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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「デルフィニア戦記7 コーラルの嵐」茅田砂胡(C・NOVELS)



人を殺す手段は各種様々あるけれども。
「どうして噛み殺してはいけないんだ?」
はっとさせられる問いかけ。
それは、リィの生きてきた世界の過酷さを表す言葉。
生きるために剣で殺すこと噛み殺すことの違いは……?
ちょっと考えさせられました。
隣国の策略を跳ね除けるための対策として持ち上がったリィとウォルの婚姻話。
リィが隠してきた己の一面をウォルに見せたことによって、
二人の間に緊張が走るけれども。
挿絵の二人の笑顔にほっと胸をなでおろしました。
婚礼の最中に届けられた隣国からの宣戦布告。
婚礼衣装のまま戦いの場に赴く二人が本当に大好きです。
ああ、でも好きキャラこの人!と、まだ特定できない。
みんながみんな魅力的。



内容(「BOOK」データベースより)

国王に押しかけ愛妾出現。王女にタンガの皇太子との縁談。日頃は剛胆なウォルも無敵のリィも敵国の策略を知って激怒した。この事態に対抗すべく国を挙げリィとウォルの婚姻が敢行される。だが、厳粛な式の最中、タンガから宣戦布告が届けられた―剣を取れ。国王の大音声が響きわたる。

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「デルフィニア戦記6 獅子の胎動」茅田砂胡(C・NOVELS)



起こっている事象の一つ一つは深刻なんだけど、
渦中にいる人たちの性格故か、とっても楽しい読書時間です。
王宮が化け物屋敷で、国王が最大級の親玉。
比喩がいちいち面白すぎるし、遠慮のない言葉の応酬は
なんだか胸がすく爽快感があります。
お忍びで5階分の壁をよじ登る国王はめったにお目にかかれないだろうなぁ。
ウォルの国王としての器の深さは底抜けだと思う。
固い信頼を寄せ合うバルロとナシアス。
お互いがお互いを案じて「馬鹿」といいあうシーン好きだわ。
結果仲良く(?)北の塔へ。
彼らを慕う騎士団たち。
戦いの描写もは臨場感があってドキドキ。
新たな不穏分子の登場で次巻へ。

ヴァンツァーのこれからがとっても気になります。

内容(「BOOK」データベースより)

騎士バルロが出撃する叔父のマグダネル卿を討つために―。国内に争乱を呼ぶサヴォアー族の内粉とは、主家失脚を企む卿とその陰謀を阻止せんとするバルロの対立であった。卿の背後にはデルフィニアを狙う大国タンガとパラストが…。この危機を迎え討つべく国王は自ら行動を開始した。

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「デルフィニア戦記5 異郷の煌姫」茅田砂胡(C・NOVELS)



ウォルが国を治めるようになって三年。
王国内でジリジリと燻っていた火種が、燃え上がろうとしていた。
国内の不穏分子の企みから、近隣諸国を巻き込んでのきな臭い情勢へ。
話が大きく動き始めると共に、
魔法街やおばばの出現でぐっとファンタジーよりになった感じ。
そもそも、王女のサロンで二日酔いになる程の飲み比べに挑む
国王・王女・独立騎兵隊体調のあり様が既にファンタジー。
彼らにはずっとこのままの関係でいてほしいなぁ。
バルロとイヴンのじゃれあい(?)も良いね。
皆の会話が本当に軽妙で楽しくて、思わず笑ってしまう感じがイイ。
さて。
この騒動をどう治めるのか。続きが楽しみ。



内容(「BOOK」データベースより)

デルフィニアの内乱に勝利してウォルは再び王座に就いた。黄金の戦女神と讃えられたリィもまた王女の称号を得て王宮に迎えられた。それから3年―平穏だった王都に暗雲が立ちこめる王宮に暗躍する謎の一族、リィをつけ狙う無気味な暗殺者、公爵家に不可解な挙兵の気配。陰謀を察知したウォルの決断とは。

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「デルフィニア戦記4 空漠の玉座」茅田砂胡(C・NOVELS)



カリンの毅然とした、だが、悲痛な叫びが胸に刺さる。
剣がなくとも存分に闘えることを身を以て証明した彼女によって暴かれるペールゼンの罪。
そして巻き起こる混乱。
いぶし銀好きの私としては、タウの頭目のダンディなかっこよさに惚れ惚れでした。
リィのおみやげって……おみやげって!
これはリィとイヴンにしかできない戦い方だよね。
緊迫感にドキドキしつつも、所々で爆笑させられました。
終始一貫して己の義を貫いたウォル。
無事にコーラルを奪還し、一連の騒動は一段落。
この後、どんな物語が待ち受けているのか。
続きを読むのがとっても楽しみです。

ナシアスとバルロのやり取りが微笑ましい。
でも、そのやり取りのきっかけとなった出来事を考えると胸が痛む。
親友同士が剣を向け合う日なんて、二度とこなければいい。



内容紹介

ついに王都コーラルの目前に迫った国王軍だったが、宿敵ペールゼンによってウォルの出生に疑問が投げかけられた。混乱する国王軍に襲いかかるティレドン騎士団。コーラル奪回篇完結。

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「白亜宮の陰影 デルフィニア戦記3」茅田砂胡(C・NOVELS)



並々ならぬ覚悟で救い出した伯爵とウォルとの最期の時間があまりにも哀しい。
父と息子と。
ただ、それだけの間柄で良かったはずなのに。
二人の間にはあまりにもいろいろなものが介在しすぎて、やるせなさすぎる。
でも、間に合ってよかった。
それが別れの言葉を交わすための時間だったとしても。
友であり、同士でもあるリィとウォルの間に漂う空気感がたまらなく好き。
そしてさらに立ち込める暗雲。
「血筋」につくのか「人」につくのか。
ウォルと共に戦ってきたドラ将軍やナシアスの決意には胸が打たれた。
嵐の渦中にあってもウォルとリィは揺らがない。
譲れないもののために、前に進むのみ。


内容(「BOOK」データベースより)

緒戦の大勝利にもかかわらずウォルの陣幕は沈んでいた。王冠を棄て軍を解散せよ、さもなくばフェルナン伯爵の命は保証しない―。大義のため養父を見捨てるかペールゼン侯爵の専横に屈するか。苦悩の選択を迫られたウォルは逆転を賭してリィに伯爵救出を託した。難攻不落のコーラル城リィはその最深部を見指すが…。

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「土漠の花」月村了衛(幻冬舎)



【たとえ、どんなに辛くても、私は生きて戦わねばいけません】

戦わなければ殺される、という現状に否応なく巻き込まれた自衛官たち。
正義の為でもなく、大義の為でもなく、ただ、生き延びるための戦いが、
いつしか仲間たちの命を繋ぐための戦いへと変化していくにつれ、
彼らの在り方が、その行動が、いたたまれなくなってくる。
もしもこの戦いがなければ、友永と新開は分かり合えなかったかもしれない。
由利と梶谷も距離を置いたままだったかもしれない。
だけど、分かり合い、認め合えた彼らがそこにいる。
だからこそ、彼らの未来が見たかった。
共に肩を並べて歩む未来を。
この仲間たちと会えて良かった。
違った状況で、言ってほしかった。

この作者は人と人との在り方を描くのが、本当にうまいなぁ、と思います。


内容(「BOOK」データベースより)

ソマリアの国境付近で、墜落ヘリの捜索救助にあたっていた陸上自衛隊第一空挺団の精鋭たち。その野営地に、氏族間抗争で命を狙われている女性が駆け込んだとき、壮絶な撤退戦の幕があがった。圧倒的な数的不利。武器も、土地鑑もない。通信手段も皆無。自然の猛威も牙を剥く。最悪の状況のなか、仲間内での疑心暗鬼まで湧き起こる。なぜここまで激しく攻撃されるのか?なぜ救援が来ないのか?自衛官は人を殺せるのか?最注目の作家が、日本の眼前に迫りくる危機を活写しつつ謳いあげる壮大な人間讃歌。男たちの絆と献身を描く超弩級エンターテインメント!

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「黄金の戦女神 デルフィニア戦記2」茅田砂胡(C・NOVELS)



戦女神の如き少女リィと共に奪還すべき己の国へ向かっていたウォルは、
彼に忠誠を誓う騎士団長と合流し、旧知の友と思わぬ状況下での再会を果たす。
着々と進められる戦準備。
事態は決して楽観できるようなものではないのだけれども。
リィの言葉には何故かとてつもない安心感と説得力がある。
そしてリィとウォルとイヴンの会話が半端なくおもしろい。
常識人の頭の固い将軍たちがお気の毒になってしまうくらい。
突然立場が変わってすべての友人を失ったと寂しく言ったウォルだけど、
彼は決して一人じゃない。
彼が変わらない限り、失わないものもある。
張り巡らされる陰謀の罠にどう立ち向かうのか。
ワクワクしながら次巻へ。


内容(「BOOK」データベースより)

卑劣な陰謀で偽王の濡れ衣を着せられ逃亡中の国王ウォルと異世界から落ちてきた少女リィ。盗まれた王座を奪回するため旅を続ける二人を慕って志を同じくする仲間が次々と結集する。ようやく国王軍の体を為し首都コーラルに向けて進軍する彼らを阻むべく待ちうける敵の大軍。そしてペールゼンの悪辣な罠が。

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「放浪の戦士 デルフィニア戦記1」茅田砂胡(C・NOVELS)



異世界から迷い込んだ正体不明の少女リィと、
あらぬ疑いをかけられて国を追われた戦士であり国王であるウォル。
リィの聡明さと歪みのないまっすぐな気質がとてもまぶしい。
そしてウォルの実直さとおおらかさがとても好ましい。
10歳以上歳の離れた二人が遠慮なくポンポン言いあう様がとても楽しくて、
サクサク先に進んでしまいます。
リィにコテンパンにやられた壮年剣士のガレンスは潔いいのになんだか微笑ましいです。
この巻は、二人の運命的な出逢いに端を欲する冒険譚の始まりの章。
この先にどんな出来事が待ち受けているのか、読み進めるのがとても楽しみな物語。

久しぶりに手にした長編ファンタジー。
すんなり物語世界に入り込めて、ワクワク感倍増し☆



内容(「BOOK」データベースより)

刺客に追われる漂泊の戦士ウォルと異世界からの迷子リィ。剣戟のさなか孤独な二人の戦士の偶然の出逢いが、デルフィニア王国の未来を、アベルドルン大陸の運命を大きくかえていく。やがて『獅子王』と『姫将軍』と呼ばれることになる二人の冒険譚はここからはじまる。

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「迷宮」中村文則(新潮文庫)



「誰か一人いなくなればいいのに」
祈るように願う以外、現実を変える術を知らなかった幼い命。
そう願わざるを得なかった、優しくない現実。
歪みが歪みを呼び、狂気が狂気を呼ぶ。
文字通りの負の連鎖。
家族の歪みは外側からはわかり辛いからこそ、起こる悲劇がある。
あちら側にいってしまうかと終始ハラハラしながら頁を捲った「僕」の選択。
誰かを殴ること、刺すこと、殺すこと。
想像することだけは、どこまでも自由だ。
人生を終わらせることではなく、固執することを選んだ僕。
彼女の世界が外に向かって開かれることを切に願います。
人生は捨てたもんじゃない。

全ての人に「この本イイよ!」と勧められる話では決してないんだけど。
中村さんの話、私は好きです。
この話の終幕はとてもやさしかった。


内容(「BOOK」データベースより)

胎児のように手足を丸め横たわる全裸の女。周囲には赤、白、黄、色鮮やかな無数の折鶴が螺旋を描く―。都内で発生した一家惨殺事件。現場は密室。唯一生き残った少女は、睡眠薬で昏睡状態だった。事件は迷宮入りし「折鶴事件」と呼ばれるようになる。時を経て成長した遺児が深層を口にするとき、深く沈められていたはずの狂気が人を闇に引き摺り込む。善悪が混濁する衝撃の長編。

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「恋する組長」笹本稜平(光文社文庫)



やくざ御用達の探偵業を生業とする私立探偵の、
やくざや悪徳刑事からの依頼を消極的積極的に解決していく6編の短編集。
一癖も二癖緒ありすぎる面々と絡みつつ、
人情話あり、笑いあり、で問答無用でおもしろい!
そして最終話6話目の幕引きがメッチャ洒落てて良い。
主人公の周りのやくざや悪徳刑事の個性が本当に強烈過ぎて、
日々退屈しないだろうなぁ。
なんてったて悪徳刑事の話のタイトルは「ゴリラの春」。
解説の「ユーモアハードボイルド」という言葉は言い得て妙な表現。
読後にスッキリしたいときにはうってつけかも☆

正直笹本さんの話だからもう少し硬派な話かと思っていたのですが、
良い意味で期待を裏切られました☆
積んでる他の話を読むのが俄然楽しみになってきました。


内容(「BOOK」データベースより)

“おれ”は、東西の指定広域暴力団と地場の組織が鎬を削る街に事務所を開く私立探偵。やくざと警察の間で綱渡りしつつ、泡銭を掠め取る日々だ。泣く子も黙る組長からは愛犬探しを、強面の悪徳刑事からは妻の浮気調査を押しつけられて…。しょぼい仕事かと思えば、その先には、思いがけない事件が待ち受けていた!ユーモラスで洒脱な、ネオ探偵小説の快作。

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