きままに読書★
読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
カテゴリー「小説」の記事一覧
- 2021.04.04 「ここで死神から残念なお知らせです。」榎田ユウリ (新潮文庫nex)
- 2021.03.30 「Blue Paradise in YOKOSUKA」五條瑛
- 2021.03.27 「パーフェクト・クオーツ 碧き鮫」五條瑛 (小学館文庫)
- 2021.03.24 「パーフェクト・クオーツ 北の水晶」五條瑛 (小学館文庫)
- 2021.03.19 「この春、とうに死んでるあなたを探して」榎田ユウリ (文春文庫 )
- 2021.03.18 「星条旗の憂鬱 情報分析官・葉山隆」五條瑛 (文芸社文庫)
- 2021.03.11 「ナインデイズ 岩手県災害対策本部の闘い」河原れん
- 2021.03.08 「スパイは楽園に戯れる」五條瑛 (双葉文庫)
- 2021.03.07 「末期ガンでも元気です 38歳エロ漫画家、大腸ガンになる」ひるなま (ポラリスCOMICS)
- 2021.03.04 「動物園で逢いましょう」五條瑛 (双葉社)
「ここで死神から残念なお知らせです。」榎田ユウリ (新潮文庫nex)
直前に読んだ『死んでいる』が肉体的な滅びについて書かれているなら、
こちらは精神的な死の認識について書かれていて、とても対照的。
どうしたって感傷的になってしまう。
どの瞬間に死んだとしても、やり残したことってあると思うんだよね。
だから「楽しかった!」という想いの比率が高かったら良いんじゃないかと自分なりに思ってる。
家族間の蟠りはできれば生きている間に解いてもらいたいと思うけど、
それもままならなかったりするのが世の中。
やるせない。
もしも死んだ後に意識が残っているなら、自分のお葬式を見てみたい。
と、何故か最近思うようになった(笑)
おしゃべりな死神。
なんか既視感、と思ったら、北方の「おしゃべりな殺し屋」でした。
叶さん、好きだわー。
本なら読み返せば亡くなった人物に会えるけど、
現実世界でそれは絶対にかなわない。
だから、悔いのないように。
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「Blue Paradise in YOKOSUKA」五條瑛
葉山視点で描かれる物語が静なら、
坂下が主体で描かれる本作は動。
在日米軍による薬物の密輸事件の真相を追う坂下&葉山コンビ。
なんだかんだ仲良いよね、この二人。
その二人に割り込むように突っ込まれたエディの射撃指導がエロ過ぎました。
聞き取りに加えてアクションも交えながら明らかになっていく真実。
その狭間で沖縄の米軍基地事情がいろいろと伺えて、考えさせられた。
坂下メインのスピン的な位置付けかと思ったら、
完全に本編に食い込んだ内容で、
このシリーズは自らの出自に捕らわれた葉山の物語だということを改めて突き付けられる。
シリーズ完結まで見届けられることを切に願います。
沖縄に飛んで、浮かれてライブ会場に向かう途中でデモのための渋滞に巻き込まれたことあったなーと、振り返り。
本作を読みながら当時の光景を思い、そんな背景があったりするのか、と唸りました。
とはいえ、何度行っても観光では楽しい思い出しかない沖縄。
また行きたいなー。
再読・初読織り交ぜて改めて一気に読み切った『鉱物シリーズ』。
読んだ巻数を重ねるほど、深みに嵌っていくこと必須。
諦めずにいれば続きが読めるということを信じて待っています。
「パーフェクト・クオーツ 碧き鮫」五條瑛 (小学館文庫)
ここまでこの物語を追うことのできた満足感と、
更にその先の物語を読みたいという餓えと。
せめぎあう感情に揺られて溜息。
個人、家庭、会社、国、世界。
世界が個人に襲い掛かったら……逃れようがない。
世界のうねりを個人では止める術がないことを思うと、
うすら寒い気持ちになる。
そして、国のトップが変わる重みを、ここ数年、痛感させられることばかりだ。
前作「北の水晶」での出来事を同時系列・別視点から語られる物語。
作中に実際には登場しない葉山の存在感が半端ないのは、
誰もが彼に魅せられているから。
新たな謎が提示され、気になることばかり。
スパイの遺伝子。
あるのかな?と、ちょっと懐疑的。
遺伝子と言うよりも環境だと思うんだよね。
皆が彼にそうなることを望んでいる。
だからこそ、彼には周囲の思惑に収まらない場所に行ってもらいたいと思ってる。
とにもかくにも『パーフェクト・クオーツ』を出版してくださってありがとうございます!
そして『ソウル・キャッツアイ』の発売を心待ちにしています!
「パーフェクト・クオーツ 北の水晶」五條瑛 (小学館文庫)
身の丈、という言葉がある。
己の価値を見極めることができなかったことが、
彼を滅びへと誘った。
血の縛り、という柵がある。
我が子だからこそ、自らの目的達成のための贄にしてもかまわない、という心境が理解不能。
かつて、実際に起こった事件の数々が頭を過る。
その陰でこんな動きがあったとしても、不思議ではない。
そう思わせるリアリティがそこにある。
情報は武器。そして宝。
コツコツと事実を積み上げて手持ちのカードを増やしていった彼ら。
神経がタフでなければやり通すことのできない仕事。
と同時に、細やかな観察眼と先読みができなければ仕事にすらならない。
読了後、何この人たちのこの蜜月!と昇天しそうになる。
エディ、ここにきてデレたなぁ。
と同時に、新たに提示されたワードにより、
さらにその先を読みたいという想いが搔き立てられて眩暈がしそうになる。
この作品を手にすることができたように、
『ソウル・キャッツアイ』を手に取ることができる日が来ることを信じてる。
その前に、本作と対になっている『パーフェクト・クオーツ 碧き鮫』を読むお楽しみが待っているのです。
「星条旗の憂鬱 情報分析官・葉山隆」五條瑛 (文芸社文庫)
『鉱物シリーズ』番外編。短編連作。
主軸はもちろん彼らの物語なんだけど、
韓国の大統領交代、思いやり予算、三菱重工のイージス艦入札等々。
あ、オーストラリアと中国の問題もか。
時事的な事象が端々で描かれていて、考えに沈みそうになること屡。
そしてまさかの人が転勤になっていて、えーー!と。
時間は留まることなく流れているんだと実感する。
昨今のアメリカ政権の変動を作中に反映させる場合、
五條さんはどう描くのか。興味あるなー。読みたいなー。
迷いなく生きる人たちの中で、一人惑う葉山。
だけど、彼の核は固い。
だから、溺れることはないと、信じてる。
まさかの邂逅にきゃーーー!となっての読了。
組織内での異動が気になる人もいるし。
次巻も文庫で出してくれることを願うわ。(個人出版で絶版中)
そしていよいよ本編『パーフェクトクォーツ』に。
積読が減るのは良いことだけど、
シリーズ既刊を読み切ってしまう淋しさがチラッと過る。
ああ、でもずっと続きが出ずにいた期間を思えば、
今こうやって読めていることが奇跡。
「ナインデイズ 岩手県災害対策本部の闘い」河原れん
ノンフィクションノベル。
東日本大震災。
想像することなどできなかった未曽有の災害。
だけど、私たちはその災害に見舞われた。
ならば、伝えなければいけない。
次に同じような災害が起きたとき、命を守るためにどうすればよいのかを。
そして、考えなければいけない。
同じような悔しさや無力感に苛まれないために、或いは、
一人でも多くの人の命を救うために、どうすればよいのかを。
本書には災害時の対策を行っていくうえで、
今のうちの考えておかなければならない問題点が多々描かれている。
災害が起こってから考えたのでは遅すぎる。
そのことを重く受け止めるべき。
ライフラインがすべて途絶えた状況下で
どうやってリアルタイムな情報を収集し、伝達するのか。
まずはこれに尽きる。
でなければ、必要な場所に適切な救助の手を差し伸べる事ができなくなる。
そして縦割りの弊害をどう取り除くのか。
素早く効率的に対応するためには事前プランニングとシュミレーションは必須。
同じことが起こった時に同じようにもたつこことだけは避けて欲しい。
そして他人を思いやる気持ちを絶対に忘れてはいけない。
「スパイは楽園に戯れる」五條瑛 (双葉文庫)
嘘でしょ……と、呆然。
彼の純真さとまっすぐさと潔癖さ。
何もかもがやるせない。
志高く歩み続けてきた道だったけれども、
蜘蛛の糸に絡めとられていたことを認識したが故の選択。
そんな答えなんて見つけなければよかったのに。
だけど彼は、どんな状況にあっても、知りたいと思ったのだろう。
自分らしく生きるために。
誰も彼もが自らの仕事をしただけ。
と、言い切れないしこりが残ってやっぱりやるせない。
とはいえ、一つ一つの情報を積み上げて真実を探っていく彼らの手法は相変わらずの読み応え。
相変わらずの愉快な関係に笑いつつ、ラストで涙。うっ……
この先もまだ読める。
続きが手元にある。
長らくお預けを食らってきた身としては、そのことがただただ嬉しい。
このシリーズは本編と番外を総括して是非出版順に。
そして今年手をつけるつもりのなかった『革命シリーズ』。
本編にサーシャの名前が出てきたら、読まなきゃいけない気になってきてしまうわ。
「末期ガンでも元気です 38歳エロ漫画家、大腸ガンになる」ひるなま (ポラリスCOMICS)
例えば2年生存率80%と言われても、当人にとっては0か100かでしかない。
そもそも私は腫瘍があと1mm大きかったら生存率は60%に下がるという
ギリギリラインにいたので、自分が生きている限り余命あり。
そう思っていたら気づけば2年をクリアしていた。
作中に描かれていることはすべて、なるほどと頷くことばかりで、
病気の発見から手術・抗がん剤に至るまで参考になると思う。
そして計り知れない勇気をもらえると思う。
著者にとっての有効な治療が継続できるようになったこと、本当によかった。
そしてラストの旦那さんの姿に泣きそうになったわ。
癌の発見は早ければ早いほど良いので、
一件目で納得できない場合や体調が思わしくない場合は著者のように二件目に行くべき。
私は一件目は「暫く空きがない」と言われ、
アポなしで二件目に突撃したら、びっくりするスピードで検査の段取りをしてもらえました。
退院して周りの人たちに言いまくったのは、とにかくがん保険に入っておくこと。
作中にあるように、手術にしろ抗がん剤にしろお金がかかります。
(私は保険適応外の手術も抱えたから尚更だった)
使わないに越したことはないし、過剰な保険はいらない。
だけど、必要最低限の保険は必要。
一度罹患したら入れないと思って。
「動物園で逢いましょう」五條瑛 (双葉社)
番外編5冊目は本編の主要キャラ総出演。
というか、本編主役の葉山がメイン。
頑固で意地っ張りで実は負けず嫌い。
彼のそんな本質が伺える。
結果的に期待に応えてしまうから、
上司のエディも無茶ぶりし甲斐があるんだろうなぁ。
だから坂下も葉山に仕事を押し付ける。
無能だと判断した人間に仕事を任せることを良しとしない男だと思うから。
情報漏洩のマイナス影響は、気づかないうちにジワジワ効いてきて、
気づいたときには手遅れという事態になっていそうで怖い。
無自覚の情報提供者にはなりたくないなぁ。
最後のエピソード。
洪とパクが相変わらずで嬉しい。
白か黒か。
きっぱりどちらかに寄ってしまう私は、
巧みに色を変えて人を翻弄するスパイには向かない。←自己分析(笑)