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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「五番目の女 下」ヘニング・マンセル(創元推理文庫)

地道に積み重ねていく捜査状況を彼等と一緒に追いつつ、
次第に犯人に迫っていく様にドキドキが止まらない。
彼等の努力はこうして真実に結びついていくんだ、と。
刑罰を受けるべき者が、日の元で悠々と暮らしている。
地獄の苦しみを味わった被害者が、法が彼を裁かないのであれば、この手で……
と思う心情を全く理解できないとは言わないけれども。
踏み越えてはいけない一線は間違いなく存在する。
それを許せば社会の秩序が瓦解するだろう。
ならば「誰が彼を探すのか?」
彼女からの重い問いかけに応える責は確かにある。
でもあの状況で受け取った遺書、破って捨てていいの?



夜中の12時まで会議。
帰宅後、翌朝6時から勤務の為に始動。
ブラックすぎて慄くわ。
と思ってみたものの、一刻も早く犯人逮捕を!という気持ちの現れなんだろうね。
それが連続殺人犯だったらなおさら。
警察ではありませんが。
私が前職を辞めた理由の一つが、夜中に帰ってきて始発の新幹線に……という勤務状況に
無理!って思ったことを思い出してみました。
そして私は話途中で怒って電話を叩き切る男とは結婚する気にはなれない、とも思ってみました。
こっちも無理!

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「五番目の女 上」ヘニング・マンセル(創元推理文庫)

警察官と言えども、24時間事件を追っているわけではなく、
プライベートな時間ももちろん存在する。
そういったところも丁寧に書いてくれているから、
ヴァランダーがより身近に感じられるのかもしれない。
彼の担当する地域で起こった、二件の残虐な事件。
動機も犯人も皆目見当もつかない状態から、
地道にコツコツと捜査を進めていく警察官たち。
パズルのピースのように明らかになっていく断片。
だが、まだ全体像を把握するには程遠い。
上巻を一気に読み終わって表紙を目にした時、うすら寒い思いが過ぎる。
なんでこんなことを?
気になって仕方ないので下巻へ!

『ヴァランダーシリーズ』。
シリーズ5作目までを読み終わり、
もっと読みたいけど、ぽちっとするのは積読減るまで我慢。
とか言っていたのは4月の話。
結局、我慢できずに6作目以降を集めてしまった。
読みたい作品は読みたいときに読むべし。

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「ハリー・ポッターと賢者の石」ローリング(静山社)

姪っ子ちゃんにおススメされて今更ながらの初読。
一気に読み切れたのは、随分前に映画を流し見していたことと、
『本好きの下剋上』(著者は絶対ハリポタ好きだと思う)を読んでいたことが大きいと思う。
視覚的なイメージが容易で、スルッと作品世界に入っていけた。
何より、ストーリー自体が面白かった。
魔法魔術学校に入学した子どもたちの学びと成長の物語。
11歳の彼等はまだまだ成長途中。
同年代の仲間たちとの距離の詰め方が良い。
そして、教師である大人たちもまた、それぞれに事情を抱えていて意味深。
この先の展開にワクワク感しかない。



ハリポタにハマっている姪っ子ちゃん曰く。
「映画も大好きだけど、本の方が映画より色々詳しく書かれていて面白いんだよ」
そんな彼女は先日、USJで魔法の杖を買ってもらってご機嫌でした。
彼女が夏に遊びに来た時にハリポタ話ができるように!という理由で手に取ったけど、
読んでよかった。
続きも手元にあるので読んでいこうと思います。
これは、「 メイキング・オブ・ハリー・ポッター」に行かないと。
(私の推しがそこで楽しく遊んでいたので私も行ってみたい!という不純な動機もある・笑)
【ガーディアン必読119/1000冊】

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「境界のメロディ」宮田俊哉(メディアワークス)

亡くなった人が生きている人に物理的に干渉することはあり得なくて、
大切な人誰を喪った哀しみは、生きている本人と周囲の人たちとの関わりの中で
乗り越えていくものだと思うんだよね。
……という私の私見を忘れさせてくれるくらい
ぐっと作品世界に引き込んでくれれば良かったんだけど、そこまでには至らず。
ちょっと残念。
とはいえ、最後まで楽しく読めたし、小説家デビューとなる
この作品に対する 宮っちの意気込みと熱意はしっかりと伝わってきた。
キャラはそれぞれ魅力的なので、アニメ化に向いている作品だと思う。
その夢、叶うといいね。

読了後に配信を見て、さっくんの宮田くん愛の深さがビシバシ伝わってきて尊いな、と思った。
「自分の最初の作品には佐久間に関わっていて欲しかった」という宮っちの言葉がより響く。
重版決定、おめでとう。


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「二月二日ホテル」北方謙三(角川文庫)

大人になりきれないまま、大人になってしまった男、望月。
20年前の出来事に囚われ続けている限り、彼の内面は変わることはないだろう。
写真家として名を馳せ、暴力沙汰にも対処できるだけの力を持ち、
意にそぐわないことには肯んじない。
社会的には成功を収めていると言える半面、
己自身に繰り返される問いかけに応える声はなく、
結局彼は同じところに立ち尽くしたままでいる。
いつか、抱えた柵を忘れて笑える日がくるといい。
前に進める日が来るといい。
そんな思いが読後にふと過ぎった。
それにしても……彼にとっての幸せって何だろう?
問うこと自体が余計なお世話か。


書かれた時代、なんだろう。
だから言うのはナンセンスだとも思うんだけど。
でもやっぱり飲酒運転の描写が気になって気になって……
折しも私の地元は今日が「飲酒運転根絶の日」。


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「VIP 永遠」高岡ミズミ (講談社X文庫)

なんかめんどくさい輩が理不尽に絡んできて。
その理由も理解不能で楽しくなくて。
え、ここにきて、こんな人の話を読みたいわけじゃないんですけどー!と、
読み進めるほどに眉間に皺が寄ってきましたが。
最後の最後でまさかの言葉が久遠と和孝の口からきけて、
ああ、ここにたどり着くまでの苦行(?)だったのね、と、
あたたかく受け止めることにしました。
帯に「究極のハッピーエンド」とあるからこれで終わりかな?
共に生きるための道を模索した和孝の、そして久遠の変化を見守り続けたシリーズ。
地に足の着いた作品だったと思う。

これでシリーズ既刊完走。
一気読み、とても楽しかった☆彡
本は読むのも集めるのも楽しくて好き。

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「VIP はつ恋」高岡ミズミ (講談社X文庫)

読み終わってからサブタイトルを見て、納得。
拗らせまくった初恋の成就。
まったく本音のわからなかったジョシュが口にしたその心の内。
ルカの思いとのすれ違いっぷり壮大過ぎて……唖然。
そうだよね、人は成長するもの。思い込みって怖いわ~。
そして、ようやくスタートラインに立った二人のお家騒動に巻き込まれた和孝の受難。
不謹慎な物言いだけど、傷だらけになっても和孝と沢木が一緒に暴れている姿が頼もしいというか、逞しいというか。
このコンビ、好きだわ。
そんな和孝のメンタルケアを久遠がきちんと気にかけてくれていることが嬉しい。



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るるぶ大塚国際美術館

基本的にるるぶは行くことが確定した場所のものを買うのですが。
この本に関しては「来年必ず行くよ!」という意気込みの元、昨年購入。
……と同時に、何故か先に行くことが決まった妹一家に貸し出し。(お役に立てて何より・笑)
戻ってきた本誌をパラパラ眺めていましたが。
『われ去りしとも美は朽ちず』を読んだあとに改めて眺めると、
文章で読んだものが視覚的なものとして飛び込んできて、知識の固定化に大いに役立ちました。
建物が地上二階、地下三階であることも説得力をもって納得。
実際に実物を見た絵画も数々あるので、陶板で見るのも楽しみ。

旅の計画をたてるとき、必ずるるぶを手にして行先を考えます。
ネットで調べる時代ではありますが、やっぱり紙本お役立ち。(笑)
行った記念にもなるしね。
そして我が家には岡山と山梨を除いたるるぶがそろっています。
47都道府県制覇できる日を楽しみにしているのです♪

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「われ去りしとも 美は朽ちず」玉岡かおる(潮出版社)

大塚国際美術館に今夏行く予定をしているので、と気軽く読み始め……感動ひとしお。
一世一代の巨大プロジェクトに挑む人々の志や努力、無念や達成感。
込められた多くの人たちの思いが波のように押し寄せて、思わず涙。
そんな素晴らしい場所に行けるのか、と、今から期待しかない。
世界初の陶板美術館を鳴門へ。
牽引した社長の発想力、牽引力、求心力。
無茶な要求にも応えるべく尽力した職人さんたちの不屈の努力。
絵画の選定や交渉に奔走した専門家の方々。
その他建設にかかわった人たちの思いが熱く厚く伝わってくる。
事前に読めてとてもとても良かった。

先週のプロジェクトXが明石海峡大橋だったのも良いタイミング。
諸々予習はバッチリ。
インプットしたものが迷子にならないようにしっかり反芻しておかねば。(←ここ大事・笑)
「われ去りしとも美は朽ちず」
このタイトルに込められた思いがホントすごい。
見据えた先は3000年。

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「おまえうまそうだな さよならウマソウ」西宮達也

20年ぶりの新刊。そしてシリーズ最終巻。
20年ぶりに再会したティラノサウルスとアンキロサウルスの物語。
読んで思い出したけど、私、このシリーズ読むたびに泣いてたんだわ。
そして手にしたこの本でもやっぱり涙……。
「おじいちゃん」の呼称に込められた愛情がちゃんと伝わってくる。
そして20年前に伝えたことがきちんと継承されていたことが嬉しい。
キランタイサウルスが出てきたのも20年前からの因縁だね。
時間の流れは時に残酷だけれども。
共に過ごした時間の中で芽生えたものは、時の流れの分だけ生き続ける。
素敵な作品をありがとう。

新刊が出ていたのを知らなかったわけですが。
この本がテレビで紹介されていたのを見ていた
母が「あなた、ウマソウっていう恐竜が出てくる本知ってる?」
と聞いてくれたことで、私はめでたくこの本に出会えました。
「知ってる!ってか持ってるよ。読む?」の前のめりな三段攻撃。(笑)
母、ありがとう。

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