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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「デルフィニア戦記第二部 異郷の煌姫3」茅田砂胡(中公文庫)

個人的な読みどころは二つ。
一つは「戦争や剣や弓で殺すのはよくてどうして嚙み殺すのはいけないんだ?」と
リィが問いかけるシーン。
うん。なんで?
命を狙ってきた者を「殺す」という行為は同じなのに手段が違えば化け物呼ばわり。
ビジュアル的に強烈すぎる、というよりも
根源的なところで畏怖しているのは伝わるけど、
でもやっぱりこの「どうして」には答えられない。
もう一つはウォルとリィが結婚式場からそのまま戦場に飛び出していくシーン。
そして戦場で行われた二人きりの式の続き……というか剣の誓い。とても好き。





この巻に関しては初読の時と言ってることがほぼ一緒である……ことに気づいてみました。
よっぽど印象深いんだなぁ。

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「デルフィニア戦記第二部 異郷の煌姫2」茅田砂胡(中公文庫)

デルフィニアの中枢にいる型破りな人たち、ホント好き。
王宮が化け物屋敷で、国王が最大級の親玉。
シェラの例えはとっても納得だけど、貴方も常人ではないからね。
彼も化け物屋敷の一味で通用すると思う。
彼らのやることなすこと破天荒だけど、
誰かの為、国の為に懸命に動いているのは伝わってくる。
対峙しなければならない事象は公にはできないけれども、絶たねばならぬ害悪。
結果、演技で怒っている人もいれば、
詳細を知らなかったために烈に怒っている方々も多々いたけれども、
故にうまくいった一芝居。
彼らの硬い絆と信頼に胸が熱くなる。



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「デルフィニア戦記第二部 異郷の煌姫1」茅田砂胡(中公文庫)

ウォルの即位から三年。
国内情勢は落ち着いたかに見せかけて、水面下で画策される不穏な陰謀。
バルロは身内の恥とか言ってないでさっさと内情をウォルたちにぶちまけた方が
話早かったんじゃない?と思わなくもないけど。
相手が高位の者だけに確たる証拠がないとちょっと弱いか。
これまでは国内にのみ向けられていた目線が近隣諸国にも広がり、
魔法要素も加わって話のスケールが大きくなる。
三年経っても言いたいことをポンポン言い合える彼らの関係性が好き。
シェラが加わって目の保養♡と思ったけど、
文庫に挿絵はないんだった……画集眺めようっと。


挿絵ってほぼ拘りがないんだけど。
挿絵なくて寂しいって思う事はほぼないんだけど。
『デルフィニア戦記』の世界観は沖さんの挿絵込みで成り立っていたんだなーと
挿絵のない文庫を読んで初めて実感。
うっ……新書版で買えばよかったかなー。
文庫でそろえちゃったから仕方ない。
収納場所的に新書じゃ無理だったしね。



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「デルフィニア戦記第一部 放浪の騎士4」茅田砂胡(中公文庫)

戦場における圧倒的不利、或いは不可能を打開するための奇策。
これを目の当たりにするのが楽しくて仕方ない。
従来の戦略とか戦術とか全く関係ない突破の仕方はリィにしかできないこと。
次はどうするんだろう?というワクワク感がたまらない。
今回ウォルの窮地を救ったのはカリンの証言。
白日の下に晒された過去に起こった惨劇。暴かれたその元凶。
「人殺し」の叫びが刺さる。
最も真っ直ぐな、その罪を糾弾する言葉。
ここまで彼らが振り回されてきた騒動に決着がつき、
リィの身の振り方も決まる。
次から第二部。
楽しみ~☆彡

姪っ子ちゃんにはまずここまで貸して、
続き読む?と、聞いてみたいと思います。
そして私は最終巻まで突き進みます。(笑)






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「犬も食わない同期の恋愛」栗城偲(キャラ文庫)

7年間変わらなかった関係が変わったのは、
幸せな時間が続くことを願った、篠田の悪意のない嘘から。
だけど、その嘘が明るみに出る瞬間は必ず来る。
わかっているから、いつ?どんなふうに?と、ハラハラする一方で、
その嘘を巡っての加藤の対応が最初から最後まで斬新でおもしろかった。
本人は至って真面目に真摯に対応してるんだけどね。
きっかけは嘘からだったけど、その後の篠田の言動は誠実で、
加藤の気持ちが動いていく様が伝わってくるし、納得できる。
ああいう時間を積み重ねたら、そりゃあ居心地よくなっちゃうだろうね。
お幸せに♡


これ、一人称の方がよかったんじゃないかなー?と思ってしまった理由は
途中で読むのがつっかえた個所があったから。
三人称だとなんか不自然な感じがしたんだよね。
シリーズ4作目だけど、読み返すのは1作目を推奨。
「走ってきます」は何度読んでも笑える。

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「デルフィニア戦記第一部 放浪の騎士3」茅田砂胡(中公文庫)

抱えた痛み、憎しみ、そして怒り。
同じような体験をした者同士だからこそ、わかりあえることがある。
ウォルとリィの絆の深さはそういうところにも起因するのだとしみじみ思う。
終始ヒリヒリする展開。
望んだわけではなかった王冠。
そのために失われた命。
リィを介して想いを伝えることはできたけれども。
彼らの声なき慟哭が刺さる。
ここにきて「新たな事実」として提示されたことに国王軍の中には動揺が走るけれども。
揺らがないで欲しいと思った人たちの決意は固くて、そこに安堵する。
「王冠より欲しいものは?」
答えがわかっていて問いかける少女が頼もしい。







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「償いの雪が降る」アレン・エスケンス(創元推理文庫)

事の発端は大学の課題から。
他者の人生に足を踏み入れたジョーは、過去の事件の真相を紐解くと同時に、
そこから派生した現在の事件に巻き込まれていく。
いや、自ら首を突っ込んだというべきか。
若さ故の無謀。
だけど彼は咄嗟の危機回避能力に秀でていて、その立ち回り方に目を見張る。
ジョーの他人との向き合い方がとても良い。
嘘がなく、真摯で思いやりがある。
そして、彼自身も自身を苛む過去を抱えていたからこそ、たどり着くことのできた真実。
彼との出会いは、独りの老人を安らかな死へと誘うことになる。
折しも季節は冬。
彼らに想いを馳せながら、本を閉じる。


またせたね、エスケンス。
やっと読めたよ。
←何目線だよって感じだけど。(笑)
めっちゃ気になって彼の作品を集めて、本棚に積んでたら年が変わってしまった。
読めてよかった。
絶賛していた読友さんたちに感謝。

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「デルフィニア戦記第一部 放浪の騎士2」茅田砂胡(中公文庫)

人から「化け物」と呼ばれてきたリィを
奇異の目で見ることなく「友人」として傍に置くウォル。
彼を主君と仰ぐ人たちがリィを受け入れるのは、
ウォルのその在り様によるところが大きいよね。
だからリィはウォルに力を貸す。
心強い関係性。
たった二人から始まった旅路は、思いがけない幼馴染との再会を果たし、
軍勢を従えるまでの集団に。
王様が前線に身を晒すのは本来は褒められたことじゃないけど、
あの状況で加勢しに来たウォル良いね。
だから人はついてくる。
王都にいるベル―ゼンの腹の底が見えないことが不気味。




少女らしい華奢な体躯のリィが筋肉質の大男を受け止めるシーン好き。
身体を丸めてお姫様抱っこされているウォルを想像すると笑える。
笑えるお姫様抱っこと言えば私的にはタイバニ。
めっちゃ楽しく観てた。

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「デルフィニア戦記第一部 放浪の騎士1」茅田砂胡(中公文庫)

ノベルズ版では登録済み。今回は文庫版で改めて再読。
一回読んだだけだと細かいところまでは覚えていられないのねーと、ちょっと残念に思う気持ちと、記憶が定かではない部分はワクワクしながら読み進めることができるお楽しみ感とが混在中。
自国を追われた国王ウォルと、異世界から飛ばされてきたリィの出会いから始まる物語。
「素直に相手を評価し、称賛するだけの柔軟な精神力」
これを備えている者が上に立つことの心強いこと。
リィに対するウォルの態度はもちろん、
彼を主君と抱くナシアスやガレンスたちの態度も素晴らしい。
世界観説明っぽくなっている箇所が見受けられるのはご愛敬。
ワクワクする物語の始まり。


ノベルズ版は今は手元にないので、姪っ子ちゃんにレンタルするために文庫版でそろえてしまった……というのは建前で、本音は私が再読したかっただけです。(笑)
文庫版は挿絵がないのが残念だけど、私の脳内では沖さんの描く彼らが生き生きと動き回っています。
で、そのビジュアルを姪っ子ちゃんと共有するために画集を購入……と言うのは建前で、本音は私が愛でたかっただけです。(笑)





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「賢者と寵愛の翼」榎田尤利(リブレ)

ぶち当たった困難は助力を乞いつつも自力で解決するしかない。
信仰は心を楽にしてくれるかもしれないけど、現状をどうにかしてくれるものではない。
だからユーエンは彼ら国の未来をどうにか救おうと自ら動くのだし、
明晰たちもそれに協力する。
正直、人々の滅亡を予見しつつ何もしない(できない?)ニウライ、
クソくらえ、と思うのだけれども。
秩序みたいな人には信仰の対象は必要なんだろうなぁ。
自らの生活圏から出ることで、岩山の民や森の民と交流を持つことになるユーエン。
それは確実のこの先に活きていく。
タウのおかげで途中の不穏を吹き飛ばす爽快な読後感。
続編が楽しみ。


墨づくりはDASHに学べ。
白炭作ってたよね。
太一、頑張ってた。
でも彼らは水の浄化ではなく美味しいご飯を炊いて食べていた気が……
ウナギも贅沢に炭火で焼いて食べていた気が……(笑)
水問題は日本政府はもっと真剣に考えるべきだし、
真摯に向き合わないと時既に遅しって事態になりかねない。
わかってるのかな?
とりあえず私は滑り込みで今年のミッションコンプリート。
榎田さん既刊全登録完了。

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