いやりのほうが、
憎しみや嘘や裏切りよりもはるかに深く人を傷つけることを考えていた」
この物語に漂う哀愁を説明するのに、これ以上の言葉はないような気がする。
幸せが手にできたのに。
自らの行為で取りこぼしてしまった名緒子。
なんでかな?理解できないよ。
女として、ちょっと淋しい。→


チャンドラーを呼んだ後に原尞、というのが、なんだか運命的。
チャンドラーに心酔している作家さんなんですね。
佐賀県出身というのも運命的。
北方御大と同じじゃないですか。
「あとがきに代えて」は遊び心満載で面白かった。
著作を追いかけるのが楽しみな作家さんに久々に出会いました!
わー、楽しみ!






内容(「BOOK」データベースより)

ルポ・ライターの失踪、怪文書、東京都知事狙撃事件…。西新宿に探偵事務所を構える沢崎が立ち向かう難事件の背後には巨大な陰謀が隠され、鮮やかなラストシーンに向って物語はスピーディに展開してゆく。レイモンド・チャンドラーに心酔する、ジャズ・ピアニストの著者が2年の歳月をかけ完成させた渾身の処女長篇。いきのいい会話と緊密なプロットで贈る、期待の本格ハードボイルド登場。 --このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。

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「水滸伝16 馳驟の章」北方謙三(集英社文庫)



童貫の在り様をみていると、なぜか「風林火山」を連想する。
脈々と力を蓄えつづける静かなる山。
内に抱えたマグマを放出する瞬間を思うと、ゾクリとする。
ここにきて初めての童貫との遭遇。
その力は、とてつもなく強大。
暗躍により、幾人もが命を落とし、
二年の時を賭けた公孫勝の計略がいよいよ決行される。
仄暗さの漂う展開の中で、女傑二人の酔いっぷりが哀しくも微笑ましい。
悲しみは日常の中で癒される。
生きている人間は、死者の思い出を抱えながらも、
一日一日踏ん張っていくしかないのだ。
燕青と洪清との対峙はとてもとても痺れた。
そして、胸襟を開いた郝親子の姿は清涼剤でした。

解説がまさかの吉川晃司。
北方の浪漫を熱く語ってくれる姿は文字通り「ロックンローラー」でした(笑)
北方との対談で彼が「人生の大きな岐路に立ったとき、北方さんの『三国志』に出会って、そこからずいぶん学ばせてもらったし、読んでかなり助かった」と語っていらっしゃいましたが。
私にとっては北方の『水滸伝』がそうなのよね。
生きる勇気をもらった本です。
いや、もうちょっと力抜ける感じかな?
なるようになる!とりあえず生きてる!(←肯定的にね)と思えた本。

内容(「BOOK」データベースより)

梁山泊は戦によって、潰滅寸前にまで追い込まれていた。回復の時を稼ぐため、侯健と戴宗が偽の講和案を持って高〓(きゅう)に近づく。また、晁蓋を殺した史文恭が再び動き出した。名を変え、商人になりすまし、次なる標的のそばで暗殺の機を待ち続けている。それに対し、公孫勝は袁明の首を狙っていた。堅牢な守りをかいくぐり、いま、致死軍が青蓮寺を急襲する。北方水滸、暗闘の十六巻。

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「水滸伝15 折戟の章」北方謙三(集英社文庫)



激戦。そして散華。
数に勝る宋軍との文字通りの崖っぷちの死闘。
負傷者や女子までもが一丸となり、
ギリギリのところでしのぎ切った戦い。
だが、犠牲はとてつもなく大きかった。
死にゆく彼らの最後に目にした光景が、胸に焼き付いてやるせない。
一方で、子供達が確実に成長している姿には、とてもほっとする。
命は受け継がれる。
次の世代に。
大人たちの生き様を、彼らは確実に覚えている。
単廷珪と対峙する林冲の、どこか悲しい優しさが好き。
「自分には同志がいる」
「仲間がいるのがうれしい」
屈託なく言える男達のそんな想いが、たまらなく好き。

北方の『破軍の星』を読みながら「朝廷のバカバカバカぁ!!」と思っていたわけですが。
今回の宿元景の姿を見ながら同じ思いを抱いてみました。
さぞかし無念だったかと……勅命?アホだわ、本当に。
杜興は本当にみんなに愛されてるなーと思うわけだけど、
がっくりした彼の気持ちを思うと切なくなる。
私、梁山湖がとても好きなんだなーと、改めて実感。
梁山湖を照らす月明りをとてもとても夢で見たい。



内容(「BOOK」データベースより)

どの寨が崩れても、梁山泊は潰滅する。極限状況の中、各寨は必死の防戦をしていた。特に激しい攻撃に晒された流花寨は、花栄らが死を覚悟して闘い続ける。しかし、官の水軍の進攻が始まり、それも限界が近づいていた。一方、宣賛は起死回生の策を考え出す。密かに李応や索超、扈三娘を北京大名府に急行させた。梁山泊の命運を握る作戦が今、静かに始まる。北方水滸、危局の十五巻。

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「水滸伝14 爪牙の章」北方謙三(集英社文庫)



移ろいゆく時間の分だけ、様々な出来事が起こる。
戦の最中にあっても、家庭を持つものが増え、恋に患う者がいる。
史進と鄒淵の、いかにもな男子らしい屈託のない振る舞いが大好きだ。
指揮官と部下であり、かけがえのない友でもある。
だからこそ「行くよ、俺」の言葉が胸に刺さった。
王進の元で暮らした者たちの活躍が目覚ましい。
悲しみの光を宿した張平が、歳の近い楊令と共にどう成長していくのか。
これからが楽しみだ。
梁山泊の殲滅を掲げ、総力をあげて進軍してきた官軍。
数での圧倒的な不利を梁山泊側はどう凌ぐのか。
膠着した状況下での花栄の一矢はあまりにもお見事。
だが、ここから苦しい展開が続く……

小説は書き出しの一文が大事!という話を読友さんがされていましたが。
私、この巻では後書きの書き出しにぎゅっとやられました。
そうだよね、と、とってもとっても頷きました。
うん。私、この時代、この場所に生まれてきてよかった。
そうじゃなかったら、今つながっている皆と出会えなかったから。
今、こうして楽しく読んでいる本と出会えなかったから。
そして、『ゲバラ日記』を読みたくなるわけですが……
どこにしまってあるかはわかっていても、発掘するのが大変なのです(笑)


内容(「BOOK」データベースより)

梁山泊は、威勝の田虎の叛乱が青蓮寺の策略だと看破した。近くの石梯山に魯達や鄒淵らを派遣し、切り崩しを図る。しかし、田虎に雇われた張清が、精強な傭兵部隊を率いて立ちはだかった。一方、官は梁山泊の完全殲滅を決意する。禁軍・地方軍・水軍あわせて20万の軍兵を投入してきた。兵力で圧倒的に劣る梁山泊に対し、空前の規模の攻撃がついに始まる。北方水滸、焦眉の十四巻。

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「水滸伝13 白虎の章」北方謙三(集英社文庫)



「たまりませんよ。あんなふうに死なれたんじゃ。
あとから死ぬ人間が、どう格好をつけていいかわからなくなる」
格好つける必要なんてない。
生きるために必死になってほしい。
いや、彼らに死ぬつもりはなかった。
自らにできる最善のことを。
そうやって懸命に戦った結果の死に様が、鮮烈すぎるのだ。
生き残った者たちは、自らを省みる。
そして、死者を語る。
友を想う豪傑の涙に、こちらも涙を誘われる。
崩壊寸前の双頭山を守り抜いた男。
いずれ脅威となりうる造船所を壊滅させた男。
彼らの姿は志を同じくする男達の胸に刻まれ、忘れられることはないのだ。

出先で読むのにはまったく不向きな巻。
涙をごまかすのが大変!
そして、自分の感情と素直に向き合いたいのに、
嗚咽をこらえないといけないのも大変!
李逵にも泣かされて、泣かされて……語るスペースが全く足りなくて大変!
いや、(私が)暑苦しいから、このくらいでちょうどいいのかな?
それにしても官軍……ジワジワと強くなっていっていますね~。
聞煥章を心配する李富がなんだか不憫だ。
この人、こんなことしましたよー!と告げ口したい。



内容(「BOOK」データベースより)

官は十万以上の兵で、梁山泊への進攻を開始した。流花寨には趙安の軍が押し寄せ、呼延灼、関勝、穆弘がそれを迎え撃つ。呉用は流花寨の防衛に執心するが、官の狙いは別の所にあった。董万の大軍が息を潜め、急襲の秋を待っている。一方、孔明と童猛は官の造船所の襲撃を計画した。強固な防備の中、百名の寡兵で潜入を試みる。そして、ついに董万が疾風の如く動き出した。北方水滸、決死の十三巻。

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「水滸伝12 炳乎の章」北方謙三 (集英社文庫)



どこで生きるのか。何のために生きるのか。
彼らの生き様を追いながら、自らの在り様を突きつけられる。
「生きることが旅」
深い言葉だ。
自らの立つ場所を見つけ、受けいられ、そこに命を預けることができる仲間がいる。
心落ち着ける場所での戦を離れた男達の会話がひどく子供じみていて、
なんだかとても微笑ましい。
大人げない会話を繰り出す彼らが、戦場では百戦錬磨の猛将になる。
この巻では、全軍を率いて宋江が出動する。
共に戦った男の想いを抱いて。
自らの立つべき場所をようやく心に決めた関勝。
心は梁山泊に充分に寄り添っていた。
日々の白けた思いとは、これで無縁になるだろう。


捕縛された盧俊義の救出に持てる力以上のものを振り絞った燕青。
盧俊義を死なすまい、と、思っての彼の行為は、
実は死域に入っていた自らを生かすことだったのね、と、
後から気づかされ、鳥肌。
本書とは全く関係ありませんが……
本日の10分程度のお昼寝タイムで公孫勝が夢に出てきました。
ただじーーっとこっちを見てるの。
怖いって!!
そんな夢。
何故公孫勝……
普段夢をみることってほとんどないんですけどねー。
寝てる時まで水滸伝!(笑)







内容(「BOOK」データベースより)

青蓮寺は執拗に闇塩の道の探索を続け、ついに盧俊義の捕縛に成功した。過酷な拷問を受ける盧俊義を救うため、燕青は飛竜軍とともに救出へ向かう。一方、北京大名府に残る闇塩の道の証拠を回収すべく、宋江自らが梁山泊全軍を率いて出動する。それに対して青蓮寺は、雄州の関勝将軍に出陣の命を出した。宣賛と策を練り、梁山泊の盲点を見極めた関勝が静かに進軍する。北方水滸、極限の第十二巻。

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「水滸伝11 天地の章」北方謙三 (集英社文庫)



動くな、と言われることは、
駆け続けることに生きることの意味を見出した男にとって、
羽を捥がれるに等しいことだったのかもしれない。
「自分の手で成し得なくて、何の志か」
だから駆ける。駆け続ける。
あの時、彼が無言のままでも頷いていたら、
何かが変わっていただろうか?
おそらく、否、だ。
すべて、運命。
どんなに言い争っても、帰る場所は無二の友の元へ。
その想いが痛い。
杜興の自分を全く分かっていない捻くれっぷりと、
彼を語る史進たちのあたたかい目線が実にいい。
気付けば大がかりな戦をするようになった梁山泊。
彼らはこの先、どこに行きつくのだろう?


田中さんの銀英を読んでいた時も思ったけど、
相対する敵味方の数・布陣の仕方・死者の数。
物語を紡ぎだす作者は、脳内でどんなシュミレーションしているのかしら?
「再読して李逵の可愛さに気付いた!」と友達に言ったら、
「李逵ファンが増えた!」と返ってきたので、「いや、そこまでは……」と否定しておきました。
ほら、私の可愛いはムツゴロウさん的なものだし。
すると、更に返ってきたのが「貴女はもっと李逵が好きになぁる。好きになぁる。好きになぁる」
という、妙な念の籠った呪文。
いや、だからないから(笑)
この巻を読了した後にもかかわらず、大笑いでした。←あれ?余韻台無し!?



内容(「BOOK」データベースより)

梁山泊の頭領の対立が深刻化していた。兵力をもっと蓄えたい宋江。今すぐ攻勢に転じるべきだと主張する晁蓋。しかし、青蓮寺は密かに暗殺の魔手を伸ばしていた。刺客の史文恭は、梁山泊軍にひとり潜入し、静かにその機を待ち続ける。滾る血を抑えきれない晁蓋は、自ら本隊を率いて、双頭山に進攻してきた官軍を一蹴し、さらに平原の城郭を落とした。北方水滸、危急の十一巻。

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「水滸伝10 濁流の章」北方謙三 (集英社文庫)



今はまだ、夢を懐古すべき時ではない。
彼らはまだ、夢の途上にあるのだから。
多くの男達の命を纏い、
次第に大きくなっていく夢の重さを、
頂点に立つ彼らは背負いつづけなければならない。
約束した一勝のために、全力を投じた呼延灼。
台無しにした高俅は阿呆だと思うけど、
おかげで呼延灼の身の振り方が決まったかと思えば胸も爽く。
だが、伴った犠牲は大きかった。
晁蓋と向きう史進の落ち着きと成長ぶりに、感慨深いものを感じ、
呼延灼と向き合った穆公と史進との対話が胸に響く。
韓滔、彭玘、呼延灼の信頼関係がとてもいい。
人を繋ぐのは人。
改めて胸に刻んだ本巻。

呼延灼のイメージは何故か虎。
呼と虎がごっちゃになってるのかな?と、自己分析。
全く関係ありませんが、鞭使い→グフ→ランバラル、と私の脳内は連想します。
ランバラル、大好きです!
韓滔の醸し出す雰囲気がとても好き。
梁山泊にまた素敵なおじさまが!と思ったら、
女傑も少しずつ増え始めました。


内容(「BOOK」データベースより)

官はついに地方軍の切り札・代州の呼延灼将軍に出撃命令を下した。呼延灼は、一度だけなら必ず勝てると童貫に宣言し、韓滔らとともに、戦の準備を着々と進めていく。凌振の大砲をはじめとして、恐るべき秘策を呼延灼は仕込んでいた。一方、梁山泊は晁蓋自らが本隊を指揮し、万全の布陣で戦に臨む。精強な軍同士の衝突が、静かに始まろうとしていた。北方水滸、血戦の第十巻。

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