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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「妖奇庵夜話 顔のない鵺」榎田ユウリ (角川ホラー文庫)



縺れてこんがらがった糸。
絡まった糸を解いて手繰っていけば、
その操り元は事件に関わった者たちを嘲笑うかのような質の悪い悪意。
「お前が欲しい」という青目の執着の方がまっとうに思える。
正直、伊織と青目の間には、彼ら以外の誰かには介在してほしくないなーと思ってたんだよね。
でもやっぱり出てきましたか、「鵺」。
早々に退散してくれないかなー。←おい。
二人にはヒリヒリした緊迫感を背負って一対一で対峙して欲しい。
まぁ、それは私の願望。
ひとり、またひとり。
伊織の身近な者が傷を負っていく。
ねぇ、脇坂。それは誰を思っての言葉だったの?

8月の完結巻のタイトルは『ラストシーン』。
ドキドキします。
そして待ちに待った『機龍警察』の続刊も8月。
わー、私的には小躍りしたくなる新刊が続々。

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「妖奇庵夜話 誰が麒麟を鳴かせるか」榎田ユウリ (角川ホラー文庫)



いっそどちらかを選べたらいいのに。
選んで、そして手を離した一方を躊躇なく切り捨てることができたら、
彼は楽になれるだろう。
できないが故の懊悩。
その姿も萌えどころではあるんだけど、
やはり彼には背筋を伸ばして凛としていてもらいたい。
殺せばいいのに。
殺せたらいいのに。
行きつくところは究極。
だけど、根底に横たわる思いは淋しくてやるせない。
脇坂とひろむ。
とても微笑ましいふたり。
上手くいくといいなー。
読了した瞬間、レビューも後回しで次の巻に手を伸ばしたくなるラストに見悶え。


そう。続きが見悶えしたくなるくらい気になるけど、レビュー書くまで我慢我慢。
スイカの「ちょっと不思議な切り方」が判明したペーパー。
夷のガチな水着姿に爆笑。

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「妖奇庵夜話 花闇の来訪者」榎田ユウリ (角川ホラー文庫)



受け入れることができないにもかかわらず、青目の元に赴く伊織。
受け入れられるとは思っていないながらも、伊織が欲しいと囁く青目。
吐息と衣擦れの音が聞こえてきそうな生々しい堂々巡りに息を呑む。
二人が立っているのは薄氷の上。
割れるのはもはや時間の問題。
その先は……どうなる?
眩暈がしそうなところで終わりかと思ったら、さらなる謎と衝撃が待ち受けていて、
動機が治まらない読後。
意に沿わない劣悪な環境から自力で抜け出す術を持たないどころか、
助けを求める事すらままならない人はどうすればいい?
出口の見えない問いかけはあまりにも重い。


表面上は仲良く見えているんだろうけど、
この人とは会社辞めたら付き合いはそこまでなんだろうなーと思っている人がいて。
(つまり合わない)
だけど、その人のいいな、と思うところは
どんな些細なことでも、何かしてもらったことに対して「ありがとう」と口にするところ。
逆にそこはまねしたくないな、と思うところは
やってあげたことに対して必ず対価を求めること。
とりあえず、いいな、と思うところだけを心に留めておこうと思います。(笑)

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「妖奇庵夜話 グッドナイトベイビー」榎田ユウリ (角川ホラー文庫)



彼はわかっていた。
欲しくて、欲しくて、どうしても欲しくて仕方のないものが、
決して手に入らないことを。
それでも、諦めることなどできないことを。
明るい輪の中に入ることの叶わない孤独な鬼。
否。
輪の中から出てしまった彼が再びその輪の中に入ることなど望みはしないだろう。
なれなかった家族。
故に満たされない渇き。
そして、白であり黒であった彼。
混ざりあってグレーになって。
個として安定するといい。
彼が白であり続けることは、多分、歪なことだから。
それにしても……青目の資金源ってどうなっているんだろう?



作中にかつての自分が読んだ本が出てくると、ちょっと嬉しくなる。




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「妖奇庵夜話 魔女の鳥籠」榎田ユウリ (角川ホラー文庫)



それでも、洗足は青目のために茶を点てる。
そう思っていた終盤。
絶対に踏み越えてはいけない一線を自ら飛び越えた青目。
洗足と細く繋がっていた何かを断ち切ったことは、
承知のうえ……かな。
人の心を操ることができても、
信頼を預けてもらうことはできない。
だから貴方はひとり。
少しずつ明かされる二人の過去。
青目の洗足に対する執着の所以は想像できる。
だからこそ、訣別した理由が気になる。
駄犬もいいとこの甲藤だったけど、なんだか憎めない。
頑張ったね。
事件のあらましに全く言及していないことは気にしない(笑)→

レビューを書いてみるまでもなく、
自分の関心のありどころがよくわかる。
とにかく気になるのは洗足と青目の終着点なのです。

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「妖奇庵夜話 人魚を喰らう者」榎田ユウリ (角川ホラー文庫)



青目が洗足に執着する理由。
そして、手っ取り早い方法なんていくらでもありそうなのに、
何故、周到に根回しをして洗足を絡めとるような
回りくどいことするのか、という動機が知れてなるほど、と。
この二人の行きつく先がどうなるのか。
いろいろ思い描いては、ぞくぞくする。(それを人は妄想と呼ぶ)
不幸せを指折り数える加奈のような生き方にはまったく共感できない。
不幸を招き寄せているのは自分自身の在り様に問題があると思う。
ビシバシ躾られる犬神にはこの先も絡んできて欲しい。
バトルにもならなかった犬神vs管狐・夷。
テンション上がったわ~。

先日、還暦を過ぎた方がショッキングピンクのミニスカスーツを着ていていたという話になり。
「それがすごく似合ってるのよ~」と。
うん。
着たい服を堂々と着ればいい。
とは思うものの。
仕事でご一緒することがよくある社長が、以前は白だのの紫だのスーツを着ていたのが、
無難なポロシャツ&スラックス姿になっていて。
「娘にヤクザみたいだからやめてくれっていわれてさー。俺ホントはああいう格好したいんだけどなぁ」としょんぼりしていたことを思い出しました(笑)



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「妖奇庵夜話 空蝉の少年」榎田ユウリ (角川ホラー文庫)



招かれていないよそ様の家の食卓にスルリと入り込んで
ちゃっかり馴染めるのは、脇坂に「悪意」がないから。
一方、青目が欲する「道連れ」と言う言葉がひっかかる。
寂しさを解消したいなら「家族」とか「恋人」じゃダメなのかな?
そこに透けるのは「悪意」と「執着」。
人を惑わし、食らう性を持つ者。
どうも私は青目の存在が気になるらしい。
一つ屋根の下、血のつながらない他人同士で暮らす伊織たちの織りなす日々が
あたたかくて微笑ましい。
そんな洗足家に加わった猫と猫が苦手な夷の攻防が愉快。
彼らの穏やかな日常が壊れませんように。


犬が苦手な友だちが、諸事情があって妹さんが飼っている犬のお世話をすることになり、
「なんかもう、嫌なんだけど!」と、最初は渋々のおっかなびっくり。
でも律儀にお世話をしてくれるから、
犬的には「ご飯をくれる人」→「大好き!!」なアプローチ。
そんな日々を送った結果……「なんかだんだん可愛くなってきちゃった」と、結果オーライな顛末(笑)

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「妖奇庵夜話 その探偵、人にあらず」榎田ユウリ (角川ホラー文庫)



問題なのは種の「属性」ではなくその者が持つ「性質」。
狂気を増幅させる意図的な悪意は本当に質が悪い。
本人がそれを自覚して楽しんでいるから尚更。
そして、蝙蝠的な人間が間に介在することで
気づかぬうちに増幅する相手に対する不信感。
無意味と知りつつ、「たられば」を考えて唸ってしまう。
巻き込まれ、奪われた命がやるせない。
お馬鹿さんでも空気読めなくても、
確かに慣れてくると癒しになる(気がする)脇坂。
最初の印象よりよっぽど人間味のある内面を抱えた伊織。
そして暗闇の中で生きる種族の青目。
彼らのこれからの在り様が楽しみ。

かつて「河童」を検索して「フランシスコ・ザビエル」がヒットしてきたときの笑撃。
今検索かけてみたらそんなことにはならなかった。
どんな検索の仕方をしたのかしら?
期待通りおもしろかったシリーズ第一作。




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「タワーリング」福田和代 (新潮文庫)



ビルジャックを巡る物語。
リアリティを追及すると、ん?となる部分もあるけど、
エンタメとしては十分楽しめる作品。
「小説家とは嘘をつく生き物」と後書きにあるけれども、
その嘘を生み出すために蓄積された著者の知識量は膨大だと思う。
だから説得力があり、わくわくする。
念入りな準備を施した後に狙うは短期決戦。
だけど、そこに行きつくまでには、長い間に渡って培われてきたそれぞれの想いがある。
私的に一番のうっそー!は、勝手に大活躍すると思っていた人が、
ただの縛られ要員だったこと。
残念だ。←何が?(笑)


六本木ヒルズ、行ったなー。
変な突起に躓いて転びそうになったなー。
踏みとどまった私が胸をなでおろした後に、
若いお嬢さんがその突起にひっかっかって盛大に転んでたなー。
……あの突起、何だったんだろう?
謎。

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「上陸」五條瑛 (講談社文庫)



訳ありの男三人がアパートの一部屋に身を寄せ合い、
日雇い仕事でのその日暮らし。
絶えない喧嘩もコミュニケーションの一環。
そこに悪意が感じられない言い合いは、いっそ小気味よい。
「趣味の悪いボンタン」と言われ「悔しかったら着てみろ」と言い返せる安二の
愛すべき馬鹿さ加減。
自分の生活が崩壊するとわかっていても、罪を看過することのできなかったアキム。
常にクールで頼れる兄貴だった金満。
後ろ暗い秘密を持つ彼らは、いずれその暮らしが終焉を迎える日が来ることをわかっていた。
それでも計り知れない喪失は否めない。
だからこそ、どんな形であれ、再び彼らが繋がることができたのは奇跡。

金髪にピンクの作業服、青い腹巻、赤のタオルの安二。
いや、もうどんなセンス?(笑)
以前、金髪ロン毛見た目強面の現場仕事のお兄ちゃんが
間違いなくその長い金髪のせいで
「うさぎちゃんだ!ねぇ、うさぎちゃんやって!」と小さな子供にねだられ
困り果ててツインテールのまねごとをしてあげていた時は
笑っていいやらお気の毒やらだったことを思い出してみました。


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