きままに読書★
読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
カテゴリー「小説」の記事一覧
- 2020.04.26 「デッドボール」木内一裕 (講談社文庫)
- 2020.04.13 「藁の楯」木内一裕 (講談社文庫)
- 2020.04.05 「キッド」木内一裕 (講談社文庫)
- 2020.04.01 「暴虎の牙」柚月裕子(角川書房)
- 2020.03.30 バードドッグ (講談社文庫)
- 2020.03.25 「ベルリン飛行指令」佐々木譲 (新潮文庫)
- 2020.03.22 「水の中の犬」木内一裕 (講談社文庫)
- 2020.03.12 「血の冠」香納諒一 (祥伝社文庫)
- 2020.03.08 「記者たちは海に向かった 津波と放射能と福島民友新聞」門田隆将 (角川書店)
- 2020.03.06 「アウト & アウト」木内一裕 (講談社文庫)
「デッドボール」木内一裕 (講談社文庫)
時間を行きつ戻りつしながらのハイスピードな展開。
脚を踏み入れた瞬間から抜け出せなくなる木内ワールド。
犯罪のプロフェッショナル。
巻き込まれた素人①。
頭のおかしい弁護士。
巻き込まれた素人②。
彼らの身に起こった悲喜劇。
え?どういうこと?と、前のめりで読ませる手法は、著者の感性なんだろうなぁ。
読後は全力疾走した後のような疲労感と満足感。
誰も彼もが収まるべきところに収まった違和感のなさ。
クレバーな佐藤がカッコイイ。
けど、その佐藤と愛海を守ろうと、必死で考えて頑張ったノボルに拍手。
この先の人生が上り調子でありますように。
グイグイ引っ張られて一気読み。
再読時はドタバタする彼らとゆっくり向き合いたいと思うものの、
きっとまた、一気に読んじゃうんだろうなぁ。
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「藁の楯」木内一裕 (講談社文庫)
著者の小説デビュー作は、私が既読の他の木内作品のような読後の爽快感はどこにもなく、
もやっとした不快感が広がっての読了。
日本全国民を巻き込んだ挙句、
最後の最後で心が挫けるなら、最初から大風呂敷広げるな。
おかげで失われた命。
誰かの命を犠牲にしてまでその男を守る必要はどこにもなかったのに。
発想も展開も前半が面白かっただけに、後半、え?ちょっと都合よすぎない?
という部分で嵌りきれなかったのが惜しい。
葛藤しつつも任務を全うした銘苅。
彼の在り方は間違ってはいない。
だけど、彼のもやっと感は私なんかの比じゃないと思う。→
個人的には清丸のような罪を犯した男に対する刑罰は、
ハンムラビで良いと思っています。
目には目を、歯には歯を。
「キッド」木内一裕 (講談社文庫)
「埋める」からまさかの「掘り出す」。
何を?は多分ご想像通り。
息もつかせぬハイスピードな展開と、連鎖して巻き込まれていく愛すべき登場人物たち。
なんじゃこりゃ!?な面白さ全開。
特別に文章が上手いわけじゃない。
だが、とにかく引き込まれる。
真剣に、だけどどこか愉快に突っ走っている彼らが
どんなエンディングを迎えるのか。
見届けるまでは頁を捲る手を止められない。
きっかけは人助け。報酬は「神様」の称号。
命を狙われてもどこまでもポジティブな麒一。
気質がとてもカッコイイドド子。
驚きの素性のノブ軍曹。
彼らの痛快な活躍を是非お楽しみあれ!
生き残るために必要なのは、機転の利きの良さ。度胸。ポジティブ思考。
次に麒一がどう出るのか。
わからないからひたすらワクワクしながら読み続ける。
彼に与した人たちの行動もやはり予測不能。
「十円ハゲ、目立たなくしてやろうか?」は強烈だった。
とても楽しかった。
「暴虎の牙」柚月裕子(角川書房)
まさかの面子に再び出逢えた喜び。
そして孤狼の血が確実に受け継がれていたことを目の当たりにすることができた喜び。
昭和から平成への場面転換には相当痺れる。
堅気には手を出さない。
相手にするのは薄汚い極道のみ。
イケイケな虎が牙を持っていたのは「あの時」まで。
狂った虎の末路は知れていた。
掴み取れた光はあったはずなのに。
愚連隊の成れの果ては愚か者。
大神のパナマ帽。
日岡の手にあるジッポ。
一作目から馴染んだひとたちがそこに或は記憶の中に息づいている。
感じ取れる時間の流れは三作品を読み切ったからこそ感慨。
次のお楽しみは映画続編!
パナマ帽と言えば中森明菜の『サザンウィンド』。
何故か違和感なく脳内再生。
リリースされたのは1984年。
あ、時代が一緒!
仇討に飛び出そうとした沖に研いだ出刃を渡す素人のおばあちゃんが
今回の私のびっくり大賞。
そして個人的に大好きな一之瀬の元気な姿が見れたのが嬉しかった。
バードドッグ (講談社文庫)
元ヤクザ。現探偵。
座っているだけでヤクザよりヤクザらしい風防の探偵矢能は、
気に入らない仕事は受けないし、電話は即座に叩き斬る。
そんな男が小学生の養女・栞の視線に抗えず、仕事を引き受けてしまう羽目に。
動き出せば有能な探偵ぶりを発揮するから驚きだ。
物騒な事件を追いつつも、
テンポよく繰り返されるやくざ者たちとの会話と絶妙な突っ込みに思わず笑ってしまう。
だが。
紐解かれた事件の真相は、やりきれないものだった。
そんな想いを吹き飛ばした矢能の見事な幕引き。
そして栞ちゃんの想いにホロリとさせられるラスト。
文句なしで面白かった。
塞いだ気分を吹き飛ばすのに相応しい作品だったわ。
次作『ドッグレース』の文庫化を待つ!
とっても待つ!←日本語……
「ベルリン飛行指令」佐々木譲 (新潮文庫)
目指すは一路、ベルリンへ。
この美しい機体を届けるために。
彼らは何故、その極秘の任務を諾としたのか。
その理由に胸が震える。
付随する数多くの困難が示されるからこそ、
任務を全うすべく選ばれた軍人らしからぬ男たちの存在に期待値が高まる。
と同時に、それが困難であるからこその不安に苛まれる。
地上で根回しをした人たちの尽力にも胸が熱くなる。
と同時に、理不尽に憤りが募る。
彼らが飛び立った時の高揚感は、読後に寂寞感に塗り替えられ、胸が疼く。
読了後に第一部に立ち返り、
硬い表情の男の心情を思って涙。
余韻に浸った後、『エトロフ急発進』へ。
「軍人である前に飛行機乗りなのです」
彼はそう言ったけれども。
戦時下において、軍人であったからこそ、乗ることができた飛行機。
飛ぶことに対する純粋な想いが伝わってくるだけに、
時代がやるせない。
「水の中の犬」木内一裕 (講談社文庫)
ヤバイ。渋くて熱くてカッコイイ。
そして、どこか哀しい。
その街には、泥の中を這いずり回っているような探偵がいた。
持ち込まれた依頼の調査で鼻が潰れ、アバラを折っても、
真相を探ることを、或は、途中で巻き込まれた事案を
どうにかすることを諦めない。
依頼人の抱えた困難に潜む果てのない闇。
理不尽に襲いかかる暴力。
そして一人、また一人。
彼の手によって命を失った者がいる。
けれども。
その手によって救われた者もいる。
探偵矢能の誕生秘話と情報屋の借金にムネアツ。
だから彼らは忘れない。
名もなき探偵を。
木内一裕。
他の作品も追いかけてみようと思います。
少しずつ揃えていくのも楽しみですね~☆
『ドッグレース』はそろそろ文庫化にならないかな?
読書の楽しみが増えました♪
「血の冠」香納諒一 (祥伝社文庫)
最初からファンタジー設定の場合はさておき。
現代物の事件解決において私と友だちの三大NG。
①超人類(神さまとか)の存在で解決
②超能力ですべて解決
③実は・・・でした。(納得できた作品もある)
この作品は③に該当することはネタバレ拾ってたから
「何故」に焦点をあてて読み進める。
事の発端は、26年前の殺人事件を模倣した現代での殺人。
人物設定。彼らの抱えた壮絶な過去。過去と現在の絡み。
全てが面白く、グイグイ読ませる。
だけど、ラスト、何かが惜しい。
「惜しい」部分が私の好みと合致すればどっぷりハマれると思っている作家さん。
次作に期待!
とりあえず、既に手元にある本を読むときは、
直前に熱帯の評価を覗きに行かないようにしよう。
と、心に誓いました(笑)
余計な情報を拾ったのはもったいなかったなぁ。
最初からまっさらな状態でドキドキわくわくしたかった。
んで、最後「はぁぁ~!?」ってなりたかった。
「記者たちは海に向かった 津波と放射能と福島民友新聞」門田隆将 (角川書店)
東日本大震災から九年目を迎えようという今この時期にも、
本書で記された各地域で、様々な建物を建てる工事が行われている。
それだけ甚大な被害だった。
あの震災を経験した今、
あのタイミングで海に向かう人も、海辺に留まる人もいないだろう。
津波の恐ろしさは骨身に沁みている。
自身が被災しても尚、新聞を発行しようとした人たち。
配達をするために瓦礫の間を縫って販売店に集った配達員の人たち。
未曽有の災害に遭遇しながらも、
己の職務を全うしようと全力で奔走していた人たちがいたことに胸が熱くなる。
多くの人たちの行動と言葉を取材して綴った本書。
涙の読了。
登録1500冊目。
身が引き締まるような思いで読了。
2011年3月11日。
頁を捲りながら、当時の情景がリアルに浮かんでくる。
振り返りって大事だなぁ、と改めて思ったので、
3月に震災関連本を読むことは、今後も続けていきたい。
「アウト & アウト」木内一裕 (講談社文庫)
やられたなぁ、と思いつつ。
ラスト、涙ぐんでしまった。
くっそー。←褒めてる。
「やらせてみたかった」
そんな理由で一人の青年の未来を奪った男は万死に値する。
ふざけんな!←憤っている。
あとは、これぞエンタメ!と突っ込み不要で楽しく読了。
客に「帰れ」と言う不遜な探偵・矢能を取り巻く問題を抱えた男たち。
殺人事件に巻き込まれた矢能と彼らとのやりとりがとても愉快。
危機回避のためにはここが正念場!というタイミングで
畳み掛けるように矢能に降りかかるトラブル。
「最悪だ……」からの逆転劇がお見事。
栞ちゃんの存在が癒し。
始めましての作家さんは久しぶりの背表紙買い。
(棚をスラ~~っと眺めて、気になったタイトルで手に取る)
前作『水の中の犬』があるようなのでそちらも読んでみよう。
個人的に一番インパクトが強かった人は
「工藤でございます」の工藤さん。
イメージ映像は何故かキツネ目。何故?(笑)