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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「図書館戦争 図書館戦争シリーズ (1)」有川浩 (角川文庫)



再読。面白いモノは永遠に面白い。
ラブコメ且つエンタメ。
だけど、軸がどっしりしているから、面白いだけでは終わらない読み応えがある。
「こんな世の中になったらイヤだな」
確かにイヤだわ。
だから彼らは身体を張って戦っている。
自分の意志で本を選び、読みたい本を読む。
そんな当たり前のはずの権利を守るために。
まっすぐに追う背中が王子様からクソ教官にすり替わっている郁。
沈着冷静を言い聞かせつつ、内面は熱い男な堂上。
この二人の掛け合いがひたすら楽しい。
のみならず、周囲の面々からの横やりもやはり楽しい。
気分上々で次巻へ。


初読の時は健康診断の待ち時間の合間で読んでいたんだけど。
「クマ殺し」の件で笑いを呑み込むのに大変な思いをした記憶が……
声は決死の想い出殺したけど、涙は堪えられなかった。
静まり返った公共の場で読むことはおススメできない(笑)
だけど、楽しくテンションが上がるから、今のこの時期に読むにはおススメ。
映画を観ているおかげで脳内映像はキャスティングのままの彼ら。
嵌り役だったと思うわ。

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「遠い港」北方謙三 (角川文庫)



肌に馴染んだ北方ワールドを想定しながら読み始めると、
ん?なんか想像できなかったよ!というストーリーが展開される。
だけど、そこに広がっているのは紛れもなく北方が紡ぐ世界。
北方以外には描き得ない、男たちの世界。
少年の目線で語られる世界は、時ににほろ苦くだけどやさしく心に沁みる。
勉強、異性、家族、将来、そして、友だちや仲間のこと。
我々にも身に覚えのある悩みを抱え、それらと向きいあいながら、
彼の示したしなやかな強さと決意が頼もしい。
海の男たちを見て多感な時期を過ごした少年が成長した姿を楽しく思い描く読後。
ものすごく良かった。

ハードボイルドでも歴史小説でもない北方。
でも、違和感なく北方。
想像してなかった方向から良作を読ませてもらえたお得感。

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「デッドボール」木内一裕 (講談社文庫)



時間を行きつ戻りつしながらのハイスピードな展開。
脚を踏み入れた瞬間から抜け出せなくなる木内ワールド。
犯罪のプロフェッショナル。
巻き込まれた素人①。
頭のおかしい弁護士。
巻き込まれた素人②。
彼らの身に起こった悲喜劇。
え?どういうこと?と、前のめりで読ませる手法は、著者の感性なんだろうなぁ。
読後は全力疾走した後のような疲労感と満足感。
誰も彼もが収まるべきところに収まった違和感のなさ。
クレバーな佐藤がカッコイイ。
けど、その佐藤と愛海を守ろうと、必死で考えて頑張ったノボルに拍手。
この先の人生が上り調子でありますように。


グイグイ引っ張られて一気読み。
再読時はドタバタする彼らとゆっくり向き合いたいと思うものの、
きっとまた、一気に読んじゃうんだろうなぁ。

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「藁の楯」木内一裕 (講談社文庫)



著者の小説デビュー作は、私が既読の他の木内作品のような読後の爽快感はどこにもなく、
もやっとした不快感が広がっての読了。
日本全国民を巻き込んだ挙句、
最後の最後で心が挫けるなら、最初から大風呂敷広げるな。
おかげで失われた命。
誰かの命を犠牲にしてまでその男を守る必要はどこにもなかったのに。
発想も展開も前半が面白かっただけに、後半、え?ちょっと都合よすぎない?
という部分で嵌りきれなかったのが惜しい。
葛藤しつつも任務を全うした銘苅。
彼の在り方は間違ってはいない。
だけど、彼のもやっと感は私なんかの比じゃないと思う。→


個人的には清丸のような罪を犯した男に対する刑罰は、
ハンムラビで良いと思っています。
目には目を、歯には歯を。

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「キッド」木内一裕 (講談社文庫)



「埋める」からまさかの「掘り出す」。
何を?は多分ご想像通り。
息もつかせぬハイスピードな展開と、連鎖して巻き込まれていく愛すべき登場人物たち。
なんじゃこりゃ!?な面白さ全開。
特別に文章が上手いわけじゃない。
だが、とにかく引き込まれる。
真剣に、だけどどこか愉快に突っ走っている彼らが
どんなエンディングを迎えるのか。
見届けるまでは頁を捲る手を止められない。
きっかけは人助け。報酬は「神様」の称号。
命を狙われてもどこまでもポジティブな麒一。
気質がとてもカッコイイドド子。
驚きの素性のノブ軍曹。
彼らの痛快な活躍を是非お楽しみあれ!

生き残るために必要なのは、機転の利きの良さ。度胸。ポジティブ思考。
次に麒一がどう出るのか。
わからないからひたすらワクワクしながら読み続ける。
彼に与した人たちの行動もやはり予測不能。
「十円ハゲ、目立たなくしてやろうか?」は強烈だった。
とても楽しかった。

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「暴虎の牙」柚月裕子(角川書房)



まさかの面子に再び出逢えた喜び。
そして孤狼の血が確実に受け継がれていたことを目の当たりにすることができた喜び。
昭和から平成への場面転換には相当痺れる。
堅気には手を出さない。
相手にするのは薄汚い極道のみ。
イケイケな虎が牙を持っていたのは「あの時」まで。
狂った虎の末路は知れていた。
掴み取れた光はあったはずなのに。
愚連隊の成れの果ては愚か者。
大神のパナマ帽。
日岡の手にあるジッポ。
一作目から馴染んだひとたちがそこに或は記憶の中に息づいている。
感じ取れる時間の流れは三作品を読み切ったからこそ感慨。
次のお楽しみは映画続編!


パナマ帽と言えば中森明菜の『サザンウィンド』。
何故か違和感なく脳内再生。
リリースされたのは1984年。
あ、時代が一緒!
仇討に飛び出そうとした沖に研いだ出刃を渡す素人のおばあちゃんが
今回の私のびっくり大賞。
そして個人的に大好きな一之瀬の元気な姿が見れたのが嬉しかった。

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バードドッグ (講談社文庫)



元ヤクザ。現探偵。
座っているだけでヤクザよりヤクザらしい風防の探偵矢能は、
気に入らない仕事は受けないし、電話は即座に叩き斬る。
そんな男が小学生の養女・栞の視線に抗えず、仕事を引き受けてしまう羽目に。
動き出せば有能な探偵ぶりを発揮するから驚きだ。
物騒な事件を追いつつも、
テンポよく繰り返されるやくざ者たちとの会話と絶妙な突っ込みに思わず笑ってしまう。
だが。
紐解かれた事件の真相は、やりきれないものだった。
そんな想いを吹き飛ばした矢能の見事な幕引き。
そして栞ちゃんの想いにホロリとさせられるラスト。
文句なしで面白かった。

塞いだ気分を吹き飛ばすのに相応しい作品だったわ。
次作『ドッグレース』の文庫化を待つ!
とっても待つ!←日本語……

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「ベルリン飛行指令」佐々木譲 (新潮文庫)




目指すは一路、ベルリンへ。
この美しい機体を届けるために。
彼らは何故、その極秘の任務を諾としたのか。
その理由に胸が震える。
付随する数多くの困難が示されるからこそ、
任務を全うすべく選ばれた軍人らしからぬ男たちの存在に期待値が高まる。
と同時に、それが困難であるからこその不安に苛まれる。
地上で根回しをした人たちの尽力にも胸が熱くなる。
と同時に、理不尽に憤りが募る。
彼らが飛び立った時の高揚感は、読後に寂寞感に塗り替えられ、胸が疼く。
読了後に第一部に立ち返り、
硬い表情の男の心情を思って涙。
余韻に浸った後、『エトロフ急発進』へ。

「軍人である前に飛行機乗りなのです」
彼はそう言ったけれども。
戦時下において、軍人であったからこそ、乗ることができた飛行機。
飛ぶことに対する純粋な想いが伝わってくるだけに、
時代がやるせない。




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「水の中の犬」木内一裕 (講談社文庫)



ヤバイ。渋くて熱くてカッコイイ。
そして、どこか哀しい。
その街には、泥の中を這いずり回っているような探偵がいた。
持ち込まれた依頼の調査で鼻が潰れ、アバラを折っても、
真相を探ることを、或は、途中で巻き込まれた事案を
どうにかすることを諦めない。
依頼人の抱えた困難に潜む果てのない闇。
理不尽に襲いかかる暴力。
そして一人、また一人。
彼の手によって命を失った者がいる。
けれども。
その手によって救われた者もいる。
探偵矢能の誕生秘話と情報屋の借金にムネアツ。
だから彼らは忘れない。
名もなき探偵を。

木内一裕。
他の作品も追いかけてみようと思います。
少しずつ揃えていくのも楽しみですね~☆
『ドッグレース』はそろそろ文庫化にならないかな?
読書の楽しみが増えました♪

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「血の冠」香納諒一 (祥伝社文庫)



最初からファンタジー設定の場合はさておき。
現代物の事件解決において私と友だちの三大NG。
①超人類(神さまとか)の存在で解決
②超能力ですべて解決
③実は・・・でした。(納得できた作品もある)
この作品は③に該当することはネタバレ拾ってたから
「何故」に焦点をあてて読み進める。
事の発端は、26年前の殺人事件を模倣した現代での殺人。
人物設定。彼らの抱えた壮絶な過去。過去と現在の絡み。
全てが面白く、グイグイ読ませる。
だけど、ラスト、何かが惜しい。
「惜しい」部分が私の好みと合致すればどっぷりハマれると思っている作家さん。
次作に期待!

とりあえず、既に手元にある本を読むときは、
直前に熱帯の評価を覗きに行かないようにしよう。
と、心に誓いました(笑)
余計な情報を拾ったのはもったいなかったなぁ。
最初からまっさらな状態でドキドキわくわくしたかった。
んで、最後「はぁぁ~!?」ってなりたかった。







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