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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「流塵 神尾シリーズ4」北方謙三 (集英社文庫)



へし折られた翼を取り戻し、生き返った男。
乗り越えるべき壁にぶつかった男。
自らの足で立とうとする、成長著しい少年。
彼らは神尾と出会い、神尾と行動を共にする。
ウイグルからタクラマカンの砂漠を抜け、敦煌へ。
目指した国は、日本。
叶うことなら、四人で。
誰一人欠けることなく四人で。
年若い彼らが成長していく様をみていれば、彼らの未来を希う。
またかよ!とは言ってはいけない。
だけど、言いたくなる。
わかってはいたけど、またかよ、北方!(涙目)
自らの誇りに殉じた彼らに悔いはなかったはず。
流れる塵と共に、やすらかに。


もはや、足手まといとは言わせない、秋月。
キミの本職はなんだっけ?と言いたくなるくらい、いい仕事したよ。

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「炎天 神尾シリーズ3」北方謙三 (集英社文庫)



死ぬために生きるのではない。
生きるために生きるのだと。
胸倉を掴んで叫びたくなる。
遠い異国の地で、
自らの人生の舵を死に向かって切った男がいた。
走り出した船は、誰にも止めることはできない。
そんなの結局は自己満足じゃん!とやっぱり叫びたくなるけれども。
それが男の生き様なのだと。
言いくるめられてしまうのが北方作品。
見守るしかないのだ。
信天翁の件は涙しかなかった。
「度胸のないヤツ」呼ばわりされていた秋月の
成長著しい姿がとても頼もしい。
習いつづけたボクシングがきっちり身についているのが
ちゃんとわかるのも素敵。


神尾にはやはり海が似合う。
だけど、探偵業も板についたと思ってしまう。
どこにいても、自らの生き様を貫けば、自分らしさもついてくる。

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「灼光―神尾シリーズ2」北方謙三 (集英社文庫)



心は自由だ。
何者にも縛られない。
男には男の、女には女の動機があり、理由がある。
誰に強制されたわけでもない。
自分にしか意味のない理由で彼らはそこにいる。
乾いた灼熱の大地、アフリカに。
たとえそれが命を懸けた選択であったとしても、
それは、彼ら自身で決めたこと。
だから彼らは、頑ななまでにまっすぐ突き進む。
自らの心に誓った使命を果たすために。
係った者たちの心に傷を刻んだエンド。
だけど、明日を迎えた彼らは生き続ける。
血を流し続ける心。
「大丈夫ですよ」
その言葉が、強がりではなくなる日がくるといい。


水滸伝を読んできたおかげで「死域」という言葉がどうしたって出てくるシーンがある。
燕青の姿が神尾と重なった。
ほんのちょっとだけ触れられる神尾と秋月の10円でのナイフのやり取りがとても好き。
この表紙、読後に見ると込み上げる思いがひとしお。


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「進撃の巨人 25」諫山創 (講談社コミックス)




語られる歴史。
国が二つあれば、主張も二つある。
そして、正義も。
何が正しくて、何が過ちなのか。
その時代を生きる者には、いや、後世を生きる者にだって
ジャッジすることは難しい。
纏まりかけた人心。
高らかな宣戦布告。
その瞬間の、静から動へのあまりにも衝撃的な転換に、ただ震える。
あの構図、すごすぎる。
異国で戦う戦士たち。
少年だった彼らはもういない。
「死ぬな 生き延びろ」
儚く散って行く命が数多あるなかで、重く響く言葉。
故郷に帰れるのは果たして誰なのか。
考えることは放棄する。続刊を手にすればわかることだから。


リヴァイが本当に好きなんだと、改めて思った瞬間。
そして、綺麗事がどこにもない、この作品の奥深さに改めて唸る。


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「それまでの明日」原りょう(早川書房)



時は止まらずに流れていた。
間違いなく、彼はそこにいた。
そう、思わせてくれる導入。
そして、その印象は最後まで裏切られることはなかった。
「渡辺探偵事務所」
事務所がこの名前であることで得られるおもしろみの効果が
今尚生きているところがすごい。
依頼人は一体どこへ?
そもそも、彼は誰なのか。
誠実な探偵は、真実を追いつづける。
事件に巻き込まれるも、ジェットコースター的な展開はない。
ただ淡々と物語は進む。
だが、そこに編み込まれた人間模様に引きこまれる。
そして最後の衝撃に心拍数が跳ね上がった。
え?ちょっと~~!!


これ、絶対文庫も読まないといけないヤツ。
「あとがきにかえて」絶対に読みごたえあるに決まってる!
と、唸って本を閉じました。
そして、心臓に悪い引きなので、ここで終わりにはしてほしくない。
何か意図があってのあの終わりなんでしょうね?と尋ねたくなる。
淡々とした物語。
なのに、読後のこの胸の中のざわつき感が半端ない。
わ~~~!!!

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「さるのこしかけ」さくらももこ(集英社文庫)



ああ、わかるわ~、という共感と、
え、そんなことが!?という驚きと、
あ、ないわ~、というドン引きと。
どれもこれもが直球で飛び込んでくる言い回しで、
読んでいてとても楽しいエッセイ。
初っ端の痔の話から笑わせてもらいました。
例えが秀逸すぎ!
旅行にいけば、ネタになる話って絶対出てくるよね。
だから私、人様の旅行の話を聞くのも、自分の話を語るのも好き。
ホーミー!わかる!なんちゃってだけどできる、それ!というのが、自分的盛り上がり(笑)。
人生山あり谷あり。
ガチで楽しんだモノ勝ちだな~、と改めて思った。

「面白いから!」と、義妹のお母様からお借りした本。
自分では絶対手に取らないカテゴリーの本だけど、読んでみたら楽しかった。
こういうの、肩の力抜けるね。
旅の話もだけど、お仕事話を聞くのも好き。
義妹のお父様のお仕事話はかなり強烈だったのよね。
そんな素敵な方々とご一緒に、今度の週末に食事会。
楽しみ♪






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「去年の冬、きみと別れ」中村文則(幻冬舎文庫)



とても狭くて息苦しい世界で生きている人たちの物語。
あまりにも濃密な閉塞世界に引きこまれ、戸惑う「僕」。
「きみは誰だ」その言葉にハッとする私。
自由に羽ばたく翼を持つ者は誰一人としておらず、
青い空に憧れることにすら思い至らず。
心を捕らわれたただ一つのものの為に、
深く深く、澱の中に沈み込んでいく。
彼等は自身を弁護しない。
正しいとも思っていない。
ただそれをやり遂げなければならないいう、病的なまでの強い意志と善悪を飛び越えた行動力。
それこそが狂気。
自己愛も含め、彼らの語る愛は果てしなく身勝手。

映画を観に行く前に再読。
読めば読むほど、どんなふうに映像化されているのかが気になって仕方がない。

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「いつもの朝に 下巻」今邑彩(集英社文庫)



死者の残した言葉に振り回される子どもたち。
朽ち果てた家で相手の命を繋ぎとめようと懸命に発せられたふたりの言葉に、
ほら、あなたたちは正真正銘の兄弟なんだよ、
と、叫びたくなった。
「あなたの子供」
この言葉が、こんなにも悲しく突き立てられた作品は他にない。
沙羅の桐人に対する愛情深い言葉と態度が胸に響いた。
彼女はまぎれもなく、二人の子どもの母親なのだと、揺るがない想いに安堵する。
突き刺さったやるせなさは、最後まで抜け落ちることはなかった。
真実は、時として誰かの運命を瓦解させてしまうほど残酷だ。
だけど、家族の絆はその崩壊を食い止めることができるのもだと信じたい。


初読の時は、語れらなかった優太と桐人のその後を色々と思い描いていたせいか、
今回再読して作品の進行と自分の妄想(?)の中での出来事とが一瞬混同して混乱。
それだけ思い入れがあったんだろうなぁ。
『エデンの東』に取りかかろうとしているタイミングで読めたことに感じる巡り合わせ。
この作品は読メを始めてからずっといつか再読を!と思ってきたので、
それが叶って満足なのです。

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「いつもの朝に 上巻」今邑彩(集英社文庫)



ひたひたと迫り来る真実。
それを”悪意”と読み取ったとしても、異論は許さない。
もしも彼が生れてくる子供をその腕に抱くことがあったら、
こんな手記を残しただろうか?
懸命に真実と向き合おうとした子供たち。
彼らは本当のことを知りたかっただけ。
手繰り寄せた糸の先に絡みつかせてしまったのは、
まったく悪意のない爆弾。
どこかで彼らの秘め事を彼女に打ち明けるタイミングさえあったなら、
こんなことにはならなかったのに。
ヨシさんの言葉が私の胸に深く深く突き刺さる。
半泣きになりながら、下巻へ。
彼らの笑顔を奪わないで。


ちっとも冷静な感想かけてない(苦笑)
結末を知っている私は、涙をこらえるのに大変だった。
わ~~、再読ツライ!でもこの作品好きなの。

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「日本に自衛隊がいてよかった 自衛隊の東日本大震災 」(産経新聞出版)



誰も予測なんてできなかった。
だからこその未曽有の災害。
津波に襲われ、或は原発事故が起こった現場で
人々の救助にあたった自衛隊の方々。
彼らだって被災者だった。
けれども、自らのことを後回しにして
懸命に救助にあたってくれた彼らの存在を忘れてはいけない。
「訓練」という日々の彼らの努力の積み重ねがあったからこそ、
ここまでの対応ができたのだということも。
だからこそ、最後に突きつけられた大きな問題が胸に刺さる。
目を背けることも、目をつむることも許されないだろう。
私たちは考え続けなければいけない。
日本という国の国民として。

梁山泊で繰り返し行われていた調練。
そして後方部隊の者たちが懸命に確保しようとした兵站。
戦いに勝つために、すべて必要なこと。
逆に、どちらかが欠ければ、勝機を失う。
この本を読みながらそれらのことが頭を過った。
災害だけではない。
問われる日本の防衛力。
何もできなくても、せめて、問題を見据えることだけは忘れないようにしたい。
色々なことを突きつけられた本でした。

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