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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「銀の騎士 金の狼 新たなる神話へ」榎田尤利 (講談社X文庫 ホワイトハート) (



あなたと私。
個と個として出会い、同じ時間を過ごし、関係を深める。
そうやって築いた絆の間に、出自はどれほど関係があるのだろう?
生まれや育ちに拘り出した者たち全員に問いただしたい。
あなたはその人の何と付き合ってきたのかと。
だったらあなたが去るべきだと。
苛立ちを飲みこみながら読み進め、なんかもう、レジスタンス側の人々に色々憤慨しての読了。
多大な権力を持ちながらも地位に固執しない者は強い。
自分の保全だけを考えればいいのだから。
「人生を終わらせるために必要な存在」
彼のその言葉に胸が軋む。
生きるために戦ってほしいと。
そう願って止まないのだけれども。


那智の滝。
次巻で出てくるかな?
那智大社へつづく階段を下から全力で駆け上がり、ぜーぜー言いながら御朱印をいただきに行った思い出。
間に合ってよかった。
和歌山、また行きたいなぁ。
今度はアドベンチャーワールドに行きたい!
そしてパンダビレッジに泊まりたい。

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「生まれいずる者よ 金の髪のフェンリル」榎田尤利 (講談社X文庫 ホワイトハート)



革命の象徴でありつつも、最前線で戦う金の狼の姿に奮い立つ。
「感情で動きたい」と言い切ったフェンリル。
だから人々は彼に希望を託す。
傍らのタウバの存在が何とも心強い。
感情を排したユージンとはある意味対極。
他者に自分の理想を押しつけることは、歪みと不幸せしか生み出さないんだよ、
と、セシルには言いたい。
運命に導かれるように出逢うべくして出会う者たちが出逢い、
彼らの未来への道筋が整えられていく。
シティとDエリア。
あまりにもかけ離れた二つの世界。
統合される日が本当にくるのか。
ならば、どうやって?
逸る想いを抱きながら、次巻へ。


「何が人を変えるのだろう?」
深い問いかけ。
経験と環境。あとは?
サラの父・マーロン博士の存在感が本当に大きかったんだなぁ、とつくづく思う。

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「砂漠の王 金の髪のフェンリル」榎田尤利 (講談社X文庫 ホワイトハート)



ぐらついた土台の上に築いた建物は脆い。
些細なことで跡形もなく崩れてしまう可能性は否めない。
だから、フェンリルには自分と向き合う時間が必要だった。
現在の己を知るために。
進むべき道をまっすぐに見据えるために。
「金の狼」としてではなく、ただのフェンリルとしていられるタウバの傍での
年相応の少年らしい振る舞いに安堵するとともに、課せらた運命の重圧を禁じ得ない。
一方で幼少期のサラの溌剌さと愛らしさは、それを奪ったこの先の彼女の人性の過酷さを知らしめる。
「世界が変わるのではなく自分が変わるのだ」
この言葉に奮い立つ。
同じ言葉を胸に刻んだ二人。
出逢ったその先の未来が知りたい。


最初から最後までのめり込んで読み進めたけど、
特に後半の展開にドキドキが止まらなかった。
アラビアコーヒー……挨拶に行った仕事先で初めて頂いたんだけど、
沈む粉に戸惑い、一体どこまで飲むべきか聞くこともできず、ものすごーく悩んだことを思い出しました。
ハードル高かったよ(笑)

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「罪の声」塩田武士(講談社文庫)



31年前に起きた未解決事件。
闇の彼方に潜む真相を掘り起こそうと向けられた二方向からのベクトル。
一方は新聞記者、一方は事件関係者の家族。
地道な努力と丁寧な聞き込みで少しずつ少しずつ垣間見えてくる真相の断片。
犯人たちはもう、ほとんどここにはいない。
真相が明らかになることによって影響を受けるのは、犯罪加害者の家族であることが、
突きつけられ、なんだかやるせない。
「あなたには正義がない」
と言った阿久津の言葉に感じた違和感。
暴こうとしていたのは犯罪の真相のはず。
彼はそこにどんな正義を求めていたのだろう?
人は感情の生き物。
冷静な傍観者であることは難しい。


ザラザラとした後味の悪さは、殺された人がいること。
殺した犯人が裁かれていないこと。
金の行方がわからないこと。
あたりにあるかな?
爽快感を求める作品ではないことはわかっているから、この読後感で間違ってないのかな。
私の心のオアシスは堀田さん。スーパーアドバイザー過ぎて素敵だった。

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「おまえが世界を変えたいならば-神話の子供たち-」榎田尤利 (講談社X文庫 ホワイトハート)




望んで手に入れた強さなんかじゃない。
だけど、強くなるしかなかった。
大切な人を守るための力を、切に願った。
「おまえが世界を変えたいならば」
この後に続くアショクの言葉には背中を押された気持になる。
自分の人生を自分らしく生き抜くために、そう在っていいと思う。
理不尽な力に握り潰される命がある一方で、
この広大な世界には、ユージーン・キーツの支配する世界を壊そうとする人々が、
息を潜めて機会をうかがっている。
漸く出会えた金の狼と片翼で飛ぶ鳥。
二人とも、潜り抜けてきた過酷な環境のおかげで随分と逞しくなった。
世界は、どう変わる?

セシルには冷酷とか非道とか言う言葉を突き抜けて、変態という言葉を進呈したい。
お近づきになりたくない。
「誰かを殺すことによってしか人間になれない」
と言い放った当人は
「殺される」人間に自分がなるかもしれないお可能性は完全に念頭にないんだろうなぁ。
他人を傷つける強さよりも、誰かを守るための強さの方がよっぽど尊い。
だけど、守ろうとする者たちが傷だらけになってしまっている理不尽。

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「片翼で飛ぶ鳥 -神話の子供たち-」榎田尤利 (講談社X文庫―ホワイトハート)



「出来ることをする」ことと「出来ると思ったことをする」ことでは意味が違う。
死と隣り合わせの世界でサラが出来ると思ってしたことは無謀以外の何物でもないのだが、
結局そうやって行動することが彼女の自覚と成長を促していく。
心の準備があって旅に出たエリアスたちと同じような割り切りを、
退路を断たれるようにシティの外に出たサラに即座にしろというのは酷だろう。
とはいえ、彼女が置かれた状況を理解できるようにきちんと諭すエリアスたちの姿勢は立派。
死すら覚悟した旅。
だけど、生きて。
命を投げ打ってでも守るための戦いではなく。
共に生きるための戦いであることを信じてる。


タイトルがとてもいい。
片翼で飛ぶ鳥はいつ、金の狼に出会えるのか?
あとがきを読む限りでは次巻あたりで出会えそうなんだけど。
そして、彼らが出会った世界で何が起こるのか。
いや、現在の世界がどうひっくり返るのか?
うーん。
気になる。

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「愛を与える獣達 『番』と獣は未来を紡ぐ」茶柱一号



短編中編がテンコ盛りで楽しく読了のお借り本。
王様の世代交代が早い国・レオニダス。
おかげで、退任した後の王様はのびのび(やりたい放題)してるのかな。
神出鬼没でフットワークの軽い前々王ヘクトル。
あんなに足蹴にされて転がってる王様いないわ。
だけど、最後肝心なところはビシッと締めるから素敵。
迷える若者たちは愛について悩み、将来について惑う。
全ては、相手をどう思っているか、自分の気持ちがどう動いているか。
悔いのないように動け、と、後押ししてくれる家族の存在があたたかい。
切なくなったり、大笑いしたりで楽しく読了。

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「隻腕のサスラ―神話の子供たち」榎田尤利 (講談社X文庫―ホワイトハート)




シリーズ二作目。
シティとDエリア。
二つの地区に分かれた世界の仕組みと謎が語られつつ、物語は展開する。
繰り返し見る夢の中ですれ違う彼。
あなたは誰?
夢が夢ではなくなることを、遠い世界から使者と共に訪れた双子が彼女に知らしめる。
目を見開いて現実を見据えろと、記憶を失くした彼女に使者たちが告げる。
使者は彼女に救われし者。
揺さぶられる感情は、生きている証。
憎しみを知りつつも優しさを忘れずにいられるからこそ、強く在れると、
彼らはその身で示してくれている気がする。
立ちはだかるのは、運命。
翻弄されるのではない。
切り開くのだ。未来を。

運命の歯車、というものがあるとするなら、
カチリ、とパーツが嵌って動き出したところで物語は次巻へ。
といったところだろうか。
つまり、ものすごく続きが気になる。

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「本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第二部「神殿の巫女見習いⅡ」」香月美夜



念願の手作り本の完成までの過程を主軸に展開していく第二部第二章。
楽しそうに一生懸命作業に勤しむ面々の姿以外にも、
貴族社会にはびこる差別意識や魔力に関する諸々が平行して語られていく。
なんとも生き辛そうな世界だわ。
転生した世界で裏表なく振る舞うマインのことをうかつだ、考えなしだっていうけど、
マインが異端であるならなおのこと、
神官長もマインの魔力がどのくらいなのか、事前に試すぐらいは
しておいてもよかったと思うよ。
静的に進行してきた物語が一気に動的に転じた終盤。
ぐっと引きこまれたままのラストシーン。
こっちも同調して泣けるわ。

騎士団から神殿へと移った神官長。
文武に長けたマジ万能!な神官長の過去が気になる。
イケオジな雰囲気ムンムンのカルステッド。
この先たくさん絡んでくれるといいなー!と思ってうっかり検索したら
余計な情報を拾ってしまった気がしてただちにブラウザをクローズ。
やばい。
読んでる途中で検索かけちゃいけないんだよ!←時々やらかす。


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「神を喰らう狼」榎田尤利 (講談社文庫X文庫ホワイトハート)



フェンが好き。大好き。
だから、自分の持てるものは全部フェンにあげる。
そんなボーイの気持ちが一途で純粋であるが故に、
涙が溢れて仕方なかった。
ボーイと同じ運命を背負ったリトルもまた、
大好きなローズのために全てを投げ出す覚悟を胸に抱いている。
クローン体である彼らを「家畜」と同等にみなす人がいる一方で
「人間」としてみなして心を痛める人もいる。
あまりにも非人道的な権力なんて叩き潰してしまえと思うけれども、
それはままならない。
だから彼らは戦うのだろう。
命とは。自我とは。生きるとは。
抉られるような鋭さで突きつけられる。→

シリーズ一作目。
全く身構えることなく読み始めてしまったおかげで、
ちょっと呆然としてしまった読後の重厚さが半端ない。
フェン視点の描写がもう少し欲しかったところだけど、
辛すぎて更にダメージを喰らった気がする。
あたしはここにいる、と口にしたリトル。
それは紛れもなく「個」として生きている証。
自我を与えるのなら、奪わないで。
彼らの生きる権利を。


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