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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「ルバイヤート」オマム・ハイヤーム(岩波文庫)



「有限」であることが怖くて、いつかいなくなる自分がここにいる意味をどうにか見つけたくて。
ぐるぐる惑っていた時期に読んだ詩集。
二十歳くらいかな?
1000年も前の偉大なる詩人も同じようなぐるぐる感を抱えていたんだなーと、
とてもとても共感を覚えることができた詩集。
結局、惑うところはみんな同じ。
「何故生きるの?」そんな問いに正解はない。
大切なのは自分が納得できるように生きられるかどうか。
自分が生きていること自体に意味がある。
当時読んだ色々な本から教えられたこと。
そう思えた瞬間、楽に息ができるようになった気がしました。
だから、私にとってとても大切な詩集。

当時はよくわからなかったけど、今読んでみると、
だんだんと酒に傾倒していくのが、まるで、死に近づいていく現実から
逃避しているかのように受け止められるのがなんだか切ない。
この世の真相?死後の世界?
わかるわけねーよ!
あっちから戻ってきたヤツなんていないんだから。
という、作者に同意(笑)
「酒を飲め こう悲しみの多い人生は
眠るか酔うかしてすごしたがよかろう!」
うん。
お酒はできれば楽しく飲んで幸せに眠りたいです。




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「長いお別れ」レイモンド・チャンドラー(



時に冗長に、時に退屈に進行する物語。
だけど、片時も目を離せない。
気付けば、引きずり込まれるように頁を捲りつづける自分がいる。
特別に飾り立てられることはなく、ただ淡々と綴られる彼らの日常。
交差する想い。
少しずつ肉迫していく真実。
そして、ラストにはあまりにもドラマティックな展開が待っていた。
ちょっと震えました。私。
亡くなった友だちのためにコーヒーを淹れるシーンがとても好き。
あんなふうに誰かを偲びたいし、偲ばれたい。
「さよなら」
作中の人物達が何度も何度の口にする言葉。
また会える「さよなら」
二度と会えない「さよなら」
彼らの交わす最後の「さよなら」がとても切なく響いた。

何がびっくりって、再読にも係わらず、
話の展開を全く覚えていなかった自分にびっくり。
でも、おかげでとても楽しく読めました。
初読が1992年って……いくつだ?(笑)
これ、ある程度人生を経験しないと楽しめない物語なのかも、と、
今の私はしみじみと思います。
1992年の私の感想は唸ってました。(笑)
改めて読めて本当に良かった。

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「肩胛骨は翼のなごり」デイヴィッド・アーモンド(創元推理文庫)



どうか、彼女の鼓動が止まってしまいませんように。
どうか、彼の翼が美しく広がりますように。
子供の体温を、そのぬくもりを知っているからこそ。
そして、妹を愛おしく思う兄の気持ちが伝わってくるからこそ。
どうしようもなく胸が締め付けられる。
必死で生きようとする存在がある一方で、
ただそこに「在る」だけの彼の姿にやるせなくなる。
彼に翼を与えることができたのは、子供たちの純真でひたむきな想いがあったから。
だから彼は、彼女の枕辺に立った。
祝福を与えるかの如く。
込み上げる涙の意味を考えることに意味はない。
透明な想いに心が震える。そんな物語。

この邦題が秀逸すぎて、何度も何度も反芻しました。
反芻すればするほど泣きたくなるのは、
彼らが私がどこかに置き捨ててきてしまったものを、
綺麗なままで抱えているから?
とてお素敵な物語。
「この子を、愛して、愛して、愛してあげる」
そう言うキミも、愛されるべき存在。
リウマチの症状をなんとかやわらげてあげようと、懸命であったキミ。
優しい想いに包まれて、
読了直後の私は、これを打っているだけで涙ぐんでしまいます。

内容(「BOOK」データベースより)

引っ越してきたばかりの家。古びたガレージの暗い陰で、ぼくは彼をみつけた。ほこりまみれでやせおとろえ、髪や肩にはアオバエの死骸が散らばっている。アスピリンやテイクアウトの中華料理、虫の死骸を食べ、ブラウンエールを飲む。誰も知らない不可思議な存在。彼はいったい何?命の不思議と生の喜びに満ちた、素晴らしい物語。カーネギー賞、ウィットブレッド賞受賞の傑作。

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不在の痕~ヘル オア ハイウォーター2~S・E・ジェイクス (モノクローム・ロマンス文庫)



気軽く背負うには、余りにも重すぎる二人の過去。
傍にいない方が安全だ。
そんな判断から一度はプロフェットの元を離れたトム。
同じ懸念を抱いていたプロフェットは、
もう二度と、トムの手の届かない所へ足を踏み入れかけていた。
ギリギリで、間に合ったのだ。
離れ離れだった二人のあまりにも劇的な再会に安堵すると同時に、
その抱擁の激しさに、互いにどれだけ渇えていたのかを思い知らされる。
ハリケーンが直撃した町で殺人事件に巻き込まれた二人。
ろくでもない事件の中で、次第に気持ちを寄り添わせていく二人の距離感がとてもいい。
ラストの占い師の言葉にうっかり涙ぐみそうになってしまった。

この表紙、本当に綺麗で大好き!
「畜生、こんなにおまえのそばにいたいなんて、いい加減どうかしてる」
「そのセリフ、そのまま返してやるよ」
傭兵稼業をこなす、戦える男たちのこんな台詞がとても好き。
ワニを捕獲するにはどうすればいいのか。
頭では理解してみました。←実地は絶対無理!
続編、絶対あるよね。




内容(「BOOK」データベースより)

民間傭兵派遣会社EEの仲間たちの前から完全に姿を消したプロフェットは、地の果ての砂漠で核物理学者の娘の保護をしていた。もうEEに戻ることはない―そんな彼を引き戻したのは、新たなパートナーを選びながらもしつこく送り続けてくるトムからのメールだった。ハリケーンの中、ルイジアナのトムの叔母の家で再会した二人は、その直後、地元の殺人事件に巻き込まれる。被害者はマイルズ―トムとかつての恋人・エティエンヌの少年時代を地獄にした男だった。そしてプロフェットの携帯にエティエンヌからの呼び出しが―。湿地帯の中に封印された秘密が、次々と暴かれてゆく―人気シリーズ第二弾。

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「耳ラッパ~幻の聖杯物語」レオノーラ・キャリントン(工作舎)



おばあちゃんっ子だった私は、読み始めた直後は家族のマリアンに対する仕打ちに
憤っていました。
92歳の彼女が追いやられたのは老人ホーム。
読み進めるうちに、思いやりのない家族と意思の疎通のない生活をつづけるよりは、
同じような境遇の仲間と暮らす方がよっぽど楽しいのじゃないかと思いは変わります。
経営者の理不尽には納得がいかないものの、
彼女の暮らしぶりはそこで落ち着くかと思いきや。
彼女が手にした不思議な本と、ホームで起こった事件を契機に
私の想像力なんて及ばないところへ吹っ飛んだ、奇想天外な世界に物語は広がり、
最後はワクワクしながら頁を閉じました。

今まで読んだことのない類の本。面白かった!
老婦人たちがとてもお洒落。
そしてカルメラのマリアンに対する友情がとても素敵。
カルメラはこの物語の影の功労者だと思います。



内容(「BOOK」データベースより)

老女マリアンが友人から贈られた奇妙な耳らっぱを手に、老人ホームで痛快な冒険を繰り広げる。92歳のアリスの大冒険。

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「グレート・ギャツビー」フィッツジェラルド(中央公論新社)



読後に胸の中に広がる感情を言葉に表すなら「寂しい」の一言。
それが、身を切られるような寂しさではなく、
どこかにあたたみの感じられる寂しさである所以は、
語り手であるニックの目縁が、最後までギャツビーに寄り添い、
どこまでも優しかったから。
デイジーに想いを馳せつづけたギャツビー。
ありとあらゆるものを手にしていたかのように見えた彼の掌を、
唯一、すり抜けていったかつての恋の象徴。
象徴が実態を持って手の届くところに現れた時、降りかかる悲劇。
何もかもが虚飾にすぎなかったかのような人生。
だが、彼は孤りではなかった。ニックという友が、傍にいたのだから。

自分の浮気を棚に上げ、妻のかつての恋の再燃を詰るトムは最低だと思う。
デイジーを詰る資格は彼にだけは絶対にありえない。
そもそもの悲劇の一因はトムにあるのだから。
トムの言い分もしでかしたことも身勝手すぎて、個人的には許せない。
というわけで、彼に神の鉄槌が下ればいいと、大人げなく思うのでありました。
村上氏の訳は素晴らしかった。
かつて読んだ他の訳者の「グレート・ギャッツビー」とはまた違った物語を堪能させてもらいました。




内容(「BOOK」データベースより)

村上春樹が人生で巡り会った、最も大切な小説を、あなたに。新しい翻訳で二十一世紀に鮮やかに甦る、哀しくも美しい、ひと夏の物語―。読書家として夢中になり、小説家として目標のひとつとしてきたフィッツジェラルドの傑作に、翻訳家として挑む、構想二十年、満を持しての訳業。

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「弟の戦争」ロバート・ウェストール(徳間書店)



ジワジワと胸に迫ってくる想いが痛くて、哀しくて。
だけど、それだけではない何かが込み上げてきて、気付けば涙が溢れていました。
「良い戦争なんてない」
身につまされる言葉。
それぞれの国にはそれぞれの正義がある。
何より、どんな正義があったって、
そこに暮らす一般の人々の生活は誰かが勝手に踏み躙る権利は誰にもない。
イギリスという国にありながら、予想もしなかった方面から、
湾岸戦争の影響を被った家族がいる。
これは、そんな彼らの物語。
感受性の豊かなフィギスの身に起こった、とても不思議な出来事。
たくさんの人に手に取ってもらいたい良書。

ウェストール二作目。
この作者の語る物語は、児童文学の息に留まらない、訴えかける何かがある。
最後の一文を反芻しては、胸が疼く。
子供達の辿った運命が、とてもいたたまれない。
だけど、それが戦争。
目を背けることのできない真実。
著者の他の本も追いかけてみようと思います。



内容(「BOOK」データベースより)

ぼくの弟フィギスは、心の優しい子だった。弱っている動物や飢えた難民の子どもの写真なんか見ると、まるでとりつかれたみたいになって、「たすけてやってよ」って言う。人の気持ちを読みとる不思議な力も持っている。そんな弟が、ある時奇妙な言葉をしゃべりだし、「自分はイラク軍の少年兵だ」と言い始めた。フィギスは12歳。1990年、湾岸戦争が始まった夏のことだった…。弟思いの15歳の兄が、弟を襲った不思議な事件を語る、迫力ある物語。イギリスで子どもの読者が選ぶ賞を複数受賞、ヨーロッパ各国でも話題を呼んだ作品。シェフィールド児童文学賞受賞、ランカシャー州児童書賞第1位、イギリス児童書連盟賞部門賞受賞、カーネギー賞特別推薦、ウィットブレッド賞推薦。小学校中・高学年~。

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「流刑の街」チャック・ホーガン(ヴィレッジブックス)



義勇軍を気取った退役軍人の彼らは、
この世界とどうにか折り合いをつけて、
楽しく真っ当に生きようとしただけなのに。
知らぬ間にはまり込んでいた泥沼。
後戻りできない道。
生き残った者も心に深い傷を負い、
その傷を抱えたまま、歩き続ける。
裏切った者は裏切られる。
彼が最も軽んじたであろう者に。
冒頭から鷲掴まれた物語の中に、ガッツリ引きずり込まれた。
そして、めまぐるしく展開していく物語をドキドキしながら追い続けた。
彼を最後まで突き動かした想いが哀しい。
この結末でメイヴンは救われたのか?
願わくは、彼の瞳に再び光の宿らんことを。

「明日の男理論」これはとても素晴らしかった。
「昨日の男」にしてほしかったことを、「明日の男」のために実行しろ。
「男」を「自分」に置き換えて、この部分を何度か反芻しました。

【ここからネタバレ】
諸悪の根源は男であって、言葉には罪はない。
それでも、弁舌巧みな男の言葉に拍手喝采を送りたくなった自分を、
後で罵りたくなるわけなのです。
ホント、イイこと言ってるだけに……ね。
こうやって人心を掌握していくんだわーと思うと、なんだかやるせない。



内容(「BOOK」データベースより)

ボストンの駐車場で夜間警備員として働く、若きイラク帰還兵メイヴン。ある晩、強盗に襲われた彼は、反撃のすえ相手を殺しかけてしまう。その翌日、メイヴンは一人の美しい女からある人物に連絡するよう伝言を受ける。メイヴンを待っていたのは元軍人だという謎めいた男ロイス。彼はメイヴンに自分のチームで働かないかと言ってきた。除隊後鬱屈した日々を送るメイヴンのような男たちを集め、麻薬組織を襲撃して街を浄化すること―それがロイスの“仕事”だった。戦場を思い起こさせる仲間たちとの絆と多額の報酬、すべては完璧に思えた。ある日歯車が狂いだし、街に血が流れ始めるまでは…。

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「機関銃要塞の少年たち」





友だちと遊び、喧嘩をし、親に内緒で秘密基地をつくりあげる。
どこにでもある、子供たちの日常。
違うのは、ある日突然、近隣の家がまるごとなくなってしまう恐怖と
隣り合わせの日常だということ。
そして、彼らの秘密基地には武器があったこと。
戦時下の生活の中での、子供故の純粋さと、無自覚な残酷さ。
戦争コレクションの延長で拾った機関銃。
「機関銃要塞」はそこに敵兵を受け入れることで完成する。
敵兵ルーディと子供たちの交流には、気持ちがあたたかくなった。
そして迎える、少し早い少年期の終わり。
二度と会うことはないかもしれない仲間たち。
だけど、共に過ごした時間は決して忘れないだろう。


子供は身勝手に大人を詰るけれども。
大人にならないとわからない苦労がある。
息子が行方不明だと告げられても、自らの任務を放棄しなかったマッギルの姿が、
とても印象的でした。
【ガーディアン必読 42/1000冊】

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「LAコンフィデンシャル 下」ジェイムズ・エルロイ(文春文庫)




貫いた正義。
故に失くした大切なもの。
憎悪を越える正義。故に生れた連帯感。
どんな名声を与えられようとも。
どんな泥にまみれようとも。
結局彼らは警察官でしかなかった。
そして、彼らをもってしても、裁ききれなかった害悪。
あと少しで安寧を手に入れられたはずの男。
満身創痍で表舞台から去らざるを得なかった男。
残った男は彼に対して正義を誓う。
その瞬間が、とてもやるせない。
読後に残るのは、前作と同じく悲哀。
湖畔の家でのリンとエドの情交もひどく切なかった。
過去から現在へ。
点在する事象がすべて繋がっていく後半は圧巻でした。

そして物語は『ホワイト・ジャズ』へ。
暗黒四部作の最終作。
以下、若干ネタバレ??いや、心構え??
『ホワイト・ジャズ』を読まなければ、物語は真のカーテンコールを迎えることはないようです。
『LAコンフィデンシャル』ですべての片が付くと思っていると、
ラストで「ちょっと待って!」と絶叫したくなります。私はもやもやしました。
【ガーディアン必読 41/1000冊】




内容(「BOOK」データベースより)

事件その1、“血塗られたクリスマス”。署内のパーティで酔った刑事たちが勾留中の容疑者に集団暴行!事件その2、コーヒー・ショップ“ナイト・アウル”で虐殺事件発生!事件その3、複数の余罪を暗示する、あまりにもどぎつい変態ポルノ写真の犯濫!事件1、2で明暗をわけた三人は、それぞれのやり方で悪の中枢へと近づいてゆく。

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